シロアリは家の土台や柱の接合部といった住宅の木材を食い荒らす害虫です。被害が進行すると、主要部分が空洞化して耐震性に悪影響を及ぼし、数十万円を超える駆除と修繕費用がかかります。


延べ床面積によって変わりますが、被害が出る前にシロアリが生息しない予防対策を実施すると、1,500円〜15,000円安く抑えられる一方で、施工方法によって変わるため注意が必要です。
自分でもできる予防策や費用を安くするコツを含め、シロアリ予防にかかる費用相場を確認しましょう。
【坪数別】シロアリ予防費用のシミュレーション
シロアリ予防にかかる費用相場は一般的に1階の延べ床面積で算出されます。住宅の規模によって異なりますが、1坪あたり2,500円〜5,000円が目安で延べ床面積が広くなるほど、費用は高くなる傾向です。
下記のシミュレーションでは、10坪から100坪まで5坪単位で条件を入力すると、およそシロアリの予防費用の概算が把握できるので確認してみましょう。
※ミツモアにおけるシロアリ予防サービスの参考価格から算出しています。(2024年1月1日~12月31日)
※シミュレーションのシロアリ予防費用にかかる料金は、実際の見積もり価格とは異なる場合があります。
なお「㎡数」で単価を記載する業者もあり、1坪は約3.3㎡にあたるため、「㎡×3.3」で坪数に変更できます。
シロアリの予防費用相場はいくら?
シロアリの予防は、主に建物の床下や周囲の土壌に薬剤を散布・注入する「バリア工法」による消毒や点検作業が中心です。薬剤の有効期間は5年で、薬剤入りの餌をシロアリに食べさせて巣ごと全滅させる「ベイト工法」よりも3,000円~4,000円安く抑えられます。
加えて建物の構造や地域、保証内容などによって費用相場が変わり、たとえば30坪の住宅の場合、対象となる坪数は15坪のため、34,500円〜73,500円かかります。
床下の面積が10坪〜100坪で試算した場合のシロアリの予防にかかる費用相場は、下記のとおりです。
家の延床面積(1階部分) | シロアリ予防の費用相場 |
---|---|
10坪(約33㎡) | 11,500円~24,500円 |
20坪(約66㎡) | 23,000円~49,000円 |
30坪(約99㎡) | 34,500円~73,500円 |
40坪(約132㎡) | 46,000円~98,000円 |
50坪(約165㎡) | 57,500円~122,500円 |
60坪(約198㎡) | 69,000円~147,000円 |
70坪(約231㎡) | 80,500円~171,500円 |
80坪(約264㎡) | 92,000円~196,000円 |
90坪(約297㎡) | 103,500円~220,500円 |
100坪(約330㎡) | 115,000円~245,000円 |
※ミツモアにおけるシロアリの予防費用の見積もり価格(1坪あたりの料金は2,300円~4,900円で算出、2024年1月~12月)
業者によっては、バリア工法とベイト工法を併用して作業を行うところもある一方で、その分数万円から数十万円を超える場合もあります。予算と効果のバランスを考慮したうえで依頼しましょう。
シロアリの予防費用を安くする3つのコツ
シロアリの予防費用を安くするコツは、主に3つです。
1.複数の業者から見積もりを取る
業者にシロアリの予防工事を依頼するときは、1社だけでなく、複数の業者から見積もりを取りましょう。業者によっては数万円単位で差が出るケースがあるからです。
同じ条件で見積もりをとることで費用だけでなく、作業内容や保証の有無などの条件も比較検討できます。
2.無料診断や無料点検を利用する
シロアリ業者による床下の無料診断(無料点検)サービスを利用するのも選択肢のひとつです。依頼をすれば、現在シロアリの被害があるか、予防が必要な状態かを専門家がチェックしてくれます。
費用が発生しない範囲で複数社に診断してもらい、その結果を踏まえて予防工事を依頼するか判断できます。加えて無料診断時に具体的な見積もりを提示してもらえることも多いので、費用の比較材料にもなるでしょう。
3.補助金を使ってシロアリ予防工事を依頼する
国や一部の自治体では、住宅のシロアリ予防やリフォームに補助金や助成金を出していることがあります。具体的には、下記のとおりです。
