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一親等の意味とは? 範囲や親等の数え方について解説

最終更新日: 2020年08月27日

終活や親の相続関係で調べ物しているとき、一親等(いっしんとう)や二親等(にしんとう)という言葉を目にする機会は多いのではないでしょうか。親等は「親族関係の近さ」を表すものとわかるものの、詳細な定義や親等の数え方について曖昧な人は少なくありません。そこで当記事では親等の意味や数え方を説明しつつ、一親等や二親等などは具体的にどの親族に当てはまるのかを解説します。

他にも姻族(いんぞく)や血族などの用語解説や、相続における親等の考え方もまとめました。親等の意味が曖昧な人や相続関係のリサーチで親等を深く知りたい人は、ぜひ当記事を参考にしてください。

「一親等」とは?

一親等とは?その意味や血族・親族の定義も
「一親等」の親等ってどういう意味?

一親等(いっしんとう)」とは、子や親などの1世代違いの親族を指します。ただし相続関係を調べるときは、「親等」はもちろん「血族」や「親族」の具体的な意味を知っておくと、リサーチや相談のときにスムーズに進むはずです。

まずは「一親等とは?」を題材に、親等・血族・親族それぞれの意味をご紹介します。

「親等」とは

親等とは、たとえばAさんを基準にしたとき、Aさんから見てどれくらい「血縁関係が近いのか」を表した基準です。親等の数値が小さいほど、Aさんとの血縁関係が近くなります。

Aさんとの血縁関係の近さ:一親等>二親等>三親等>四親等……

この親等の単位は、遺産の相続や婚姻関係を結ぶときに関係してきます。とくに相続の場面では「そもそも相続対象になるのか」「どのくらいの額を相続できるのか」が決まる重要な要素です。

「一親等」の血族とは

具体的に一親等の血族とは、以下に当てはまる本人との関係性です。

<一親等の血族>

  • 養子
  • 父母
  • 養父母

本人から見たときに1世代だけ違う、非常に近しい血縁関係になります。

「血族」とは

血族とは、法律上で血縁関係にある人のことです。生物学的に血がつながっている「自然血族」と、法律上で血縁関係を認められた「法定血族(養子縁組の関係)」の2種類があります。自然血族と法定血族では、法律上の立場や親等の数え方を区別しません。民法727条にて、どちらも同一の親族関係として扱うと定められているからです。

第七百二十七条 養子と養親及びその血族との間においては、養子縁組の日から、血族間におけるのと同一の親族関係を生ずる。

(引用:e-Gov|民法

ただし、「特別養子縁組」として親子関係が結ばれている場合、「養子になった子」と「養子を産んだ実親」の間の親等は消滅します。また、養子が本人と養子縁組になる前に子をなしていた場合、養子の子に親等は付きません。養子縁組になったあとに生まれた場合のみ、二親等の孫になります。他にも少し特殊なケースとして、非嫡出子(未婚でできた子)の場合は「母子は一親等」「父子は認知がある場合のみだけ一親等」も存在します。

「親族」とは

民法第725条における正式な親族とは、「六親等内の血族」「配偶者」「三親等内の姻族(いんぞく)」の3つです。

第七百二十五条 次に掲げる者は、親族とする。

一 六親等内の血族

二 配偶者

三 三親等内の姻族

引用:e-Gov|民法

広い意味で親族や親戚と表することもありますが、法律上はこの3つの定義に当てはまる続柄のみが親族と認められています。具体的に、六親等の親族三親等の姻族に該当するは以下の通りです。

親等 親族関係
六親等 はとこ・いとこの孫
三親等内の姻族 配偶者のおじおば・甥姪・曽祖父母

配偶者は血のつながりや養子縁組関係がなくても、婚姻した段階で親族になります。同時に配偶者の3親等以内の親族も、後述する姻族として親族関係に該当します。

親等の数え方

一親等の数え方や辿り方
親等ってどんな風に数えればいいの?

