自宅の床下を調べると、茶色く細長い土の塊がいくつも付着している場合があります。
これはシロアリが作る蟻道かもしれません。蟻道の特徴やシロアリが作る蟻道の見分け方などを紹介します。また蟻道を見つけた際の対処法もみていきましょう。
蟻道がシロアリのものかどうか見分けるポイントは?
シロアリの蟻道fは、指で押しても崩れず、固いのが特徴です。軽く押してみて崩れた場合は、他の虫の巣の可能性が高いです。
蟻道があったら駆除が必要?
蟻道を発見したらできるだけ早く駆除業者に依頼するようにしましょう。放置していると、住宅への被害が広がっていきます。
蟻道(ギドウ)とは?
蟻道(ギドウ)とは、文字通りアリの道という意味です。ギドウを通して、シロアリは移動し、家の中での置く動範囲を広げていきます。
シロアリが移動するためのトンネル
シロアリの蟻道は、茶色い土(蟻土)でできた細い管の形をしています。蟻土は、土や木のカスを、シロアリの排せつ物で固めて作られたものです。
シロアリは外気や光を苦手とするため、移動時は外気の流入を避ける道を作るのです。体に太陽の光や直射日光が当たってしまうと、シロアリの体内の水分が飛んで、死んでしまいます。
シロアリは餌を求めて地中を移動しますが、たまたまぶつかった住宅の床下から地表を目指してはい上がってきます。
蟻道には水を運ぶための「水取り蟻道」と、餌を運ぶ「餌取り蟻道」にわけられます。外敵から身を守る役割もあり、蟻道はシロアリにとってライフラインといえるでしょう。
長いもので100m程のものもあり、蟻道を見つけたからといったすぐ近くに巣があるわけではありません。蟻道が長ければ長いほど、シロアリの被害範囲も大きくなります。
蟻道と巣の違いは何?
たまに、「蟻道」と「巣」を同じものと考える人がいますが、「蟻道=巣」ではありません。
蟻道は、あくまでもシロアリの通り道です。蟻道からつながった地中深くや木材の中にあるのがシロアリの巣です。
シロアリの巣には、女王アリや働きアリがいますが、蟻道の中にいるのはほとんど働きアリです。
シロアリの種類によって蟻道が異なる
日本で、住宅に被害を及ぼすシロアリは4種類いて、その中でも蟻道を作るのはヤマトシロアリとイエシロアリの2種類だけです。
ヤマトシロアリの蟻道の特徴は、細長いひものような形状をしていることです。イエシロアリの蟻道は、幅が広い(横に長い)特徴を持っています。
あらかじめ蟻道の種類がわかっていると、業者への依頼がスムーズになったり、専門の業者に依頼することができたりします。
日本でよく見られるシロアリ4種 |
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以下の関連記事では、ヤマトシロアリとイエシロアリの違いについて紹介しています。違いがよくわからないという方は、ぜひ参考にしてみてください。
蟻道は空中やコンクリートにもできる
蟻道が作られる場所は、住宅木材の表面に多いですが、コンクリートにもできることがあります。シロアリ被害は木造住宅だけではありません。全長4〜6mmほどの小型の虫であり、断熱材と木材などの小さなすき間でも簡単に移動できるのです。
また、天井へ向けて空中蟻道を作ることもあります。シロアリは、ぶつかった場所を壁だと思い込む習性があるため、小さな石などに当たっただけでも壁だと感じます。壁を見つけると、蟻道を作り始めるため、結果として、空中に蟻道が作られるのです。しかし、天井まで空中蟻道がつながることは少なく、多くの場合は、途中で折れてしまいます。
シロアリの蟻道の見分け方
シロアリの蟻道のような通り道を作る虫がいます。シロアリの蟻道と他の虫の通り道との違いを紹介します。
【触ると崩れやすい】クロアリ
シロアリの蟻道 | クロアリの蟻道 |
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シロアリの蟻道とよく似たものに、クロアリの蟻道があります。クロアリが蟻道を作る理由は、シロアリ同様に乾燥を苦手とする種もいるからです。
クロアリの蟻道はほとんどが木くずから形成されています。そのためもろく崩れやすい特徴があります。
シロアリとクロアリの蟻道を見分けるためには、軽く触れて崩れるかどうかで簡単に見分けられるでしょう。
シロアリの蟻道は放置しておくと住宅に被害がおよびますが、クロアリの蟻道はとくに駆除する必要はありません。
ただし家の中で蟻が頻繁に見られる用であれば、駆除するようにしましょう。
【触るとフワフワしている】ジグモ
シロアリの蟻道 | ジグモの巣 |
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シロアリの蟻道によく似たものを作る虫に、「ジグモ」がいます。シロアリと同じく地中で暮らしていますが、餌を求めて地上に筒状の巣を伸ばすのです。
