パソコン修理にかかる値段は？故障内容ごとの相場を解説

パソコン修理の値段は、故障箇所や故障内容によって異なります。自身のパソコンの症状を適切に把握し、費用の相場を確認しましょう。故障内容ごとのパソコン修理の費用相場や、メーカーに修理を依頼した場合の費用相場、修理の依頼先を紹介します。

パソコンの症状診断・修理見積もりの料金相場

パソコン修理の値段を出すためには、現状の把握が必須です。各種診断や見積もりに必要な費用を見ていきましょう。

各種診断と見積もり費用

パソコン修理を依頼すると、故障箇所や故障状況を適切に把握するための検査が行われます。費用は無料から5,000円以上と幅広く、ケース・バイ・ケースです。

ごく一般的な診断は、専用機器やソフトを用いて実施されます。解体を伴わない簡易な診断・見積もりなら、無料または1,000円以内に収まるケースがほとんどです。

一方、破損が激しかったり特殊なエラーが出たりしている場合は、解体を伴う詳細な検査が必要となります。業者にもよりますが、2,000円以上かかることが多いと考えましょう。

特に水濡れによる故障は、本体を分解しないと詳細が分かりません。診断・見積もりは必然的に高額になり、5,000円以上かかる可能性もあります。

パソコン修理費の内訳

パソコン修理を依頼した場合、修理費以外に「診断料」や「パーツ代」が必要です。診断が無料でもパーツにかかる費用が増えれば、修理費の総額は高くなります。

パソコン修理を宅配や在宅で依頼するケースでは、宅配費用や出張費も必要です。依頼先と自宅の距離によっては、高額な費用がプラスされる可能性があります。

このほか特殊作業を伴う修理や特別な道具・ソフトを使う修理は、高額になる傾向です。工程や処理ごとの価格設定は業者によって異なるため、必ず見積もりの内訳を確認しましょう。

「液晶(ディスプレイ)」パソコン修理の値段の相場

ディスプレイに不具合があるときは、液晶やバックライト・インバーターの破損・故障が考えられます。ディスプレイ関係の修理にかかる費用の相場を見ていきましょう。

液晶割れの修理費用

パソコンの液晶画面に亀裂が入っていたり線が入ったりしている場合は、液晶が破損している可能性が大です。修理はほぼ不可能なため、液晶パネルの交換が必要となります。

液晶パネルの交換にかかる費用は、使われている液晶次第です。液晶の種類はメーカーや機種によって異なるため、業者に見積もりを出してもらいましょう。

費用相場は2～6万円ですが、高スペックなパソコンの場合はより高額になるケースもあります。

液晶の表示不良の修理費用

ディスプレイが暗過ぎる、表示される文字が薄い、画面がチカチカするなどのケースでは、バックライトやインバーター、液晶ケーブルの故障が疑われます。

バックライトは、背面から液晶を照らす光源です。「通知音は鳴るのに画面は真っ暗」という場合は、バックライトの故障かもしれません。交換費用の相場は1万5,000～2万円です。

インバーターは、バックライトの動きを制御する装置です。画面のチラつきが激しい場合は、交換が必要となります。費用相場は1万5,000～2万5,000円程度見ておきましょう。

液晶ケーブルが不具合を起こした場合も、画面表示が不安定となります。断線のみなら軽度の修理で直りますが、丸ごと交換した場合は2万円前後の修理費用が必要です。

「HDD・SSD・データ」パソコン修理の値段の相場

OSが起動しない、動作が遅い、すぐに固まるなどの症状が出ている場合は、HDD・SSDに問題があるのかもしれません。HDD・SSD修理の費用相場や、データ復旧にかかる費用相場を紹介します。

HDD・SSDの交換費用

パソコンの動作が遅いときは、SSDやHDDの不具合や容量不足の可能性があります。状況を改善したい場合、HDDやSSDの交換が必要です。

HDDの交換費用は、容量が大きいほど高額になります。1～4TB程度のHDDの交換費用相場は、2～3万円です。

SSDの場合は、容量に加えて形状やサイズの規格も、修理費用を左右します。同じ容量のHDDと比較して交換費用は高く、費用相場は2～3万5,000円前後です。

HDD・SSD交換＋リカバリの費用

HDD・SSDが故障していると、OSが起動しません。診断の結果HDD・SSDに原因があると特定された場合は、HDD・SSDを交換とOSの再インストールが必要です。再インストールでは各OSのインストールディスクのほか、リカバリディスクを使う方法があります。

