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オオスズメバチの女王は世界最大級!毒針の危険度や習性を理解しよう

最終更新日: 2022年04月28日

蜂の中でも特にオオスズメバチは攻撃的で毒性も強く危険な存在です。そのなかでも特に女王蜂のサイズは最大。この記事ではオオスズメバチのなかでも特に女王蜂について、別種の女王蜂との違いや特徴、営巣から一生を終えるまでのライフサイクルなどを紹介します。

オオスズメバチの女王とは?

オオスズメバチの中でも最大級の大きさ「女王蜂」

オオスズメバチの女王

スズメバチ科のなかでもオオスズメバチ最大級のサイズです。働き蜂のサイズは3~4cmにものぼります。女王蜂ともなるとさらにひと回り大きく、そのサイズはなんと4.5~5.5cmです。

オオスズメバチは、インドから東南アジアにかけて、幅広く生息します。日本全国でも広く分布していて、毎年オオスズメバチによる刺傷事故が発生している危険な蜂です。

オオスズメバチが活発になる時期は、春から秋のあいだ。働きバチは寿命が短く、冬になると死にます。一方で女王蜂は冬になると土や木のなかで越冬します。

他の種類のスズメバチと比べても獰猛な性格で、警戒心が強く、人間に牙をむくことがあるのでとてもキケンです。毒性が強いので、アナフィラキシーショックなどのアレルギー反応でも重症を示す危険状態になることもあり、最悪の場合には命を落としかねません。

ただし、女王蜂にかんしては働きバチと比べると、攻撃的な性格ではありません。しかし刺さないとは一概にはいえないため注意が必要です。

女王蜂が決まる仕組み

オオスズメバチ 育房

オオスズメバチの女王蜂は春先に冬眠から目覚め、巣を作り、働きバチの卵を産み、巣を大きくさせていく重役を担っています。

9~10月ごろになると女王蜂は巣作りを終えて、新しく生まれた女王蜂を育て始めます。

そんな女王蜂が産まれるときは、他の働きバチと同じように卵から産まれてくるのです。

女王蜂候補と働きバチが選ばれるのは、羽化するまでに卵が過ごす育房の広さでわかります。他の幼虫より広い育房で育てられた幼虫が次期女王蜂候補です。

そして女王蜂候補は羽化すると、他の働きバチのように外に出て狩りにいくことはありません。

オオスズメバチの女王蜂候補は来年春先に巣を作り始めるため、冬眠するのです。そのため女王蜂候補は余計な労働で冬を超えるための必要な脂肪を燃焼させないようにする必要があります。

ある程度成長し11月ごろには、1~2週間ほどで新しい女王蜂は越冬する場所を探すために巣を離れ、元の女王蜂は寿命を迎えるのです。

オオスズメバチの女王と他の蜂との違い

働きバチと女王蜂との違い

オオスズメバチ 女王 働きバチ

オオスズメバチの女王は働きバチと同様、体の色はオレンジと黒の縞模様です。そのためじっくり観察しない限り、区別するのは難しいかもしれません。

全体的に大きさは働きバチの方が女王蜂と比べて小さいです。また働きバチは卵を産まないため、女王蜂と比べてお腹の大きさが少し小さいのは見分けるポイントです。

オオスズメバチの女王は、敵がいる外にいるより産卵に専念できるよう巣にこもります。巣の外に出ている蜂がいれば、働きバチといえるでしょう。

オオスズメバチの女王蜂を目にする機会があるとすれば、巣を作る場所を探して飛んでいる春先あたりです。

他のスズメバチ科の女王蜂と、オオスズメバチの女王蜂との違い

オオスズメバチ 他のハチ

オオスズメバチは他のスズメバチと比べて、大きさや色、巣を作るところが異なります。

他のスズメバチ科の女王のサイズは平均てきには2.5cm~3.5cmといわれているなか、オオスズメバチの女王は4cm~5cmで、一回りも違いますね。女王蜂は産卵機能を持っているため、基本的にぷっくりした体をしています。

