家の中で羽アリを発見したとき、どうすればよいのでしょうか。
もしシロアリだった場合には、巣を作っている場所を特定し、コロニー全体のアリを駆除すべきです。素人では完全な駆除が難しいので、業者に依頼することをおすすめします。
しかし駆除を待つあいだ、家の中をのさばる羽アリを放っておくのは不快ですよね。この記事では羽アリが発生したとき、応急処置として自分で出来る駆除方法を解説します。
家に羽アリが発生したらシロアリが巣食っている可能性あり
「羽アリ」とは、その名のとおり羽が生えたアリのことを指します。
とはいえ普通のアリと種類が異なるのではなく、「シロアリ」や「クロアリ」のうち2~3%から羽が生えてくるという仕組み。
一部のアリだけから羽が生える理由は、「巣にアリが入りきらなくなったときに、新しい場所を探して飛び立つ」ためです。
なので「羽アリが大量発生する時期」というのは「アリが繁殖期を迎え、新しい巣を作るために移動している時期」のことなのです。
家の中で羽アリを見つけたときには、「シロアリ」が巣を作り、床下や柱などの木材を食い荒らしている可能性があります。
家の中に現れた羽アリだけを駆除しても、すぐにまた巣から湧いてくるので、早急に業者に駆除を依頼しましょう。
この記事では、応急処置的に羽アリを駆除する方法を紹介しますが、根本的な解決のためには巣の駆除が必要です。根本原因や巣の駆除については以下の記事で詳しく紹介しています。
羽アリの発生場所を見つけて、効率的に退治
家の中に発生した羽アリを駆除するときには、「発生した場所」を見つけることで、効率的に対策できます。
たとえば玄関のタイル下から羽アリが発生しているなら、タイルの割れ目部分に殺虫スプレーを噴射したうえで、ビニールなどで出入り口をふさぐことで、まとめて駆除できるのです。
以下のような場所から、羽アリが出入りしている可能性が高いのでチェックしてみましょう。
- 風呂場、洗面台などのタイル下
- 玄関のタイル下
- 台所
- 床下
- 柱の中
- 屋根裏、天井
- 和室、畳の下
- 押入れ
- 庭の植木など
風呂場や洗面台、また玄関がタイル張りの場合、タイルの下には土などが土台に使われています。
タイルのヒビ・割れ目などから水が侵入することで多湿になり、シロアリなどが住みやすい環境になってしまうのです。
また屋根裏や押し入れも湿気が溜まりやすいですが、普段あまり掃除をする機会が少ないので、知らぬ間に巣が作られているケースも。
ただし何度も言いますが、もし家の中にシロアリの巣があるとすれば、巣全体を駆除する必要があります。
発生場所を確認することで効率よく羽アリを一掃できますが、巣から出てきた羽アリだけ駆除して安心するのでなく、駆除業者に連絡しましょう。
自分でできる羽アリ駆除の方法
「羽アリを数匹見つけたからひとまず自分で駆除したい!」という方向けに、簡単な駆除方法をご紹介します。
- 掃除機で吸って羽アリ退治
- 粘着テープで羽アリ退治
- 殺虫スプレーで羽アリ退治
- ポリ袋、ビニール袋で出入り口をふさぐ
順番に見ていきましょう。
掃除機で吸って羽アリ退治
「子供やペットがいるから殺虫スプレーは使いたくない」という方は、掃除機でそのまま吸い取りましょう。
羽アリはそこまで堅い虫ではないので、掃除機で吸い込まれる時の圧でほぼ死にます。
吸い込んだ直後だと生きている可能性もあるので、念のために1日あけてからゴミとして捨てましょう。
ただしサイクロン式の掃除機だと、ゴミをためる部分に羽アリの死骸が張り付いてしまうので、あまり向いていません。別の方法を試すのをオススメします。
衛生面が気になるようであれば、羽アリ退治をしたあとにノズルをアルコール消毒すれば安心です。
【注意点】
羽アリを吸い取ったあとで、掃除機の中に殺虫スプレーを噴射すると効果的です。また殺虫スプレーを使ったあとで、掃除機を使うケースもあるかもしれません。 これらの場合には、事前に殺虫スプレーに「引火性」が無いことを確認しましょう。掃除機は電化製品なので、モーター部分などに入り込むと引火するおそれがあります。 |
粘着テープで羽アリ退治
「掃除機だと掃除が大変……」
そんな方は、ガムテープなどを使ってペタペタと羽アリを絡めとりましょう!