HDDの交換費用とOSの再インストール費用の相場は、2万5,000～3万円程度です。一方SSDは、2～5万円となります。いずれの場合も、容量が大きいほどより高額な修理費用が必要です。

データ復旧・リストアの費用

「大切なデータを誤って削除した」「フォーマットしたデータを復旧したい」「起動しないパソコンからデータを取り出したい」などのケースも、修理業者に対応してもらえます。

費用は障害の程度や復旧したいデータ量によって異なりますが、1～5万円程度が一般的です。ただし、制御基板やファームウェアの修理などを伴う高度復旧作業が必要な場合は、10万円を超えるケースも多々あります。

取り出したデータやバックアップ済みのデータをパソコンに戻す費用相場は、1万～2万円前後です。

「起動・動作」パソコンの修理の値段の相場

マザーボードの交換費用

マザーボードはパソコンの基本動作を司る、重要な基板です。マザーボードの各部品に不具合が発生した場合、起動できなくなったりBIOS画面を開けなくなったりします。

マザーボードのトラブルを引き起こすのは、コンデンサやICチップの破損・汚れなどです。コンデンサやICチップを交換する場合、費用相場は6,000円～となります。

破損や汚れの範囲が広かったり故障原因の特定が難しかったりすると、マザーボードそのものの交換が必要です。交換費用は1～2万円となるケースが多いでしょう。

電源ユニットの交換費用

パソコンの電源が入らない、入ってもすぐ落ちる、フリーズや再起動を繰り返すなどの場合は、電源ユニットに異常があるのかもしれません。

電源ユニットはパソコンに安定的に電力を供給するための装置です。負荷がかかりやすいパーツなので、電源ユニットに由来するトラブルは珍しくありません。特に消費電力が多くなる高スペックなパソコンほど、電源ユニットのトラブルが起こりやすい傾向です。

電源ユニットを交換する場合、費用相場は9,000～1万7,000円となります。

キーボードの修理費用

キーボードの反応が悪い、勝手に動作する、キーを押しても入力できないなどの場合は、キーボードの修理・交換が必要です。

キーボードの修理費用は、パソコンのメーカーや型番・修理が必要なパーツによって大きく異なります。

例えばキートップの交換・取り付けのみなら、2,000～3,000円で対応可能です。キーボードを丸ごと交換する場合の費用相場は、1万5,000～3万円となります。

動作に関係する修理費用

動作に関係するトラブルとしては、ファンやバッテリーの異常も多く見られます。

ファンはパソコン内部に溜まる熱を、外に排出するための装置です。ファンが故障すると内部に熱が蓄積し、ショートしてしまうかもしれません。ファンが動作しない、異常音がするなどの場合は、早急な修理・交換が必要です。費用相場は1～2万3,000円となります。

バッテリーに異常が起こると、充電ができません。バッテリー交換にかかる費用は、2～3万円です。

「ソフト・その他」パソコンの修理の値段の相場

システムトラブルへの対応やパソコンの水没修理・クリーニングなどを依頼する場合も、費用がかかります。それぞれのケースについて詳しく見ていきましょう。

システムトラブルの対応費用

OSを初期化せずに修復したい場合や、システムのメンテナンスを実施したい場合、費用相場は1～3万円です。市販ソフトのインストール・アップデートは、2,000円～で対応してもらえます。

パソコンがマルウェアの被害を受けた場合は、駆除を依頼することも可能です。悪意のあるプログラムを駆除するだけなら、費用は8,000～1万3,000円で済むでしょう。

ただしマルウェアによってデータが破壊されたり、システムが正常に動作しなくなったりした場合の対応は、別途料金が必要です。

水没修理・クリーニング費用

パソコンを水に濡らしてしまった場合は、まず水没診断が必要で、診断費用は5,000～9,000円となります。診断の結果特に異常がなくても、診断費用は必ず支払わなければなりません。

水没診断の結果異常が見つかったら、そのまま修理が必要です。修理が全体の洗浄と数点のパーツ交換程度で済む場合は、1万5,000円～となります。

一方パソコン内部のクリーニング費用は、3,000～1万4,000円が相場です。ホコリ除去程度の簡易なクリーニングは安価で済みますが、薬剤を使ったり特殊な工具を使ったりするクリーニングは高額になります。

