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シロアリを自分で予防するには?防除や駆除におすすめの薬剤も紹介

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最終更新日: 2024年06月28日

シロアリによる建物被害を予防するには、放置せず、常に確認することが重要です。しかし、具体的にいつ行うべきかや、薬剤処理だけで本当に十分かという疑問がありますよね。

今回はシロアリ被害を自分で予防する対策ついて、特に必要な戸建住宅の特徴やおすすめの薬剤を含めて詳しく説明します。

被害がなくてもシロアリ予防は必要?

シロアリ予防は被害がなくても、できるだけ対策をやったほうがいいでしょう。シロアリは高温多湿な環境を好む害虫で、野外の切り株や枯れ木などから蟻道(ぎどう)と呼ばれる土の道を作り、その中を通って地面から侵入します。

気づかないうちに住宅の柱や床、土台などに使われている木材が食べられてしまい、主要部分が空洞化して耐震性に影響を及ぼします。さらに屋根裏や天井の木材も食い荒らし、雨漏りの原因を引き起こします。修繕するのに甚大な費用と時間がかかるため、被害が出る前に予防対策を行うのは欠かせません。

関連記事:「シロアリの駆除は必要ない」は間違い!対策しないリスクを解説

シロアリによる被害の予防が必要な住宅とは?

シロアリ予防の対策は、家の構造や築年数を問わず必要です。木材を好んで食べることから木造や築年数が古い家だけでなく、RC造や鉄骨造、新築の建物も木材を使われていることから、シロアリが発生する可能性があります。具体的に下記のような条件に当てはまる住宅です。

戸建ての木造住宅

シロアリによる被害が最も遭いやすいのは、主要な部分が木材でできている木造住宅です。建物を安定させるために地面に打ち込む布基礎や、その基礎と床面をつなぐ束柱(つかばしら)に蟻道を作り寄生します。そこから床面・壁などへと食害を起こす範囲を広げていくのです。

木の塀、ポーチ、ウッドデッキがある家は、特にシロアリを引き寄せやすいので注意しましょう。

新築から5年以上経った住宅

住宅を建てる際、シロアリによる被害を防ぐため、建築基準法で防蟻措置を講じることが義務付けられています。しかし防蟻措置で使用した薬剤の効果は5年程度といわれており、5年を経過すると、徐々に効果が弱まってくるので、これを目安に対策を行いましょう。

関連記事:新築でもシロアリは発生する?新築だからできる予防法と駆除方法

軽量鉄骨・コンクリート造の住宅

マンションやアパートを含む、軽量鉄骨造やコンクリート造の住宅も注意が必要です。なぜなら、コンクリートにすき間があったり、ひび割れがあるとそこからシロアリが侵入し、内部にある木製の部材や断熱材を食べるからです。加えて、コンクリート造の住宅の床下は気密性や保温性が高い環境のため、わずかなすき間から侵入すると、仲間を呼び寄せて被害を拡大させるケースもあります。

自分でできる建物周辺のシロアリ予防対策

シロアリ予防の必要な理由と住宅の特徴について紹介したところで、自分でできるシロアリ予防策について解説します。建物の周りや庭などでできる対策は下記のとおりです。

建物の外壁沿いに荷物を置かない

シロアリは湿り気が多く、日の当たりにくい場所を好んで生息する性質があります。外壁に沿って荷物を置くと光が届かず、湿気がこもりやすくなります。なるべく壁沿いに荷物を置かず、空気が流れやすい状態にしましょう。

通気孔(換気口)を塞がない

建物のコンクリートの基礎には、換気を目的とした通気孔(換気口)が設置されています。物置や鉢などで通気孔を塞がないようにしましょう。床下に新鮮な空気が入らず、シロアリの好むジメジメとした暗い環境となり、蟻道ができる可能性があります。

関連記事:蟻道を見つけたらシロアリがいる?判断のポイントと対処法をチェック

植木が生い茂っている場合は剪定する

植木鉢や雑草などで建物の基礎が覆われてしまうと、基礎部分が確認できないほか、湿度が高くなってシロアリが住み着きやすい環境になります。鉢植えであれば移動させる、地植えであれば剪定や間引きをするなどして、日あたりと風通しを確保するようにしましょう。