例えば同じスズメバチ科のコガタスズメバチの女王は、2.5cm~3cm程です。オオスズメバチの女王と見比べると1cm以上も差があります。

色でも他のスズメバチ科と見分けることができます。

オオスズメバチは特に体全体がオレンジ色なのが特徴的です。スズメバチはもっと黄色に寄った色合いなので、見分けることができます。ただしチャイロスズメバチなど、一部例外もいます。

またオオスズメバチは、人が少ない自然の近くに巣を作る傾向があります。キイロスズメバチなど他の種類の蜂は、都市部にも巣を作ることが多いという点で違います。

またスズメバチ科のなかで土のなかに巣を作るのは、オオスズメバチの女王だけです。他の種類は、軒下など、開放的な場所に巣を作るのが一般的。

雄バチと女王蜂との違い

オオスズメバチの雄は巣のなかでも、1割程度しかいません。雄バチの主な役割は労働や戦闘ではなく、女王蜂と交尾し子孫を残すことだけです。労働や戦闘をしないため、女王蜂と同じで巣から出てくることはまれです。

また雄バチは、女王蜂と交尾したあとにすぐ死ぬという特徴があります。

そして雄バチと女王蜂との最大の違いは、毒針がついているかついていないかです。毒針は産卵管が元となっています。そのため、雄バチには針がありません。メスである女王蜂と働きバチのみが毒針を持っているのです。

女王蜂の巣作り、どんなところで巣を作るの?

営巣する環境はどんな所?

オオスズメバチ 巣 木の穴

オオスズメバチという種は警戒心が強いという特徴があります。女王蜂が人里離れた場所で巣を作ることからも、その傾向がみえます。

女王蜂は春先に土の中や大きな木の空洞、天井裏など、人目につきにくい場所に営巣するのが特徴です。

またネズミやモグラといった動物の古い巣穴を利用して、土の中に巣をつくるこもあります。土の中に巣がある場合は、上から見ると「ただの穴」のようなカタチをしていて気づきにくいのが難点です。

しかし昨今では、都心部でもオオスズメバチの巣が目撃されている事例があります。少し人通りが少なく、土のある環境であれば巣を作られる可能性もあるので注意が必要です。

関連記事:オオスズメバチはどこに巣を作る?見つけ方や駆除に適した時期を紹介|ミツモア

オオスズメバチの女王のライフサイクル

女王蜂は越冬すると、花の蜜などを栄養源にして体力を回復させ、4~5月から巣を作りはじめます。

最初の働き蜂が羽化するまでは、女王蜂が単独で巣作りや子育てをするのが特徴です。この段階での巣はまだ小さく、幼虫が収まる育房も約30匹分しかありません。

6月になると働き蜂が羽化しはじめ、巣作りに加わります。7月ごろには働き蜂が大量になり、巣も急激に大きくなるでしょう。

巣作りや外役をしていた女王蜂は巣に籠もり、次に行うのは産卵です。

やがて秋を迎え11月ごろになると、次の女王蜂候補を産みます。女王蜂候補が産まれると、その個体に大量のエサを与え、冬眠に備えるため育成を行うのです。

女王候補がある程度成長し、冬眠する場所を探しに出たあと、寿命を迎えた女王蜂は働きバチと共に死滅します。

巣は見えないところで巨大化する

女王蜂が巣作りを始めた頃は、フラスコや徳利(とくり)をひっくり返したような形をしています。

途中から働き蜂を産み、羽化すると巣ができるスピードが早くなり、短期間で大きな球状の巣になるでしょう。

オオスズメバチの巣はマーブル模様の外殻の中には何層にもなる巣盤があり、幼虫が入る育房の数は3,000~6,000にもなります。

オオスズメバチの巣の大きさは1mを超える場合もあり、ほかの蜂の巣に比べてかなり大きいのが特徴です。

女王蜂は攻撃性が低い、早めの対処を行おう

営巣初期に女王蜂なら自力で駆除が可能

オオスズメバチ(女王)

