タンス預金は自宅で保管する現金で、金融機関を利用せずにお金を管理することができます。
タンス預金自体は悪いものではないですが、相続税と贈与税の課税対象なので申告漏れをすると問題になってしまいます。
タンス預金であっても、税務署に隠し通すことはできません。そのため節税対策には利用できず、むしろ重加算税や刑事罰を背負うこともあるので注意が必要です。
本記事ではタンス預金のメリット・デメリット、税務署にバレてしまう理由や申告しなかった場合のペナルティなど、タンス預金を正しく扱うための情報をたっぷり紹介します。
この記事を監修した税理士
風間公認会計士事務所 - 東京都品川区南品川
タンス預金の6つのメリット
タンス預金の主なメリットは以下の6つです。
- 銀行が倒産しても影響を受けない
- いつでも必要な時にお金が使える
- お金の引き出しに手数料がかからない
- 貯蓄に税金がかからない
- 家族に内緒で貯金できる
- 国に資産状況が把握されない
このように、タンス預金には「安心してお金を使える」「資産を隠しやすい」という魅力があります。
銀行が倒産しても影響を受けない
銀行が倒産したら預貯金が引き出せなくなるなどの影響がありますが、タンス預金は一切影響を受けません。
お金を預けていた銀行が倒産・破綻すると、多くの場合元本の1,000万円まで保証される「預金保険制度」があります。
しかし、1,000万円を超える巨額の預貯金をしている場合、1,000万円を超える分の預金が手元に戻ることはありません。
一方、タンス預金は金融機関や経済状況に左右されない預金方法であり、ペイオフ対策として有効なのです。
いつでも必要なときにお金が使える
金融機関への各種手続きが発生しない分、タンス預金は自分の好きなときにいつでもお金が使えるというメリットがあります。
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特に口座凍結回避は大きなメリットで、被相続人の財産から葬式費用や諸費用の支払いが可能になります。
お金の引き出しに手数料がかからない
お金を引き出す度に発生するATM手数料がなくなるのも、タンス預金を行うメリットの1つです。
特に、預けている金融機関の金利が0.001%や0.002%と低い場合、利息分より手数料の方が高くなり、預けていると損する場合が多くなります。
しかし最近では、クレジットカードのポイントや電子マネーの還元率に注目し、金融機関からの引き落としをお得に利用する人も増えてきました。
還元率を考えると、口座からのキャッシュレス決済がお得なケースもあることを知っておくとよいでしょう。
貯蓄に税金がかからない
貯蓄に税金がかからない点もタンス預金のメリットです。
銀行預金や財形貯蓄によって発生した利子は課税対象となり、金額に応じて税金がかかります。
しかし、タンス預金ではそもそも利子が発生しないため、税金がかかることもないのです。
家族に内緒で貯金できる
タンス預金として家族に言わず、わかりにくい場所にお金を保管すれば、貯金の存在を隠し通せる可能性が高くなります。
銀行預金や投資などの貯蓄は、調べようと思えば資産状況が明確になってしまいます。そのため貯蓄状況・資産額を隠すのは困難です。
そこでタンス預金にすれば、誰かの目を気にせず、自分の好きなように使えるお金を確保することができます。
国に資産状況が把握されない
今後マイナンバー制度の利用が進み、口座情報を国が把握できるようになったとしても、タンス預金は把握することができません。
そのため、国に自分の財産の保有状況を知られたくない人にとっては、銀行預金よりもタンス預金のほうがメリットがあります。
タンス預金の5つのデメリット
タンス預金には多くのメリットが存在する一方で、以下のように無視できないデメリットもあります。
- 利息が得られない
- 災害や盗難での紛失リスクがある
- タンス預金の在りかを忘れてしまう
- 物価上昇時に金利が受けられない
- 遺産相続でトラブルにつながりやすい
デメリットを把握せずにタンス預金をしてしまうと、むしろ損をしてしまう恐れもあります。タンス預金を行う際は、デメリットについても確認・注意が必要です。
利息が得られない
金融機関に預ければ利息が付くのに対して、タンス預金の形で保管すると利息を得られない点はデメリットです。
ただ近年は利率が低いので、預金額が小さければ利息も少なく、大きなデメリットにはなりません。
中には利率が比較的高い金融機関もあるため、タンス預金の金額によっては銀行預金で得られたはずの利息の額が大きくなる場合もあります。