シロアリに強い木材を使用したウッドデッキを設置する

庭にウッドデッキを設置するときは、ウリンやイタウバ、クマルなど、ハードウッドの素材を使用しましょう。ソフトウッドと比べて耐水性や耐久性があり、シロアリ被害のリスクを軽減できます。あわせて、ハードウッド以外に人工・樹脂木材を使ったウッドデッキを設置するのも有効です。

建物の周りにシロアリのエサになるものを置かない

建物の周りに木の杭や切り株、ダンボールなど、シロアリのエサになるものは置かず、使わないものはすぐに処分しましょう。たとえば、植木から出る枯葉や枝、新聞紙などを屋外に放置したまま処分し忘れるとシロアリが住み着き、巣を作ってしまいます。

特に日が当たりにくい北側の壁際などは、日が当たりにくくてシロアリが住み着きやすいので、置かないようにしましょう。

自分でできる室内のシロアリ予防対策

建物の周りや庭だけでなく、室内もシロアリが侵入されないように予防対策を行う必要があります。行うべき具体的な対策は以下のとおりです。

床下の状況を確認する

床下に潜ることが可能な場合、土が湿っていないか、蟻道のようなものができていないかなど、シロアリが潜んでいないか確認しましょう。点検する際、厚手の服やマスクなどを着用し、懐中電灯やドライバーを持ったうえで点検すると便利です。

床下の土が湿っていたり、木材が柔らかくなっていると、湿気がたまっている証拠です。さらに木材が柔らかい場合は、既にシロアリに侵食されている可能性もあります。手やドライバーで木材をつつき、柔らかくないか確認しましょう。

屋根裏に雨漏りがないか確認する

シロアリは屋根や屋根裏にも発生することがあります。雨漏りが原因で屋根の木材が濡れていると、シロアリが発生する可能性が高くなるため、屋根の上や雨どいにたまった落ち葉やゴミを掃除し、水はけをよくして水たまりが出来ないようにしましょう。

加えて雨どいに割れがあると、隙間から屋根裏に水分が入ってきてしまいます。雨樋が劣化している時は、放置せず修理や交換することが大切です。

また以下の症状がみられるときは、雨漏りが発生している可能性があります。その場合は専門の業者に問い合わせましょう。

瓦屋根 ずれや割れ、かわらが浮いていたり、がたつきがある
金属板の屋根 板の浮き上がりやサビ、がたつき、塗装の色あせが見られる

常に浴室を換気する

室内で最もシロアリによる被害が受けやすい場所は浴室です。水分が溜まりやすいところはシロアリが好む環境のため、水気が残らないように浴室の換気扇を回したり、窓を開閉したりして、換気をしましょう。定期的に換気扇のフィルターを掃除して、換気効率を下げないようにするのもポイントです。

玄関に水を流さない

玄関の掃除で水を流す際、余分な水分が残らないように乾燥させましょう。浴室と同様、玄関もシロアリの被害が受けやすい場所で水分が残ると、シロアリが侵入しやすくなります。

普段使うものは押し入れの下段に入れる

押し入れの下段も湿気がこもりやすい環境のため、床下からシロアリが侵入して被害を受けてしまいます。下段に掃除機や道具入れなど、普段から使うものを入れておいたり、除湿剤を置いたりして、シロアリが侵入されやすい環境を作らないようにしましょう。あわせて定期的に押し入れの襖を開けて、風通しを良くするのも大切です。

排水管の水漏れがないか確認する

排水管の水漏れを放置しておくと、床下や壁などに水が浸透し、シロアリが侵入しやすくなります。排水管のパッキンの劣化やナットにゆるみがある場合、さらに床下点検口のフタを開けて異臭がしたときは、水漏れが発生している可能性があります。できる限り早めに修理を依頼しましょう。

