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相続税申告は司法書士と税理士どっちに頼む?弁護士・行政書士とも比較

最終更新日: 2024年10月16日

相続が発生すると、相続税の申告や遺産の分割などの手続きが多く、「相続が発生したけど、誰になんて頼んだらいい」「何もわからないけど穏便に済ませたい」と考える人も多いのではないでしょうか?

相続手続きは手続き内容のミスが起こりやすく、また税務署が申告漏れの目を光らせているため、一つ間違えると本来の納税額を超えるような多額の追徴課税が発生することも考えられます。

本記事では、相続にあたって何を誰に頼めばいいかを、司法書士や税理士などの業務内容を比較し解説していきます。

相続で専門家へ依頼できる業務内容

相続に関する手続きと一口に言っても、「相続税申告」や「相続登記」などさまざまなものがあり、専門家によって得意不得意が異なります。

状況によって依頼すべき専門家が変わりますので、相続手続きをしなければならなくなった際は適切に依頼できるよう、各専門家の得意な業務内容を確認しておきましょう。

相続で専門家へ依頼できる業務内容は以下の通りです。

業務内容 税理士 司法書士 弁護士 行政書士
相続税の申告 ⚪️ × × ×
相続登記 × ⚪️ ⚪️ ×
遺産分割・裁判 ⚪️ ×
行政機関への書類収集・作成 × × × ⚪️

それぞれについて詳しくみていきましょう。

相続税の申告|税理士が得意

専門家 相続税の申告
税理士 ⚪️
司法書士 ×
弁護士 ×
行政書士 ×

相続税の申告とは、相続の際に相続税が発生した場合に税務署へ申告することです。

税務申告業務にあたるため、税金に関する相談・申告・計算業務を得意とする税理士の専任業務となっています。

相続手続きに関して迷った場合、最も重要な争点となる税金に関する業務が遂行できる税理士へ依頼するとよいでしょう。

ただし、相続したからといって必ず相続税の申告が必要になるとは限りません。

現在の法律では、遺産総額が3,000万円+600万円×法廷相続人数で算出される値より低い場合は、3,600万円以上の相続財産がない場合は、相続税の申告は不要とされています。

税理士に相続税の申告を依頼したい場合、まずは無料相談してみることがおすすめです。

自身のケースにおいて相続税の申告が発生するか確かめてから、必要に応じて依頼すると良いでしょう。

相続登記|司法書士が得意

専門家 相続登記
税理士 ×
司法書士 ⚪️
弁護士 ⚪️
行政書士 ×

相続登記とは、相続によって不動産の所有権が変わった場合に、不動産登記簿の記録を変更する手続きのことです。

相続する遺産に不動産が含まれていた場合は、相続登記手続きが必要になるため、裁判所へ提出する書類の作成や提出の代理を得意とする司法書士に依頼するのが良いでしょう。

また、司法書士は相続登記の他にも相続遺産調査や相続放棄などにも対応可能です。

そのため、相続が発生した際はまずは司法書士へ相談することで、他の専門家に業務を依頼する必要が無くなり、何人にも連絡を取ったり報酬を支払うといったことが避けられるケースもあります。

遺産分割・裁判|弁護士が得意

専門家 遺産分割・裁判
税理士
司法書士
弁護士 ⚪️
行政書士 ×

遺産分割とは、相続人の間で亡くなった人の遺産を分配する手続きのことであり、分配される遺産について相続人の間で話し合いがつかない場合は裁判がおこなわれます。

遺産分割に関する裁判が起こる場合は、法律のプロである弁護士に依頼しましょう。

遺産分割で意見が対立したり、相手が遺産を隠している可能性がある場合などは、弁護士に代理人となってもらって対応してもらう必要があります。

また、弁護士は相続に関する手続きの全てに対応可能です。

上表では「相続税の申告」ができないとしていますが、税理士会に登録していないと対応できないことや、弁護士としてのメインの業務ではないため「×」と記載しています。

ただし、あくまで弁護士は紛争解決のプロであるため、税務に関する相談は税理士に依頼するのが適切です。

行政機関への書類収集・作成|行政書士が得意

専門家 行政機関への

書類収集・作成

税理士 ×
司法書士 ×
弁護士 ×
行政書士 ⚪️

相続が発生した際、官公署への権利義務又は事実証明に関する書類の作成・提出が必要です。

相続手続きでの上記書類に関する業務は行政書士が得意とする領域であるため、遺産分割協議書の作成や自動車の名義変更などに関して相談できます。

しかし、相続登記や相続に関する税務には対応できないため、必要に応じて司法書士や税理士へも業務依頼が必要です。

複数の専門家に相続の相談をするときはどの順番がおすすめ?

