外壁塗装の足場はなぜ必要?
外壁塗装に足場を設置する必要性は「業者の安全確保」「丁寧な仕上がりと作業効率」「近隣への配慮」の3つです。危険かつ手間のかかる外壁塗装には足場が必要不可欠です。足場を組まなかったり、足場無料をうたったりしている業者への依頼は避けましょう。
足場の延長料金はかかる?
足場の費用は工期の長さにかかわらず一律です。足場の費用のほとんどを占めるのは「運搬・組立・解体」です。リース期間が長引いても運搬や組み立て、解体の工程が増えるわけではないため、費用に計上されないのです。



外壁塗装に足場を設置する必要性は「業者の安全確保」「丁寧な仕上がりと作業効率」「近隣への配慮」の3つです。危険かつ手間のかかる外壁塗装には足場が必要不可欠です。足場を組まなかったり、足場無料をうたったりしている業者への依頼は避けましょう。
足場の費用は工期の長さにかかわらず一律です。足場の費用のほとんどを占めるのは「運搬・組立・解体」です。リース期間が長引いても運搬や組み立て、解体の工程が増えるわけではないため、費用に計上されないのです。
家の外壁・屋根の塗装などを依頼すると、見積もりのなかに「足場」の項目が見られます。足場の単価や費用相場はどのくらいかかるのか気になるところですよね。
少し分かりづらい足場費用について、単価や計算の仕方、依頼する前に知っておくべき注意点などを解説します。
この工事費用はいくら?

外壁塗装やリフォームを行うときに足場を組むのは、ほとんどの場合「足場専門」の業者です。
単価は業者によって多少のばらつきがありますが、一般的に1㎡あたり600円~1,000円ほどです。2階建て30坪の住宅を想定すると、費用は16~22万円前後になります。3階建てであれば3万円ほど加算されるため19〜25万円が目安です。壁面積が大きくなり高さも出るため、足場をしっかり組む必要があるのです。
外壁塗装の足場費用がどのくらいかかるかは、以下の方法で自分で計算することが可能です。
| 足場費用の算出方法 |
| (足場足場の外周+8m)×高さ×平米単価 |
外周に8mを足すのを忘れないようにしましょう。足場は外壁から少し離れた部分に設置します。そのため外壁から足場までの長さを加える必要があるのです。
たとえば外周20m、2階建ての家に足場を設置する場合、平米単価を1,000円と仮定すると以下のような計算になります。このように、少なくとも15万円以上の費用がかかることが一般的です。
| 外周20m、2階建ての家の足場費用 |
| (外周20m+8m)×高さ6m×平米単価1,000円=168,000円 |
ちなみに、一般的な家の高さは、1階建て(平屋)=3.5m、2階建て=6m、3階建て=8.5mです。
上記の方法で算出した費用はあくまでも目安です。詳細な金額は業者によって異なるため、見積もりをとってもらうことをオススメします。
足場費用は家の大きさで上下します。以下の表で坪数ごとの足場費用の目安をチェックしてみましょう。
| 25〜30坪 | 15〜20万円 |
| 30〜35坪 | 18〜23万円 |
| 35〜40坪 | 20〜25万円 |
| 40〜50坪 | 23〜36万円 |
| 50〜60坪 | 35〜44万円 |
1平米あたり600〜1,000円の足場費用に加えて、飛散防止ネットの費用として1㎡あたり200〜500円ほどが加算されます。
その他、最上階の手すりや階段の設置の多さ、傾斜地などによって費用が加算されることもあります。
この工事費用はいくら?

足場が無料の業者には要注意です。足場が無料になることはまずありえません。安いからといってすぐに飛びつかないようにしましょう。
足場費用は塗装費用全体の20%も占めています。この事実を踏まえると、足場費用が無料になれば業者は赤字必至です。
足場代無料をうたう業者は、別の費用欄にひっそりと足場費用の料金が上乗せしているケースが多いです。「足場代が無料」という甘い言葉だけに惑わされず、トータルの費用や見積書の費用項目をくまなくチェックしましょう。
また足場費用が相場より低すぎる場合にも注意が必要です。コストを下げるということは、その分たくさんの依頼数をこなしている業者である可能性があります。
本来は組み立てに1日、解体に半日はかかる足場工事を1日に何件も詰め込んで作業していると、それだけミスやトラブルが起きやすくなります。
相場の費用と大きく離れた見積もりを提示する業者との契約は避けた方が安全です。
この工事費用はいくら?

