ドロバチとはどのようなハチでどのような習性を持つのか、巣の特徴やスズメバチの巣との見分け方を詳しく解説します。
ドロバチは巣をどうやって作る?
ドロバチは7~9月に泥を使って巣を作ります。巣の中にはエサの青虫とドロバチの幼虫が入っています。親ハチは産卵後、巣に戻ってこないのが特徴です。
ドロバチ巣を駆除する方法は?
ドロバチの巣は巣の中にいる幼虫が成虫となり、巣立った後に壊しましょう。巣を濡らして柔らかくするとスコップなどで簡単に崩せます。
ドロバチとは?
黒地に黄色の縞模様が特徴の「ドロバチ」は、ドロバチ科のハチの総称です。いくつかの種類がおり、外見も若干異なります。
まずはドロバチの全体的な生態と危険性について詳しく解説していきます。
黒っぽい小ぶりのハチ
黒っぽい見た目に黄色の線が数本入っているドロバチは、体長1〜2.5cmほどの小さなハチです。外見の個体差があり混血種も確認されています。泥や土で巣を作ることから名称に「ドロ」が付いており、握りこぶし大の泥の塊でできた巣を作ります。
代表的な種類として「オオフタオビドロバチ」「ミカドトックリバチ」「スズバチ」などが挙げられますが、どの種類も外見上は微妙な差異なので素人目では判別が難しいでしょう。
おとなしく危険性は低い
黒い外見が危険と思われがちですが、ドロバチはおとなしい性格をしており、能動的に人を襲うことは少ないです。
ミツバチやスズメバチのような集団行動ではなく、単独で営巣や狩りをする特徴的なハチで、巣の近くに近寄っても多数のドロバチに襲われる危険性はありません。
とはいえ、巣を作っているドロバチをむやみに刺激すれば、反撃することもあります。
またドロバチはエサの青虫などを捕獲するために、毒性のある針を持っています。ドロバチの毒針は青虫の動きを鈍らせる麻酔効果がありますが、人に対しての危険性は低いです。
遭遇したら刺激しないことが重要
前述の通りドロバチはハチのなかでも温厚な性格で、滅多に人を襲うことはありません。しかし身に危険を感じれば、おとなしいドロバチでも攻撃することはあるので、遭遇しても刺激的しないことが大切です。
またドロバチと似た外見の黒いハチもおり、「アナバチ」「クロスズメバチ」などが該当します。こちらも比較的おとなしい性格で、土の中に巣を作る性質があります。
いずれにしてもハチに違いはありませんので、見かけてもむやみに近付かないようにしましょう。
独特な巣の作り方
単独行動をするドロバチは、数多くの働きバチを産むミツバチやスズメバチとは違う、独特な方法で巣を作ります。
ドロバチの巣の作り方を把握することで、より安全に巣の駆除ができますので、詳しい生態をみていきましょう。
巣を作る時期は7〜9月頃
ドロバチは産まれてくる幼虫のために7〜9月に巣を作ります。特に涼しくなりはじめた秋頃に巣を作りはじめますので、この時期にベランダや軒下で活動するドロバチを見かけることでしょう。
ドロバチは単独行動をする種類のため巣のサイズは小さく、営巣の場所は風通りのよいところ好む傾向にあります。そのため軒下などの家の周辺だけではなく、枝葉などのわずかなスペースを選ぶことも少なくありません。
家の外壁などで巣を発見した場合、庭に植えてある樹木にも巣を作っている可能性もあります。
エサとなる青虫を巣の中に入れる
ドロバチは巣で産卵する前に、エサとなる青虫を麻酔の針で捕獲し巣の中に貯蔵していきます。十分な量を貯蔵できた段階で産卵をし、外から出入り口に蓋をします。親ハチは巣から離れて戻ることはありません。
ドロバチの幼虫は秋〜春にかけて巣の中で成長し、翌年の春にサナギへと変わり、巣の入り口を壊して巣立ちます。
この青虫や毛虫を捕食しエサにすることから、ドロバチは益虫としての側面があるのです。
幼虫は翌年羽化
親が作った巣の中で成長したドロバチの幼虫は、翌年の春に羽化して成虫になります。大人になったドロバチは巣から出てくるので、1年間放っておいた巣をよく観察してみると小さな穴があいているでしょう。
ドロバチは稀にひとつの巣で数個の卵を産むことがあるため、穴を1箇所だけ見つけたとしても、まだ羽化していないサナギが残っている可能性もあります。その点も十分注意が必要です。
ドロバチの巣の特徴
巣はミツバチやスズメバチなど、代表的なハチらしい巣とは全く異なる外見をしています。ここからはドロバチ特有の巣の特徴を詳しく紹介していきます。
独特な外見を把握しておき、意外な場所に巣を発見することがないよう家の周りも注意しましょう。
外見は泥の塊に見える
ドロバチは土に水や唾液を混ぜた、白か灰色の泥を素材に巣を作る特徴を持っており、名前の由来にもなっています。