危険なオオスズメバチですが、冬眠から目覚めた直後の女王蜂は栄養不足で体力がなく、弱っているため人を刺す可能性は低いです。

弱っている女王蜂はそこから巣を作り始めます。この女王蜂が単独で巣を作る4月中旬~5月なら、自力での処理も不可能ではありません。

女王蜂を駆除することで巣の作り手がいなくなり、オオスズメバチの巣は完成しません。そして最終的にオオスズメバチによる被害を未然に防げます。

そのため、とくかく早めの対処が肝心です。

夏以降は個人で駆除するのはキケン

春先なら駆除は自力でできますが、夏以降は働き蜂がどんどん羽化し、巣や女王蜂を守る防衛本能が高まるため、非常に危険な状態になります。

夏以降に素人がオオスズメバチの巣を駆除するのは厳禁です。オオスズメバチは攻撃性が非常に高く、毒性も強いため駆除には大きなリスクが伴います。専門の業者でもオオスズメバチの駆除は断るケースがあるほどです。

またオオスズメバチの巣が15cm以上の大きさになってしまうと、蜂の個体数がかなり多い状態です。危険性が高いことを考慮して、業者への駆除を依頼するの方が安全だと言えます。

駆除の危険度が高くなる前に、家のどこに巣ができているのか、日ごろから怪しい場所をチェックする習慣をつけ、できたときは早めに駆除しましょう。

オオスズメバチ捕獲トラップの作り方

オオスズメバチ ワナ

4月中旬~5月ごろに女王蜂を捕獲して駆除することで巣作りよぼうが行えます。ここでは家でつくれる捕獲トラップの作り方を紹介します。

捕獲トラップに必要なものは、蜂をおびき寄せる誘引剤と、捕獲するためのペットボトルです。

捕獲用のペットボトルの準備方法と、「焼酎と酢」でつくるのと、「果実酢」でつくる2つの誘引剤を説明していきます。

自作できるトラップを仕かけて、女王蜂を捕まえましょう。

ペットボトルの準備

ペットボトル(1.5~2L用)を準備します。

準備したペットボトルの上部に、蜂が入れるように2cm四方ほどの穴を4カ所開けます。穴は切り抜かず、フラップ状(返しがついている状態)にして内側に折れば、入り込んだ蜂が脱出しにくくなるでしょう。

あとは誘引剤をペットボトルに流し込み、しっかりと蓋を閉めれば完成です。最後に丈夫な紐を使い、木の枝などに固定します。

うまくオオスズメバチを捕獲できれば、巣による被害を未然に防げるでしょう。

焼酎と酢で作る誘引剤

用意するものは以下です。

  • 水(500ml)
  • 焼酎(20ml)
  • 黒砂糖(30g)
  • 酢(10ml)

これらの材料を混ぜると、蜂が好む誘引剤ができます。できた誘引剤はペットボトルに入れてトラップ完成です。

果実酢で作る誘引剤

お家に焼酎がない場合は、こちらの果実酢を使った誘引剤をオススメします。

用意するものは以下です。

  • 梅酢(100ml)
  • リンゴ酢(100ml)
  • ブドウ酢(100ml)

3種類の果実酢があるとベストですが、このうちの2種類でも十分効果が見込めます。もし2種類のみで誘引剤を作る場合は、各種の酢を150mlずつ混ぜましょう。

また混ぜた誘引剤は上記で紹介した誘引剤と同じでペットボトルに入れて完成します。

オオスズメバチの巣の駆除方法

自力でオオスズメバチの巣を駆除できる?