「メーカー別」パソコン修理の値段

パソコンの修理は、メーカーに直接依頼することが可能です。パソコン修理の値段をメーカー別に紹介します。

富士通

富士通のパソコンを修理したい場合は、「富士通パソコン修理便」を利用できます。

富士通パソコン修理便は、富士通が提供している引き取り修理サービスです。利用者がWebまたは電話で修理を申し込むと宅配便業者が手配され、自宅で対象パソコンの梱包と引き取りを行ってくれます。

引き取りから修理の完了・引き渡しまでは、約7日間です。修理が完了したパソコンは宅配業者によって自宅まで配達され、依頼者が代金引換で修理料金を支払って受け取ります。

富士通が公表している概算修理費用(税込)は以下のとおりです。

「少しでもお得に修理したい」という人はWebやチャットから申し込むと2,000円引きとなります。

NEC

NECのパソコンをメーカー修理に出したい場合は「NECあんしんサービス便」を利用できます。修理を依頼すると業者が自宅を訪れ、梱包・引き取りを行ってくれるシステムです。修理費用は修理済みのパソコンと引き換えに支払います。

NECあんしんサービス便を利用した場合の概算修理費用(税込)は、以下のとおりです。

注意点は依頼前に登録が必要なことと、機種によっては電話でしか修理依頼できないことです。インテルR アンチセフト･テクノロジー搭載機種・ノートン・アンチセフト搭載機種の修理は、電話受付を利用しましょう。

日本HP

HPは専用のWebフォーム・LINEサポート・電話から、修理申し込みが可能です。ただし、修理の申し込みを実施する前に、保証が適用できるかどうかの保証判定を受ける必要があります。

保証判定で「有償」とされた場合は、送料自己負担で発送の手配を行うか、有償での引取を依頼しなければなりません。対象PCの送付後に正式な見積もりが作成されるため、金額に同意できれば修理を申し込みましょう。

HP Notebook PCの概算修理費用は以下のとおりです。

有償で修理を依頼した場合、修理費の支払いは代引きまたは現金振込となります。

パソコンの修理はどこに依頼すべき？

パソコンの修理を依頼できるのは、主にメーカー・家電量販店・パソコン修理業者の3つです。それぞれについて詳しく見ていきましょう。

メーカーに依頼する

パソコンを購入したメーカーに修理を依頼するメリットは、正規部品で修理が行われる点です。保証期間内なら、無償で質の高い修理を受けられます。

ただし保証サービスなしでメーカーに修理を申し込むと、高額な修理費を全て自分で支払わなければなりません。

メーカー修理がおすすめなのは、パソコンの保証期間が残っている人・コスト度外視で高品質な修理を希望する人です。

家電量販店に依頼する

家電量販店の多くは、メーカーとは別に独自の保証サービスを展開しています。家電量販店の保証サービスに加入しているのであれば、家電量販店に修理を依頼するのも1つの方法です。

注意点としては、家電量販店は単なる窓口に過ぎない点です。修理は下請けの業者に出されることから、修理期間が長くなる傾向があります。

加えて保証が適用されない場合は、修理費に中間マージンが上乗せされます。「安く済ませたい」という人がパソコン修理を依頼しても、安さを実感するのは難しいかもしれません。

パソコン修理専門業者に依頼する

メーカーや家電量販店の保証が適用されないケースでは、パソコン修理専門業者に依頼するのがおすすめです。パソコン修理専門業者は、主に互換パーツを使って修理します。純正パーツのみで修理を行うメーカー修理より、安価に済むことがほとんどです。

自分で直接パソコン修理業者に依頼すれば、中間マージンを支払う必要がありません。家電量販店で有償修理を依頼するよりもお得に済むことが多いでしょう。

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パソコンの修理は信頼できる業者に任せよう

パソコンの修理にかかる値段は、修理箇所・被害のレベルなどによって異なります。正確な費用を知りたい場合は、業者に診断や見積もりを依頼することが必要です。

不具合の種類にもよりますが、物理的なパソコンのトラブルは放置していても治りません。なるべく早急に業者に連絡を取り、修理の道筋を作るのがおすすめです。「すぐに対応してほしい」という人は、ミツモアから適切な業者を探しましょう。

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