災害や盗難での紛失リスクがある
タンス預金では地震・火災などの災害や、盗難・手違いによる紛失といった物理的リスクを避けられません。
大型台風により各地で浸水・土砂崩れなどで家屋が破壊される事態や、地震によって家屋が倒壊することも考えられます。
自然災害や気候変動が多い日本では、災害や火事場泥棒による財産紛失リスクは確実に高まっているので、タンス預金の際は注意が必要です。
タンス預金の在りかを忘れてしまう
もし相続人がタンス預金の在り処を知らないと、誤って誰かに処分されたり最後まで財産が見つからなかったりする可能性も否定できません。鍵や金庫そのものの紛失も考えられます。
また、長期間に渡って現金を放置していると、被相続人本人も場所や存在を忘れるケースもあるでしょう。
相続税申告の後にタンス預金が見つかったとしても、それは申告漏れとみなされてペナルティの対象となります。
相続人がペナルティで損する事態は避けるためにも、家族のうち1人には隠し場所を教えておくと安心です。
物価上昇時に金利が受けられない
タンス預金では金利がつかないため、物価上昇(インフレ)時に金利の恩恵が受けられず、お金の価値が目減りするでしょう。
例えば金利が2%まで上がると、100万円を預金しないことで1年に2万円損します。
また、物価が上昇すると商品の値段も上がるので、同じ100万円だとしても購入できる商品数に差が生じます。
長期的な貯蓄をするのであれば、物価上昇にマイナスの影響を受けないような金融機関への預貯金を検討してみるのもよいでしょう。
遺産相続でトラブルにつながりやすい
タンス預金は遺産相続でトラブルになりやすい資産です。タンス預金自体の存在を証明する証拠がないためです。
そのため、故人の親族が勝手に持ち去ったとしても、タンス預金の存在自体を証明できず、他の相続人は引き下がってしまうケースが多くあります。
その結果、遺産分割協議が進みにくくなるなどトラブルを招く恐れがあるのです。
また相続手続きが終わったあとに、故人が貯めていたタンス預金が見つかるケースもあります。このような場合、遺産分割や相続税申告のやり直しが必要です。
秘匿性の高さゆえ、遺産相続でトラブルを引き起こすリスクもあることを知ったうえで、タンス預金を検討するとよいでしょう。
タンス預金は平均どのくらい?【100万円を超えると注意が必要】
紙幣流通高や各種発表の内容を分析すると、2019年1月末時点で日本のタンス預金は50兆円を突破したと考えられます。
2019年1月1日時点での日本の世帯数は5,852万7,117世帯のため、単純計算で各世帯に平均85万円のタンス預金が存在すると考えられます。
タンス預金はいつでも必要な時にお金が使える、家族に内緒で貯蓄できるなどメリットが大きいです。
しかし、災害や盗難などの紛失リスクが高い、遺産相続でトラブルになりやすいというデメリットもあります。
一概にいくらまでなら安全とはいえませんが、100万円を超える高額のタンス預金は、紛失リスクや隠しにくさなどが高まるため注意が必要です。
参考:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数(平成31年1月1日現在)|総務省 |
タンス預金は相続税・贈与税の申告で見つかる【節税対策にならない】
タンス預金は相続税や贈与税の課税対象です。タンス預金を本人が管理している分には、特に税金は発生せず問題ありません。
しかし親族が亡くなる、もしくは自分のタンス預金を誰かに贈与するなど、相続・贈与が発生した際に税金が関係してきます。
タンス預金の有無は税務署も厳しく目を光らせている部分です。タンス預金が節税対策にならない点に注意しましょう。
申告で税務署にタンス預金を指摘される理由
相続税・贈与税の申告で税務署にタンス預金を指摘される主な理由として、以下の7つがあげられます。
- 被相続人とその家族の口座が調査対象になる
- 過去10年分の預貯金が調べられる
- 納税者情報をKSKシステムで管理している
- 法定調書から財産を把握している
- 実地調査や反面調査が行われる
- 海外送金や海外資産も調査される
- マイナンバー導入で見つかりやすくなる可能性も
このような理由から、タンス預金を隠し通すのは困難です。意図的な隠ぺいは罰則対象にもなるため、タンス預金がある場合は素直に申告するのが大切です。
被相続人とその家族の口座が調査対象になる
相続税の税務調査の範囲は、被相続人だけではなくその家族・親族の口座も確認されます。
