外壁の劣化が気になってくるタイミングで、壁を触ってみると白い粉が付くことがあります。これは「チョーキング現象」という劣化症状なので、再塗装などのメンテナンスが必要です。
この記事では、チョーキング現象の調べ方、原因、補修方法などをまとめて紹介していきます。
チョーキング現象が起きる原因は何か?
チョーキング現象が起きる主な原因は、紫外線と雨風によるダメージです。塗装から1~2年でチョーキング現象が起きる場合は、施工不良が原因かもしれません。
チョーキング現象が起きたときにすべき対応は?
外壁塗装で補修をしましょう。使用する塗料によって値段は大きく異なりますが、補修相場はおおよそ100万円前後です。
チョーキング(白亜化)現象とは?
チョーキング(白亜化)現象とは何でしょうか。自宅の外壁にチョーキング現象が起きているかどうか確かめる方法も紹介します。
手で触ると白い粉が付着するのが「チョーキング現象」
チョーキング現象とは、外壁や屋根などの塗装表面から粉が吹くことをいい、手で触ると粉が付着します。別名は「白亜化現象」です。
塗膜表面の樹脂が劣化し、チョークのような粉状になって現れるのです。塗装の機能も失っていくので、見た目だけでなく防水性や耐久性が下がってしまいます。
チョーキング現象が起きたら、再塗装などで補修する時期の目安だと思いましょう。
チョーキング現象の確かめ方
チョーキング現象が起こっているかどうか、セルフチェックしてみましょう。やり方は簡単です。
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一番分かりやすいのは、手で触れてみて粉がつくかどうかを確認すること。
もう1つの方法は、外壁を濡らすことです。チョーキングなどの劣化が起きているときには、防水効果が弱まっているため、水分を吸収して変色します。
またチョーキング現象をチェックするのと同時に、色あせやひび割れも確認して、メンテナンスが必要な箇所を洗い出しましょう。
劣化状況を確かめる際には、最上階や南向き、西向きの面など傷みやすい箇所をチェックしましょう。家の一部だけ確認しても、そこが日当たりの悪いポイントだとすればあまり意味がありません。
チョーキング現象が起きにくい種類
チョーキング現象が起きにくい外壁材や塗料も存在します。例えば以下のような種類が挙げられます。
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チョーキング現象が起きていなくても、時間の経過とともにどの外壁も劣化します。
「コーキングにひびが入っているけど、チョーキング現象はないからメンテンナンスはしなくていいや」と考えるのは危険です。
チョーキング現象が起こる原因
チョーキング現象はなぜ起こるのでしょうか。原因を詳しく紹介します。
おもな劣化原因は紫外線・雨風
チョーキング現象のおもな原因は、紫外線や雨風などのダメージのです。
塗料には、色をつけるための「顔料」、塗膜を作り保護するための「樹脂」、シンナーや水などの「溶剤」が含まれています。
長期間にわたって紫外線や雨風にさらされることで、塗膜の樹脂が分解され、顔料が分離することでチョーキング現象が発生します。
顔料はもともと粉状で水や油に溶けにくいため、液状にはならず粉になって浮上するのです。
ちなみに顔料が含まれない「クリヤー塗料」で塗装したときには、チョーキングは起こりません。
施工不良が原因の場合も
チョーキング現象は、施工不良によって生じている場合もあります。工程ごとの施工不良が起こりやすいポイントは以下の通りです。
高圧洗浄 |
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下地処理 |
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下塗り |
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中塗り・上塗り |
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他にも「地域の気候に合った塗料を選んでいるか」「建材や日当たりを考慮した塗料を使用したか」などがポイントとして挙げられます。
耐用年数が最も短いアクリル系塗料でも寿命は5~8年程度ありますが、施工不良の場合は1~2年でチョーキング現象が起きてしまいます。
地域環境により劣化が早まることも
塗料にはメーカーが示している「耐用年数」があります。塗装の寿命を考える目安にはなりますが、実際には気候の条件などによって劣化が早まることがあります。
例えば、海が近い沿岸部の地域などでは、潮風による塩害が考えられます。また、冬の寒さが厳しい東北や北海道では、雨以外にも、雪や霜などが塗膜に影響を与えるのです。
チョーキング現象などの劣化をなるべく長く防ぐためには、それぞれの地域や立地条件に合った塗料を使うことが大切です。
チョーキング現象を放置したらどうなる?
