外壁塗装は優良な業者ばかりではなく、中には悪徳業者も存在します。契約して被害を受けないためには、悪徳業者の手口を知ることが重要です。
最終更新日: 2023年03月31日
巧みな営業トークの例やかわし方をはじめ、もし契約してしまった場合の対処法などを解説しましょう。
外壁塗装の訪問営業で安易な契約は危険
外壁塗装は日本全国に数多くの業者がありますが、優良な業者ばかりではありません。中には悪徳営業を行う業者も存在し、強引な営業で契約を迫られるケースもあります。ここでは悪徳業者を生みやすい業界の体質についても解説します。
やり方が悪質な業者も多いのが現状
国民生活センターには、10,000件を超えるリフォーム関連(外壁塗装を含む)の苦情が寄せられ、なかでも訪問販売による契約が半数以上の割合です。苦情内容は高額な料金と見積もり関係のトラブルになっています。
いきなり家にやってくる訪問営業で実際に被害に遭う人もいるため、外壁塗装業者に対して悪い印象を持つ人は多いでしょう。ただ本当に悪質なのは一部の業者で、真っ当に営業している業者がほとんどである点は改めて認識しておきましょう。
背景にあるのは業界の体質
悪質業者はもちろん悪い存在ですが、その手の業者がはびこる業界の体質にも原因があります。塗装工事は料金が高額であり、定価が存在しません。外壁は住宅ごとに千差万別であり、傷み方や施工内容もそれぞれ異なるため、決まった価格を設定するのは困難です。
悪徳業者は不透明な料金体系をいいことに、実際の値段からかけ離れた金額を提示してきます。依頼主も業界の相場がわからず、押しの強い営業に乗せられて契約してしうケースもあるのです。
工事についても、悪徳業者は利益を確保するため下請けに安い金額で仕事を出します。業者も正しい工程では赤字になるため、手抜き工事につながるのです。外壁塗装業界の不透明な環境が、悪徳業者を生み出す一因ともいえるでしょう。
注意すべき営業トークの例
脅しや煽り、勧誘など、悪徳業者の営業トークはさまざまなパターンがあります。ここでは代表的な例を挙げて解説しましょう。
今すぐやらないと家がだめになります
依頼主の不安を煽るのは、悪徳業者のお決まりの手段です。「外壁の状態が酷いので、今すぐ施工しないと大変なことになります」といったトークから、外壁がはがれてくる、雨漏りが起きる、といった不安をあおってきます。
外壁は急に崩れたり、雨漏りが突然発生したりというケースは稀です。致命的なトラブルの前は、たいてい何かしらの予兆があります。契約を急がせるような煽りのトークをされたら、悪徳業者の常套手段という認識を持ち、安易に契約書にサインをしないよう注意しましょう。
今日契約すれば40％オフにします
割安感をあおり、契約を急がせるパターンも多く見られます。「今契約したら、正規料金より40%オフにしますよ」といった営業トークです。「今日契約してくれたら、さらに割引できるよう上司を説得します」という、特別感に訴えかけるケースもあります。
割安を打ち出してくる場合、たとえ価格が本当だったとしても、業者はすべて織り込み済みだと考えてください。逆にいえば、その程度の値引きをしても十分に利益がでる価格だった、と思えば悪徳業者に引っかからずに済みます。
この地域のモニターになってください
モニターキャンペーンなどと題して、お得さを煽り契約を迫る方法もあります。「今この地域でモニター工事割引キャンペーン実施中でして、ぜひモニターになってください」といった話を持ちかけてくるでしょう。
キャンペーン絡みの営業はパターンが多くすべてを網羅して対策を取るのは難しいものの、営業トークに不安や違和感を感じたら、一度冷静になって考えるのが重要です。たとえば200万円がモニター価格で100万円、といった大幅値引きは明らかに怪しいため、誘いに乗らないようにしましょう。
うちのオリジナル塗料は長持ちします
市販品ではなく独自に開発した塗料をアピールしてくる業者にも疑いの目を持つほうがよいでしょう。「うちの塗料は30年の耐久性があります」といった、平均より明らかに高い性能のよさを押し出してきたら、悪徳業者の可能性が高くなります。
日本ペイントや関西ペイントなどの一流メーカーが販売する高級商品でも、耐久年数は15～20年です。名前もよく知らない業者オリジナルの塗料が、大手の商品より高性能と自然には考えにくいでしょう。独自の塗料を謳っていても、実際はメーカーのOEM商品だったり、ラベルを変えただけだったり、といったケースはよくあります。
見積書からも営業マンの質が分かる
悪徳業者の特徴は、営業トークだけでなく見積書にも表れます。「こんな見積書を受け取ったら要注意」というポイントに迫ってみましょう。
見積書の内容が薄い
