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シリコン塗料とは?特徴から人気の塗料まで紹介します

最終更新日: 2024年10月16日

値段が高すぎず、耐久性も高くてコストパフォーマンスの高いシリコン塗料。近年多くの住宅で選ばれており、実際外壁塗装の相談される方は一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。この記事では、シリコン塗料の特徴と人気の塗料、外壁材に合ったシリコン塗料の選び方まで解説しますので、シリコン塗料を検討している方は参考にして見てください。

シリコン塗料とは?特徴や性能を解説

様々な塗料

住宅の外壁塗装に使われる代表的な樹脂塗料は、「アクリル塗料」「ウレタン塗料」「シリコン塗料」「フッ素塗料」。このなかでもとくにシリコン塗料は、耐久性や性能と費用とのバランスがよく、採用率が高いとされています。

シリコン塗料とは?

塗料は大きくわけて「樹脂+顔料」という成分で作られています。樹脂は塗料の耐久性や耐候性などを左右するもの。顔料は着色料です。

シリコン塗料は、樹脂の主成分にシリコンが使われています。アクリル樹脂も含まれているので、正確には「アクリルシリコン塗料」ですが、略して「シリコン樹脂」「シリコン塗料」と呼ばれます。

シリコン塗料を水で薄める場合は「水性」、シンナーを使って薄める場合は「油性」です。それぞれ塗るのに適している素材が違います。

シリコン塗料の特徴・性能

シリコン塗料の特徴は、以下のような点が挙げられます。

  • 耐候性に優れ、光沢が長持ちする
  • 耐熱性に優れ、熱損傷しにくい
  • 耐水性に優れ、撥水性がある
  • 透湿性があり、内部結露やカビができにくい
  • 防汚性があり、汚れがつきにくい

上記の特徴をみて分かるように、普段から雨風にさらされる外壁・屋根の塗装にはピッタリの性能があるのです。「迷ったらシリコン塗料にしておけば間違いない」と言っても過言ではありません。

ただし塗料のグレードや性能の高さは、メーカーや商品によってまちまちです。シリコン塗料は一般的に上記のような特徴を持っていますが、実際に選ぶときには各商品の性能をチェックしましょう。

人気のシリコン塗料を紹介

続いて、人気のシリコン塗料を紹介していきます。塗装業者に相談してシリコン塗料での塗装をお願いする場合は、以下の中から選ぶと無難でしょう。

水性サーモアイウォールSi(日本ペイント)

サーモアイシリーズ

「サーモアイ」シリーズは遮熱効果が高い製品です。外壁用だけでなく屋根用のものもあり、カラーバリエーションも豊富でデザイン性にも優れています。品質も高く、高耐候性、低汚染性、防藻、防かび、透湿性を有しており、日本ペイント社の中でも人気の高いシリコン塗料の一つです。

ファインシリコンフレッシュⅡ(日本ペイント)

ファインシリコンフレッシュⅡ(日本ペイント)

ファインシリコンフレッシュは、耐候性に優れた日本ペイント社のシリコン塗料です。低汚染性、藻やカビの発生の制御も兼ね備えており、塗りやすい塗料として人気を集めています。

水性セミシリコン(エスケー化研)

水性セミシリコン

水性セミシリコンはエスケー化研社が出しているシリコン塗料です。高い耐久性、低汚染性、防カビ・防藻性を有しており、エスケー化研の中でも人気のシリコン塗料の1つです。

クリーンマイルドシリコン(エスケー化研)

クリーンマイルドシリコン

クリーンマイルドシリコンは、高い耐久性を備えているだけでなく、環境にやさしい素材で作られたシリコン塗料になっています。弱溶性塗料なので臭気が少なく、扱いやすい塗料となっています。

セラミクリーン(エスケー化研)

セラミクリーン

セラミクリーンもエスケー化研の人気シリコン塗料の1つです。防カビ・防藻性、低汚染性に加えてオリジナル技術による弾性セラミックシリコン樹脂を用いており、従来のシリコン塗料に比べて高い耐久性を誇ります。

セラMシリコンⅡ(関西ペイント)

セラMシリコンⅡ(関西ペイント)

セラMシリコンⅡは関西ペイントの中でも人気のシリコン塗料です。セラミック配合なので耐空性が高く、高級感のある仕上がりが特徴的です。

コスモマイルドシリコンⅡ(関西ペイント)

