被害がなくてもシロアリ予防は必要?
木造や築年数が経った住宅でなくても、シロアリ被害に遭うことがあります。たとえコンクリート造や十分に乾燥した環境でも、わずかな隙間から内部に侵入したり、乾燥した環境を好むシロアリが住み着いたりする恐れがあります。
シロアリに侵食された家は強度を失って耐震性が下がり、万一の時に倒壊する危険性が高まります。また、食害を受けた家を元通り修繕するには多額の費用がかかるでしょう。
そのため、どのような家であってもシロアリ予防をきちんとすることがおすすめです。
シロアリ予防が特に必要な家とは
シロアリは主に床下から被害を広げていきます。目につきにくい場所で影響を拡大させていく点がやっかいです。
特に以下の条件に当てはまる家はシロアリ被害を受けやすいので注意が必要です。
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被害が大きくなりやすい「戸建ての木造住宅」
シロアリがエサとする木材でつくられた「木造住宅」は、最も被害に遭いやすい構造といえます。
シロアリは、建物を安定させるために地面に打ち込む布基礎や、その基礎と床面をつなぐ束柱(つかばしら)に蟻道を作り寄生します。そこから床面・壁などへと食害を起こす範囲を広げていくのです。
基礎部分が侵食されると建物全体の安全性が低下し、最悪の場合は倒壊してしまう恐れも。また外壁や柱をつたって2階部分にまで到達し、壁材や屋根材に食害が発生すると、雨漏りの原因にもなります。
木の塀、ポーチ、ウッドデッキがある家は、特にシロアリを引き寄せやすいので注意しましょう。
新築から5年以上経った住宅
「我が家は新築だからしばらくは安心」と考えているうち、気づけば10~15年経っていたという方もいらっしゃるかもしれません。
住宅を新築するときは、基礎や束柱にシロアリを防ぐための加工を施すことが多いです。この予防効果は一般的に約5年で切れるといわれています。
新築から5年はあっという間に感じますが、油断せずシロアリ予防をしておくのがおすすめです。
コンクリートの住宅も要注意
「我が家はコンクリート造だから心配ない」と思っている方もいるのではないでしょうか。確かに木造住宅よりは被害に遭いにくいですが、油断は禁物です。コンクリート造の住宅であってもシロアリ被害に遭った実例は多くあります。
シロアリは侵食するとき、建材を嚙み砕いて進みます。木に比べて固いコンクリートは、その面で安全性が高いでしょう。しかしコンクリートであっても、どうしても隙間は生まれるものです。その間を縫って入り込み、徐々に寄生場所を広げ基礎部分へと達します。一度基礎や束柱に到達してしまえば、そこから侵食が進んでしまうのです。
また、コンクリートそのものを噛み砕き、穴を開けてしまう場合もあります。コンクリート造だからと予防を怠ることはせず、しっかり対策しましょう。
自分でできるシロアリ予防5つ
家の周辺の手入れや家の修理・修復作業など、自分でできるシロアリの予防策を5つ紹介します。シロアリを寄せ付けない環境を作りましょう。
①シロアリが発生しやすい場所を定期的に点検する
家の状態を把握しておくことで、シロアリ被害に気づきやすくなります。以下の3ヶ所を定期的に点検しましょう。
①家の周囲
家の周囲の点検では、外壁に沿って地面から土で作った道のようなものがないか確認しましょう。
これはシロアリの蟻道(ぎどう)といい、シロアリが移動するときに使うトンネルのようなものです。不自然に壁に土の道があると、シロアリがいる可能性が高いです。その場合は業者にきちんとした点検をしてもらうことをおすすめします。
また換気口が荷物などでふさがれていないか、木の板などの木材が家の周辺に放置されていないか確認しましょう。
換気口を防いでしまうと床下に湿気がたまり、シロアリが住み付きやすい環境ができてしまいます。またシロアリは木材に寄ってくる傾向があるため処分や移動させておきましょう。
壁に接する樹木などにまず寄生し、そこから建材へと忍び寄る場合もあります。そのため外周の状態もチェックが必要です。
②屋根裏や屋根
「シロアリは床下にいる虫」と思われがちですが、屋根や屋根裏にも発生することがあります。外壁などをつたって上にのぼり、餌となる木材でできている屋根組みなどを侵食します。特に、濡れて柔らかくなっている木材はシロアリの大好物です。雨漏りや湿気で屋根の木材が濡れていると、シロアリが発生する危険性が高くなります。
屋根の上や雨どいにたまった落ち葉やゴミを掃除し、水はけをよくして水たまりが出来ないようにしましょう。また雨どいに割れがあると、隙間から屋根裏に水分が入ってきてしまいます。雨樋が劣化している時は、放置せず修理や交換をしましょう。
