「シロアリ駆除をしたいけど費用がどのくらいかかるか分からない」とお悩みではありませんか。
シロアリ駆除の費用は、依頼する業者や工法によって大きく変わります。
この記事では費用相場はもちろん、安く抑える方法や優良業者の選び方まで詳しく解説します。
シロアリ駆除の費用相場は?
一軒家(30坪)のシロアリ駆除の費用相場は20〜27万円程度です。業者の規模や工法などによって費用は上下します。
シロアリ駆除は自力でできる?
シロアリは自分で駆除することが可能です。床下作業を自分で行うと、業者に依頼するよりも最大で60%ほど安く済みます。ただしプロの業者に依頼する方が安全、かつおすすめです。
シロアリ駆除の坪数別費用相場
シロアリ駆除の大まかな費用相場は「1㎡あたり3,000円前後」で、坪数(1坪3.3㎡)に直すと「1坪あたり10,000円前後」です。
坪数(㎡数) | 費用相場 |
20坪(約66㎡) | 15万~20万円 |
30坪(約99㎡) | 20万~30万円 |
35坪(約115㎡) | 25万〜35万円 |
40坪(約132㎡) | 30万〜40万円 |
「坪」と「㎡」の表記の違いに注意!
業者の料金形態を示す単位には「坪」と「㎡」があります。 1坪=3.3㎡で、1坪は1㎡の約3倍の面積を表しています。業者によっては㎡で表示した方が安く見えるため、坪数当たりの費用を載せていないケースがあります。 「坪」と「㎡」の違いに気を付けながら、業者依頼を検討するようにしましょう。 |
相見積もりは欠かさない
シロアリ駆除の費用相場を確認したら、相見積もりを依頼し相場と比較することが大切です。同じ依頼内容でも、業者によって値段やサービスの範囲は異なります。
比較するときは「相場と大きく差がないか」「よく分からない追加費用が足されていないか」の2点は必ずチェックしましょう。高額請求を行う業者に依頼するリスクを減らすことができます。
バリア工法とベイト工法の費用と効果の比較
事業者がシロアリを駆除するときの工法には、おもに「バリア工法」と「ベイト工法」の2つがあります。
駆除効果を発揮するまでの時間や安全性、コストの面で違いがあり、一長一短なので、どの項目を重視したいかで決めると良いでしょう。
バリア工法 | ベイト工法 | |
坪あたり単価 | 6,300~8,300円 | 6,500~10,000円 |
30坪の費用目安 | 19〜25万円 | 20〜28万円 |
メリット |
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デメリット |
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こんな人におすすめ |
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バリア工法
バリア工法は床下にシロアリ駆除成分を含む薬剤を散布する工法です。
巣食っているシロアリに直接ダメージを与えるので、すぐに効果を実感できるのがメリットです。
ただし散布した薬剤が空気中に広がるので、建物に住む人に影響を与える可能性も。赤ちゃんやペット、薬剤に敏感な方がいらっしゃる場合、バリア工法は避けたほうがよいでしょう。
また、直接床下に潜って薬剤を散布する方法なので、入れない場所がある場合やそもそも床下がない場合は施工ができません。
ベイト工法
ベイト工法は毒エサ(ベイト剤)を建物の周囲に設置する駆除方法です。
脱皮を阻害する成分が入っており、脱皮する昆虫に対してだけ効果を発揮するので、人体にはほとんど無害といわれています。安全性を重視する方におすすめです。
駆除効果を発揮するまでには数か月~半年ほどかかりますが、シロアリの巣ごと駆除できます。
費用はバリア工法と比べて高く、年1回ほどベイト剤を入れ替える作業も発生する点には注意が必要です。メンテナンスを怠ってしまうと本来期待される効果が発揮できません。
駆除業者ごとの費用と施工品質の比較
シロアリ駆除業者は4つのタイプに大別できます。それぞれの費用相場は以下の通りです。
単価相場(坪) | 30坪の費用目安 | |
大手企業・農協 | 10,000円〜 | 30万円〜 |
地域密着型 | 5,300〜9,900円 | 16〜30万円 |
ホームセンター | 3,300〜4,500円 | 10〜14万円 |
小~中規模業者 | 3,000円~ | 9万円前後 |