コスモマイルドシリコンⅡ(

コスモマイルドシリコンⅡは塗料用シンナーで希釈して使えると同時に、臭気が少なくかなり扱いやすい製品となっています。もちろん耐候性や耐久性にも優れたシリコン塗料です。

シリコン塗料のメリット

実際にシリコン塗料を選ぶとしたら、他の塗料と比べて、どんなメリットがあるのでしょうか。

長期的なメンテナンスコストを抑えられる

耐用年数が長いシリコン塗料は、長期的にみてメンテナンスにかかる費用を抑えることができます。以下の条件で、ウレタン塗料とシリコン塗料とを比べてみましょう。

【条件】

  • ウレタン塗料:1,600円/㎡、耐用年数10年
  • シリコン塗料:2,500/㎡、耐用年数15年

この条件で、一般的な30坪2階建ての住宅を例に、30年スパンで計算してみましょう。足場仮設などの諸費用込みで1回の塗装ににつき、シリコン塗料は約85万円、ウレタン塗料は約70万円です。

シリコン塗料 ウレタン塗料
10年後 70万円
15年後 85万円
20年後 70万円
25年後
30年後 85万円 70万円
合計 170万円 210万円

1回あたりの塗装代は15万円ほど高いシリコン塗料ですが、30年後には40万円も安く済むことになります。

ただし「どのくらい今の家に住み続けるか」という要因によっても変わるので、自宅の将来設計を考えたうえで塗料を選びましょう。

掃除に手間をかけず、光沢のある外観を保てる

シリコン塗料には光沢(ツヤ)があります。

そのうえで塗膜が硬く、撥水性が高いことも特徴です。さらに帯電しにくいため汚れが付着しにくく、ホコリや泥などの汚れをはじく性質があります。

紫外線や熱にも強く、製品によっては600℃前後の温度でも耐えられるほど。

そのためシリコン塗料は、雨や炎天下にさらされても塗膜が傷みにくいのです。塗膜が劣化しない限り、シリコン塗料の光沢は長期間にわたって維持できます。

また防汚性があるおかげで、汚れるまでの期間が長く、自分で外壁の掃除メンテナンスをする手間が省けます

シリコン塗料のデメリット

どんな塗料でも、メリットがあればデメリットもあります。シリコン塗料の場合は、他の塗料と比べたときどんなデメリットがあるのでしょうか。

アクリル塗料やウレタン塗料よりは費用が高い

単純に1回きりの塗装費用を比べると、アクリル塗料やウレタン塗料よりも、シリコン塗料のほうがコストは高いです。

もしも塗装してから15年以上住む予定がないのであれば、アクリルやウレタンなど低価格の塗料を使ったほうがお得です。

最高のグレードというわけではない

シリコン塗料は、あくまでコストパフォーマンスの高さが売りです。

たとえば耐用年数だけを比べると、フッ素塗料や、樹脂が含まれていない無機塗料のほうが優れています

また防汚性をより高めるなら、シリコン塗料だけ塗布するよりも、光触媒塗料をコーティングしたほうが性能は高いと言えます。たとえばウレタン塗料の上から、光触媒をコーティングするという選択肢もあるのです。

ひび割れしやすい

シリコン塗料の防水性が高いのは、塗膜の硬さに由来しています。これが裏目に出ると、弾性の低さによってひび割れを起こしやすくなるのです。

劣化に対する耐久性は高くても、地震などによって壁自体が伸縮した場合は、ひび割れしやすいのです。

モルタルやコンクリートの壁面なら、「弾性塗料」というタイプのシリコン塗料を選ぶことができます。ただし建材との組み合わせ方には専門知識を要するので、経験豊富な塗装業者と相談しましょう。

重ね塗りに適さない

シリコン塗料は撥水性が高いので、塗り替えをするときには、シリコンと相性のよい下塗り剤を使う必要があります。

この特性を知らない業者に依頼してしまうと、塗料の密着性を高めることができず、施工不良を起こしてしまうかもしれません。シリコン塗料を使った施工実績が豊富な業者を選びましょう

