パソコンの電源ランプが点滅していても大丈夫？原因と対処法を解説

パソコンの画面が真っ暗で電源ランプが点滅している場面に遭遇したら、どのように対処すればよいのでしょうか。電源ランプが点滅している原因と取るべき対処法について解説します。

電源ランプの点滅はどんな状態？

電源ランプが点滅している原因は何でしょうか。点滅中のパソコンの状態と、点滅を解除して通常の状態に復帰する方法について解説します。

電源ランプの点滅はスリープモード

電源ランプが点滅している場合は、パソコンがスリープモードになっています。使用中のプログラムやファイルがメモリに残ったままで、パソコンの動作が止まっている状態です。

スリープモードは解除するとすぐにパソコンを使えて便利ですが、メモリが起動したままなので少しずつ電力を消費しています。

デスクトップのパソコンの場合は、電源が切れるとメモリに記憶していないデータが消えてしまう恐れがあります。

スリープモードの解除方法

スリープモードの解除方法は電源ボタンを1回押すだけです。解除後はすぐにパソコンを使いはじめられます。長押しする必要はなく、電源を入れるときと同様の押し方で十分です。

キーボードの任意のキーを押したり、キーパッドやパソコンに接続してあるマウスを動かしたりする方法でもスリープモードの解除が可能です。

逆にマウスを動かすといった簡単な動作でスリープモードが解除されないように設定することもできます。スリープモードがすぐに解除されて不便に感じる方は、設定してみるといいでしょう。

スリープモードが解除されないときの対処法

スリープモードは簡単な操作で解除できますが、不具合によって解除できないこともあります。スリープモードが解除されないときの対処法について、試すべき順番でひとつずつ解説します。

パソコンを強制終了する

スリープモードが解除されないときはまず、電源ボタンを長押ししてパソコンを強制終了してみましょう。

強制終了した後の流れは以下の通りです。

パソコンの強制終了は頻繁に行うとHDDやSDDに負荷がかかってしまいます。故障の原因となるほか、保存していないメモリ上のデータは消えてしまうので注意が必要です。

最新のプログラムに更新する

パソコンのプログラムが最新のものでないことが、スリープモードの解除ができない原因の場合もあります。修正モジュールやデバイスドライバーは常に最新のものに更新しておくことが大切です。

Windows®のパソコンでデバイスドライバーを更新する方法について紹介します。

デバイスドライバーの表示場所を検索して見つけられたら、簡単に更新できますよ。

周辺機器を外して放電する

パソコンに接続している周辺機器の影響でスリープが解除されない場合があります。マウスやUSBメモリ、外付けのハードディスク、プリンターなどをパソコンから外してから電源が点くかどうか試してみましょう。

それでも電源が点かない場合は、パソコン内に不要な電気が帯電している可能性があります。周辺機器を外した状態で放電をしてみましょう。

デスクトップパソコンの場合は電源が切れた状態で電源コードを抜き、しばらく待つだけです。

ノートパソコンの場合は電源コードを抜いた後にバッテリを外します。数分待ってからバッテリと電源コードを接続し直して、電源が点くか確かめましょう。

パソコンを初期化する

最後に試すべき対処法はパソコンの初期化です。パソコンの基本設定や電源の起動、周辺機器との接続などを制御しているBIOSが原因である場合、BIOSを初期化することで解決できます。

BIOSを初期化するとハードウェアの構成情報が工場出荷時の状態に戻りますが、データは消去されません。BIOSを初期化する手順は以下の通りです。

Windows®のパソコンでBIOSを初期化するにはまず、電源を切る必要があります。購入時の状態に戻して、設定を保存します。Windows®が起動したら、無事に初期化が完了です。

スリープモード以外の原因と対処法

上記の対処法を試してもスリープモードから復帰できず、正常に戻らない場合はどのような原因が考えられるのでしょうか。スリープモード以外に電源が点滅する原因と、その対処法について解説します。

故障している可能性が高い

対処法を試しても正常に復帰できない場合は、パソコンが故障している可能性が高いです。パソコンには多くの精密機械が使われています。

パソコン内部の部品は高温や低温に弱く、急激な温度変化により結露が発生してショートを起こす場合があります。ホコリがたまることによって不具合が生じるケースも多いです。

電源ボタンが点滅している原因がスリープモードでないときは、こういった原因が積み重なってパソコンに異常が発生しています。

数年使用している場合は、単に経年劣化によって正常に動作しなくなっている可能性もあります。

パソコンの修理業者に修理を依頼しよう

経年劣化によって正常に動作しない場合は、バッテリやメモリなどのパーツを交換するか、パソコン自体を買い替えましょう。

寿命ではなく故障が原因で電源ランプが点滅している場合は、パソコンを修理することで不具合が直る可能性があります。パソコンは多くの部品が組み込まれた精密機器のため、内部に自分で手を加えることは難しく危険です。パソコンの故障は修理業者に修理を依頼しましょう。

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点滅の色と回数で故障箇所が分かる

パソコンの故障によって電源ランプが点滅している場合、パソコンのメーカーによっては点滅の色と回数で故障箇所が分かるようになっています。ここではLenovo・Dell・HPの3社を取り上げて説明します。

Lenovoのパソコンの場合

ACアダプターが接続されているものの、充電ができずに電源ランプが点滅している場合は、バッテリの接続不良が原因です。パソコン本体とバッテリとの接続ができていないため、充電することができません。

とくに、バッテリを取り外せるモデルのパソコンで起きやすい不具合です。バッテリにホコリがたまっていたり、錆びていたりしないか確認してみましょう。

Dellのパソコンの場合

Dellのパソコンで電源ランプが黄色に点滅しているときは、電源関係の問題により一部のハードウェアに十分な電力が供給されていないことが原因です。ファンは回っていたり、ビープ音が鳴ったりすることが多くみられます。

過電圧によって電源ユニットが故障しているか、ケーブルが抜けてしまっている場合があります。3〜4年パソコンを使用している場合は、電源ユニットが経年劣化によって故障している可能性が高くなります。

電源ユニットの交換か修理、あるいはパソコン自体の買い替えを視野に入れて対応を検討しましょう。

HPのデスクトップパソコンの場合

HPのデスクトップパソコンでは、電源の起動後に電源ランプが何回点滅したかによって、不具合の原因が分かります。

赤色に2回点滅する場合はBIOSに問題があります。しかし、BIOSのトラブルは自動で修復が行われるので、そのまま使っても問題ありません。

赤色の点滅が2回あった後に白色に3回点滅したときは、画面上にキー操作の指示が表示されます。指示に従ってキーを操作することで、問題を解決することが可能です。

赤色に3回点滅したときはハードウェアに問題があります。該当する部品を交換することで異常を取り除けます。

赤色の点滅が4回のときはパソコンの温度上昇が原因です。該当箇所のクリーニングと室温の調整をしましょう。

赤色に5回点滅したときはマザーボードが原因です。メモリやハードディスクを増設した直後に起こりやすく、ハードウェアをうまく認識できていないケースが多いです。

電源ランプの点滅には落ち着いて対処しよう

電源ランプの点滅は一般的に、スリープモードであることを示しています。スリープモードが解除できない場合は落ち着いて対処法を試してみることが大切です。

それでも問題が解決しない場合は故障している可能性が高いので、パソコンを修理に出すか新しいパソコンに買い替えることを検討しましょう。