オオスズメバチは強い毒を持つ危険な蜂です。巣を見つけたら直ちに駆除しましょう。自力で取り除ける場合もありますが、業者に依頼すると安心です。オオスズメバチの巣の見つけ方や駆除に適した時期などを紹介します。
オオスズメバチの巣の特徴
巣の形状・構造・大きさ
オオスズメバチを含めて、「スズメバチの巣」はボール型や釣り鐘型なのが特徴。茶色っぽいマーブル柄が目印で、オオスズメバチの巣も「釣り鐘型」に当てはまります。
オオスズメバチの巣は他のスズメバチと比べても大きく、放置していると80cm程度にもなることも。しかしオオスズメバチが巣を作る場所は、どちらかといえば閉鎖的な場所なので、パッと見で気付きにくいのです。
巣の素材になっているのは、朽木や樹木の皮。オオスズメバチがアゴの力でかじり取ってきた木のかけらを、唾液と混ぜて固めていきます。じつは見た目よりも、もろくて崩れやすいのです。
地中に巣を作られてしまうこともあり、気づかずに近づいて踏むなどして、オオスズメバチに刺されてしまう被害が多いと言われています。
オオスズメバチは体長2.5〜4.5cmの大きさで、スズメバチのなかでも最大級。「オオ」と名前が付くだけはありますね。また気性が荒く攻撃性の高いうえ、毒性も非常に強いので、見かけても近づかないようにしましょう。
オオスズメバチが巣を作る場所
オオスズメバチは人気(ひとけ)のない場所に巣を作る傾向があります。
- 土の中
- 木の幹の穴
- 屋根裏
- 床下
- 山や森林
- 公園
- 空き家や空き地
オオスズメバチは閉鎖空間に巣を作り、場所に合わせた形に仕上げます。
土中に巣がある場合には、気付かずに踏んでしまいがちです。オオスズメバチは人が近づく振動を敏感に感じ取るので、山中でのハイキング中に被害にあうケースは少なくありません。
また屋根裏や床下などの場所に巣ができてしまうと、暗くて狭いので、駆除作業をするのが困難に。駆除の難易度が高くなると、費用も高くなってしまうので、定期的に点検して、早期発見を心がけましょう。
巣作りの時期と活動サイクル
オオスズメバチの巣は、気温が高くなってくる5月ごろに女王蜂が1匹で巣作りをはじめます。卵を産んでから約1ヶ月は、巣の拡張と子育てに専念します。
6〜7月は、働き蜂も育ち巣がどんどん大きくなる時期です。9〜10月はオオスズメバチが最も攻撃的になる期間であり、狩りが頻繁に行われます。
11月以降になると、女王蜂はオス蜂と交尾して、新しい女王候補を産むのです。そして冬になると、新しい女王蜂は、越冬のために土中などに身を隠します。
このようなサイクルでオオスズメバチは繁殖していきます。
オオスズメバチ以外の危険な巣
オオスズメバチ以外にも、危険性の高い蜂が住宅の周りに巣を作ってしまうことがあります。
たとえば「キイロスズメバチ」や「コダカスズメバチ」は軒下や木の枝などに巣を作ります。
オオスズメバチと違って、開放的な場所に巣を作るので発見しやすいですが、高所に営巣するので駆除の難易度が高いのが特徴。また短期間で巣を巨大化させるため、オオスズメバチに引けをとらないほど危険性は高いと言えます。
マーブル模様の蜂の巣であれば、基本的に「スズメバチ」の可能性が高いので、近づいて刺激しないように注意しましょう。
ハチの巣の種類とその見分け方については、以下の記事でより詳しく解説しています。巣の形状をみて危険性を判断し、適切な対処をとるための参考にしてみてください。
オオスズメバチの巣の探し方
オオスズメバチの後を追いかける
オオスズメバチを近所で見かけたとき、「もし自宅に巣があったらどうしよう」と気になりませんか?
