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【最新版】株の相続税の基礎知識|評価額算出方法と節税策を紹介!

最終更新日: 2019年12月27日

株が相続財産の中に含まれていたら、取り扱いに戸惑う人は多いのではないでしょうか。相続税の金額はどうなるのか、現金化するにはどんな手続が必要なのか──株を相続した方、あるいは将来的に株を相続するかもしれない方のために、株の相続税について詳しく解説します。

株の相続税の基礎知識をおさらいしよう

株の相続税 解説
株の相続税について徹底解説!

株を相続したといっても、現金や不動産とは違って上場株の株券は電子化されているため、なかなか実感が湧かないかもしれません。

しかも株価は日々変動しているので、相続税の申告をする際に相続財産としてどのように価額を算出すればいいのか悩みどころですよね。まずは株の相続税の基本からみていきましょう。

株の相続税とは?

相続財産としての株の評価額を算出する場合は、株価が基準となります。株価は会社の業績や市場の思惑によって、日々変化するもの。相続税申告をする際には、最新の株価で価額を算出するため、購入当時の株価とはまったく異なる場合もあるので注意しましょう

株を相続したときの相続税率

株が相続財産に含まれる場合は、評価額を算出してその他の相続財産と合算し、そうしてできた相続財産の総額から負債や基礎控除などを減じることで課税相続額が算出されます。

相続税率は、この課税相続額に応じて10%〜55%の割合で課せられます。課税相続額に相続税率を乗じたものが相続税となるのです。

こちらは国税庁が作成した相続税の税率速算表です。

法定相続分に応ずる取得金額税率控除額
1,000万円以下10%
3,000万円以下15%50万円
5,000万円以下20%200万円
1億円以下30%700万円
2億円以下40%1,700万円
3億円以下45%2,700万円
6億円以下50%4,200万円
6億円超55%7,200万円

※出典 国税庁

相続税計算における上場株と非上場株の違い

株の相続税計算は、上場株であるのか、非上場株であるのかで、大きく取り扱いが異なります

上場株は新聞やインターネットで公開されている株価を基準とするので、容易に株価を確認できるのですが、一方、非上場株は情報が広く公開されていないため、株評価をする際には会社の規模に応じて「大会社」「中会社」「小会社」に区分し、その上で規模に応じた評価方法を適用します。

そして、決算書の情報に基づいた経営状況の分析をおこない、株価の計算をするのです。

ただし、この相続税計算のもとになる株価の算出に関しては、評価の判定がかなり複雑です。専門知識がなければ正確に算出するのは困難なので、税理士に依頼する方が確実でしょう。

株の相続に必要な手続

株式相続のフローチャート

株を相続した場合、相続税の支払い以外にもさまざまな手続きがあります。相続した株を自分の財産として有効に活用するにはどのような方法があるのか、そのためにはどのような手続をすればいいのかなどをご説明しましょう。

株を相続したら名義変更を

相続した株が上場株であった場合には、証券口座で口座を管理していた場合は窓口の証券会社、特別口座で管理していた場合は信託銀行で名義変更をおこないます。名義変更をする前提として、自分名義の証券口座を開設する必要があるので注意しましょう。

非上場株は、株発行会社へ連絡をして名義変更をおこないます。

名義変更の際には以下の書類

  • 株式名義書換請求書兼株主票
  • 株式名義書換請求書兼株主票(株券廃止会社用)
  • 株券(株券が発行されている場合)
  • 相続関係を示す戸籍謄本等
  • 相続人全員の印鑑証明書(発行後6ヶ月以内の原本)
  • 相続人全員の記載のある共同相続人同意書
    または遺産分割協議書等(相続人が複数の場合)

をご用意ください。

株の相続を放棄する場合

株の相続を放棄しようとしても、株のみに限定して相続放棄をすることはできません。どうしても株を相続したくない場合は、全相続人で遺産分割協議をして、株を除いた他の財産を相続することに合意してもらう必要があります。

また、株を含めたすべての財産の相続を放棄する場合は、相続開始があったことを知った日から3カ月以内に家庭裁判所で所定の手続をしなければいけません。

現金化して株を分割して相続する場合

現金化してから分割することで、複数の相続人で分割して相続をすることができます。この場合は、いったん1人が株をまとめて相続し、名義変更を行った後に株を売却し現金として配分することが一般的です。

株の相続税評価額の計算方法とは

株の相続税の計算方法
株の相続税はどのように計算される?