足場費用は家の大きさで変わります。足場代が相場よりも高くなりやすいケースは以下の4つです。
工事期間の延長で足場代が高くなることはありません。費用が加算されると思われがちですが、延長料金は加算されないため安心してください。
3階建て以上の家で足場を組むとなると、足場費用は1㎡あたり200〜300円ほど高くなるのが一般的です。
2階建てのときと比べて高さが出るため、より安全な足場を作る必要があります。パイプを強固に組むための資材や手間が足場費用に上乗せされるのです。
3階建て以上に住んでいる方は、足場費用が19〜25万円ほどになることを念頭に置いておくとよいでしょう。
以下のような立地に建物が立っている場合、足場費用が5,000〜数万円ほど高くなる可能性があります。
上記の立地条件に当てはまる家は、足場資材の運搬や組み立てが難しい上に時間や手間がかかります。そのため人件費として足場費用に加算されるケースがほとんどです。
一部の敷地が狭い場合、資材搬入や組み立てに多くの時間を要する場合があります。
また高所に建っている家は、安定した足場を建てるのが困難です。崖下まで足場を伸ばして建てる必要があるため、足場面積が増加するに従って費用が上乗せされます。
屋根の塗装や工事は、屋根の傾斜があるかどうかで費用相場が変わってきます。屋根の傾斜が急な家の場合、屋根足場の費用が加算される可能性があります。
屋根足場の単価は、1㎡あたり900〜1,000円が一般的です。特に5〜6寸勾配以上の傾斜が屋根にある場合、屋根足場が費用に上乗せされます。屋根の勾配は数字が大きいほど急傾斜を表します。
屋根足場は業者が安全に作業するために必須です。勾配がある屋根の家に住んでいる方は、その分の費用が上乗せされる可能性を念頭においておきましょう。
足場を建てる際の道路の状況も足場費用を左右します。以下の2つのケースが当てはまります。
大通りに面している家などは、以下のように道路使用許可の費用がかかる可能性が考えられます。
| 道路使用許可にかかる費用 |
|
足場の組立・解体時に使用するトラックは、敷地内や家の前に路上駐車されることが多いです。しかしやむなく駐車禁止の場所や交通量の多い大通りに駐車せざるをえない場合、許可の申請手数料や誘導員の人件費がかかります。
また敷地を目一杯使って家を建てている方は、道路占用許可がかかることがあります。
| 道路占用許可にかかる費用 |
|
足場は敷地内に収まるように建てられるのが一般的です。しかし足場が公道にはみ出てしまう場合、占有料や許可の申請手数料がかかることがあります。具体的な占有料は市区町村によって異なるため、事前に調べておくことを推奨します。
複数の工事や追加工事の影響で工期が延長する場合、足場代の変動はないのが一般的です。
足場費用は運搬や組立、解体にかかる人件費で構成されています。いったん足場が組み立てられると、工事現場で何度も使用することができます。そのため追加の人件費がかかることはありません。
工事の日数が延びても、足場代が追加でかかることはないので安心ですね。
この工事費用はいくら?

足場における注意点は以下の4つです。
一面のみ足場の設置は安く済みますが、塗装の仕上がりが下がる可能性があります。
外壁全部ではなく一面だけを塗装したい場合、外壁の一面のみに足場を設置することも可能です。全面に足場を設置するのと比較して、一面だけなら5~10万円に抑えることもできます。
しかし足場が不安定になるため、仕上がりが悪くなる恐れがあります。せっかくお金をかけるのであれば、しっかりと三面以上の足場をかけて塗装やリフォームを行うのがオススメです。
足場と塗装工事を別々で頼むのは避けましょう。
「足場は自分で足場業者に組み立ててもらい、工事は別でリフォーム業者に依頼する」「足場だけ地元の安い業者に依頼し、塗装はハウスメーカーに依頼する」
上記のように依頼すると、事故などがあった場合に責任トラブルが発生したり、職人が作業しにくい足場が設置されたりする可能性があります。
外壁塗装の業者は提携している足場業者に足場を組んでもらうのが一般的です。事故や不備、工事中の急な内容変更にも迅速に対応することができます。
しかし直接契約していない足場業者だと、連携がなっていないためトラブルが起こりやすくなります。また職人の要望に合わせた足場になっていないため、スムーズに塗装工事を進めることも難しいです。
足場から塗装工事まで安心して任せられる業者に依頼することが大切です。
足場費用を安くうたっている業者は、まず足場の種類について確認します。単管足場を採用している業者であれば、依頼するのは避けるべきです。
単管足場には安全に作業を行うための床がありません。不安定な状態のままで塗装を行うため、仕上がりに影響が出るほか危険も高いです。
必ず足場がくさび式(ビケ)足場を採用している業者に依頼しましょう。
足場の設置や解体では、車を傷つけたり外壁を損壊したりするトラブルがつきものです。
もしも工事の過程でそういった損壊が起きた場合、補償が出るのかどうかをしっかり確認しておきましょう。
足場業者が「瑕疵保険(かしほけん)に加入しているかどうか」「保険の適用範囲はどこまで含まれるのか」を確認しておくことで、もしもの時のトラブルを避けることが可能です。
この工事費用はいくら?