シロアリ予防・駆除におすすめな市販の薬剤

シロアリの侵入を予防するなら、床下や庭、ウッドデッキ周辺など、シロアリが発生しそうな場所に薬剤を散布するのも手段のひとつです。

ただし、効果が半年以内程度と短いものが多く、こまめに薬剤を使用しないと予防効果が維持できません。さらに、予想されるシロアリの動きに合わせた場所に薬剤を使用するなど、ポイントも多くあります。長期的に確実にシロアリを予防したいなら、プロに依頼するのがおすすめです。

シロアリの防除で使える主な薬剤は、下記のとおりです。

薬剤の商品名 使用箇所
アースガーデン「シロアリ・羽アリ撃滅」 木製の囲いやウッドデッキ、木製プランターなど
フマキラー 「シロアリジェット プロ 」 床下やすき間
ライオンケミカル「ピレキラ 虫よけパウダー」 床下、家屋の周囲、通気孔、植木鉢の周辺など
イカリ消毒「木部用 シロアリ退治スプレー」 木製の囲いやウッドデッキ、ラティスなど
吉田製油所 「白アリミケブロック業務用」 床下、外壁の木部
吉田製油所「白アリスモークマン」 床下
アースガーデン「シロアリの巣撃滅」 床下

アースガーデン「シロアリ・羽アリ撃滅」

アースガーデン シロアリ駆除剤 シロアリ・羽アリ撃滅 [1000ml]|Amazon
屋外専用のスプレータイプの防除剤です。シロアリや羽アリの殺虫成分や木材の防腐成分が含まれており、ウッドデッキや木製の囲いなどに噴霧すると、約6か月間防除効果が持続します。

フマキラー 「シロアリジェット プロ 」

シロアリの駆除や予防、木材防腐として使えるエアゾールタイプの防除剤です。床下や建物のすき間など、狭いところにも噴射できる商品のため、隠れたシロアリもしっかりと退治できます。シロアリだけでなく、ムカデやヒアリ、ダンゴムシなどにも効果があります。

ライオンケミカル「ピレキラ 虫よけパウダー」

ライオンケミカル ピレキラ 虫よけ パウダー ピレスロイド系殺虫剤 1.5kg|Amazon

床下や家屋の通気孔、植木鉢の周辺などに散布する粒状のシロアリ駆除・防除剤です。シロアリが集まりやすい場所に散布するだけなので、手間をかけずに広範囲でシロアリの侵入を予防できます。

ただし雨が降ると、効果が弱まる場合があるので、屋外で散布するときは雨が上がった後にしましょう。

イカリ消毒 木部用 シロアリ退治スプレー

イカリ消毒 シロアリ駆除剤 シロアリ木部用エアゾール 480ml|Amazon

庭のウッドデッキやラティスといった木製のアイテムに直接散布する商品です。業務用で使用するシロアリ防除成分や防腐剤が含まれており、噴霧すれば最長で1. 5年間防蟻や防腐の効果が持続します。針ノズルも付いているので、狭いすき間や被害部分の奥まで狙えます。

吉田製油所 「白アリミケブロック業務用」

シロアリ予防や駆除、木材防腐効果がある業務用のシロアリ予防駆除剤です。液状の薬剤で水で50倍に薄めた後、ハケで木材に塗布したり、噴霧器で木部表面に吹き付けたりします。

「社団法人日本しろあり対策協会」の認定を受けており、匂いが少なく、揮発しにくい特徴があるため、ヒトへの健康の影響は少ない商品です。

吉田製油所「白アリスモークマン」

吉田製油所 床下用 白アリ燻煙剤 白アリスモークマン 100g|Amazon

床下からシロアリの侵入を防ぎたい人は、くん煙剤タイプの防除剤を使用するのもおすすめです。床下に置いて着火するだけで、薬剤を含んだ煙が広がり、1缶につき15~20坪まで処理できます。

ただし、くん煙剤の成分は木材の内部まで浸透しないため、シロアリや羽アリの侵入や定着を防ぐ予防策として使用しましょう。

アースガーデン「シロアリの巣撃滅」

アースガーデン シロアリ駆除剤 シロアリの巣撃滅 [8個入]|Amazon
床下に薬剤を散布できない場合や抵抗があるときは、シロアリが好む木に殺虫成分を混ぜたベイト剤(毒エサ)を地面に仕掛けて予防するのも有効です。台所や浴室といった水場付近の屋外や切り株周りなどに仕掛けた後、シロアリが容器内に侵入してエサを食べることで侵入を防ぎます。