そんなとき、オオスズメバチと距離をとりながら、後についていってみてください。
巣から離れて行動しているオオスズメバチは、エサを探して、巣に持ち帰るという行動をとります。そのため、じっと後をつけることで、巣のある場所をある程度まで特定できるのです。
オオスズメバチの出入りが多い場所はないか
もし後をつけたオオスズメバチが、自宅の方へ向かっていったなら、巣の出入り口になっている場所を特定しましょう。
オオスズメバチの巣は、屋根裏や床下など、普段は目につきにくい閉鎖的な場所にあります。外観からは判断できないため、気付いたころには巨大な巣が出来上がってしまうのです。
そのため巣の場所を特定するには、「オオスズメバチが出入りする場所」を見つけるのが、もっとも確実な方法といえます。
自宅のどこかから出入りしているところまで分かったら、深追いはせず、速やかに駆除業者に連絡しましょう。
巣を探すときは刺されないように注意
オオスズメバチは敵と認識したものを毒針で刺すことがあります。
巣を探しているとき、オオスズメバチから10mほどの距離を取りましょう。また叫んだり走ったりすると、音や動きで刺激してしまうので、ゆっくり慎重に動いて逃げるのが得策です。
万が一、オオスズメバチに敵と認識され、刺されてしまった場合は以下のことを行いましょう。
- 指で毒を絞り出して冷水で刺された患部を洗い流す
- 痛みや腫れを抑えるためにヒスタミン剤を塗ったり、患部を冷やす
- 医療機関に行き、診てもらう
オオスズメバチは毒性があるため、刺されたときは必ず医療機関を受診しましょう。
また刺されてすぐにめまいや呼吸困難などの症状がでたら、アナフィラキシーショックの可能性があります。これらの症状がでたら無理に動かず、救急車を呼びましょう。
オオスズメバチの巣は自分で駆除できる?
初期ならば自力駆除できる可能性あり
オオスズメバチは、毒針を持っているため、巣を自分で駆除するのは危険です。しかし5月ごろの巣は、女王蜂が1匹で巣作りしています。巣の規模も10㎝より小さく、仲間もほとんどいません。
この初期状態であれば、自力で駆除できる可能性があります。女王蜂は初期の状態だと巣作りと子育てで手一杯です。反撃する余裕はほとんどないでしょう。
自分で駆除を行うときは、殺虫剤、軍手、防護服などを準備しましょう。
実際駆除を行う手順は以下です。
- 巣から1〜2mほど離れた場所から殺虫剤を20秒ほど噴射
- 巣を回収して袋を入れる
- 再度殺虫剤を噴射
巣を除去した場所には、予防としてもう一度殺虫剤をかけるのがポイントです。
営巣されるのを防ぐために、巣が作られやすそうな場所にあらかじめ忌避剤を散布しておきましょう。
夏以降の巣には近寄らない
自力で巣を駆除するなら、女王蜂が巣作りを始めた頃が適していますが、夏以降は大変危険です。
オオスズメバチは夏以降の9~10月になると、最も活動が活発になります。
オオスズメバチの数も、ピークに達しているのです。加えて、女王蜂が次の女王蜂候補を育てる時期なので、働きバチも敏感になっています。
この時期に巣に近づくと、集団のオオスズメバチに刺される危険があるので、近寄らないようにしましょう。
オオスズメバチの巣を駆除する場合はプロに任せるのが安全
オオスズメバチの巣は、狭く薄暗い場所にできやすいので、業者でも難易度・危険性が高い駆除作業になります。
ましてや素人が対処しようとすると、蜂を刺激してしまい刺されるなど、被害が悪化する可能性のほうが高いのです。
知識や経験がない方は、速やかに駆除業者に問い合わせるのが賢明と言えるでしょう。
オオスズメバチ駆除の値段の目安
オオスズメバチの駆除を業者に依頼すると、「およそ25,000〜50,000円」ほどの費用がかかります。
値段に幅がある理由は、「巣の大きさ」や「巣がある場所」などによって、追加料金が発生するからです。
またミツバチやアシナガバチなどが「10,000円~」の費用相場なのに対して、オオスズメバチは危険度の高さから、基本料金も高めに設定されています。
とはいえ安全な暮らしと引き換えにはできないので、プロに頼んでしっかり駆除してもらいましょう。その後、再発を防ぐために予防を徹底するのが何よりの対策法です。
巣を駆除するときは自治体に相談
オオスズメバチの巣を見かけたら自治体に相談してみましょう。
自治体によっては、ハチの巣を駆除するとき使う、駆除用具の貸出をしている場合があります。自分でハチの巣駆除を検討している人にとっては、わざわざ用具を買わずに駆除を行えるのです。
また蜂の種類によっては、無料で駆除をおこなってくれる自治体もあります。たとえば兵庫県神戸市の場合は、ミツバチとスズメバチに限り、無料で駆除してくれるようです。
ミツモアで蜂の巣駆除の無料見積もりを依頼できます
オオスズメバチの巣について紹介しました。基本的に閉鎖的な場所や地中に埋まっている場合が多く、駆除の難易度が高いのが特徴です。
毒性・攻撃性ともに蜂のなかでも最強と言われているので、駆除を検討するなら、業者に依頼しましょう。
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