ジグモの延長された巣は、やわらかく糸のような白っぽい物体が目視できます。
シロアリの蟻道かどうかを確認する際は、巣を少し壊してみましょう。
やわらかくすぐに壊れたらジグモの巣の可能性が高いです。崩した巣からクモが出てきたら、シロアリの巣ではないと判断できるでしょう。
ジグモは巣から出しても、人間に危害を加えることはありません。
【巣に丸い穴が空いている】ドロバチ
シロアリの蟻道 | ドロバチの巣 |
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ハチは木の上や屋根裏などに巣を作るイメージですが、ドロバチは床下にも巣を作ります。毒を持っているため、安易に巣を壊さないようにしましょう。
シロアリとドロバチの巣を見分けるポイントは、丸い穴の有無です。ドロバチの巣には、丸い穴が開いていますが、シロアリの蟻道には穴が空いていません。
ドロバチについて詳しく知りたい方は以下の関連記事で詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
蟻道を見つけたら専門業者に駆除を依頼しよう
蟻道をみつけた場合、自力で対処しようとせずに業者に依頼するのが得策です。DIYで駆除ができない理由や、業者選びで注意したいポイントを紹介します。
シロアリ駆除のDIYはおすすめできない
シロアリ駆除の費用は高く、できれば自力でシロアリの駆除をしたいと考える方がいます。
素人の場合、自分で駆除を行うのはやめておきましょう。シロアリの巣は見つけることが難しいです。適切な対処をしないと、シロアリが逃げて、被害範囲を更に広げることにつながります。
業者と比較すると、予防効果が長く続かず、すぐに再発する恐れもあるのです。シロアリを見つけても、自分で駆除しないようにしましょう。
シロアリ駆除業者の費用相場
費用相場 | |
1㎡あたり | 3,000円 |
1坪あたり | 10,000円 |
シロアリ駆除業者の大まかな費用相場は、上記の通りです。
家の大きさが30坪であれば、200,000円~210,000円かかります。40坪であれば、 260,000円~270,000円です。
駆除業者にシロアリ駆除を依頼すると、予防も行ってもらえます。薬剤の予防効果は5年ほど続きます。
以下の関連記事では、シロアリ駆除の費用相場について、工法ごとに紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
シロアリ業者を選ぶポイント
シロアリ駆除業者を選ぶ際は、まず「日本しろあり対策協会」が指定している薬剤を使用するのか確認しましょう。現在日本のシロアリ対策業者のほとんどが使用している認定された薬剤です。
極端に費用が安かったり、薬品に関する記載がない場合は粗悪品を使用する可能性があるので、安さで選ぶのもおすすめしません。
また、実際に現場を見て見積もりを出す時に、今の状況や対応内容をしっかり説明してくれる業者を選ぶことも大切です。
見積書は追加費用がない旨を記載していたり、保証期間を一般的な長さである5年以上に設定していたりする点もチェックしましょう。
業者選びには相見積もりを取るのが効果的です。ミツモアでは、1回のの見積もり依頼で、最大5件の専門業者から迅速に見積書を取得できます。
シロアリの蟻道を見つけたら取るべき行動
蟻道は崩さない
蟻道を見つけると、シロアリを駆除するため、全て崩したくなります。しかし、蟻道をすべて崩す行為は絶対にやってはいけません。シロアリの生息場所や被害範囲を特定できなくなるからです。
また蟻道を崩したところで、シロアリの行動は止められません。かえってシロアリの行動範囲が広くなってしまいます。
蟻道の一部を崩すだけであれば問題ない
シロアリがいるかどうか確認するために、蟻道の一部のみを崩すくらいであれば、特に問題はありません。蟻道を崩す際はドライバーを使うのがおすすめです。
シロアリが蟻道を使っているかという情報は、業者にとって有益なものになります。そのため蟻道はむやみに壊さず、みつけたらまずは業者に相談しましょう。
巣が1つとは限らないので自分で駆除しない
蟻道を見つけた場合、シロアリの巣は1つとは限りません。ヤマトシロアリは木材の中に巣を作る場合もあり、知識がないと発見するのも難しいです。
イエシロアリは地中に巨大な本巣を作りますが、「分巣」と呼ばれる拠点も複数作る特徴があります。
シロアリの種類によって巣を作る場所も異なり、巣の数も1つではないことから自力で全て壊すのは困難です。
見落としなどで巣の壊し漏れがあると、シロアリはそこを拠点として再び活動を継続します。シロアリの被害を防ぐためには、業者に依頼してしっかり全ての巣を駆除してもらうのが得策でしょう。
蟻道による住宅への被害範囲はどのくらい?