オオスズメバチ 対策

巣が作られ始めた4月中旬~5月の時期の巣には、まだオオスズメバチの個体数も少ないので自力で巣の駆除ができます。目安として、巣が4cm~6cmほどの大きさならまだ自分で駆除が可能な大きさです。

ただし、万が一刺されることを考慮して養蜂用の蜂防護服やオオスズメバチの毒針が貫通しない丈夫な手袋を着用をしましょう。

自分で巣の駆除を行う際はエアゾールタイプの殺虫剤を使用して駆除するといいですね。

エアゾールタイプはスプレーのボタンを押したら中に入っているガスの圧力で勢いよく薬剤が噴射されます。このタイプの殺虫剤だと、遠くにいるハチや巣を狙い打つことができます。

またスプレーによっては殺虫効果と、ハチが嫌う成分で散布したエリアに寄せ付けない忌避効果を持ったスプレーがあります。両方の効果を持ったスプレーを使用することで巣の駆除するだけでなく、ハチが寄り付かないことから巣作り予防にもなり、一石二鳥です。

オオスズメバチの巣を駆除するのは危険!プロに依頼する方が安全

ハチ 駆除

自分で駆除することは可能ですが、駆除を行うとき絶対に刺されないとは言い切れません。

蜂の駆除を専門とする業者でも、養蜂用の蜂防護服やオオスズメバチの毒針が貫通しない丈夫な手袋を着用している程ハチの巣駆除は大変危険な作業です。

オオスズメバチのような毒性を持ったハチの巣を駆除するときは、自力よりプロに依頼することをオススメします。

また自治体によっては駆除に一部補助金がでたり、駆除してくれる地域もあるため、相談してみるといいですね。

関連記事:蜂の巣駆除にかかる料金はどのくらい?費用相場や、安く済ませるポイントをチェック|ミツモア

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オオスズメバチに刺されたら?症状と応急処置

病院

オオスズメバチの毒針に要注意!刺されたときの症状は?

オオスズメバチの女王は攻撃性が低いですが、油断は禁物です。絶対に刺さないとは言い切れません。また他のオオスズメバチと同じく、強力な毒成分を持っているため、刺されたら大変危険です。

オオスズメバチの毒にはさまざまなたんぱく質などが含まれ、中には人間にアレルギーを引き起こす物質があります。

オオスズメバチに刺されると軽度な症状として激しい痛みと腫れ、刺されたところに蕁麻疹(じんましん)が出ることがあります。

しかし、オオスズメバチに刺されて、急激なアレルギー反応によるアナフィラキシーショックを起こし、生命に関わる事態にもなりかねません。「意識がもうろうとする」や「呼吸困難」と感じたときはアナフィラキシーショックを引き起こしている可能性が高いです。

刺されたときの応急処置

どんなに危険性を理解して気を付けていても、誤ってオオスズメバチを刺激して、刺されるケースもあります。

オオスズメバチは複数回さしてくるため、ゆっくりその場から離れましょう。

またオオスズメバチは針に「かえし」がないため刺しても抜けませんが、ごくまれに針が皮膚に残ることがあります。残っている場合、まず針を抜いてから応急処置を行いましょう。

応急処置は以下です。

  1. 持参したポイズンリムーバーを使い、オオスズメバチの毒を出す
  2. 水で刺された患部を洗い流す
  3. 抗ヒスタミン剤を刺された患部に塗り、痛みを軽減させる
  4. 刺された患部を冷やす

もし手元にポイズンリムーバーがない場合は、指でつまんで絞り出す方法でも可能です。

応急処置をしても、完全に体内の毒素を取り除けたとはいえません。そのため応急処置を終えたら、医療機関で診てもらいましょう。

ただし、上記で触れたアナフィラキシーショックの症状がでているときは、大変危険な状態なため、無理動かず、速やかに救急車を呼びましょう。

女王蜂を見つけて駆除をラクにしよう

軒下のスズメバチと巣

巣作りや子育てで重要な役割を果たすのが女王蜂です。

オオスズメバチの女王蜂はとくに最大級のサイズになります。他のスズメバチ科と比べてもオオスズメバチの女王は大きさや習性、巣作りが特徴的です。

冬眠から目覚めて、春先から女王蜂が単独で巣を作り始めますが、この時期なら比較的安全に駆除できるでしょう。働き蜂も加わって巣が大きくなってしまったら、危険なため自力での駆除はやめて、自治体に相談したり専門の駆除業者に依頼したりしましょう。

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