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相続税の非課税枠を正しく理解しよう!【税理士監修】

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最終更新日: 2018年10月23日

相続税は、2015年の法改正によって基礎控除額が引き下げられました。このため相続税とは無縁だと考えていた人も、相続財産をきちんと見直してみたら基礎控除額をオーバーしていたということも起こり得るのです。相続税対策は早すぎるということはありません。今回は相続税対策の重要なポイントとなる非課税枠についてみていきましょう。

知っておきたい相続税の基礎

相続税の基本を押さえておこう!

非課税枠を知る前に、まず相続税について理解を深めましょう。相続財産を相続するのは誰になるのか、また相続財産には何が含まれるのかという点からみていきます。

相続税とは?

そもそも相続税とはなんでしょうか。相続税とは、被相続人が亡くなることにより、財産が配偶者や次の世代に移転することに着目した税金です。

相続では、亡くなった人を「被相続人」、財産を相続される人を「法定相続人」といいます。法定相続人になれるのは、被相続人の配偶者や子どもです。

配偶者はどんな場合でも相続人になりますが、子どもがいない場合は法律で決められた順位で相続人が決まります。上位の順位に該当者がいる場合は、下位の順位の人は相続人にはなれません。その関係を表に示すと次のとおりになります。

第1順位 (直系卑属) 子→ 子が死亡している場合は孫
第2順位 (直系尊属) 父母→ 父母が死亡しているときは祖父母
第3順位 (傍系血族) 兄弟姉妹→ 兄弟姉妹が死亡しているときは甥・姪

相続税の対象になる財産は、現金、預貯金、有価証券、不動産などです。相続税の申告と納税は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10カ月以内に行うこととされています。

相続税は、期限までに現金で納めるのが原則です。制度的には、分割で納める「延納」や不動産などを納める「物納」がありますが、利息がついたり、様々な制約があるので、可能な限り現金で納めることが望ましいでしょう。

課税価格の全体像

相続税の非課税枠を知る前に、まず何が課税対象になるのかという課税価格の全体像を理解していきましょう。

相続財産には、プラスの財産とマイナスの財産があります。プラスの財産からからマイナス財産を減じたものが、純資産額です。それぞれの構成は次の表のようになります。

プラスの財産
相続により取得した財産 みなし相続により取得した財産 相続時精算課税に係る贈与財産
  • 現金
  • 預貯金
  • 有価証券
  • 土地
  • 家屋
  • 貴金属
  • 生命保険の死亡保険金
  • 死亡退職金
  • 相続時成算課税とは、生前贈与を受けた際に、この制度を活用することで贈与税が課せられず、贈与者死亡時に相続税が課せられるものです。
マイナスの財産
非課税財産の価格 債務 葬儀費用の額
  • 生前から所有していた墓地、墓石、仏壇、仏具
  • 国や地方公共団体などへの寄付
  • 公益事業用財産
  • 住宅ローンなどの残金
  • クレジットカードの未払い分
  • 未払いの入院費
  • 借金
  • 通夜、葬儀で葬儀社に支払った額

課税価格は、次の数式により導き出します。

純資産価格=プラスの財産-マイナスの財産
課税価格の合計額=純資産価格+相続開始前3年以内の贈与財産の価額

もし被相続人が亡くなる以前3年以内に贈与された財産があれば、それは相続税の対象になるので、課税価格に加えます。もし贈与を受けた際に贈与税を支払っていたのであれば、その税額は相続税から差し引くことができます。

こうして算出された「課税価格の合計額」が、相続税の対象になります。

最後に次の数式により課税遺産総額を算出して、最終的な課税遺産総額が決まります。

課税遺産総額=課税価格の合計額-基礎控除

ここで計算結果が0円以下になると、相続税はかかりません。

相続税の非課税枠とは?

