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家の基礎は塗装するべき?メリット・デメリットや注意点を解説

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最終更新日: 2023年08月18日

「基礎」または「巾木(はばき)」は、住宅を支える下部構造を指します。基礎の部分に塗装すべきかどうかは、業者によっても意見が分かれるところです。

この記事では、家の基礎を塗装するときのメリット・デメリットを挙げながら、施工するときの注意点や費用感なども紹介していきます。

基礎を塗装するかどうかは慎重な判断が必要

家の基礎部分

基礎の塗装にはメリットもデメリットもあり、一概にこうすべきとは言えません。外壁塗装業者によっても意見が割れるところです。

基礎塗装をすると外観もよくなり、劣化をある程度おさえられるのが利点です。

しかし、すでに劣化した基礎は塗装だけでは直せません。劣化症状があるなら塗装よりも補強工事を優先したほうが良いです。

また、一度塗装してしまうと、その後も定期的に塗り直すことになり、維持費用もかかります。

自宅の基礎の状態やメンテナンスの予算に応じて、慎重に判断する必要があるのです。

基礎塗装のメリット・デメリット

基礎塗装をするべきかどうか、より深い視点から見ていきましょう。

基礎塗装のメリット

家の基礎を塗装するメリットは、主に以下の2点です。

  • 外観がよくなる
  • 防水性が上がり、基礎の劣化を防げる

外観がよくなるという点に関しては、前述のとおりです。

防水性に関しては、基礎自体の補強をした後なら、塗装をしてもよい場合がほとんどです。

基礎自体の劣化を補修していれば、塗装によって防水性が上がり表面の保護ができるので、基礎自体の劣化を防ぐことに繋がります。

ただし、後述するデメリットでも触れるように、基礎の塗装が汚れやすいという点には注意と理解が必要です。

基礎塗装のデメリット

家の基礎を塗装するデメリットは、主に以下の4点です。

  • 綺麗になるのは表面だけなので、基礎自体の劣化は防げない
  • 表面を塗装するので、内部の劣化に気づけない
  • 基礎の通気性が悪くなってしまう
  • 塗装したとしてもすぐに劣化する

基礎を塗装すると、コンクリート部分の状態が見えにくくなります。そのため、ひび割れなどの「基礎トラブルの初期症状」を見落としてしまい、早めの対応が取れないかもしれません。

基礎は地表近くに位置しています。雨の跳ね返りや地中の湿気を受けて、塗装部分がすぐに汚れてしまう可能性は高いと言えるでしょう。地面の振動による剥離も起こりやすいため、コストパフォーマンスも悪いかもしれません。

また、地面に埋め込まれた部分は塗装できない、塗膜によって通気性が低下するということも考えられます。

基礎の種類と劣化症状

そもそも基礎とは、建物と地面をつなぐ「土台」となる部分です。土台がもろいと家が傾いたり、強い衝撃で崩れたりしかねません。

家の基礎は、鉄筋とコンクリートを組み合わせて作られるのが一般的です。芯棒の役割を担う鉄筋の周囲にコンクリートを流し込むことで、強固な基礎をつくります。

基礎の種類

ここでは3種類の基礎について解説します。

  • ベタ基礎
  • 布基礎
  • 独立基礎

ベタ基礎

ベタ基礎は、最もオーソドックスなタイプです。まず鉄筋を組んでからコンクリートを流すことで、強度が高まります。

防湿シートを使うため床に湿気が伝わりづらいという特徴があり、白アリの発生を防ぐという効果も。

布基礎などに比べるとコストはかさみますが、耐震性が高くて安全性に優れている基礎です。

布基礎

布基礎は、「立ち上がり」と呼ばれる部分のみが鉄筋コンクリートになっているものです。

ベタ基礎よりも使用するコンクリートが少ないので、コスト面には優れています。

しかし防湿シートを使わないため、湿気が伝わりやすいというデメリットが大きく現在は主流ではありません。

独立基礎

独立基礎は、住宅にはあまり使われることのない基礎です。

建物の柱1本につき1つの基礎が独立している作りで、地中に梁(はり)を用いることで柱を支え強度を出しています。

基礎の代表的な劣化症状

基礎の劣化の原理で知っておくとよいのは、おもに「ひび割れ」と「中性化」です。

コンクリートには10%程度の吸水率があり、雨水を吸収して乾燥することで、膨張と収縮を繰り返すことに。その結果、ひび割れを引き起こします。

またアルカリ性のコンクリートは、酸性雨や大気中の二酸化炭素に触れることで、次第に中性へと変化していきます。これを中性化といいます。

中性化したコンクリートは、「不働態被膜」と呼ばれる働きを失い、鉄筋が腐食してしまいます。その結果、錆が膨張していくことで基礎の内部から割れていくのです。

基礎の経年劣化により、基礎にヒビが入ると、そこからシロアリが侵入してくることもあります。

湿気がこもり続けると、湿度が上がりカビが生えてしまうこともあり、その際には対策を講じなければいけません。

特にシロアリはいつの間にか家の中を食い荒らしていく厄介な存在です。定期的に劣化症状が起きていないか確認しましょう。

関連記事:シロアリ駆除の費用相場は?安く質の高い施工をしてもらうコツを解説|ミツモア

基礎が劣化した場合はまず補強工事を検討しよう

基礎の塗装をすると、外観は綺麗になります。表面上のヒビなどは消えたように見えるでしょう。ですが、内部のヒビや膨張などの根本的なトラブルは直りません。補強をせずに塗装をしてしまうと、内部の様子がわからなくなり、基礎の劣化を放置することになりかねないのです。