補助金・助成金 | 補助限度額 | 対象要件 |
---|---|---|
長期優良住宅化リフォーム事業(国土交通省) | 80万円~160万円 | ・1階の床面積が40㎡以上、かつ延べ床面積が55㎡以上 ・リフォーム工事内容が住宅の性能基準に適合させるための工事に該当するか など |
住宅リフォーム助成事業(熊本県天草市) | 20万円 | 個人の住宅でリフォーム工事を行う際の金額が10万円以上の場合 |
住宅リフォーム等助成金(鹿児島県瀬戸内町) | 10万円 | 町内在住でリフォームの工事費用が50万円以上の場合 |
住宅のリフォームを支援する補助金や助成金を使ってシロアリ予防にかかる費用に充てられますが、条件が細かく定められています。内容をよく確認してから申請しましょう。
シロアリ予防業者を見極める4つのポイント
シロアリ業者のなかには、高額請求や手抜き工事をする悪徳業者も存在します。良心的な業者を見極めるポイントは、主に下記4つです。
1.しろあり防除施工士の登録を受けているか
シロアリの予防や駆除作業を行うには、「日本しろあり対策協会」認定の「しろあり防除施工士」の資格が必要です。業者を決めるときは、資格を持っているか確認しましょう。
資格を持っているだけでなく、対策協会の会員に登録されていることで必要な知識を持ち、高い技術や品質を保証されています。
2.無料で事前調査を行ってもらえるか
業者に依頼すると、作業を行う前に担当者が来訪して床下や建物周辺の状態について調査を行います。その際、無料で調査が行われるか確認しましょう。業者のなかには、訪問販売で「無料点検」を謳う悪徳業者もおり、調査後に高額の調査費用が請求される場合があります。
加えて家の間取りや床下の様子を調べずに調査を行う業者にも注意しましょう。作業後に追加費用が発生するケースもあるからです。
3.施工内容や保証内容が手厚いか
経験や実績が豊富である点に加え、業者による施工内容や保証サービスについて詳しく紹介しているか確認することも大切です。具体的には、下記のとおりです。
- 予防作業の範囲
- 散布する薬剤の具体名
- 保証期間はどれくらいか
- 工事後にシロアリが発生した場合に無料で再施工してもらえるか
- 業者による損害賠償の保証金額がいくらまでか など
ただし、保証期間中に住宅の増改築を行ったり、雨漏りや漏水を放置したりすると保証が失効するところもあるので注意しましょう。
4.見積もりに金額の内訳が記載されているか
シロアリ業者から見積もりを取った後、金額の内訳が明確に記載されているか確認しましょう。予防作業費用をはじめ、養生費や出張費など、具体的な内訳が示されていないと費用が高くなる要因が分かりにくい状況です。
作業内容だけでなく、内訳を含め業者から提示された金額が適正かどうかチェックしましょう。
シロアリ予防を依頼できる業者4選
シロアリ予防を依頼できる業者は、主に下記4つです。
シロアリ予防業者 | シロアリ予防費用相場(20~30坪の場合) | 特徴 |
---|---|---|
全国展開の大手企業 | 150,000~300,000円 | ・信頼の厚さに期待できる ・一定の品質が望める ・費用が高くなりやすい |
ホームセンター | 100,000~200,000円 | ・比較的に価格は安い ・委託業者によって品質やアフターフォローに差がある |
地域密着のシロアリ業者 | 80,000~180,000円 | ・柔軟な対応に期待が持てる ・費用やサービス内容に少し融通が利く ・担当者のレベルによって仕事の品質が異なる |
個人事業主 | 70,000~150,000円 | ・金額が安くて価格交渉しやすい ・品質や保証内容に大きな差がある |
1.全国展開の大手企業
資本や社員数が大きく、信頼の厚さに期待できる業者です。宣伝費用や人件費にコストをかけていることもあり、予防にかかる費用相場は150,000円〜300,000円と高くなります。
社内教育やマニュアルが整備されており、保証やアフターサービスが充実しているケースが多いことから安心して依頼できます。主な企業のシロアリ予防費用の相場は、以下のとおりです。
2.ホームセンター
ホームセンターは、100,000円〜200,000円と比較的割安な費用で依頼できるのが特徴です。リフォームを含め、店舗でまとめて相談や依頼ができます。