遺産相続に関連して申告漏れや所得隠しが発生する可能性が高いためです。
また「相続遺産が相続税か贈与税か」の判断にも利用します。そのため、銀行・証券会社の残高証明や出入金などもチェック対象です。
過去10年分の預貯金が調べられる
税務署が相続税の調査を行う際は、被相続人やその家族・親族を対象に、過去5〜10年ほどの入出金記録を調べます。
「入出金が贈与税か相続税なのか」「大きな金額が動いていないか」などを確認し、適切な申告がされているかを調査します。
特に100万円を超える引き出しは疑いをかけられる可能性が高いです。
お金の使い道をしっかり説明できれば問題ありませんが、明確な説明ができなければタンス預金を疑われ、家宅捜索が行われるケースもあります。
納税者情報をKSKシステムで管理している
国税庁や税務署ではKSKシステムに納税者情報を登録し、税務調査や滞納管理を行っています。
KSKシステムとは、全国の国税局と税務署をネットワークで結び、納税者の収入や申告・納税の実績などの情報を一元管理するシステムです。
KSKシステムを使えば、システムによる理論値と申告額の乖離を把握でき、その乖離が大きければ申告額を過小にしていると疑われてしまうのです。
このような厳重なシステムを用いることで個人の財産情報を把握し、税務調査の対象を選定しています。
法定調書から財産を把握している
税務署は口座の動きだけでなく、法定調書からも財産を把握しています。
不動産や保険会社、証券会社での契約で法定調書が使われますが、この書類は税務署への提出が義務付けられています。
したがって税務署は、法定調書からも財産状況を把握できるのです。
法定調書と預金取引、そして申告内容を組み合わせて不自然な内容が浮かび上がれば、タンス預金が疑われます。
実地調査や反面調査が行われる
税務署ではKSKでのデータベース調査に加えて、対象者を選定して実地調査や反面調査で申告漏れを見つけています。
これらの調査が行われると、タンス預金の存在がバレる確率が高いです。
実地調査では相続人の通帳や金庫が調べられたり、会話を通してタンス預金の存在を探り出したりして資産状況をあぶり出します。
一方、反面調査では被相続人である故人との関係が深い人に対して調査が行われます。
このように相続人だけでなく、関連する人々まで広い範囲に徹底した調査が行われるため、タンス預金を含め資産を隠すと高確率で指摘されるでしょう。
海外送金や海外資産も調査される
「海外に送金したり、海外に資産を移したりすれば大丈夫ではないのか」と思われがちですが、このケースも税務署は調べるため高確率で見つかるでしょう。
【海外送金や海外資産がバレる理由】
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税制では「被相続人と相続人どちらも10年以上の海外移住期間があると、海外資産に相続税・贈与税がかからない」とされています。
この税制は平成29年の改正で海外移住期間が5年から10年に延長されました。
つまり、海外にある財産も厳しく見られ、税逃れ対策が強化されているのです。今後も規制が強くなる可能性もあるので要注意です。
マイナンバー導入で見つかりやすくなる可能性も
今後、預金口座とマイナンバーの紐づけが強化されると、税務署は簡単に個人財産を調査できるようになり、タンス預金も見つけられやすくなる可能性があります。
現在は預金口座とマイナンバーの紐づけは義務化されておらず、新規に預金口座を開設する際にマイナンバーの届出が求められるもののあくまで任意です。
マイナンバーと銀行口座を紐づけると、個人がどの銀行に預金口座を開設しているかを把握できるようになるので、税務調査もラクになり申告漏れも発見しやすくなるでしょう。
税務調査が行われるタイミング・方法
税務調査が来るタイミングは申告が終わった年の1~2年後です。
税務調査の方法は「ヒアリング」「実地調査」「反面調査」の3種類があり、いずれも隠すことなく正直に対処することが大事です。
また、税務調査でどのようなことを聞かれるのか「税務調査で聞かれる質問」についても紹介します。事前に知っておけば焦ることなく対応できるでしょう。
税務調査のタイミングは申告書を提出して1~2年後
相続税の税務調査が行われる時期は、相続税の申告が終わった翌年・翌々年の8~11月にかけてです。
これは税務署の人事異動が7月に発生し、その後でなら腰を据えて調査できることが関係しています。
あまり問題がなさそうな申告者に対しては、人事異動前の6月に短期で行うケースもあります。
