キーボードの入力がおかしいときの対処法は、不具合の種類によって変わります。
この記事ではWindowsパソコンを使っている人向けに、ケース別に確認したいポイントや操作方法を解説します。自力で直せないときプロに依頼する方法も要チェックです。
文字入力がおかしい場合の対処法
キーボードで文字入力がおかしいと、思った通りの文章が打ち込めずストレスの原因になります。正しい状態に戻すにはどのように対処すればよいのでしょうか?
ローマ字入力・かな入力を確認
ローマ字で「O」のキーを押したとき、「お」ではなく「ら」と表示されるケースがあります。キーボードの入力が意図したものと違うひらがなになる場合は、ローマ字入力からかな入力に変わっていないか確認しましょう。
かな入力では対応するキーがローマ字と違うため、このような症状が見られます。
「Alt」+「カタカナ・ひらがな・ローマ字」キーを押すと、元のローマ字入力に戻すことが可能です。「半角/全角」キーと「英数」キーを押せば解決する場合もあります。
キーがない・見つからないというケースでは、タスクバーからの操作も可能です。タスクバーの「あ」や「A」のアイコンを右クリックし、出てきたリストから「ローマ字入力」を選択しましょう。
IMEの言語もチェック
ローマ字入力・かな入力の選択が適切でも、「IME」というWindowsのプログラムで日本語以外の言語が設定されていると漢字に変換されません。漢字に変換しようとしてキーボードがおかしいと感じたなら、IMEの言語設定をチェックしましょう。
IMEの言語は「設定」「デバイス」「入力」「キーボードの詳細設定」を順にクリックしていくと、確認できるようになっています。他の言語になっていた場合は日本語に設定し直しましょう。
変更した後で再びメモ帳などのテキストエディタを開き、正常に漢字変換が行われるかを確認します。
英字が大文字でしか打てないときは?
英文字で入力しているときShiftキーを押していなくても、アルファベットが常に大文字になってしまうケースがあります。原因は英字を大文字に固定する「Caps Look(キャプスロック)」が有効になっていることです。
アルファベットの大文字を入力しようとして、意図せず「Shift」と「Caps Look」キーを同時に押してしまった可能性もあるでしょう。Caps Lockは「Shift」+「Caps Look」でオンオフの切り替えができますので、再び二つのキーを押せば戻ります。
「Caps Look」キーはキーボードの左側、「Shift」キーの上に配置されているのが一般的です。画面下部の言語バーにある「Caps Lock」をクリックして、オンオフを切り替える方法もあります。
数字の入力ができない場合の対処法
キーボードの数字入力がおかしいと、数字を入力したはずなのに文字が表示されるなどのトラブルが起こります。逆にかな入力で文章を書いているときに数字が入るケースもあるでしょう。原因と対処法を押さえて正しく数字キーを使いましょう。
NumLockのオン・オフを確認
テンキーで数字が入力できない場合は、数字をロックする「NumLock」が無効になっている状態が原因と考えられます。テンキーで数字を入力したいならNumLockを有効にしましょう。「NumLock」キーを押すだけで、有効・無効の切り替えが可能です。
「M→0」「J→1」などローマ字を入力するとき部分的に数字になってしまう場合も、NumLockの状態が原因と考えられます。
同じキーにアルファベットと数字が割り当てられているキーボードでは、NumLockがオンになっていると数字が表示される仕組みです。この場合はNumLockキーを押してオフにすると、ローマ字入力に数字が混ざらなくなります。
それでも入力できない場合は?