DIYには不向き

シリコン塗料は顔料(着色料)が沈澱しやすいため、頻繁にかき混ぜなければ使えません。密着性がやや低いので、塗る際にも技術を要します。

シリコン塗料についての専門知識や経験がないと扱いにくいので、DIYでの塗装には向いていないのです。

【塗料別】特徴と壁にあった塗料の選び方

シリコン塗料と、他の代表的な樹脂塗料の費用を比較した表が以下の通りです。

塗料 単価相場 耐用年数
アクリル 約1,200円~1,500円/㎡ 5~7年
ウレタン 約1,600円~2,200円/㎡ 8~10年
シリコン 約2,500~2,800円/㎡ 10~15年
フッ素 約3,000~4,500円/㎡ 15~20年
無機塗料 約4,000~5,000円/㎡ 20~25年

シリコン塗料は表のように値段は高すぎず、耐用年数は長いという特徴があるため、コストパフォーマンスに優れているとされています。それぞれの塗料の特徴を見ていきましょう。

アクリル塗料

アクリル塗料は、プラスチックやコップ、照明器具など様々な製品に使われている「アクリル樹脂」を主成分とした塗料になっています。以下のような特徴のある塗料です。

  • 寿命は短いが、費用が安い
  • カラーバリエーションが豊富
  • 通気性が高く、湿気をためにくい
  • 水かシンナーで薄めるだけで使えるので扱いやすい

アクリル塗料は、寿命こそ短いですが費用を抑えて外壁塗装ができるので、応急処置的にも使いやすい塗料となっています。ただ、近年はあまり使われない塗料になっており、どちらかと言うとコストパフォーマンスの高いシリコン塗料やウレタン塗料の方が人気を集めています。

ウレタン塗料

ウレタン塗料は、「ウレタン樹脂」と顔料などを混ぜた塗料のことです。なお、ウレタン樹脂は、主原料となる主剤の違いによって「ポリウレタン」と「アクリルウレタン」に分かれます。耐候性や塗膜性能がより高いアクリルウレタンのほうが主流です。

ウレタン塗料の特徴は以下の通りです。

  • 価格が安くコストパフォーマンスが高い
  • 光沢があり、見栄えの良い外観を維持できる
  • 密着性が高く、外壁材との剥がれが起きづらい
  • 扱いやすくひび割れしづらいので、自分でメンテナンスしやすい

ウレタン塗料は、使い勝手が良くコストパフォーマンスも高いので、シリコン塗料と並んで人気の塗料になっています。

フッ素塗料

フッ素塗料は「フッ素樹脂」を主成分としている塗料です。以下のような特徴があります。

  • 耐久性は高いが、費用が高い
  • 紫外線や温度変化などへの耐候性が高い
  • 藻やカビ、汚れが付着しにくい
  • 耐薬品性があり、酸性雨に強い
  • 塗膜の寿命が長い(15~20年)

シリコン塗料よりも寿命は長いですが、その分費用も高くなります。タワービルや公共施設などの大型施設で使われることが多いので一般住宅で使われていることは少ないですが、耐用年数を重視する方には人気の塗料です。

シリコン塗料に関するQ&A

続いて、シリコン塗料を検討している方からよく聞かれる疑問や悩みをQ&A形式で紹介していきます。

シリコン塗料って?どんなメリットがある?

シリコン塗料は、樹脂の主成分にシリコンが使われている塗料です。耐久性や防汚性が優れており、費用もそこまで高くないのでコストパフォーマンスの高い塗料です。近年外壁塗装をする住宅はこのシリコン塗料で施工することが多くなっています。

シリコン塗料のデメリットは何ですか?

シリコン塗料は施工後の塗膜が硬いため、ひび割れが生じやすくなると言うデメリットがあります。また重ね塗りもしづらく、自分でDIYで外壁塗装をしようと考えている方には扱いづらい塗料となっています。

シリコン塗料の寿命はどれくらいですか?

シリコン塗料の耐用年数は10〜15年程度です。他の塗料と比較しても長持ちし、定期的なメンテナンスを減らすことができますが、施工条件や気候環境によって異なることもあります。

シリコン塗料の費用はどのくらいですか?

シリコン塗料は約2,500~2,800円/㎡となっています。他の塗料と比べて費用の安さ、耐久性の高さからもっともコストパフォーマンスの高い塗料と言われており、多くの方がシリコン塗料で外壁塗装を施工しています。

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この記事ではシリコン塗料の性能や、商品の選び方などを紹介してきました。性能・価格・耐用年数のバランスがよく、メンテナンスコストが低いので、今後も長く住む予定の住宅にオススメです。

塗装を依頼するときは、シリコン塗料の専門知識や施工実績があり、信頼に足る業者を選びましょう。特性を把握していないと施工不良につながる恐れがあります。

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