株の評価は日々刻刻と変わりますが、どのような方法で行えばいいのでしょうか。評価の仕方は、上場株と非上場株で異なります。それぞれどのような方法で株を評価するのか、具体的にみていきましょう。

上場株の評価方法

株の中でも上場株には、「始値」「終値」「高値」「安値」の4種類の値があります。株相続において相続税評価の対象となるのは終値です。基本的には、被相続人の死亡日の終値が評価の対象となります。

しかし、指標をひとつに限定すると、株価の急激な変動などで不公平になる場合があるので、国税庁ではさらに次の3つの指標を設けて、死亡日の終値よりもさらに低い値になれば、その中で最も低い値を採用するとしています。

  1. 課税時期の月の毎日の最終価格の平均値
  2. 課税時期の前月の毎日の最終価格の平均値
  3. 課税時期の前々月の毎日の最終価格の平均値

それでは、これらの終値や平均値を調べるのはどのようにすればいいでしょうか。インターネット等で調べて自分で計算することも可能ですが、最も簡易なのは証券会社に出向いて死亡日の終値と上記の3種類の終値が記載された「残高証明書」を発行してもらう方法です。

受け取りの際は、被相続人の死亡を確認できる戸籍謄本を用意する必要があります。

非上場株の評価方法2種類

相続税評価額を終値から比較的容易に計算できる上場株に対して、非上場株は、保有率や経営分析を判断した上での複雑な計算が必要となります。

そのため、非上場株の発行会社に連絡し、株主名簿、保有に至った経緯や経営情報の開示要請、会社側の買取要望などを確認しなくてはいけないのです。

非上場株の評価方式は大きく2つです。

  • 原則的評価方式
  • 配当還元方式

それぞれどのような評価方式なのか、具体的にみていきましょう。

原則的評価方式

非上場株の評価方式では「原則的評価方式」という方法が一般的です。株を発行している会社の規模、業績による評価方法で、具体的には従業員数や総資産評価額などを基準に評価していきます。

また、原則的評価方式は会社の規模に応じて、類似業種比準方式・純資産価額方式・併用方式という3種類に分類されます。それぞれの特徴をつかみましょう。

類似業種比準方式は、類似した上場会社の数値を基準に算定します。一般的に純資産方式よりも割安となります。

純資産価格方式は、会社を清算すると仮定した場合の株主の一人あたりの分配額で評価する方式です。仮定の上で会社の清算をする場合には、会社は利益と負債を総合して評価されることになります。

長年にわたる利益は累積額としてプラス評価に影響することから、歴史の長い会社では高額評価となる傾向があります。

そして最後の併用方式は、上記2方式を一定割合で併用した方式です。

配当還元方式

原則的評価方式が会社全体の相対評価をするのに対し、「配当還元方式」は利益から配当される配当額を基準に株を評価します。

通常は原則的評価方式が用いられ、配当還元方式は経営権を支配しない場合に例外的に適用される方式です。

計算方法としては、1年間で受け取る配当金の10%を還元して株価格と評価します。計算式で表すと次のようになります。

{年配当金額/10(%)}×{1株あたり資本金額/50(円)}

相続税の計算についてもっと詳しく知りたい方は下記の記事をご覧ください。

相続税の税率を分かりやすく解説!控除額の計算から相続税対策まで|ミツモア

相続した株を現金化する方法

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相続した株を現金化する方法とは

株を相続した場合、株券という形では相続人に平等に配分できないことから、早い段階で現金化して相続人で分割することがあります。相続した株を現金化する場合、どのような手続が必要なのでしょうか。

株を現金化する方法

現金化するには、上場株の場合はまず名義変更の手続をおこないます。名義変更をおこなうためには、遺言書や遺産分割協議書などの書類により、正当な相続人であることを示さなくてはいけません。