相続の相談をする際は、基本的に最初に税理士に相談するのがおすすめです。相続が発生する場合、まず最初に相続税の申告が発生するかどうか知ることが必要だからです。

その他の手続きについても、税理士への相談時に状況を伝えることで、どの専門家に何を相談するべきかアドバイスをもらえるでしょう。

また、相続税の申告は、被相続人が亡くなった日の翌日から10ヶ月以内に申告する必要があります。

そのため、相続が発生した際はまず最初に税理士に相談し、相続税申告を完了させるのがおすすめです。

相続時に専門家への依頼にかかる費用相場

相続時の専門家への依頼にかかる費用の相場を以下の表にまとめました。

専門家の種類 相場
税理士 遺産総額の0.5%〜1.5%
司法書士 5万円〜15万円
弁護士 5万円〜100万円
行政書士 3万円〜10万円

それぞれの専門家の費用相場について詳しくみていきましょう。

税理士|遺産総額の0.5%~1.5%

税理士へ相続税の申告を依頼する場合、目安として遺産総額の0.5〜1.5%が費用としてかかります

ただし、相続が複雑であったり、申告の中で必要書類が多かったりするなど、相続の状況によっては上記の費用に加えて加算報酬がかかります。

税理士事務所の中には上記のような割合での費用ではなく、遺産総額が5,000万円以下ならいくらなど段階に分けた料金体系になっている場合もあるため、依頼前に確認しておくようにしましょう。

司法書士|5万円~15万円

司法書士への依頼は以下の2パターンがあります。

  • 不動産の名義変更のみ依頼する場合
  • すべての手続きを一任する場合

不動産の名義変更のみを依頼する場合の費用相場はおよそ5万円〜8万円です。

一方で、戸籍収集や書類の作成、預貯金や不動産、株式などの名義変更や解約などすべての手続きを一任する場合は、およそ7万円〜15万円がかかります。

相続の状況から、どこまで任せないといけないのかを洗い出した上で専門家に依頼すると良いでしょう。

弁護士|5万円~100万円

弁護士へ依頼できる業務は多岐に渡っており、業務全体での費用相場はおよそ5万円〜100万円です。

業務ごとの費用相場を以下の表にまとめました。

業務内容 費用相場
遺言書作成 10万円〜20万円程度
相続人調査 5万円〜10万円程度
遺言執行 30万円〜100万円程度
相続放棄の申述書作成 5,000円〜1万円程度
相続放棄の裁判所提出代行 5万円〜10万円

上記の表の他にも、例えば遺言執行の場合は内容の複雑さによって追加費用が発生するなど費用が変動する可能性があります。

行政書士|3万円~10万円

行政書士に依頼できる業務とそれぞれの費用相場を以下の表にまとめました。

業務内容 費用相場
遺産分割協議書作成 3万円〜5万円程度
財産目録作成 3万円程度
相続人調査 5万円〜10万円程度
預貯金の相続手続き 3万円程度
有価証券の相続手続き 3万5,000円程度
自動車の相続手続き 3万円程度

行政書士は上表の通り、預貯金や有価証券、自動車等の相続手続きの対応が可能です。

しかし、相続登記については司法書士しか対応できないため、司法書士への依頼費用も必要になります。

相続時に税理士や司法書士などの専門家へ頼まないとどうなる?

相続時に税理士や司法書士などの専門家へ頼まない場合、以下のようなデメリットが考えられます。

  • 相続の煩雑な手続きを知識が少ないながら期限内に進める必要がある
  • 遺産相続の配分で揉めてもサポート無しで話をまとめなければならない
  • 税金の申告漏れ・支払いすぎなどの過不足が生じやすくなる

それぞれについて詳しくみていきましょう。

相続の煩雑な手続きを知識が少ないながら期限内に進める必要がある

相続時に専門家へ相続手続きを依頼しないことによるデメリットの1つ目は、相続の煩雑な手続きを知識が少ないながら期限内に進める必要があるということです。

相続手続きを自力で相続を行うためには、税金や法律に関することなどの知識がない状態から、現状の把握・必要な手続きの把握・各手続きのための資料作成など非常に時間や労力がかかります。

相続税の申告については、被相続人が亡くなった日の翌日から10ヶ月以内に済ませる必要もあり、自分で行うのは現実的ではありません。

遺産相続の配分で揉めてもサポート無しで話をまとめなければならない

相続時に専門家へ相続手続きを依頼しないことによるデメリットの2つ目は、遺産相続の配分で揉めてもサポート無しで話をまとめなければならないことです。

遺産分割に関するアドバイスやサポートが受けられないため、例えば遺言書が無い場合の話し合いなども相談することができません。

どのように分割するかだけでなく、今後の親族同士の関係値が拗れたり、場合によっては自分の配偶者や子どもなど、あらぬ

第三者のプロがいないため、身内で揉めて裁判が起こるなどと言った場合、対応が非常に難しくなるでしょう。

税金の申告漏れ・支払いすぎなどの過不足が生じやすくなる

相続時に専門家へ相続手続きを依頼しないことによるデメリットの3つ目は、税金の申告漏れ・支払いすぎなどの過不足が生じやすくなることです。

税務申告に関しての知識が無いと、申告漏れや余分に税金を支払ってしまうなどのミスが起こる可能性があります。

申告漏れがあった場合税務調査が入る恐れがあり、場合によっては追徴課税や刑事罰が課されるリスクも考えられるため、相続が発生した際は専門家に依頼することがおすすめです。

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相続時にはさまざまな相続税申告や相続登記、相続財産調査などさまざまな手続きが必要です。

それぞれの手続きには専門的な知識が必要であるため、個人で相続手続きを済ませようとすると多大な労力がかかる可能性があります。

特に、相続税の申告については申告ミスがあると追徴課税が発生するリスクがあるため、まずは税理士などの専門家に相談することがおすすめです。

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