全国展開の大手企業
依頼先の1つとして、害虫駆除事業をおこなっている全国展開の大手企業があります。具体的にはアサンテやサニックス、ダスキンといった会社が挙げられます。
名が知れており経営の安定した大手企業である分、施工後に倒産して連絡がとれなくなったり、不当な高額請求をされたりといった心配がないのがメリットでしょう。
ただしベースの施工費用は高めな傾向にあります。小規模な企業と比べて広告宣伝費や人件費などの経費がかかっていることが理由です。
農協
各地にある農協(JA)でもシロアリ駆除を受け付けてくれます。費用相場は駆除の大手業者とだいたい同じくらいと考えてよいでしょう。
実際に作業を行うのは、農協から委託を受けた民間の駆除業者であり、費用には中間マージンが乗っています。農協が選定しているので得体のしれない業者が来る可能性は低いですが、自分で直接依頼したほうが安く済みます。
ホームセンター
一部のホームセンターでは住宅関連サービスの1つとしてシロアリ駆除・予防をおこなっています。
ホームセンターでの請け負いやインターネット集客型の駆除業者であれば、かなり割安な料金で施工できるでしょう。しかし小規模な下請け会社が工事を行っているケースが多いため、品質や保証内容がバラバラである点に注意が必要です。
以下に大手ホームセンターのサービス内容例を挙げました。
坪単価 | その他 | |
カインズ | 9,800円 | ・5年保証付き ・予防は5,980円/坪 |
コーナン | 6,600円~ | ・施工内容によって価格が変動 ・10坪以下は一式価格 |
コメリ | 5,980円~ | ・5年保証付き ・イエシロアリは別価格 |
地域密着型の小~中規模企業
特定の地域を対象エリアとして営業している小規模~中規模の企業に直接依頼する手もあります。
大手企業ほど知名度はないものの、地域特性をよく把握している上に、料金設定がリーズナブルであることが多いです。ホームセンターや農協の下請け業者となっていることもありますが、直接依頼したほうが中間マージンがかからないぶん費用がおさえられます。
誠実で技術力のある事業者を見分けることができれば、最もコストパフォーマンスがよくおすすめの選択肢といえます。
ただし従業員が数人しかいない小規模な事業者の場合、経営が不安定になるリスクもあるので注意が必要です。
シロアリ駆除の追加費用が発生する4つのケース
シロアリの駆除費用は工法ごとの単価と住宅の面積でおおむね決まりますが、状況によってプラスで費用がかかることがあります。おもに以下の4つです。
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①被害の程度が大きい場合
被害の範囲が大きいほど、駆除作業をおこなう範囲が広がり、費用も高額になります。たとえば床下から柱を伝って、屋根裏の木材までシロアリの食害が進行していれば、家のほぼ全域を施工しなければなりません。
被害を受けた部分の修繕を行う場合、駆除費用のほかに大工工事の費用も必要です。
②住宅の構造上、点検・駆除作業が難しい場合
シロアリの点検や駆除作業をするときは、作業員が床下に潜らなくてはなりません。
自宅の床下に十分なスペースがなかったり、1つの点検口から床下全域を見に行くことができない場合、点検口の新設・拡張のために1か所あたり2~3万円ほどの追加費用がかかる可能性があります。
またタイル張りの箇所は作業に手間がかかるので、浴室やトイレなどは料金が上がりやすいです。
③シロアリが駆除の難しい種類だった場合
シロアリには複数の種類が存在しています。日本で一番よく見られる「ヤマトシロアリ」以外に、被害が大きく駆除費用が高額になりやすいシロアリもいるので要注意です。
具体的には侵食スピードの速い「イエシロアリ」や、外来種で湿気の少ない環境でも活動できる「アメリカカンザイシロアリ」という種類が挙げられます。
この2種類のシロアリは、関東以西の地域で多く被害が報告されています。
④出張料や駐車場代、割増料金がかかる場合
事業者によって、施工単価に交通費等の諸経費が含まれている場合と別料金の場合があります。経費が別料金の業者だと、最初の想定より費用が高くなりやすいので注意しましょう。
自宅に車を停められるスペースがなく、事業者が有料駐車場を使わなければならない場合の実費は依頼者負担となることが多いです。