また以下の症状がみられるときは、雨漏りが発生している可能性があります。その場合は専門の業者に問い合わせましょう。
瓦屋根 | ずれや割れ、かわらが浮いていたり、がたつきがある |
金属板の屋根 | 板の浮き上がりやサビ、がたつき、塗装の色あせが見られる |
③床下
床下に潜ることが可能な場合は点検しましょう。ダイニングの床下収納庫から、または畳を一枚あげて床板を外すと床下に入れます。
点検する際は汚れる可能性が高いため、厚手の服と靴、軍手、帽子を着用しましょう。懐中電灯やドライバーなどを持って点検すると便利です。
以下の5つの点を確認してください。
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床下の土が湿っていたり、木材が柔らかくなっていると、湿気がたまっている証拠です。
さらに木材が柔らかい場合は、既にシロアリに侵食されている可能性もあります。手やドライバーで木材をつつき、柔らかくないか確認しましょう。シロアリが周囲にいないかも併せて確認します。
また水漏れも湿気の要因であるため、修理や対策をすることでシロアリが寄り付かなくなるでしょう。
②基礎周りの風通しと日当たりを確保する
シロアリは湿り気が多く、日の当たりにくい場所を好んで生息する性質があります。そのため家の周囲の湿度を抑え、風通しのよい環境を維持することが大切です。
そのために以下の点に注意しましょう。
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日当たりのいい立地の場合でも、荷物を置くことで影ができてしまいます。置いた荷物は空気の流れの妨げにもなり、そのエリアが暖かく湿った環境になりやすく、シロアリが寄ってきしまいます。特に日があたりにくい北側の外壁は、段ボールや廃材などを置くのは極力避けましょう。
また、基礎部分には換気を目的とした通気口が設置されています。この通気口を植木や棚などで塞がないようにしましょう。床下に新鮮な空気が入らず、シロアリの好むジメジメとした暗い環境ができあがってしまいます。
また植木が生い茂っている場合も対処が必要です。鉢植えであれば移動させる、地植えであれば剪定や間引きをするなどして、日あたりと風通しを確保してください。なお、植木にシロアリが発生している場合は丸ごと処分しなければなりません。
調湿材を使うと床下の湿度を適切に保ち、シロアリを予防できます。使う際には床下に潜らなければならない点は注意しましょう。
③家の周りにシロアリのエサになるものを置かない
家の周囲にはシロアリのエサとなるものを、無意識に散在させがちです。家の外周を見回り、木片や紙類がないかどうかをしっかりと確認し、不要な放置物は取り除きましょう。シロアリの餌になるものが置いてあると、家に住み着くきっかけになってしまいます。
例えば植木から出る枯葉や枝、屋外に放置したまま処分し忘れた段ボールや雑誌などに巣くうことも少なくありません。これらが家の周りに置いてある場合は、すぐに片づけましょう。特に日が当たりにくい北側の壁際などは、念入りに確認してください。
④薬剤を使用する
市販の薬剤を使用して、自分でシロアリ予防をするのも一つの方法です。床下をはじめ、シロアリが発生しそうな場所に薬剤を散布・設置していきます。
市販の薬剤は安いものでは1,000円ほどで入手でき、手軽に予防することができます。
ただし、効果が半年以内程度と短いものが多く、こまめに薬剤を使用しないと予防効果が維持できません。さらに、予想されるシロアリの動きに合わせた場所に薬剤を使用するなど、ポイントも多くあります。長期的に確実にシロアリを予防したいなら、プロに依頼するのがおすすめです。
シロアリ予防・駆除におすすめな市販の薬剤
シロアリ予防や駆除のための専用薬剤はホームセンターやネット通販でも販売されており、一時的な予防なら市販の薬剤でも可能です。
ここではシロアリの予防・駆除に使える薬剤を紹介していきます。
フマキラー 「白アリミケブロック業務用」
揮発しにくい性質を持つため、住んでいる人の安全面にもしっかりと配慮されています。臭気や刺激性もほぼなく木材腐朽菌やカビにも有効です。
イカリ消毒株式会社「シロアリハンター」
使い方も簡単で、土に埋めるもしくはテープで貼り付けるだけでOKです。昆虫の生育を阻害する成分でできているものもあり、人体やペットに害がないのもメリットです。
フマキラー 「シロアリジェット プロ 」
また含まれている防腐剤によって、木製品を痛めずに駆除と予防ができます。木製部分の多い建物に住んでいるかたはこれ1本で安心ですね。
確実なシロアリ予防は業者に依頼するのがおすすめ