外壁塗装の足場は以下の3つの理由から必須です。
日本の労働安全衛生法では、2m以上の高所で作業をする際、足場の設置が義務づけられています。
外壁や屋根を塗装するなどのリフォームでは、業者は高所での作業が中心です。もし法がなかったとしても、足場が設置されていることは業者にとって命綱のような役割を果たします。
「塗装するだけなら、簡単な土台や脚立でも作業できるのでは」と思う方も多いのではないでしょうか。しかし良い塗装をしてもらいたいなら、足場を組むことは必須です。
脚立で作業すると、道具を取るたびに昇り降りすることになります。外壁塗装や屋根の修理にはペンキやハケ、ローラーなどたくさんの道具が必要です。また施工箇所が広範囲の場合、脚立を移動させながらの作業になってしまいます。
足場の上に必要な道具を置いて作業すれば、昇り降りする必要がなくなります。業者の作業効率が上がるため、工期を短縮させることが可能です。
また不安定な場所で作業を行うよりも、しっかりとした足元で作業する方が塗装の仕上がりは優れます。
せっかく高額の費用を出して外壁塗装をするなら、足場代をケチらず完璧な仕上がりにしましょう。
足場を組むことで、飛散防止ネットを張ることが可能です。飛散防止ネットとは、近隣の建物へ塗料が飛散するのを防ぐ役割を果たします。
塗装工事中には粉塵や塗料、水などの飛散がつきものです。家の敷地内にある車や庭などはもちろん、近くに停まっている他人の車や近隣の住宅などに飛散させてしまってはトラブルになりかねません。
足場が隣人の敷地にはみ出してしまう場合、一般的には借地料を支払う必要はありません。家のメンテナンスは数十年に一度は必要な工事です。逆にいつか、隣人の方が足場の設置スペースを貸してほしいということがあるかもしれません。
ただし一定の期間迷惑をかけてしまうのは事実。足場を設置する日時・期間を伝えるなどの配慮は必要です。
無許可で隣家の敷地を拝借してトラブルになるのは絶対に避けましょう。
この工事費用はいくら?

業者の中には、法律違反の単管(パイプ)足場を組み立てて作業を行うところもあります。そのため業者に依頼する前には、どの種類の足場を採用しているか確認することが大切です。
足場には以下の3種類があります。

「ビケ足場」「くさび式足場」と呼ばれていますが、正式には「くさび緊結式足場」といいます。大量の資材を必要とし、資格を持った専門業者でなければ組むことはできません。
支柱や手すり材を自由に組み合わせ、複雑な形状や傾斜地、狭い場所にも対応できます。一般住宅で一番使われている足場タイプです。
| メリット |
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| デメリット |
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「単管」とは鉄パイプを指します。直径48.6mmの鉄パイプをクランプというつなぎ止め金具と組み合わせて作る仮設足場です。昔から使われている足場の方法で、鉄パイプ以前は木の丸太を、クランプの代わりに紐を用いて作られていました。
職人が足を乗せるスペースは、たった2本のパイプのみ。そのため危険性が高いものの、くさび式足場を設置できないような狭いスペースで使用されることがあります。
| メリット |
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| デメリット |
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単管ブラケット足場は、単管足場に「ブラケット」という金具で板を固定したものです。板に足を乗せることができるため、単管に比べると作業がしやすい足場です。
ボルトで部材をしっかり締めるため強度が高く、強風にも耐えうる安全性も備えています。幅が狭いスペースでも設置が可能です。
足場の高さや躯体の間隔を細かく調整できます。しかし組み方が未熟だと、揺れやすいなどの欠点もあります。
| メリット |
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| デメリット |
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この工事費用はいくら?
外壁塗装や屋根のリフォームなどで、必ず必要になる「足場」の設置。足場費用が占める割合は確かに高いですが、良い仕上がりや安全な工事、塗料の飛散を防いだりするために役立ちます。
また、足場を設置する目的はより良い家づくりのためということを忘れてはいけません。足場費用を削りたいという1点だけにとらわれて、仕上がりが微妙だったり、悪質な業者をつかんでしまったりでは本末転倒。数社からトータルでの見積もりをもらって、比較してみましょう。
ミツモアでは豊富な経験と知識を持ったプロに外壁塗装の見積もりの依頼ができます。まずはプロに相談をしてみてはいかがでしょうか?