作業を依頼する日時によっては、休日料金や時間外料金がかかることもあります。
シロアリ駆除を安く依頼するコツ
シロアリ駆除の費用を安く抑える方法には以下の5つがあります。
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①相見積もりをとって比較する
複数業者から見積もりをもらって、比較することを「相見積もり」と言います。
シロアリ駆除にかかる費用は業者によって差があります。そのため1社だけから見積もりを受け取っても、価格が適正なのか判断できません。
3社以上から見積もりをとり、価格・サービス内容を比較検討すれば「適正価格に沿っているか」「どれくらい丁寧な業者か」が見えてきます。
ミツモアでは無料で最大5社の業者から相見積もりをとることが可能です。「業者比較が面倒……」という方はぜひ利用してみてください。
②駆除費用を確定申告して雑損控除を受ける
シロアリの駆除や修繕にかかった費用を確定申告すると、税金負担を減らすことができます。
雑損控除は自然災害や火災、盗難などで資産に損害を受けた場合に、所得金額から一定額が控除され、税金負担が軽くなる制度。シロアリによる被害は、所得税法に定められた「害虫による異常な災害」に当てはまります。
駆除にかかった費用すべてをまかなうことは難しいですが、確定申告の手続きさえすれば払った税金から一定額が返ってきます。
シロアリ駆除を行ったときから5年以内であれば、さかのぼって申請が可能です。
必要書類 |
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適用条件 |
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シロアリの駆除を業者に頼まず自分で行った場合や、シロアリが発生しておらず予防施工のみの場合は、雑損控除の対象外です。
③床下湿気対策をすすめられても即決しない
シロアリ駆除を行うと、同時に床下の湿気対策をすすめられることがあります。
たしかにシロアリは水分のある環境で活動的になりますが、高い費用を払って湿気対策をおこなってもシロアリ被害を防げるとは限りません。
特に湿気がひどくなくても、事業者側が過剰すぎるサービス内容で提案してくる可能性もあります。湿気対策をすすめられた場合は、必ず事業者に床下の状態がどうなっているのか確認しましょう。実際に湿気が原因で木材の腐食が進んでいるのであれば、施工しても良いかもしれません。
④被害箇所の修繕は別で工事業者を探す
シロアリの被害にあった箇所の修繕が必要になった場合、シロアリ駆除業者ではなく自分で工事業者を探したほうが安く済むことがあります。
駆除業者に修繕を頼んでも、実際に修繕工事をおこなうのは提携している工務店であることが多いです。この場合、仲介手数料分が高くなってしまう可能性があります。
特についでにリフォームをしたい場合などは、自分で探したほうが工務店の選択肢も広がるでしょう。
⑤ハウスメーカーの保証期間を利用する
ハウスメーカーのアフターサポートの活用で駆除費用が無料になる可能性があります。どのハウスメーカーでも、新築の引き渡しから10年以内であれば、不具合や欠陥に無料で対応してくれる保証がついているのです。
詳しい保証内容については、ハウスメーカーによって異なります。シロアリ駆除の依頼を検討している方は、まずハウスメーカーの保証書を確認してみることをおすすめします。
信頼できるシロアリ駆除業者の選び方
悪質なシロアリ業者への依頼を避けるためには、以下の5つを意識することが大切です。
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シロアリ駆除業者の選び方については以下の記事でも詳しく解説しています。
①創業後一定の年数が経っており実績が豊富
事業者がシロアリ駆除事業をおこなってきた年数は、サービスの品質を推測する指標の1つです。悪質な業者や技術力の低い業者は、長続きせずつぶれてしまう可能性が高いからです。
チラシやホームページの会社概要などで、創業年や経験年数などの記述を確認してみましょう。
アフターフォローや保証がきちんと履行されるかどうかという観点でも、数年で倒産してしまうような不安定な事業者でないかを確かめるのは大切です。
②見積書の書き方や口頭説明がわかりやすく丁寧
価格表を掲載しておらず、見積もりの内訳も不明瞭な業者は避けるべきです。