シロアリの活動経路や巣のありかなどは、素人ではなかなか見つけにくいものです。そのためどこに向けて作業してよいか分からない方は多いでしょう。
専門家なら薬剤を塗布・噴霧する場所を的確に判断し、効果的な対策をしてくれます。確実な予防効果を得たい方は、シロアリの予防・駆除を専門とする業者に依頼するのがおすすめです。
業者がシロアリ予防に利用する方法は、「バリア工法」と「ベイト工法」の二種類です。それぞれの特徴を説明します。
バリア工法
バリア工法は基礎部分や住宅の木材を使用している箇所に薬剤を散布して、シロアリを駆除したり寄生を防いだりするものです。その名称の通り、寄ってきやすい場所を薬剤でバリアするように守ることで、シロアリによる被害を防ぎます。
被害が起こりやすい床下や基礎、壁といった場所に直接薬剤を噴霧・塗布するため、即効性が期待できます。既に被害が生じている場合には、駆除効果も得られる点で効果的です。
ただし人体やペットへの健康被害には配慮が求められます。薬剤に敏感な方やペットへの影響が心配な方は、アレルギーなどに注意する必要があるでしょう。
また基礎の高さが低く、床下に人が入れない場合はバリア工法は向いていません。
ベイト工法
ベイト工法は活動経路に薬剤を含むエサを仕掛け、それを食べさせることによって撃退する方法です。エサという意味の英語である「bait(ベイト)」に由来しています。また、ベイト剤が効いたシロアリの死骸を仲間が食べると、死骸に含まれた薬剤も一緒に体内に入ることから、駆除の連鎖効果もあります。それらの働きによって巣全体が打撃を受けるのです。
この方法の利点は少ない薬剤で巣を壊滅させる効果が期待できることです。安全性が高く、ペットや小さな子どもがいるご家庭でも安心です。
ただし、薬剤によってシロアリの脱皮を阻害して死滅させるという仕組みなので、シロアリの巣を完全に壊滅させるには時間がかかります。
業者にシロアリ予防・駆除を依頼する費用
シロアリ予防を業者に依頼する場合の平均的な費用は以下の通りです。
バリア工法 | ベイト工法 | |
単価(1坪) | 6,300~8,300円 | 6,500~10,000円 |
30坪(外周40m) | 19万~25万円 | 20万~28万円 |
また、一口に業者といっても大手から個人経営まで様々な規模の業者がいらっしゃいます。大まかな相場は次の通りです。
単価(1坪) | 30坪(外周40m) | |
大手企業・農協 | 10,000円~ | 30万円~ |
地域密着型の業者 | 5,300~9,900円 | 16~30万円 |
ホームセンター | 3,300~4,500円 | 10~14万円 |
小~中規模業者 | 3,000円~ | 9万円前後 |
費用以外にも、それぞれの業者には異なる特色があります。例えば大手企業や農協は、やや割高な代わりに経営が安定していて長期的な関係が見込めます。ホームセンターは割安で依頼できますが、下請けが工事をすることが多く、作業品質がバラつくかもしれません。
自分に合った特徴を持つ業者に依頼することが重要です。業者選びで失敗しないためにも、複数の業者で見積もりしてもらうとよいでしょう。
関連記事:シロアリ駆除の費用相場はいくら?施工法・業者・状況の要因で把握できる!|ミツモア |
シロアリ予防業者を選ぶ際のポイント
実際にシロアリ駆除を業者に依頼するときはどんなことに注意すればいいのでしょうか。ここからは業者を選ぶ際に見るべきポイントを紹介します。
関連記事:シロアリ駆除業者の失敗しない選び方!注意点や費用、予防法も解説|ミツモア |
費用や見積もりの内訳がわかりやすいか
まず大切なのは、かかる費用が明朗であることです。料金はご家庭の規模や作業内容によって細かく変わってきます。そのため見積もりの際に内訳が分かりにくいと、相場に対して提示された料金が適正であるか判断がつきにくくなります。
一番最初に確認すべきは業者のホームページです。基本料金などがサイト上に提示されていない場合はその業者に依頼すべきではありません。
知らないうちに料金がかさ増しされていた、といったことにならないように見積もりの段階でしっかり確認しましょう。
日本しろあり対策協会の会員かどうか
シロアリ対策は熟練した技能が必要な作業です。失敗したくないと考えている方は、特に業者の今までの実績や「日本しろあり対策協会」の会員かどうかを重視して選びましょう。
「日本しろあり対策協会」は国土交通大臣の許可を得ている団体で、登録会員は高い条件をクリアして加入しています。また、定期的にシロアリ防除の講習会を実施したり、資格制度として「しろあり防除施工士」の検定や登録を行ったりしています。この会員であれば、一定以上の技術と品質が保証されているサインです。
アフターケアが充実しているか