パッと見は8〜12cmの泥の塊のようですが、興味本位で壊してしまうとドロバチが捕獲した青虫がぞろぞろと出てきます。
中が広く出入り口が狭い、つぼ型やとっくり型の巣を作るドロバチが多いです。また巣の大きさによっては1匹だけではなく、数匹の幼虫がいる場合もあります。
竹筒や木を利用して営巣することもある
軒下やベランダなどの人の生活環境だけではなく、ドロバチは小さなスペースがあれば営巣が可能です。
その場合は切り倒した竹の筒や木材の穴、筒状になった植物の茎などを利用します。そのため小さな穴が空いていた場合、中にドロバチの巣が作られていることもあるので不用意に覗き込まないようにしましょう。
棒状で中が空洞のものはドロバチにとっては最適な環境のため、自転車のハンドルや物干し竿の端があいていると巣を作られてしまうことがあります。心当たりのものが外にある人は、7月前に対策しておきましょう。
オオスズメバチの巣との見分け方
ドロバチと似ている、土を使った巣を作るのがオオスズメバチです。
ドロバチはオオスズメバチのような強い毒性を持っていませんが、刺されれば痛みを感じますし、腫れることもあるでしょう。もちろんオオスズメバチの方が危険性はありますので、ここからはオオスズメバチの巣との見分け方を紹介します。
形とサイズが違う
オオスズメバチは国内でも最大級のハチで、毒性も強く危険性も非常に高いスズメバチです。その脅威は毎年のように死亡事故が起きるほど。
オオスズメバチの巣はマーブル柄の丸い球体型が特徴です。大きさは20cmをゆうに超えることもあります。
ただ巣作りの初期段階ではフラスコを逆さまにした小さな巣のため、ドロバチの巣と見間違う可能性もあるので要注意です。
巣を作る場所で判断
巣を作る場所の違いによっても、どちらのハチか判断できます。
前述したとおりドロバチは軒下やベランダなどの通気性のよい場所や、竹筒などの狭い空間を選ぶ傾向にあります。
一方オオスズメバチは、木の根元や地面の空いた穴などの、密閉した環境を好んで巣を作るのです。巣の周辺には常に働きバチが飛び回っていますので、巣に近付かなくともオオスズメバチの巣であると判断できるでしょう。
以下は、ドロバチとオオスズメバチが作る巣の特徴の違いを表した一覧です。
ハチの種類 | 大きさ | 形 | 場所 |
ドロバチ | 最大でも10cmほど、出入り口は1〜2個 | つぼ型・とっくり型など、種類によって異なる | ベランダ・軒下・竹筒・枝葉の下など |
オオスズメバチ | 初期段階で5cmほどで、完成すると60cmを超えることもある | 初期段階ではフラスコ型をしており、徐々にマーブル柄の球体型へと成長する | 軒下・屋根裏・木の根元・地中など、密閉した環境を好む傾向にある |
家の近くにできた巣が一体どの種類のハチの巣か判別できない場合は、上記の一覧を参考にしてみましょう。
ドロバチの巣を撤去する方法
ドロバチは危険性の低いハチですが、それでも自宅の敷地に巣があることが嫌だと感じる人はいるでしょう。
ドロバチの巣を安全に駆除するための方法として2つ紹介します。
自力で駆除する
費用をかけたくないと考えている人は、自力でも駆除を検討してみましょう。前述した通りドロバチは産卵を終えたら巣に戻って来ないので、穴のあいていない巣を駆除してもハチに攻撃される可能性は非常に低いです。駆除するなら冬か春に行うのがよいでしょう。
巣を壊しても出てくるのは、エサの青虫やドロバチの幼虫ですので危険性もありません。ただ実際に作業する際は、万が一に備えて作業着・軍手など、肌の露出は避けましょう。
巣立ったタイミングで撤去する際は巣が空であることを確認したら、巣を霧吹きなどで濡らすなど柔らかくしてスコップなどで簡単に崩せます。
またドロバチはこちら側から攻撃しない限り、襲ってくることはありませんので、巣ができても気にならない人は駆除せずに放っておくのも選択肢です。
専門家に依頼
ドロバチの巣が大量にあったり、駆除が難しい場所に営巣されたりした場合は、状況次第では専門家に依頼するのも方法のひとつになります。
専門家なら安全・確実に巣を取り除き、再発防止の処置も施してくれるでしょう。またドロバチの巣は泥でできていますので、跡が残らないように作業もしてくれます。
家の外観を損なうことが気になる人も、専門家に相談してみましょう。
以下の記事では、蜂の巣の駆除にかかる料金の相場を解説しています。
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