ヤマトシロアリであれば、住宅全体や近隣の住宅に被害を及ぼすことはありません。基本的に、湿気の多い床下に被害を及ぼします。
イエシロアリの場合は、被害範囲が住宅全体に広がるだけでなく、近隣の住宅にも被害を及ぼします。小屋裏は乾燥しているため、被害に遭いやすいです。
業者に床下を点検してもらおう
シロアリの被害に遭っているかの点検を行う頻度は5年に1回程度で大丈夫です。また、点検だけであれば、多くの業者が無料で行っています。
床下は自分で点検するのが難しく、手間もかかるため、定期的に業者に点検を依頼するようにしましょう。
業者選びがめんどくさいというかたは、ぜひミツモアをご利用ください。ミツモアでは、無料で、最大5社のシロアリ業者を比較することができます。
シロアリに蟻道が作られやすい箇所
蟻道ができやすい場所は、シロアリの種類によって異なります。たとえばヤマトシロアリは湿気の多い場所や朽ち木を好むので、風呂場やキッチンといった水回りの床下に巣を作ります。
水分を求めて移動する特徴があり、ヤマトシロアリを探す場合は水回りの床下を数カ所調べなければなりません。
一方イエシロアリは地中の広範囲や登った先の屋根裏に巣を作ります。そのため場所の目星を付けるのは困難です。乾燥に弱い特徴がありますが水分を運べるので、湿気のない場所でも巣を作れるのです。
ヤマトシロアリと同様、光を苦手とするため住居下の暗い地面を探すとよいでしょう。
以下の記事ではシロアリの被害に遭いやすい場所を紹介しているので、こちらも参考にしてみてください。
断熱材の内部
近年、断熱材の内部にシロアリが入り込んで、被害を深刻化されるケースが増えてきています。断熱材はシロアリに取ってかじりやすい素材なのです。
断熱材の内部に入り込まれると、気づくのが遅くなってしまいます。特に基礎断熱住宅と呼ばれる家が被害に遭いやすいので、注意しておきましょう。
束石(つかいし)と床束(ゆかづか)
束石は布基礎に使われることが多く、シロアリが蟻道を作りやすい場所の1つでもあります
シロアリは、床束の木材に穴をあけて侵入し、被害を深刻化させていきます。
基礎の立ち上がり部分
シロアリの被害を最も受けやすい場所が「基礎の立ち上がり部分」です。基礎部分はシロアリが生活している地中に接しているため、シロアリが侵入しやすいのです。
特に化粧モルタルやタイルを使って基礎部分を構成している場合には注意が必要です。化粧モルタルは経年劣化によるひび割れや収縮を起こすため、隙間ができやすい特徴があります。
配管の隙間
配管の隙間も狙われやすい場所の1つです。家の床下には、配管が通っていて、壁とつながっています。この壁と配管の間に隙間が空いていることが多く、シロアリが侵入する隙間になってしまうのです。
また、床下の配管が水漏れをしていると、湿度が高くなって、木材が腐ってしまいます。シロアリに取っては棲みつきやすい環境になるので、床下の水漏れ対策は十分に行っておきましょう。
水漏れをしないためにするべきことは、配管内でのゴミ詰まりを防ぐことです。
シロアリの蟻道を見つけたら早めに対処しよう
シロアリの蟻道は湿気の多い場所だけでなく、乾燥している場所にも作られる場合があります。支えがない場所でも空中に蟻道を作られるため、行動範囲は広いといえるでしょう。
巣は1つではなく複数あるのが一般的です。巣の範囲が分かりにくい場所に作られるなどの理由から、全ての巣を見つけるのは困難といえます。そのため自力で対処するのはおすすめできません。
シロアリの蟻道を見つけたら、すぐに業者へ相談しましょう。その際はミツモアを利用すると簡単に相見積もりできます。信頼できる業者をみつけ、早めにシロアリの被害を防ぎましょう。
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