NumLockをチェックしてもテンキーで数字が入力できない場合は、「マウスキー機能」が有効になっていることが原因と考えられます。マウスキー機能とはキーボードを使って、マウスカーソルを移動させる機能です。
マウスキー機能をオフにすればテンキーで数字を正しく入力できるようになります。「設定」「簡単操作」「マウス」の順にクリックして、「マウスをキーパッドで操作する」をオフにすれば完了です。
「簡単操作」は「Windows」+「U」のショートカットキーでも開けるようになっています。
他にもある!入力がおかしい場合の対処法
キーボードの入力がおかしいと感じるとき、考えられる不具合の種類はさまざまです。特に悩む人が多い「文字が上書きされてしまう」「長く押さないと入力できない」の二つについて、対処法を見ていきましょう。
文字が上書きされるケース
元々ある文字の前や間に文字を挿入したいのに、文字が上書きされてしまう現象は対処に困る人が多い不具合です。この場合は入力モードが「上書きモード」になっている状態が原因と考えられます。
通常の「挿入モード」でテキストの前や間に入力すると、後ろにある文字は送られます。しかし上書きモードでは文字が送られず、挿入した字数分だけ元の文字が消えてしまうのです。
二つのモードは「Insert」キーを押すだけで、簡単に切り替えが可能です。意図せずInsertキーに触ってしまう可能性もありますので、文字の挿入がうまくいかないときはまずInsertキーを押してみましょう。
長押ししないと入力できないケース
長押ししないと文字が入力されない場合、1文字の入力にかかる時間が長くなって効率的に文書を作れません。キーが反応するまでの時間が長いなら、「フィルターキー」機能が有効になっていないか確認しましょう。
フィルターキー機能とは手の震えで誤操作がある人向けに、長押ししないとキーが反応しないようにする機能です。「設定」「簡単操作」「キーボード」をクリックして、「フィルターキー機能の使用」をオフにすれば無効にできます。
逆にキーを短時間で反応させたくないなら、キーボード右側「Shift」キーの長押し(8秒間)でも有効にできる仕様です。
キーボードが反応しない場合の対処法
文字や数字の入力がおかしいのではなく、キーボードの反応自体がない場合はどのような対処法があるのでしょうか?ケース別に試したい操作を四つ紹介します。
デバイスドライバーを更新
キーボードがまったく反応しない場合は、デバイスドライバーのバージョンが古いことが原因の場合があります。「デバイスドライバー」とはキーボードやマウスといったデバイスを操作するためのソフトウェアです。
Windows10の場合は次の手順でデバイスドライバーを更新すると、キーボードが反応するようになる可能性があります。
- 「設定」から「システム」を開き、「デバイスマネージャー」を選択する
- 表示されたデバイスのリストから使っているキーボードを選び、右クリックする
- 「ドライバーの更新」「ドライバーを自動的に検索」の順に選択する
更新されるまでには時間がかかりますので、「オンラインでドライバーを検索しています…」という表示が消えるまで待ちましょう。「ドライバーが正常に更新されました」と表示されればドライバーの更新は完了です。
キーボードの接続をチェック
デバイスドライバーを更新してもキーボードが反応しない場合は、キーボードが正しく接続されているか確かめましょう。ケーブルに断線があったり接触不良があったりすると、キーを押しても入力されません。
ワイヤレスキーボードの場合は、キーボードの電池や充電が切れていないか・レシーバーとの距離が遠すぎないかもチェックします。
接続に問題がなくても入力できない場合は、キーボード自体にトラブルが起こっている可能性もあるでしょう。別のキーボードを接続して正常に動作するなら、現在使っているキーボードに何かしらの問題があると考えられます。
他のアプリケーションでも確認
キーボード入力できないのが一部のアプリケーションのみという場合もあります。現在使っているアプリケーションでキーボードが反応しなくなったら、他のアプリケーションでも入力を試してみましょう。
例えばWordの使用中に入力がおかしくなったと感じたときは、メモ帳に入力してみます。メモ帳にも入力されないならWordの問題ではありません。
別のアプリケーションでキーボードが反応する場合は、現在のアプリケーションに問題がある場合がほとんどです。アプリケーションが更新できるか確認し、可能なら最新版にアップデートしてみる方法がおすすめです。
帯電が原因の可能性も
デバイスドライバーやアプリケーションの問題でないなら、有力な原因の候補はパソコンの耐電です。長時間使用していると内部に電気がたまってしまい、キーボードが反応しない・パソコンが起動できないなどのトラブルを引き起こします。
帯電している電気を流すために、放電作業を行いましょう。手順は次の通りです。
- パソコンの電源を切る
- ケーブル類やSDカード・USBメモリなど、付属品を全て外す
- バッテリーが取り外し可能であれば外し、電源ボタンを20秒間押し続ける