親族関係の近さを表す親等ですが、「あの親族の親等がいくつなのかわからない」と、親等の数え方について混乱する人は多いです。しかし数え方自体はシンプルなので、一度慣れてしまえばすぐに覚えられます。

もしくは、「父母や子は一親等」「甥姪は三親等」と、暗記してしまうのも手です。ここからは親等の数え方と、親族がどの親等にあてはまるのかを、図を用いながら解説します。

親等は家系図を「縦」に数える

親等は家系図を「縦」に数えます。どういうことかと言うと、親等は単純に世代間のつながり(本人→親、本人→子→孫など)を辿っていき、辿った数によって数値を決めているのです。

親等の数え方
親等は家系図を「縦」に数える

この親等の数え方は、民法の第726条で定められています。

第七百二十六条 親等は、親族間の世代数を数えて、これを定める。
2 傍系親族の親等を定めるには、その一人又はその配偶者から同一の祖先にさかのぼり、その祖先から他の一人に下るまでの世代数による。

(引用:e-Gov|民法

上記の条文の2は、「同じ親から生まれた親族(兄弟姉妹・おじおばなど)」は、必ず生んだ親までさかのぼった分も含めて数えるようにと決まったものです。たとえば兄弟姉妹の親等を数える場合だと、「本人→親」で一親等分、「親→兄弟姉妹」で一親等分の合計二親等、といった具合になります

以下では、一~四親等についてそれぞれ見ていきましょう。

父母や子は一親等

一親等は父母や子
父母や子は一親等

先述の通り、父母・子・養子・養父母・不嫡出子の母・不嫡出子を認知した父が一親等にあたります。一親等には、縦関係でつながっている「直系尊属(ちょっけいそんぞく)」と「直系卑属(ちょっけいひぞく)」しか存在しません。

直系・直系尊属・直系卑属の意味は以下の通りです。

用語 詳細
直系
  • 祖父母・親・子・孫など縦の関係で直接つながっている親族関係
  • 直系から枝分かれした親族(兄弟姉妹・おじおばなど)は傍系
直系尊属
  • 本人より上の直系の世代(父・母・祖父・祖母など)
  • 尊属は自分より上の世代を意味する
直系卑属
  • 本人より下の直系の世代(子・孫など)
  • 卑属は自分より下の世代を意味する

非常に近しい血縁関係であることから、相続関係では配偶者に次いで優先される親等です(直系卑属の子>直系尊属の親)。

兄弟姉妹は二親等

二親等は兄弟や祖父母・孫
兄弟姉妹は二親等

本人から見て二親等にあたるのは、2世代分を辿った血族です。具体的に、以下で二親等にあたる親族とその数え方を合わせて見ていきます。

二親等にあたる親族 数え方(辿り方)
本人→子→孫
兄弟姉妹 本人→親→兄弟姉妹
祖父母 本人→親→祖父母
異父母の兄弟姉妹 本人→親→異父母の兄弟姉妹

この二親等からは「傍系(ぼうけい)」という親族の考え方が出てきます。傍系とは、直系と違い縦の関係にない親族関係です。同じ祖先(親)から枝分かれた、いわゆる兄弟関係から続いていく系譜です。

直系と傍系

上の世代の傍系は「傍系尊属(おじおばなど)」、下の世代の傍系は「傍系卑属(甥姪など)」に分類されます。ちなみに、本人の兄弟姉妹やいとこは同じ世代という扱いになるため、尊属・卑属のどちらにも当てはまりません。

親等には大きく関係しませんが、家系図においては基本的な考え方になるので、覚えておくと便利です。

甥や姪は三親等

三親等はおじおばや甥姪
甥や姪は三親等

本人から見て三親等にあたるのは、3世代分を辿った血族です。具体的に、以下で三親等にあたる親族とその数え方を合わせて見ていきます。

三親等にあたる親族 数え方(辿り方)
曽祖父母 本人→親→祖父母→曽祖父母
ひ孫 本人→子→孫→ひ孫
甥姪 本人→親→兄弟姉妹→甥姪
おじおば(伯父伯母・叔父叔母) 本人→親→祖父母→おじおば