相続税の非課税枠とは、課税価格から除外できる金額で、基本的なものが、基礎控除額、生命保険の死亡保険金、死亡退職金です。法定相続人の人数が増えるほど、金額が大きくなります。これを相続人の人数ごとの一覧にすると次の表のとおりになります。

非課税枠の種類 法定相続人の人数
1人 2人 3人 4人
基礎控除額(3,000万円) 3,600万円 4,200万円 4,800万円 5,400万円
死亡保険金の非課税限度額    500万円 1,000万円 1,500万円 2,000万円
死亡退職金の非課税限度額    500万円 1,000万円 1,500万円 2,000万円

2015年には相続税の基礎控除が改正!非課税枠の理解が重要に

基礎控除は、3,000万円+相続人の人数×600万円の数式で算出します。上の表にありますように、たとえば相続人が一人の場合は、基礎控除額は3,600万円となり、四人だと5,400万円になります。法改正前は、5,000万円+相続人の人数×1,000万円でしたから、基礎控除額が大幅に引き下げられたことになります。

法改正後の申告数が、法改正前と比べて1.5倍になっていることからも、相続税の対象者が大きく拡大されたことが分かります。

相続税の非課税枠の具体例

相続税の非課税枠を知っておこう!

相続税の節税を考えるうえで、どんな非課税枠があるかを知ることはとても重要です。相続税には、具体的にどんな非課税枠があって、どんなふうに機能するのかみていきましょう。

最も代表的な非課税枠「基礎控除」

基礎控除額は以下の数式で算出します。

基礎控除額=3,000万円+法定相続人の数×600万円

この額よりも相続財産が下回る場合は、相続税申告は不要です。

生命保険の死亡保険金の非課税枠

生命保険の死亡保険金は、みなし相続により取得した財産ということになります。

死亡保険金には、法定相続人1人につき、500万円の非課税枠があります。たとえば、被保険者の父が亡くなり、母と子ども2人が相続人になったとすると、3人×500万円=1,500万円の数式から、1,500万円が非課税枠になります。

死亡保険金は、遺産分割協議とは無関係に受取人が現金を受け取ることができるので、早急に現金が必要な際に活用できます。

死亡退職金の非課税枠

会社員や公務員である被相続人が亡くなった場合、一般的に退職金は配偶者に、配偶者のいない場合は子どもに支払われます。これもみなし相続により取得した財産ということになります。死亡退職金には、法定相続人1人につき500万円の非課税枠があります。

日常礼拝をしているもの

日常から礼拝しているものとは、被相続人が生前から所有していた墓地、墓石、霊廟、仏壇、仏具、神棚などをいいます。これらのものは非課税財産として扱われます。ただし純金製の仏像のように他に転売が可能なものは除きます。

相続人が国や地方公共団体等に寄付した相続財産

相続人が相続した財産のうちから、国や地方公共団体に寄付した場合、その寄付した財産は、非課税の財産となります。寄付先として認められているのは、行政機関の他には公益を目的とする事業を行う法定の法人で、日本赤十字社やユニセフなどが該当します。

その他の非課税枠

  • 未成年者控除

法定相続人が未成年の場合には、満20歳になるまでの年数1年につき10万円が控除されます。1年未満の年は、繰り上げて1年にカウントされます。

  • 障害者控除

法定相続人が障害者である場合は、満85歳になるまでの年数1年につき10万円(特別障害者の場合は20万円)が控除されます。1年未満の年は、繰り上げて1年にカウントされます。

  • 相次相続控除

相続の開始10年以内に、被相続人が相続により財産を得ている場合は、前回の課税総額を1年につき10%ずつ下げていった額を今回の相続税から控除できます。

相続税の節税対策

相続税の節税対策を検討しよう!

相続税の節税を考える場合、非課税枠を活用する以外に有効な方法はないのでしょうか。ここでは相続税の節税に有効に活用できる制度についてみていきましょう。

小規模宅地等の特例

「小規模宅地等の特例」を活用することによって、相続された宅地が、一定の条件を満たせば大幅に評価額を下げることができます。対象となる宅地は、居住用・事業用・貸付用の3種類です。特例が適用された場合、居住用と事業用は80%評価額を下げることができます。貸付用も50%評価額を下げられます。