税務調査時期についての詳しい内容や、税務調査のために準備すべきものを知りたい方は以下の関連記事をご覧ください。
税務調査の3つの方法
相続税の税務調査には「ヒアリング」「実地調査」「反面調査」という3つの方法があります。
ヒアリング
ヒアリングは税務調査に際して、調査官が被相続人・配偶者・子どもに関して質問を行うことを指します。
【質問内容の例】
被相続人について |
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配偶者について |
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子供について |
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このような多くの質問項目から、隠された資産の存在を予測・分析していきます。
実地調査
実施調査は家を訪問し、財産状況を調査する方法です。被相続人が最後に住んでいた家で行われるケースが多くみられます。
実地調査では申告漏れの財産が存在しないかチェックされ、特に以下のようなポイントに重点を置いて調査されます。
- タンス・押入れ・床下・ベッド下・金庫
- 洋服のポケット
- 絵画や美術品などの財産
反面調査実地調査は相続人全員に参加義務があるわけではないですが、なるべく立ち会えるのが理想です。
反面調査は故人との関係が深い人に対して実施される調査です。
被相続人名義で契約していた金融機関に対して行う際は、口座の動きや金銭の流れなどを確認します。
また、生前に親交の深かった人に対し、金銭のやり取りがあったかをチェックすることもあります。
税務調査の対象になりやすいケース
相続税に関する税務調査のターゲットになりやすいのは、以下のケースに当てはまる人です。
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簡単に言えば「納税額が大きくなりそうな人」や「申告内容が信用できない人」該当します。
申告時には「疑われないよう丁寧に作成する」「税理士を始めとする専門家に依頼する」などの対策を取るようにしてください。
税務調査でよく聞かれる質問
税務調査では関係者に対して、以下のようなさまざまな質問を行います。
質問内容 | 質問目的 |
名義預金について | 被相続人が妻や子供名義で口座を持ち、相続税の対象から外していないか |
妻の生活費や収入額・子供の学費や一人暮らしの有無 | 収入と生活費の額と申告した額に差異はないか |
被相続人の趣味や生い立ちなど | たとえばゴルフが趣味であれば「ゴルフの会員権」、サラリーマンであれば「持株」など、申告していない財産がないか |
過去に贈与の有無はなかったか | 贈与税に関する調査。贈与税を支払っていない可能性もあるため |
被相続人の日記の有無 | 本当に正しい相続人に財産が渡っているか。隠し財産はないか |
被相続人や関係者が利用している金融機関 | 申告漏れしている財産がないかどうか |
貸し金庫を持っていないか | タンス預金などの手許預金がそこに隠されていないか |
被相続人が亡くなった原因 | 持病・入院の有無や入院期間、死亡前に引き出された預金の使途について |
被相続人の職業 | 収入の程度 |
被相続人の預金の管理者 | 預金の管理や名義はどうなっているのか |
質問する目的は「申告内容の事実確認」「虚偽の申告や怪しいお金の流れがないか」などを探り、正しく相続税を収めているかどうかを調べるためです。
嘘なく誠実に答えるようにしましょう。質問の事前準備やメモ・資料を見ながらでの受け答えも可能なので、慌てず確実に答えれば大丈夫です。
タンス預金を申告しなかったらどうなる?【税務署のお尋ね・ペナルティ】
タンス預金でもその他の財産でも相続税の申告義務がある場合には申告が必要です。申告せずに税務署にバレれば延滞税などの罰金を科されますし、タンス預金を使った悪質な脱税と判断されると刑事罰に問われるリスクもあります。
以下では相続税の申告をしなかったタンス預金が税務署にバレると一体どうなるのかを解説していきます。
無申告が続くと税務署から「お尋ね」が届く
タンス預金分の所得を申告しない無申告が続けば、税務署より「相続税についてのお尋ね」が届きます。「亡くなった方がいるから、相続税の申告が必要ではないのか?」という確認通知です。
お尋ね文書は通常、相続開始を知った日から6~8ヵ月ほどで送られてきます。
被相続人(故人)の確定申告書や保険金の支払調書などを持つ税務署は、そのデータを基に税発生が見込まれる人にお尋ねを送ります。