株を引き継ぐ相続人が、証券口座を持っていない場合は、新たに口座を開設する必要があり、この口座が開設されると、相続した株が振替えられるので、普通の手続で売却をすれば現金化できます。実際に現金が手に入るのは、売却をして4営業日目です。

非上場株は、名義変更から売却の問い合わせまで発行株会社に連絡することとなります。売主を見つけ譲渡承認請求や買取請求をします。

分割協議後でなければ株の現金化は不可能

株は亡くなった方の名義のままでは売却による現金化ができません。また、相続人の間で分割協議が完了しなければ売却による現金化はできません。分割協議が完了したことを示すためには「遺産分割協議書」か「遺言書」を提示する必要があります。

株の相続時にかかる税金と節税策は?

所得税の納税と還付
株の相続時にかかる税金とその節税策とは?

相続税は原則現金で納める必要があるため、相続人の中には相続した株をすぐに売却して現金化する人もいます。
通常、この売却で得た利益は譲渡所得税の対象となります。しかし、相続で得た株を売却する場合には、特例を適用すれば節税をおこなうことが可能なのです。

相続財産を譲渡した場合の取得費の特例

株を相続後に売却すると、相続税とはまた別に税金がかかります。これを「譲渡所得税」と言います。

しかし、株の相続時には「相続税」という形で税金を支払っているはず。相続時に相続税を支払ったにもかかわらず、株の売却時にまた譲渡所得税をとられるとなると、負担が大きくなってしまうのでは?と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。

まずは、譲渡所得税の仕組みから見ていきましょう。譲渡所得税は以下のように計算されます。図の通り、取得費/譲渡費用が多くなればなるほど譲渡所得が少なくなり、譲渡所得が少なくなるほど支払う税金も少なくなります。

譲渡所得税とはどのような税金なのか
譲渡所得税とは?所得税との違い

つまり、「譲渡所得」が小さくなればなるほど譲渡所得税が小さくなる仕組みです。

ここで活躍するのが「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」です。この特例を使うと、先に支払った株の相続税が、株の取得費として換算できます。

株式の譲渡所得に関する控除
株式の譲渡所得に関する控除

取得費に加算する相続税額は、譲渡者が納付した相続税額に一定の割合を掛け算して算出されます。

A:相続した株のうち、譲渡した株の相続税法の評価額

B:相続した株全体の相続税法上の評価額

控除に加算できる相続税額の計算方法
相続税額の計算方法

具体例で見てみましょう。例えば、1株1万円の評価額で株100株を相続したのち、100万円の相続税を支払った人が60株を売却すると、下記のようになります。

支払った相続税額=100万円

A: 譲渡した株の相続税法上の評価額=1万円×60株=60万円

B: 相続した株全体の相続税法上の評価額=1万円×100株=100万円

100万円×(60万円/100万円)=60万円→取得費に加算する相続税額は60万円

ただし、取得費に加算するには、以下の要件を満たさなければなりません。

  1. 相続や遺贈により財産を取得した者であること。
  2. 取得した人に相続税が課税されていること。
  3. 相続開始日の翌日から「相続税の申告期限」の翌日以後3年を経過する日までに譲渡していること。

この数式によって算出された値を株の取得費として加えることができるため、譲渡益が減じられることとなります。ただし、この特例を受けるためには、確定申告が必要です。

株の相続における、みなし配当課税の特例

株を相続した場合、売却し現金化しない限り手元に現金は増えません。一方で、相続税は現金で納めるのが通常。相続した株を売却せずに相続税の納付しようとすると、手元の現金が不足する場合があります。

こういった場合に、相続した株を発行株会社に売却して現金化したい、と考える人もいるでしょう。

その場合に問題になるのが「みなし配当課税」です。

「みなし配当」とは、会社が株主に配当を払っていないのに払ったと”みなされる”ことで、みなし配当とされると、みなし配当を受けた株主に所得税が課されます。様々なパターンがありますが、そのうちのひとつに株主が株を発行会社に売却した場合があるのです。