シロアリは同じ住宅に何度も発生する可能性がある虫です。もし予防が十分ではなくシロアリが発生してしまったときに、再予防などのアフターケアを受けられないと費用がかさんでしまうでしょう。
優良な業者の場合は基本的にアフターケアサービスを充実させています。万一の際のコストを気にせずをお願いできるのは、安心感の観点でも嬉しいポイントですよ。
シロアリ予防を行う頻度と最適な時期
シロアリの予防は何年ごとに行えばよいのか、最適な時期はあるのかを解説していきます。
薬剤での予防は5年ごとに
シロアリ予防の薬剤は、5年間の持続をめどに作られています。長期間効果が持続する強力な薬剤は、人体や環境に良くないためです。散布・設置された薬剤は徐々に分解されていき、5年が経つ頃には効果が弱まっています。
そのため、万全な予防効果を維持するには5年ごとの定期的な作業が必要です。
ベイト剤を用いた場合は、それよりも短い期間で再設置が必要になる場合もあるでしょう。工法によって、見直しや再施工の期間を確認しておくことが必要です。
シロアリの予防は季節を選ばずに
シロアリの予防に、特に最適な時期はありません。あえて挙げるとすれば、前回散布・設置した薬剤の効果が弱まった頃になります。つまり、前回の施工から5年が経った頃です。時期が近づいたら、季節を問わず再び予防を依頼しましょう。
シロアリの駆除業者の中に、作業時期として5月~7月頃を推奨しているところもあります。しかしこれは私達がシロアリの存在を視認できる、羽アリの活動シーズンが5月頃というだけなのです。
使用しているシロアリの薬剤が効果を発揮できる期限を、きちんと把握しておくことが大切です。
ミツモアでシロアリ予防を依頼した人の口コミ
「ミツモア」を通してシロアリ予防を依頼した利用者からの口コミを紹介します。
「薬剤散布から防腐・防カビ施工も全部コミコミの金額なので、本当にお安いと思いました」
- 利用時期:2022年
- 評価:評価:★★★★★ 5
築5年、初めてのシロアリ防除施工をしていただきました。新築の家を購入した時、5年後の点検・薬剤散布は必ずやるように不動産会社から言われていましたが金額があまりに高く、インターネットで探していたところ○○さんと出会いました。 予約もすぐ取れて、当日は時間ピッタリに来て下さいました。それからは丁寧な説明と迅速な作業で、部屋が汚れたり匂いが気になる事もなく終わりました。 床下点検後の説明でシロアリの被害はなく安心できましたし、薬剤散布の時防腐・防カビ施工も一緒にして下さいましたが全部コミコミの金額なので、本当にお安いと思いました。普段見ることがない床下の様子も細かく見せていただき、その写真と保証書も送って下さるとのこと。シロアリを写真で説明してくださり「家の外で見つけたらすぐに連絡を下さい」と言って下さった事も心強かったです。全てにおいて大満足でした!担当の○○様の対応や笑顔も素晴らしかったです。これからは5年に一度お世話になると思います。本当にありがとうございました。
「最初の説明から施工、施工後の説明までとても親切で安心して任せられました」
- 利用時期:2022年9月
- 評価:評価:★★★★★ 5
シロアリの予防をお願いしましたが最初の説明から施工、施工後の説明までとても親切で安心して任せられました。デジカメで詳しい写真(ビフォーアフター)も見せていただきました。ゴキブリの対策までお話、そして対処して下さり助かりました。暑い中での作業大変だったと思います。この度は本当にありがとうございました。
「白アリ以外の害虫害獣対策のノウハウも教えていただきました」
- 利用時期:2023年3月
- 評価:評価:★★★★★ 5
白アリ予防施工をお願いしました。作業前、作業中に、詳細且つ丁寧に分かりやすく説明して頂きました。床下だけでなく外の基礎周りもしっかりと薬剤散布して頂きました。 白アリ以外にもGやネズミなどの害虫害獣対策のノウハウも教えて頂き、実際にその場で可能な範囲で実践もしてくださいました。 次回もお願いしたいと思います。
シロアリ予防・駆除のプロを探すならミツモアがおすすめ
住宅は毎日の暮らしを安全かつ快適に送れる場所でなければなりません。そのためにもシロアリには十分な備えが必要です。定期的なチェックと予防対策を万全に行いましょう。
ミツモアでは豊富な経験と知識を持ったシロアリ予防・駆除のプロに見積もりの依頼が可能です。まずはプロに相談をしてみてはいかがでしょうか?
簡単な質問に答えて見積もり依頼
ミツモアならサイト上で予算、スケジュールなどの簡単な質問に答えるだけで見積もりを依頼できます。複数の業者に電話を掛ける手間がなくなります。
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