ただし施工自体を担当するのは、ホームセンターから委託された専門業者です。業者によっては品質やアフターフォローも異なるため、依頼するときは作業内容や保証内容をよく確認しましょう。
主なホームセンターで依頼したときの予防費用相場は、下記のとおりです。
3.地域密着のシロアリ業者
特定の地域でシロアリの防除業務を手がける業者です。地域の気候や被害事例に精通しており、迅速な対応やきめ細かな作業を行います。
費用相場は80,000円〜180,000円と大手より70,000円〜120,000円安く抑えられる一方で、施工後の保証やサポート体制が受けられないところもあります。必ず複数の業者から見積もりをとって、料金と作業内容を比較して選びましょう。
4.個人事業主
施工業者と直接やり取りできるのが特徴です。住宅の設備状況や居住する子どもやペットなど、細かな要望を伝えやすいため、費用相場は70,000円〜150,000円と比較的安い金額で依頼できます。
柔軟に対応してもらえますが、中には経験が浅い人もいるため、品質や保証、アフターサービスにリスクがある点に注意が必要です。
自分でできる5つのシロアリ予防策
シロアリ業者に予防措置を依頼すると、建物の坪数によっては費用が高くなります。少しでも費用を抑えたいときは、以下5つの作業でシロアリを寄せ付けない環境を作ることが大切です。
- 家の周りにシロアリの餌になるものを置かない
- 自宅の基礎まわりの風通しを良くする
- 早めに雨漏りの箇所を修理する
- 羽アリが発生していないか確認する
- シロアリ防除剤や木材防腐剤を散布する
1.家の周りにシロアリの餌になるものを置かない
シロアリは木をよく食べる害虫です。家のまわりにダンボールや枕木といったシロアリのエサとなるものは放置しないようにしましょう。そのまま放置すると、シロアリが寄ってきてしまいます。
早めに処分するのはもちろん、屋内で保管したり、コンクリートブロックを敷いたりして地面に触れないようにすることが大切です。
2.自宅の基礎まわりの風通しを良くする
外壁や通気口など、自宅の基礎まわりに植木鉢やものなどでふさがないようにしましょう。シロアリは湿気の多い日が当たりにくい環境を好む性質です。基礎まわりをふさがっていると、床下に湿気がこもってしまい、シロアリが生息しやすい環境を作ってしまいます。
加えて、基礎まわりに植栽で覆われないように定期的に草刈りもしましょう。
3.早めに雨漏りの箇所を修理する
シロアリは玄関や浴室以外の場所から侵入する可能性があります。自宅周辺に雨漏りや水漏れが発生していないか確認しましょう。
雨漏りや水漏れを放置しておくと、木材が湿ってシロアリが棲みつきやすい環境ができてしまいます。半年から1年のペースで確認し、見つけたときは早めに修理することが大切です。
4.羽アリが発生していないか確認する
4〜7月にかけて自宅周辺に羽アリが発生していないか確認することも大切です。もし見つかった場合、シロアリが発生している可能性があるため、業者に駆除を依頼しましょう。
主なシロアリの羽アリが発生しやすい時期は、下記のとおりです。
シロアリの種類 | 羽アリの色 | 発生しやすい時期 |
---|---|---|
ヤマトシロアリ | 黒色 | 4月~5月 |
イエシロアリ | 茶褐色 | 6月~7月 |
アメリカカンザイシロアリ | 赤褐色 | 6月~9月 |
5.シロアリ防除剤や木材防腐剤を散布する
ピラゾール系やフェニルピロール系の成分が含まれる薬剤は、高い殺虫力を見込めますが、人やペットにも強い毒性を発揮するため注意しましょう。
シロアリ予防を依頼したユーザーからの口コミ
実際にミツモアでシロアリの予防措置を依頼したユーザーからの口コミを紹介します。
相見積もりでシロアリ予防業者を探そう
シロアリの予防にかかる費用は決して安くはありません。ただし、万が一被害に遭ってそのまま放置すると、自宅が倒壊するリスクが高くなります。
被害を受けてしまうと、シロアリの駆除や自宅の修繕に数十万円を超えるため、少しでも損害にかかる費用を抑えるためにも、プロの業者に予防措置を依頼しましょう。
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