基礎内部から強度を上げることが重要

基礎となるコンクリートは、湿気を吸いやすい性質を持っています。そのため、雨などによる水濡れと乾燥のサイクルによりヒビが入るというトラブルが起きやすいのです。

加えて、コンクリートの中にある鉄筋部分からサビが出ることによって内部から圧迫され、割れてしまうというトラブルも起きてしまいます。

こういったトラブルを避けるためにも、基礎内部から強度を上げることは重要なのです。

補修の方法と費用相場

ひび割れのおもな補修方法は以下の通りです。

補修方法 費用相場(㎡)
リバコン工事 3,000~4,000円
Uカットシール工法 4,000~6,000円
ビックス工法 10,000~20,000円
アラミド繊維シート 20,000円前後

リバコン工事は、コンクリートを内部から改質する液体を浸透させることでセメント結晶の生成を行います。施工期間が1日程度と短く、メンテナンスも要らないためおすすめの方法です。

Uカットシール工法は、ひび割れ部分を専用の工具でカットし、シーリング材などを埋めて補修する工法です。

ビックス工法はひび割れ部分にゴム製の注射器を埋め込み、そこからエポキシ樹脂などで補修していく工法です。

アラミド繊維シートは非常に強度がある素材で、これを張り付けた上からモルタルなどで基礎を平らにすることで補修します。

基礎塗装には専用塗料を使ってもらおう

基礎塗装専用の塗料が存在します。基礎の機能を考慮した塗料なので、それらを使って施工するとよいでしょう。

以下は、主要メーカーが販売している一例です。

日本ペイント 水性シリコン浸透ガード
エスケー化研 ベースプロテクト
関西ペイント アレスキソハバキコート
菊水化学 基礎ガード
アステック ベースガード
スズカファイン スズカファイン ビーズコート基礎用P/S

そのほかにも種類がありますので、業者に最適な塗料を使用してもらうようお願いしてみましょう。

基礎塗装のDIYはおすすめできない

結論からいえばDIYによる基礎塗装は、難易度が高いためおすすめできません。おもな理由は湿気の多さと、状態確認の難しさです。

地面に近い基礎部分は、とても湿気が多い場所です。雨水が染み込んだ土のそばは湿度が高く、地面に落ちた雨の跳ね返りなども受けます。

そのため塗装が剥がれやすく、本来、塗装には不向きな場所なのです。長持ちするようにしっかりと塗るには、高い技術や経験が求められます。

また、基礎塗装をする前には、塗装できるコンディションかどうかを確認する必要があります。

内部に損傷や劣化が生じていないか判断する必要がありますが、素人には難しいものです。その点、プロは目に見えない鉄筋の腐食なども読み取ってくれます。

また立地条件によって基礎を塗装できない建物もあるので、まずは業者に相談することをおすすめします。

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基礎塗装にかかる費用相場

費用 電卓

基礎塗装を業者に依頼する場合の費用相場は、3,500~4,000円/㎡くらいと覚えておきましょう。

住宅建築を依頼した場合、屋根や外壁は塗装するのが一般的ですが、基礎塗装を行う場合には追加費用が発生するケースも珍しくありません。

下地処理として高圧洗浄を行い、表面の汚れを落とすことからスタートです。乾燥させてから周囲を養生し、塗装作業に取り掛かります。

おもに、基礎を塗装する手順は以下です。

  • 下地処理、高圧洗浄
  • 乾燥、養生
  • 塗装

外壁塗装業者の選び方

基礎塗装

DIYでは難しい基礎塗装は、専門業者に依頼するのがおすすめです。業者を選定する際のポイントについて、掘り下げていきましょう。

基礎にも詳しい業者から選ぶ

基礎塗装の依頼においては、外壁だけでなく「基礎」に関する知識と実績が豊富な業者を選びましょう。

基礎の種類や状態を見極め、現状に見合った塗料を用いて適切な作業をしてもらえないと、劣化の進行速度や出来の悪さにつながります。

ひび割れだけを取り上げてみても縦割れか横割れか、また、ひびの深さや幅も的確に把握して、適切に処置する必要があるのです。

相見積もりを取る

業者を決めるにあたっては、必ず相見積もり(あいみつもり)を取りましょう。2社以上から、それぞれの作業内容とその金額を提示してもらい、比較をするのがおすすめです。

塗装には、「定価」と言えるものが存在しません。作業内容や使用する材料、また施工面積などが異なるため、決まった金額を設定しにくいのです。

しかし内容に応じた「相場」はあります。1社からの見積もりだけでは、示された金額が適正な相場かどうか判断できません。

信頼できることが重要

基礎は、建物の安全性を担う部分です。そこに関わる作業ですので、信頼できる業者を選ぶことが重要だといえます。

1つの基準としては、地域密着型の、地元に根差した業者を選ぶ方法があります。地域での実績が高い業者は、「顧客との信頼」を重視しているケースが多いからです。

悪評はすぐに広まってしまうため、地域で長く営業している業者は、慎重で丁寧な仕事を心掛けています。

また地域密着型企業であれば、事後のトラブルなどにも迅速な対応が期待できるでしょう。

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