ただし効果が出るまで時間がかかるほか、イエシロアリなど個体数の多いシロアリの場合は、巣全体の駆除が難しいことが多いので注意が必要です。

関連記事:シロアリ駆除剤は目的と成分で選ぼう!おすすめアイテムも紹介

シロアリの予防業者に依頼する場合

日ごろから自宅にシロアリが侵入されないように自分で予防対策を行うのはもちろん、より効果を上げたいなら、シロアリの予防業者に依頼しましょう。予防業者に依頼するタイミングや依頼にかかる費用、業者を選ぶポイントについて解説します。

薬剤でシロアリ予防する頻度は5年ごとに

シロアリ予防の薬剤は、5年が経つころに効果が弱まってきます。万全な予防効果を維持したい人は、5年ごとに予防業者に依頼しましょう。加えて4月~7月ころには羽アリの活動も活発になるので、そのタイミングに合わせて依頼するのもおすすめです。

業者にシロアリ予防を依頼する費用

シロアリ予防を業者に依頼する場合、駆除剤を混ぜた特殊なエサを設置してシロアリを駆除する「ベイト工法」と、噴霧器を使って床下に薬剤を散布する「バリア工法」によって料金は変わります。平均的な費用は以下の通りです。

バリア工法 ベイト工法
単価(1坪)  6,300~8,300円 6,500~10,000円
30坪(外周40m) 19万~25万円 20万~28万円

一方で大まかな相場は次のとおりです。

単価(1坪) 30坪(外周40m)
大手企業・農協 10,000円~ 30万円~
地域密着型の業者 5,300~9,900円 16~30万円
ホームセンター 3,300~4,500円 10~14万円
小~中規模業者 3,000円~ 9万円前後

家の広さやシロアリ予防の内容によって料金が決まります。自分のニーズに合った業者に依頼できるように、複数の業者から見積もりを取るといいでしょう。

関連記事:シロアリ駆除の費用相場はいくら?施工法・業者・状況の要因で把握できる!

シロアリ予防業者を選ぶポイント

実際にシロアリ予防業者に依頼するとき、下記3つのポイントをチェックしましょう。

  1. 費用や見積もりの内訳がわかりやすいか
  2. 日本しろあり対策協会の会員かどうか
  3. 手厚いアフターケアサービスを受けられるか

1.費用や見積もりの内訳がわかりやすいか

家庭の規模やシロアリ予防業者の作業内容によって料金は細かく変わります。見積もりの際に内訳が分かりにくいと、相場に対して提示された料金が適正であるか判断がつきにくくなります。業者のホームページに基本料金などの情報が掲載されているか確認しましょう。

 

2.日本しろあり対策協会の会員かどうか

シロアリ予防業者の実績はもちろん、「日本しろあり対策協会」の会員かどうか確認するのも選ぶポイントのひとつです。「日本しろあり対策協会」は国土交通大臣の許可を得ている団体で、登録会員は高い条件をクリアして加入しています。

また、定期的にシロアリ防除の講習会を実施したり、資格制度として「しろあり防除施工士」の検定や登録を行ったりしています。この会員であれば、一定以上の技術と品質が保証されている証拠です。

 

3.手厚いアフターケアサービスを受けられるか

シロアリは同じ住宅に何度も発生する可能性があり、長期的なメンテナンスが必要です。予防業者によっては、シロアリの被害が再発しないように定期的にアフターケアサービスを手厚く行ってもらえます

再予防などのアフターケアを受けられないと費用がかさんでしまう可能性があるため、再発時の修復費用の限度額やサービス内容など、詳しく説明してもらえる業者を選びましょう。

 

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シロアリの侵入を予防する対策やおすすめの薬剤について紹介しました。シロアリは季節を問わず活動しており、特に5月ごろには羽アリの活動が活発になります。自分でできる対策を行いつつ、プロの予防業者に依頼しましょう。

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