殺虫スプレーを使ったあとで、処理するときだけ粘着テープを使うのも有効です。
直接手で触れず、そのままゴミとして捨てることができます。
また捕獲した虫を観察することで、シロアリかクロアリかを判別できる点でもメリットがあります。
殺虫スプレーで羽アリ退治
というのも、もし巣穴近くなどに殺虫スプレーを噴射すると、嫌がって逃げたアリがバラバラに散らばり、活動場所を広げてしまう危険性があるのです!
そのため「巣穴を撃退するために使うのではなく」、「応急処置として羽アリだけを退治するため」に殺虫スプレーを使うということを覚えておきましょう。
また、発生しているのが「シロアリ」なのか「クロアリ」なのか把握したうえで、効果的な殺虫スプレーを選ぶのが大切です。
部屋の中などに羽アリが出たときには、「光に集まる習性」を利用すると一斉に退治できます。
方法は以下。
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このように、光を使って1カ所にまとめて撃退することができます。
また羽アリの出入り口の場所を特定しているのであれば、その部分をガムテープなどでふさぐことで、その後の発生を一時的に防ぐことができます。
次に紹介するように、ポリ袋やビニール袋を使う方法もオススメです。
【注意点】
殺虫スプレーの種類がエアゾールタイプの場合には、アリの死骸が床などにこびりついてしまったり、液体でベタベタしたりすることがあります。 また殺虫スプレーを使うときには、吸い込んでしまわないように十分な換気をしておきましょう。 |
ポリ袋、ビニール袋で出入り口をふさぐ
表に出てきている羽アリを退治しても、家の中に巣があるのなら、また発生してきます。
そこで、家の中に出入りしている場所にポリ袋を被せて固定すると、発生した羽アリが袋の中にたまるので一斉に駆除できるのです。
シロアリの場合には地面の下に巣を作ることが多く、タイルの割れ目や、柱の継ぎ目などから出てきている可能性があります。
発生しやすい場所を確認して出入り口を見つけたら、その場所をビニール袋でおおって、フチをガムテープなどで固定しておきましょう。
ただしこちらも応急処置なので、早めに駆除業者に依頼することをオススメします。
羽アリに燻煙剤(くんえんざい)を使うのは要注意!
「羽アリを今すぐ全滅させたい」というときは、バルサンなどの燻煙剤(くんえんざい)を使用したい人もいるでしょう。
しかしあまりオススメできる方法ではありません。
すでに巣がある場合には根本的な解決にはならないうえ、殺虫スプレーと同様に、逃げたシロアリなどが新たな活動場所に移動する可能性があります。
実はシロアリは「ゴキブリ」の仲間なので、バルサン自体はシロアリ駆除に効果が期待できます。
ただ羽アリの種類によっては、駆除方法が違うのです。たとえばクロアリは「ハチ」の仲間なので、バルサンの効果はそこまで高くないでしょう。
もし燻煙剤を使うときには、「あくまで目に見える部分のシロアリだけ駆除」するものだと考えましょう。
巣全体の駆除はもちろんできず、柱などの木材の中にいるシロアリにも効果がありません。
バルサンのシロアリへの効果や使い方については以下の記事を参考にしてみてください。
羽アリを見つけたら、駆除業者に相談
羽アリを見つけたとき、家に巣が出来てしまっている場合は、巣全体を駆除する必要があります。
シロアリの場合、巣は地中深くにあるため素人では対処が難しく、中途半端に駆除しようとすると再発してしまいます。
駆除を依頼したとき、費用相場は1坪あたり4,500円~8,000円です。
駆除工事では、被害が見られる木材に薬剤を注入したり、予防のために防腐剤や防蟻剤を散布したり、と丁寧です。
ちなみにマンションやアパートでシロアリが発生している場合は、まず管理会社に連絡しましょう。
賃貸ならシロアリの駆除費を、大家さんや管理会社が負担してくれる可能性があります。
ただし居住者の過失で発生した場合には、自己負担になる可能性も。普段から、家の周りにゴミを放置したりしないように注意しましょう。
シロアリ駆除業者の選び方