見積書は悪徳業者を見極めるのに重要な役割を果たします。外壁塗装は足場の組立から外壁の洗浄・養生・塗装・足場の解体・清掃とさまざまな工程があります。
きちんとした見積書は、工程ごとに数量や単価、施工金額などが記載されますが、いい加減な業者は工程をまとめて記載したり、施工部分の寸法を書かなかったりします。
見積もりをざっくりとした内容にするほど、工程ごとの価格を自由に操作してもばれにくいため、手抜き工事の温床となります。見積りを受け取ったら、必要な工程がそれぞれ記載されているか、単価と施工金額がきちんと分けて記載されているか、しっかりと確認しましょう。
1パターンの見積りしか出てこない
見積りを依頼したら、1種類の見積りしか出してこない業者は注意が必要です。少なくても二つ、理想は三つ以上の見積りを作成してくれる業者を選んでください。
工事の要望を聞かれた場合は、業者のおすすめと工事対象のすべてを施工、機能性塗料を使用の3パターンでお願いするのがよいでしょう。
業者のおすすめは現状の把握力と提案力を計れますし、工事対象すべてを依頼すれば劣化部分を全て工事してくれるため、追加工事の可能性が低くなります。
機能性塗料の依頼は、塗料の繊細な知識が要求されるため、いい加減な業者では対応できません。3種類の見積りをそつなく作成してくる業者は、信頼度が高いと考えられます。
しつこい訪問営業の上手な撃退方法
あいまいな態度は悪徳業者の思うツボです。ここではしつこく契約を迫ってくる悪徳業者をうまく撃退する方法を解説していきます。
必要がないとはっきり伝える
悪徳業者との最初の接点で有効な方法です。業者が家にやってきて、言葉巧みに営業トークを始めたら「契約する意思はない」と明確に伝えましょう。
理由がないと断りにくい場合は「ほかの業者に工事を依頼している」と話すのもおすすめです。それでもしつこい場合は「消費者センターに相談する」といいましょう。対応時間内なら即座に話を聞いてもらえるため、有効な方法です。
もっと根本的な方法ですが、そもそもドアを開けないのが最善です。可能ならインターホン越しにきっぱり断りましょう。直接顔をあわせた時点で、相手につけ入る隙を与えているともいえます。
根掘り葉掘り質問をする
逆にこちらから質問攻めにするのもよい方法です。悪徳業者の知識量を測るような、細かい質問を繰り返し行ううち答えに窮する流れになる可能性があります。
具体的には「ガイナが気になるんだけど、どんな特徴か教えてほしい」と聞いてみます。ガイナは価格は高いものの性能が高く人気の塗料です。ガイナの特徴すらまともに話せないなら碌な営業マンではないため、質を見極める物差しになります。
見積りの段階まで話が進んでいるなら、フッ素やシリコンについて確認してください。百歩譲って、特定の塗料の知識がないのはありえない話ではないですが、フッ素やシリコンは外壁塗装で必ず使うため、説明できなければまともな営業ではありません。
押し切られて契約してしまったら？
万が一悪徳業者との契約にサインしてしまっても、すぐに動けば最悪の事態は防げます。まずは、消費生活センターに相談してください。契約から8日間はクーリング・オフ期間になっているため、無条件で解約が可能です。
契約書を用意して、クーリング・オフについての記載があれば次のステップに進みましょう。塗装業者に「クーリング・オフをしたい」という意思を伝えます。ハガキに必要事項を記入し、簡易書留で業者に郵送してください。記入する内容は消費生活センターのホームページにわかりやすい図解があります。
業者に書類が届く頃に電話して確認しましょう。悪徳業者の場合クーリング・オフを渋る可能性もありますが、国の制度に則った手続きのため、自信を持って意思を伝えてください。
上手な断り方を学んで賢く対応しよう
外壁塗装は悪徳業者が多く、国民生活センターには毎年多くの苦情が寄せられています。料金体系や工事内容のわかりにくさ、不透明さも悪徳業者を生む一因です。
悪徳業者は契約を急がせます。営業トークで煽ったり、勧誘したりとパターンは多彩です。強引な営業をされたら弱気な態度はNGです。はっきりと契約の意思がないことを伝えます。万が一契約してしまったら、クーリング・オフを利用しましょう。
そもそも訪問系の業者は悪徳でなくてもリスクが付きまとうため、まともな業者を探すならインターネット見積りサービスのミツモアを活用しましょう。
ミツモアは優良な業者を選んでくれますし、契約前にチャットで相談や質問ができるため、自分のペースで業者選びができます。外壁塗装は費用もかかりますし、失敗したくないなら、ミツモアの利用をぜひ考えてみてください。
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