みなし配当の説明
みなし配当の説明

株主が株を発行会社に売却して取得価額と売却価額の差額で利益が出た場合「みなし配当」とされ、所得税が課されてしまいます。この場合、最高で43.195%と、非常に高い税率が課されてしまうのです。せっかく株を相続したのに高い税金をかけられてしまっては、困りますよね。

そういった場合のために、「相続により取得した非上場株を発行会社に譲渡した場合の課税の特例」という救済制度が存在します。

「相続により取得した非上場株を発行会社に譲渡した場合の課税の特例」を適用すれば、所得税の場合だと最高で43.195%かかっていた税金が、売却額からその株の取得費と譲渡費用の合計額を控除した金額に対して、一律20.42%の課税のみとなります。

この特例を適用すると、多くのケースで所得税を支払うよりも税金の負担が軽くなるのです。

この特例を受けるには、相続開始日の翌日から相続税の申告書の提出期限の翌日以後3年を経過する日までの間に譲渡し、事前に届出書を税務署に提出する必要があります。

株の相続対策が議論に

相続対策として、資産家の間で株は近年注目を集めています。

土地は公示価格80%、建物は50〜70%で相続計算されるため相続対策としてこうした株による手法は一般的になってきているわけです。

株の相続税を節税するなら税理士に!

株の相続税対策には、専門性のある税理士に相談しよう

株を相続した場合、その評価額の算定方法など、高度な専門知識が必要なことが分かりました。それでは、株を相続した場合の相続税の対策は、誰に相談したらいいのでしょうか。詳しくみていきましょう。

相続税の相談は、相続税専門の税理士に相談

相続税といえば税理士の専門分野とされますが、税理士の多くは法人税を専門として活動をしています。税金の中でも相続税は特殊な分野なので、専門的な知識がないと不要な税金を支払うことにもなりかねません。

税理士の登録数は約7万5千人ですが、年間の相続税申告件数は約5万4千件です。つまり一年の間に一件も相続税申告をしたことがない税理士が大勢いることとなります。このことからも、相続税申告を専門とする税理士とそれ以外の税理士の経験値の差は歴然であるといえます。

良い「株の相続税の専門家」を見極めるポイント

それでは、どうすれば株の相続税の専門家を見極めることができるでしょうか。開業当初から、専門分野を絞って業務をしている税理士も少なくありません。どんな特色の税理士なのかをリサーチしてみましょう。

周りの評判も大切ですが、どんな分野で実績があるのかも重要です。株相続案件について、どのような評価を得て、どのような実績がある税理士なのか、しっかりと確認をしましょう。

株の相続税を専門家に相談するメリット

非上場株の相続については高度な専門性を要するため、個人で解決するのは至難の業です。専門の税理士に非上場株を評価してもらうことが、確実に適正な相続を行える最善の手段といえるでしょう。

さらに事業承継における株相続である場合には、個人における相続税の他、事業所得税など会社側での税金を勘案したスムーズな相続を可能にできるメリットがあります。

また複数の税理士で構成されている事務所であれば、相続税、事業承継、など専門が別れる場合もあり、こうした事務所を活用すれば、幅広い視点で質の高いサービスが期待できます。

株の相続税を専門家に相談する場合の相場

株の相続税を専門家に相談する場合の費用設定は様々ですが、最も多い価格設定としては、相続財産額の0.5%~1.0%の範囲です。

価格別にみると5千万円以下のランクで20万円~25万円。1億円~1億5千万円のランクだと55万円~60万円が最も多い価格帯となっています。

難易度の高い案件をメインにこなす税理士法人に依頼すると、難易度が低い案件であっても報酬額は相場より高くなることがあります。依頼しようとする株相続がどのくらいの難易度で、税理士にとっての業務負担、リスクどれくらいあるのかを知るためにも、いくつか見積もりをとる方が望ましいでしょう。

相続税申告の税理士の選び方についてもっと詳しく知りたい方は下記のサイトをご覧ください。

相続税申告の税理士の選び方とは?気になる報酬・費用相場もご紹介!|ミツモア

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株の相続税の基礎知識から売却まで重要なポイントをお伝えしましたが、いかがでしょうか。

上場株のように、自分できる範囲の部分から、非上場株のように専門家に相談するのがおすすめのものまでご紹介をさせていただきました。

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