シロアリの駆除業者を選ぶ時のポイントは、以下の3つを意識してみてください。
- 事前調査の時に、床下の状態を共有してくれる
- 再発時の無料対応や無料点検がある
- 損害が起きた場合の修復作業などが詳しく書かれている
- 作業員が「しろあり防除施工士証」の資格を持っている
被害状況を共有しない業者だと、実際の被害よりも過大な見積もりを出されることがあるため注意しましょう。
資格がある業者はシロアリの生態に詳しいので、適切な対処をしてもらえます。ホームページ上で資格を保持しているかチェックしましょう。
自分でできる羽アリの予防方法
家にやってきた羽アリが巣をつくらないためには、まず羽アリが寄り付かないような予防をしましょう。
ここでは日常的に取り組める予防方法を解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
- 家の湿気対策を徹底する
- 忌避剤・殺虫スプレーを使う
- 網戸のネットを張り替える
- 遮光カーテンに取りかえる
- 電撃殺虫器を設置する
羽アリの中でもシロアリの予防方法については以下の記事も参考にしてみてください。
羽アリ予防①:家の湿気対策を徹底する
家の湿気対策を徹底し、日当たりと風通しの良い環境を作ることが大切です。以下のことに気を付けてください。
- 床下の通気口は開けておく:害虫・害獣の侵入が気になる場合は、金網などを設置しておきましょう。
- 床下・押入れに調湿剤をまく:まくだけで簡単に湿気を取り除いてくれる上、消臭・防カビ効果もあります。
- 家の壁沿いの本棚やケースの風通しを良くする:特に梅雨の時期は湿気がこもりやすいので、早めに対策をしましょう。
- 敷地内に木材や段ボールを放置しない
敷地内には木材などを放置しないようにするほか、花壇まわりの柵なども、定期的に点検しておくとよいでしょう。
これらを意識することで、羽アリやシロアリが住みにくい環境にしておきましょう。
羽アリ予防②:忌避剤・殺虫スプレーを使う
忌避剤・殺虫スプレーに含まれる、羽アリが苦手な成分をあらかじめ散布しておくことで、家の中に巣をつくるのを予防できます。
とくに網戸や玄関、窓周辺などには重点的にスプレーしておきましょう。
玄関から出入りする時や、換気した瞬間に羽アリが侵入してくる可能性を防げます。
羽アリ予防③:網戸のネットを張り替える
網戸のネットには、網目や素材によってたくさん種類があります。
防虫効果を高めるなら、「メッシュ」と呼ばれる「網目の大きさ」に注意して網戸を選びましょう。
30メッシュ程度の網目の細かい網戸なら小さい害虫にも効果的です。ぜひ設置してみてください。
また網戸に忌避剤・殺虫スプレーなどをかけておくとさらに効果が高まります。他の害虫対策もあわせて行えるのでオススメです。
羽アリ予防④:遮光カーテンに取りかえる
シロアリは光のある方へ集まる「走光性」という習性があります。
街灯が近くにある、夜に部屋から明かりが漏れている、といった部屋は侵入されやすくなるのです。
遮光カーテンに取りかえることで、家の光が漏れないようにして予防しましょう。
また室内灯にLEDを使うと、紫外線が出ないので羽アリがより集まりにくくなります。
羽アリ予防⑤:電撃殺虫器を設置する
光を使って虫を集め、電撃を発することで駆除。家庭用の製品が登場しているので、ベランダや玄関先の「なるべく高い位置」にとりつけましょう。
巣を作るために移動してきた羽アリなどが、あなたの家に住みつく前に殺虫できます。
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この記事では、羽アリが発生したときに自分でできる苦情方法、そして寄り付かなくするための予防方法を紹介しました。
羽アリが現れたとき、自分でできる駆除方法は「目に見える羽アリだけを退治」することです。
すでに家の中に巣を作っている可能性があるので、早めにシロアリ駆除業者に連絡をとりましょう。
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