書類が届いたからといって、申告隠しが疑われているわけではありません。あくまでも現状確認・申告の促しのみです。
「相続税の支払準備済み」「税理士に相談済み」の場合は無回答でも大丈夫です。
ただし、控除や遺産金額を計算した結果「相続税が0円」の場合は税金がかからない旨を返答し、疑われることのないよう説明することが大事です。
この際、虚偽回答した上で所得隠しが発覚すると重加算税や延滞税などが発生することもあります。最終申告では必ず、正しい報告を行うようにしてください。
追加徴税のペナルティ
相続税を申告・納税すべきなのにも関わらず義務に違反した場合は、延滞税・無申告加算税・過少申告加算税など様々な罰金が科されます。
【申告漏れのペナルティ】
税率 | |
延滞税 | 本来払うべき税額の7.3%
(申告期限から2ヵ月を過ぎたら14.6%) |
無申告加算税 | 本来払うべき税額の15~20% |
過少申告加算税 | 本来払うべき税額の10~15% |
重加算税 | 本来払うべき税額の35~40% |
例えば、本来の相続税が500万円で40%の無申告加算税を科されると、ペナルティだけで200万円もの納付が必要です。
家族が残した大切な財産を罰金で持っていかれてしまうことがないよう、期限内に適切に申告を行いましょう。
関連記事:【税理士監修】税務調査で誤りを指摘された「修正申告」?「更正」?|ミツモア |
刑事罰の可能性も
相続税の隠蔽・無申告の内容があまりに悪質だと判断されると、「脱税」として刑事罰に問われる可能性があります。
刑罰として罰金が科せられた場合でも、それとは別に重加算税を支払う必要があります。
脱税は犯罪行為であるため「税金を払わなくてもバレないだろう」という考えはしないようにしてください。
タンス預金の申告に時効はある?【時効での逃げ切りは難しいので注意】
タンス預金に関わる申告には相続税と贈与税があります。相続税は5年、贈与税は6年の時効があり、時効を過ぎれば国は税金の徴収ができなくなります。
しかし、時効での逃げ切りは難しく、多くのケースでは時効の前に税務署にバレることとなります。
税務署は相続が起きる前から財産状況を把握しており、相続税がどれくらいになるかを事前調査しています。
また、死亡届が提出されると相続が起きたことがわかるので「税務署が気付かないまま時効を迎えた」ということもありません。そのため、最初から正しく申告・納税を行うようにしましょう。
相続税の時効は5年
税金の時効は原則として法定申告期限の翌日から5年で、偽りその他不正の行為によって税金を逃れようとした場合には7年です。
相続税の申告期限は相続の開始を知った日の翌日から10ヶ月なので、その日を基準に考えると5年10ヶ月または7年10ヶ月で時効が成立します。
また、相続税の申告義務があるにも関わらず申告しなかったような悪意があるケースでは、時効が成立するのは5年10ヶ月ではなく7年10ヶ月となります。
贈与税の時効は6年
税金の時効は原則として5年で成立しますが、贈与税は時効が6年と定められています。不正行為がある場合に7年に延びる点は他の税金と同じです。
贈与税の申告期限は贈与を受けた年の翌年の3月15日なので、その翌日である3月16日から5年または7年で時効が成立します。
監修税理士からのコメント
風間公認会計士事務所 - 東京都品川区南品川
ミツモアで税理士を探そう!
この記事ではタンス預金は節税対策にならないということをお話ししました。相続時には様々な手続きが必要になり、一人でやるよりも税理士に依頼した方が簡単ですし安全です。
そんな税理士選びにおすすめなのが、「ミツモア」です。
簡単!2分で税理士を探せる!
ミツモアなら簡単な質問に答えていただくだけで2分で見積もり依頼が完了です。
パソコンやスマートフォンからお手軽に行うことが出来ます。
最大5件の見積りが届く
見積もり依頼をすると、税理士より最大5件の見積もりが届きます。その見積もりから、条件にあった税理士を探してみましょう。税理士によって料金や条件など異なるので、比較できるのもメリットです。
チャットで相談ができる
依頼内容に合う税理士がみつかったら、依頼の詳細や見積もり内容などチャットで相談ができます。チャットだからやり取りも簡単で、自分の要望もより伝えやすいでしょう。
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この記事の監修税理士
風間公認会計士事務所 - 東京都品川区南品川