後述しますが、三親等までは親族同士で婚姻関係を結べません

いとこは四親等

四親等はいとこ
いとこは四親等

四親等にあたるのは、いとこ・ひいひい孫・大おじ大おば・高祖父母です。とはいえ現実的に四親等でかかわるのは、いとこまでという人がほとんどです。これ以降の五親等はいとこの子・父母のいとこ六親等はいとこの孫・はとこと続きます。七親等以降は存在こそすれど、親族関係になるのは六親等までです。

配偶者との間に親等はない

本人と配偶者との間には親等がありません。わかりやすく0親等と呼ばれることはありますが、正式な名称とは違います。また配偶者は、血族や姻族にも当てはまりません。とはいえ、民法の規定にあるように正式な親族として認められています。むしろ相続関係では一親等よりも優先されます。

法律・実生活ともに、もっとも近い親族と考えて差し支えないでしょう。

姻族の親等の数え方

姻族の数え方
姻族の親等の数え方

姻族(いんぞく)とは、婚姻が要因になって生まれる親族関係です。「義理の〇〇」「夫もしくは妻の両親」「姉の旦那」などが姻族にあたります。姻族の数え方は、本人からではなく配偶者を基準として数えます。

たとえば「配偶者の両親(義父母)」は配偶者→義父母で一親等、「配偶者の兄弟姉妹」は配偶者→義父母→義兄弟姉妹で二親等です。先述の民法の通り、姻族は三親等までが本人にとっての親族として認められます。

ちなみに姻族の関係は、配偶者との離婚でのみ消滅します。配偶者との死別だと、手続きを行わない限り姻族関係は継続します。

三親等までの傍系及び直系の間とは結婚できない

民法第734条において、「直系血族」および「三親等以内の傍系血族」とは結婚できないと定められています。

(近親者間の婚姻の禁止)
第七百三十四条 直系血族又は三親等内の傍系血族の間では、婚姻をすることができない。ただし、養子と養方の傍系血族との間では、この限りでない。
2 第八百十七条の九の規定により親族関係が終了した後も、前項と同様とする。

(引用:e-Gov|民法

以下では、主に考えられる親族同士の結婚の可否について表でまとめました。

親族同士の婚姻 可否
四親等以降の傍系と本人 できる
直系姻族(配偶者の親など)と本人 できない(姻族関係終了後も不可)
養子と養親の実子(養子の義兄弟姉妹)の組み合わせ できる(民法第734条の例外部分)
養子と養親の組み合わせ できない(親族関係終了後も不可)
養子の配偶者や養子の直系尊属・卑属と養親の組み合わせ できない(親族関係終了後も不可)

(参考:e-Gov|民法|第734条・第735条・第736条

近すぎる親族同士の結婚は、倫理的観点で禁止されているようです。また、生物学的にも避けるべきです。とくに直系の親族関係になったときは結婚できないと考えておきましょう。

親等を家系図付きでわかりやすく解説

親等を家系図付きでわかりやすく解説
親等を家系図付きでわかりやすく解説

親等の早見表は以下になります。

親等 親族
一親等 親・子・非嫡出子の母子
二親等 祖父母・兄妹・孫・異父母兄弟姉妹
三親等 曽祖父母・ひ孫・甥姪・おじおば
四親等 高祖父母・ひいひい孫・いとこ・大おじ大おば
五親等 いとこの子・父母のいとこ
六親等 はとこ・いとこの孫

とりあえずは二親等までは頭に入れておくと、相続関係の文章も読みやすくなるでしょう。

相続手続きにおける「親等」

一親等と相続の考え方
相続手続きにおける「親等」の考え方について

親等がとくに問われるのは、相続手続きの場面です。とくに一親等は相続に大きくかかわってくるので、知識がないと相続のときにトラブルを招くかもしれません。ここからは相続手続きにおける親等の扱いについて解説していきます。

原則として配偶者および一親等の血族が相続人となる

原則として、法定相続人になれるのは配偶者と一親等の血族のみです。この2つの親族に当てはまらければ相続権は与えられません。また相続人には「優先順位」が存在し、同じ一親等でも相続の優先度に違いがあります。それぞれの優先順位を見ていきましょう。