居住用では、被相続人が居住していた宅地が対象になります。減額対象になるのは330平方メートルまでです。適用条件は、相続人の立場によって異なります。

まず配偶者は無条件で適用が受けられます。同居していた子どもの場合は、相続開始時から相続税の申告期限までその家屋に住み、所有をすることが適用条件となります。同居していない子どもが相続する場合は、いくつかの条件をすべてクリアする必要があります。条件は次のとおりです。

  1. 被相続人に配偶者がいないこと。
  2. 被相続人と同居していた相続人がいないこと。
  3. 相続開始前の3年以内に日本国内にいる3親等内の親族または親族の経営する法人が所有する家屋に住んだことがないこと。
  4. 相続開始時から相続税を申告する期限まで、引き続きその家屋を所有すること。

これらの条件を満たした人が、被相続人の住んでいた家に引き続き住む場合は、土地の評価額を80%減じることができます。

事業用の宅地についても、400平方メートルまでの部分について80%評価額を減じることができます。条件としては、事業を引き継ぐ相続人が、土地を取得し引き続き事業を継続していくことが求められます。

マンションや駐車場などの貸付事業用の宅地は、評価額の減額割合は50%、減額対象は200平方メートルまでの部分です。適用される条件としては、相続人が土地を取得し、かつ貸付事業を継続していくことが求められます。

土地を購入して相続財産を減らす

相続財産を評価する場合、一般的に土地の評価額は市場価格の80%、建物の評価額は60%とされています。これを利用して、手持ちの現金で土地を購入したり建物を建てることにより、相続財産を減らせる効果があります。たとえば賃貸用マンションを建てれば、小規模宅地の特例を利用することで、さらなる節税が期待できます。

贈与税の特例を利用して相続税の節税

相続税を節税するためには、相続財産を減らすのが有効な方法ですが、だからといって、現金を子どもに渡せば相続税よりも高率の贈与税が課せられしまいます。ところが贈与税が課せられない特例があるのです。それが「住宅取得等資金贈与」の制度です。

この制度を活用することにより、贈与税を課せられることなく、親が子どものマイホーム購入資金を援助できるのです。非課税の限度額は契約の年度や住宅の仕様で異なります。内訳は次の表のようになります。

契約時期 良質な住宅 一般住宅
2020年3月まで 1,200万円 700万円
2020年4月~2021年3月 1,000万円 500万円
2021年4月~2021年12月 800万円 300万円

(「良質な住宅」とは、耐震性能に優れ環境に配慮した仕様で建てられた住宅です。)

住宅取得等資金贈与の適用が受けられる要件は、次のとおりです。

  1. 贈与を受けた年の翌年3月15日までに、家屋の新築・取得または増改築の対価に充て、住宅を取得し住んでいること。
  2. 登記上の床面積が50平方メートル以上240平方メートル以下で、かつ床面積の2分の1以上が受贈者の居住用であること。

マイホームを購入予定がある場合は、この制度を視野に入れて活用すると、結果として相続税の節税になります。ただし、この特例を使って相続人がマイホームを購入すると、小規模宅地等の特例で居住用が適用できなくなる場合がありますので、どの相続人にどの制度を適用するのか十分な検討が必要です。

専門家コメント: 『生前贈与でよくある失敗』

森川和彦税理士事務所(神戸相続税申告相談センター) - 兵庫県神戸市中央区

神戸市中央区で税理士をしております森川和彦です。 当事務所は、相続税申告専門の事務所です。相続税申告案件に強く、経験・実績も豊富です。 相続相談累計172件の実績 相続税申告ならお任せください。初回は無料相談にさせていただいておりますので、実際にお会いし、お話を聞かせていただけたらと思います。
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『おじいちゃんが、かわいい孫3人のために、内緒で、それぞれの名前と印鑑で通帳を作って、10年間にわたって、一人年間100万円の振込をしていました。そのおかげで、年間100万円×3人で300万円、10年間で3,000万円の金額がお孫さんの通帳に振り込まれていました。おじいちゃんは、これで相続税もかなり節税になったと思っていたのです。

しかし、贈与はあげる人と、もらう人の双方の意思表示が必要です。お孫さんは、その通帳の存在すら知らず、また保管もおじいちゃんがしていました。

そのため、贈与が成立しておらず、お孫さん名義の通帳の金額もおじいちゃんの財産としてカウントされ、相続税がかけられてしまいました。

贈与をする場合は、もらったほうが贈与税の申告(贈与税の基礎控除を超えた場合)、贈与契約書の作成、もらう本人が自分の通帳に振り込んでもらい、その通帳と印鑑はもらう人が保管使用するなどに気を付けて、贈与が立証できるようにしておきましょう。』

まとめ 非課税枠を活用して損をしない相続税申告を!