シロアリ駆除の内訳は、駆除作業のほかに施工後の清掃費や出張費、室内の養生費などがかかります。内訳が明確でない場合には、作業後に追加費用を請求されたとしても、どこからが追加料金なのかに気づくことができません。
信頼できる業者に依頼するために、見積もりの内訳まで確認し、提示された見積もり額が適正かどうかを確かめましょう。
③日本しろあり対策協会の会員である
「日本しろあり対策協会」は国土交通大臣の許可を得ている団体で、登録会員は高い条件をクリアして加入しています。この会員であれば、一定以上の技術と品質が保証されているサインと考えてよいでしょう。
また協会は定期的にシロアリ防除の講習会を実施したり、資格制度として「しろあり防除施工士」の検定や登録を行ったりしています。
依頼したい業者が会員かどうか確かめたい場合は、協会ホームページの「登録施工業者会員名簿」を見てみましょう。
④保証・アフターサービスが充実している
シロアリ駆除業者を選ぶときは、施工後5年間の保証がついているところを探しましょう。
シロアリ駆除は一度施工したら終わりではなく、定期的に行う必要があります。また短期間でシロアリが再発してふたたび高い費用を払うことになるのは、避けたいところです。
5年以内の保証があれば、再発してしまったときの駆除費用が無料であったり、または割引価格で受けられたりすることができます。
⑤口コミ評価が高い
利用者から寄せられた口コミも、業者のサービス品質を判断する材料の1つです。事業者ホームページやGoogleマップ、ポータルサイトに寄せられた口コミも見てみることをおすすめします。
口コミからは、料金表やサービスの説明書きから分かりづらい接客態度などがうかがえます。ていねいな対応が評価されている事業者であれば、利用者に対して誠実である可能性が高いでしょう。
安すぎる業者には注意!考えられる3つのリスク
「シロアリ駆除は高いからなるべく安い業者に依頼したい」と思っている方は要注意。安すぎる業者には以下のような3つのリスクが考えられます。
- 出張料や清掃費用が別で請求される
- 事前調査が適当で、シロアリ被害が再発する
- 保証範囲が狭く、アフターサービスが使えない
出張料や清掃費用が別で請求される
ほとんどの業者では、交通費や駐車場代、移動経費などが含まれた費用単価を提示しています。しかしごく一部の業者だと別になっている可能性もあるのです。
また「追加費用なし」とうたっていても、駆除完了後に別途費用として清掃代や消毒費用が請求されるケースがあります。
安さだけに飛び付かず、見積もりの段階で出張料や清掃費用について確かめておくことが大切です。
事前調査が適当で、シロアリ被害が再発する
事前調査がずさんになりやすいのが、激安をうたっている業者や個人経営です。1日に何件も仕事が入っている場合などは、1つの依頼に対してかけられる時間に限度があります。
特に家の広さやおおよその被害状況を確認するだけで、床下に潜らずに見積もりを出す業者には注意してください。優良業者であれば、事前調査から床下の細部まで丁寧に調査し、被害状況を確認します。そのため見積もりの作成には、1〜1.5時間ほどかかるのが一般的です。
事前調査がしっかりされていないと、被害箇所が見落とされ、シロアリ被害が再発するリスクが高まります。
保証範囲が狭く、アフターサービスが使えない
ほとんどの業者では5年保証サービスがつけられていますが、保証内容は業者によって様々です。
保証期間中のアフターフォローがない場合、シロアリが再発していたとしても早期発見ができません。また再発の駆除は無償で対応してくれるものの、部分補修は適用外になるケースも見られます。
激安の業者や個人経営の場合、保証書の発行から数年後に閉業してしまっており、そもそも連絡がとれないというケースもあるのです。
駆除が終了した後のことも考えると、保証内容もしっかりチェックしておくことが大切です。
シロアリ駆除のプロを探すならミツモアがおすすめ
この記事では、シロアリ駆除の費用相場について紹介してきました。
大きく分けて「工法」「業者のタイプ」「その他の追加料金」によって相場は変わります。
自分の家ではどのくらいの料金になるのか、複数の業者から見積もりをもらったうえで、安心できるプロに駆除を依頼しましょう。
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