優先順位 第一親等の血族
第1順位 子・養子(一親等以外なら代襲相続人)
第2順位 親・養親(一親等以外なら祖父母など直系尊属に当てはまる者)

第2順位の直系尊属の親が遺産を相続できるのは、第1順位の法定相続人がすべて死亡している・権利を放棄している・欠格や排除となっている、のどれかに当てはまるときだけです。もし相続を「配偶者と一親等の親族のみ」で考えた場合、相続のパターンは以下になります。

相続パターン 詳細
配偶者と第1順位 配偶者と第1順位がともに相続可能な状態
配偶者と第2順位 第1順位に相続できる者がいない状態
第1順位のみ 配偶者に相続権がなく第1順位の者に相続権がある状態
第2順位のみ 配偶者・第1順位に相続権がなく第2順位の者に相続権がある状態
配偶者と第1順位の代襲相続人 第1順位の子世代に代襲相続している状態

もし配偶者が死亡しても、第1順位と第2順位の組み合わせとはなりません。必ず配偶者+優先順位が上の血族、もしくは優先順位が上の血族のみの相続になります。

二親等の血族が相続人となる場合とは?

二親等の血族で法定相続人になれるのは兄弟姉妹のみです。兄弟姉妹は優先順位の第3順位にあたります。二親等の血族が相続人になるには、第1順位・第2順位の法定相続人(子や直系尊属)すべてに相続権がないときのみです。もし兄弟姉妹から代襲相続するときは、甥姪が対象になります。

1つ例外として、第1順位の子が死亡し孫に代襲相続を行っているときは、本来は相続権がない第二親等である孫への相続になります。代襲相続とは、相続権をもっていた子がすでに死亡や欠格、排除にあてはまるとき、代わりにその下の世代が相続人になる制度です(子が相続を放棄しているケースは除く)。

相続人それぞれの法定相続分

第1~第3順位まである血族の法定相続人ですが、それぞれ法定相続分に違いがあります。それぞれの法定相続分は以下の割合です(複数人いる場合は、割合からさらに人数分を割る)。

優先順位 法定相続分
第1順位(子・子の代襲相続人) 配偶者1/2・第1順位の相続人1/2
第2順位(親や祖父母などの直系尊属) 配偶者2/3・第2順位の相続人1/3
第3順位(兄弟) 配偶者3/4・第3順位の相続人1/4

仮に財産が9,000万円・法定相続人が配偶者+2人とした場合の、それぞれの法定相続分の計算は以下の通りになります。

優先順位 法定相続分を考慮した財産
第1順位 配偶者:9,000万円×1/2=4,500万円

第1順位:9,000万円×1/2÷2人=1人あたり2,250万円

第2順位 配偶者:9,000万円×2/3=6,000万円

第2順位:9,000万円×1/3÷2人=1人あたり1,500万円

第3順位 配偶者:9,000万円×3/4=6,750万円

第3順位:9,000万円×1/4÷2人=1人あたり1,125万円

本人が終活を考えているときは、現在の家系図や財産をチェックし、遺産の分配は誰にどのくらい行き渡るのかをシミュレーションすることをおすすめします。

まとめ

一親等は相続のときの重要な存在
「親等」や親族関係をしっかり理解しよう!

一親等とは、子・親・養子・養親が当てはまる本人にもっとも近い親族です。一親等からの親等の数え方は、家系図を縦にして数えていくことさえ覚えられれば、そこまで複雑なものではありません。親等の考えは婚姻や相続のときに重要になります。終活のときには常に意識しておきましょう。

とくに相続関係のときの一親等は、「相続対象かどうか」や相続額の計算のときにダイレクトにかかわってきます。最低でも二親等までは頭に入れ、相続手続きや終活などをスムーズに進められるようにしてくださいね。

もし親等の定義だけでなく、相続関係の全体に不安があるときは、相続関係に強い税理士に相談するのも一つの手です。

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