相続税の非課税枠は税理士の相談しよう!

ここまで相続税の非課税枠を中心にご説明をしてきましたが、いかかでしたでしょうか。制度を知らなかったばかりに、本来納めなくてよかった分まで納税してしまうことのないよう、今から相続税対策をしておくことをおすすめします。

今の状況を確認しよう

万が一自分が亡くなれば、相続財産がいくらになるのか把握しておくことは大切です。

現金や預貯金は、日頃から管理しているので、ほとんどの方が概算は分かっていることと思います。よく分からないのが、不動産の評価額ではないでしょうか。

土地の評価については、インターネットで全国の路線価が表示されるサイトを利用すれば調べることができます。路線価に土地の面積を乗じたものが基本的な価額です。建物の評価については、毎年送られてくる固定資産税の納付通知書に記されています。

また相続税の非課税枠は相続人の数によって異なりますから、相続人が何人いるのかを常に頭の中にいれておくことも大切です。

専門家コメント: 『土地の面積評価に注意!』

森川和彦税理士事務所(神戸相続税申告相談センター) - 兵庫県神戸市中央区

神戸市中央区で税理士をしております森川和彦です。 当事務所は、相続税申告専門の事務所です。相続税申告案件に強く、経験・実績も豊富です。 相続相談累計172件の実績 相続税申告ならお任せください。初回は無料相談にさせていただいておりますので、実際にお会いし、お話を聞かせていただけたらと思います。
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『土地の面積は、財産評価通達で“実際の地積”によって計算することになっています。実務上は、登記簿謄本に記載されている面積で評価するケースが多いです。しかし、確定測量図があり、実際の面積が分かるのにもかかわらず、登記簿の面積で申告してしまうと、追加徴税になるケースがあります。いわゆる“縄伸びがある土地”ということで、実際の面積が登記簿の面積より大きいにもかかわらず、登記簿に載っている小さな面積で申告し、過少申告になってしまった事例です。

登記簿の面積で申告しがちですが、測量図があるかどうかの確認を行うようにしましょう。実際の面積で申告しないと、かなり大きな縄伸びの土地の場合、その追加徴税金の影響も大きいものになりますので、気を付けたいものです。』

自分に合った相続税対策の準備を!

今回様々な相続税対策をご紹介してきましたが、相続財産については、税務署は行政や金融機関との強固なネットワークによって資産を把握しています。相続財産については、包み隠すことなく明らかにすることが、結果として節税に通じることがあります。なによりも自分の身の丈に合った節税対策を講じることが大切です。節税対策には、長い年月を要するものもありますから、長期の視野に立って準備を進めましょう。

困ったときには税理士に相談を!

相続税の申請は相続人自らが行うこともできますが、記入項目が多岐にわたっており、相当の根気を要します。また思わぬ落とし穴に陥ってしまうこともありますから、相続税対策で迷ったときには、相続税専門の税理士に相談してみてはどうでしょうか。きっとあなたの心強いパートナーになってくれることでしょう。

【この記事を監修してくださった税理士プロ】

森川和彦税理士事務所(神戸相続税申告相談センター) - 兵庫県神戸市中央区

こんにちは。 神戸市中央区で税理士をしております森川和彦です。 当事務所は、相続税申告専門の事務所です。相続税申告案件に強く、経験・実績も豊富な事務所です。 相続税申告のお悩みを一刻も早く解消したいという方に最適な事務所です。(神戸相続税申告相談センターです。)初回は無料相談にさせていただいておりますので、実際にお会いし、お話を聞かせていただけたらと思います。 敷居の低い事務所ですので、安心して、お気軽にお問い合わせください。 相続相談累計172件の実績 相続税申告ならお任せください。
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