チョーキング現象を放置したらどうなるのでしょうか。放置するリスクについて解説します。
ひび割れやカビの発生につながる
チョーキング現象を放置すると、外壁にひびが入ったり、カビやコケが発生したりします。
チョーキング現象が起きている外壁は塗膜が分解されており、防水の機能を果たしていません。そのため壁材が不要な水分や湿気を吸収してしまうのです。
水分を含んだことで、気温の変化による膨張・収縮を繰り返し、ひび割れやカビ・コケの発生につながります。
放置せず早めに補修しよう
チョーキング現象が起きたら、放置せず早めに補修しましょう。すぐに塗装の目途が立たなくても、半年以内には補修したいところです。
数年放置することで、さらに深刻な劣化症状につながりやすいのは事実です。しかし優良な業者であれば、飛び込み営業で「すぐに直す必要がある」と急かすことはありません。悪徳業者に注意しましょう。
チョーキング現象の補修方法と費用
チョーキング現象や剥がれなど、塗膜に劣化症状がみられたときには塗装メンテナンスで補修しましょう。ブラシでこすったり、水で流したりしても解決するものではありません。
補修の流れや費用について紹介します。
補修の流れ
補修作業の基本的な流れは以下の通りです。
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高圧洗浄や下地処理は、外壁の汚れを落とし塗料の密着性を高める役割があります。塗装は「下塗り」「中塗り」「上塗り」の3回に分けて塗っていくのが基本です。
塗料によって費用は異なる
使用する塗料によって補修費用は大きく異なります。外壁塗装に使われることが多い塗料は以下の4つです。参考価格として、工事費全てを含めた30坪の補修費用も紹介します。
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アクリル系
特徴 |
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耐用年数 | 5~8年 |
費用相場(㎡) | 1,000~1,800円/㎡ |
30坪の費用 | 約60万円 |
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ウレタン系
特徴 |
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耐用年数 | 5~10年 |
費用相場(㎡) | 1,700~2,500円/㎡ |
30坪の費用 | 約80万円 |
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シリコン系
特徴 |
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耐用年数 | 10~15年 |
費用相場(㎡) | 2,300~3,500円/㎡ |
30坪の費用 | 約90万円 |
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フッ素系
特徴 |
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耐用年数 | 15~20年 |
費用相場(㎡) | 3,500~4,800円/㎡ |
30坪の費用 |
約100万円 |
基本的に耐用年数が長いほど、また高機能であるほど費用は高くなります。
よく使用されるのはシリコン系の塗料です。耐用年数が比較的長く、コストパフォーマンスに優れているため選ばれています。
フッ素系の塗料もおすすめです。単価こそ高額なものの、汚れを寄せ付けない性質で耐用年数も長いため、次のメンテナンスまで長持ちします。
DIYでチョーキングの補修はできる?
チョーキング現象がみられる外壁をDIYで補修するのは、基本的におすすめできません。
おもな理由は以下の通りです。
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自分で塗装するとなると、劣化の状況を見極め、適切な下地補修を行い、均一に塗装をしなくてはなりません。高圧洗浄でただ汚れを落とすだけという、簡単な作業ではないのです。
また、すぐに再塗装が必要にならないよう、自宅の条件に最適な機能をもつ塗料を選ぶ必要があります。さらに費用面でも1から道具をそろえるとなると、かなりの額になります。
チョーキング現象など外壁の劣化は、必ず生じる問題です。住宅を安全に維持するための必要コストだと考え、業者に依頼することが手堅く賢明な判断といえます。
チョーキング現象を防ぐ3つの方法
チョーキング現象を防ぐ方法を3つ紹介します。
その①:ラジカル抑制塗料を使う
ラジカル塗料とは、チョーキング現象が起こる原因となる「ラジカル」を抑制する塗料です。
塗膜には「高耐候酸化チタン」という成分が含まれているので、ラジカルの発生を抑えられるのです。
チョーキング現象による劣化が起こりにくいので、普通の外壁塗装より寿命が長いとされています。しかし、2012年に開発されたばかりで実例や実績が少ない点はデメリットです。
その②:光触媒コーティングをする
「ラジカルが発生すると、周囲のものを分解する」という仕組みを応用したのが光触媒コーティングです。
塗装面の上からコーティングする材料のことで、壁に付いた汚れを分解する「セルフクリーニング効果」があります。
汚れを分解することができるのは、ラジカルのおかげです。光(紫外線)が当たることでラジカルが発生して、汚れの分解が起こるので「光触媒」と呼ばれています。
光触媒コーティングを施工すると、チョーキング現象をはじめとする劣化を防ぎ、外壁を長持ちさせてくれます。
その③:レンガの外壁にする
レンガの外壁にすると、チョーキング現象は起こりません。劣化がしにくく、メンテンナンスにかかる費用が少ないのがメリットです。
近年人気の「レンガ調のサイディング外壁」は、本物のレンガではないのでチョーキング現象は起こります。
チョーキング現象が起きたら早めに外壁塗装を
チョーキング現象(白亜化)は、外壁の劣化を知らせる分かりやすいサインです。壁面を触ったときに粉が付着していたら、補修を検討しましょう。
放置してしまうと壁のひび割れやカビの繁殖を招き、住宅の強度が低下してしまいます。早いうちにチョーキングに対処することで、家を長持ちさせましょう。
外壁塗装業者を選ぶポイント
基本的にチョーキング現象の補修は、業者に依頼しましょう。塗装業者を選ぶ際のポイントを4つ紹介します。
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相見積もりを取り、明細を確認する
外壁塗装を依頼する際には、相見積もりを取ることをおすすめします。複数の業者から見積もりを提示してもらい、その内容を比較するのです。
作業工程が詳細か、またそれぞれの単価・費用は記載されているか、価格は適正か、など1社だけでは判断できない部分の相場を知ることができます。
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施工実績を見せてもらう
作業の仕上がりは、職人の技術力によって異なります。塗装の状態は住宅のビジュアルに大きく影響するので、施工実績を見せてもらうとよいでしょう。
優良業者であれば、施工実績表やアプローチブックなどを用意して、依頼主にしっかりと説明してくれます。
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資格を持っている
「外壁塗装マイスター」や「塗装技能士」などの資格を保有している業者は、質の高い作業を期待できるでしょう。
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口コミをチェックする
実際に塗装を依頼した人による口コミも、業者選びの重要な判断材料です。あまりにも悪い評価が集まっている業者は選ばない方が良いでしょう。
口コミがサクラである可能性もあるので、口コミだけでなく実際の業者対応なども含めて、業者を決めることをおすすめします。
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