- バッテリーが取り外しできない場合は2分以上放置する
バッテリーを外した場合は元に戻せば完了です。放電作業が終わったら電源ケーブルを接続後、電源を入れキーボード入力できるか確認しましょう。
どうしても直らない場合はプロに頼もう
紹介した操作を試してもキーボードがおかしい場合は、故障が原因の可能性がありまます。パソコンやキーボードを直すには知識と技術が必要になりますので、メーカーや家電量販店・修理業者に任せましょう。
メーカーや家電量販店の保証期間を確認
修理を依頼する場合まずはパソコンやキーボードが、保証期間内なのかチェックしましょう。購入したメーカーや家電量販店の保証書を見れば保証期間の確認が可能です。
保証期間内であればメーカー・家電量販店どちらでも、安い料金で修理できます。メーカーの場合は1年、家電量販店では加入料を支払えば3~5年の保証サービスを受けられるのが一般的です。修理内容によっては無料で修理できるケースもあります。
保証期間外なら修理業者もあり
保証期間外だった場合は修理業者に依頼するのも一つの手です。互換性のあるパーツも使えると、メーカーに頼むよりも安く済みます。比較的スピーディーに修理が済み、パソコンやキーボードを使えない時間が短くなるのも修理業者に頼むメリットです。
また家電量販店やメーカーにパソコンの修理を頼むと、基本的に初期化されるためデータは残りません。しかし修理業者に依頼すると多くのケースでデータを残せます。
土日や祝日・夜遅くまで対応しているところが多いのも、メーカーや家電量販店にはない強みです。持ち込み意外に出張や郵送に対応している業者もあります。
ただしメーカーが提供してくれない専用部品の修理はできません。業者によって技術力に差があり、依頼先によっては対応できない故障もあるでしょう。キーボードの入力がおかしい状態を直すには、業者の見極めが鍵になります。
大切なデータや設定はバックアップを
パソコンを修理に出すときは初期化や万が一トラブルが起こったときに備えて、バックアップを取っておきましょう。特にメーカーや家電量販店に頼む場合は基本的に初期化されますので、大切なデータや設定を保護する対策が必要です。
写真や動画・書類といったデータで消したくないものがあるなら、Googleドライブなどのクラウドストレージや外付けHDDなどに保存します。
基本となるパソコンの設定もバックアップが必要です。Windows10の場合はスタートボタンを右クリックした後、「コントロールパネル」「システムとセキュリティ」「バックアップと復元」の順に進みます。
「バックアップ」を選んでバックアップする場所を指定すれば、設定のバックアップは完了です。
すぐに直したい場合は修理業者がおすすめ
修理期間が長くなると困るという場合は、修理業者を利用するのがおすすめです。キーボードのトラブルを解決するには、どの程度の料金がかかるのでしょうか?安心して依頼できる業者の選び方も紹介します。
キーボード修理の料金相場
キーボード修理にかかる費用の相場は15,000円ほどです。キーボード自体の故障は設定や初期化など、パソコンの操作で解決できるトラブルではありません。基本的には部品の交換以外に方法はないと考えてよいでしょう。
例えば飲み物をこぼして入力できなくなったノートパソコンでは、状態によってキーボードの下にあるマザーボードごと交換しなければなりません。他にも部分的にキーが反応しない場合はキーの交換など、ケースごとに必要な料金は変わります。
状況によっては相場よりも大幅に安い・高い場合もあるため、事前にトラブルの内容を詳しく伝えて見積もりを取りましょう。
安心できる業者選びのポイント
パソコンは高価な精密機械というだけでなく、場合によっては大切な個人情報が入っている機械です。修理業者は慎重に選ぶ必要があります。
修理実績や認定資格を元に、パソコンや周辺機器を任せられる業者かどうかを判断しましょう。プライバシーマークを取得している業者は、セキュリティ面でも安心です。
適正な価格で修理を依頼するには、見積もりの内訳もチェックします。内容ごとに必要な料金を詳しく提示されている業者は、優良な業者が多い傾向です。複数社から取って内容を比較すると、自分のケースでかかる相場を把握しやすいでしょう。
ミツモアでは地域の修理業者から一括見積もりを取れます。審査を通過した業者のみが登録しているため、大切なパソコンを修理に出すときも安心です。
キーボード入力がおかしいならまず設定確認を
キーボードの入力がおかしい原因は複数ありますが、中でもローマ字入力・かな入力やIME・Caps Lockなどの設定は最初にチェックしたいポイントです。
不具合の種類ごとに関係する設定は変わってくるため、この記事で紹介した対処法から該当するものを選んで試しましょう。
設定を見直しても解決しないなら、デバイスドライバーの更新やキーボード接続のチェック・放電といった処置を行います。どうしても自力で直せない場合はメーカーや家電量販店・修理業者など、プロの力を借りて修理するのがおすすめです。
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