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エアコンの穴あけ工事はどこに頼む?業者別の特徴・費用相場・選び方

最終更新日: 2025年04月15日

エアコンを取り付ける際には、室内機(エアコン本体)と室外機をつなぐための配管を通す「配管穴」が必要です。取り付けたい場所に配管穴がない場合は、壁に新しく穴をあける「穴あけ工事」が必要になります。

自宅の壁の材質によって追加料金が発生するケースもあるため、事前のチェックが重要です。

穴あけ工事は、ハウスメーカー、家電量販店、電気工事業者、リフォーム会社、エアコン取付の専門業者など、さまざまな業者に依頼できます。

本記事では、穴あけ工事の費用相場や工事内容、依頼前に確認しておくべきポイントをわかりやすく解説します。

エアコンの穴あけ工事の依頼先を比較

エアコンの穴あけ工事は、依頼先によって費用や対応スピード、工事品質に大きな差があります。ここでは、代表的な依頼先4種類(家電量販店、ハウスメーカー、街の工務店、引っ越し業者)について、それぞれのメリット・デメリット・費用相場・予約のしやすさ・施工時間を一覧表で比較しました。

依頼先 メリット デメリット・注意点 費用相場 予約のしやすさ 施工時間
街の工務店 ・地域密着で相談しやすい

・見積もりや日程調整が柔軟

・エアコン工事の専門度合いにばらつきあり

・保証が整っていない場合もある

約3,000〜8,000円 比較的取りやすい 約30分〜1時間
引っ越し業者 ・引っ越しと同時に依頼できて手間が省ける

・特別プランで割安になる場合あり

・工事は提携業者に回されることが多い

・トラブル時に責任の所在が曖昧になりやすい

約5,000〜15,000円(設置費込み) 引っ越し日と同時に予約可 約1〜2時間
家電量販店 ・エアコン購入と同時に依頼できるのでスムーズ

・独自の長期保証がある場合も

・工事は下請け業者が対応するケースが多い

・担当者によって施工品質に差が出る可能性

約5,000〜20,000円(本体込みの場合も) 時期によって混雑しやすい 約1〜2時間
ハウスメーカー ・新築時にあわせて配管穴を準備できる

・建築設計に沿った丁寧な施工が可能

・単体依頼だと費用が割高

・スケジュールの融通がききにくい

約10,000〜30,000円 工程に組み込まれるため調整しづらい 建築スケジュールに準ずる

「どこに頼めば失敗を防げるか」「自宅の壁を傷つけずに安心できるか」といった視点で比較し、各業者の特徴を解説していますので、ぜひ参考にしてください。

エアコンの穴あけ工事のおすすめは「街の工務店」

エアコンの穴あけ工事だけを依頼したいなら、柔軟に対応してくれる街の工務店がおすすめです。地域密着ならではの小回りの利く対応が魅力で、たとえば「事前に丁寧な下見をしてくれる」「賃貸オーナーへの説明を代行してくれる」など、親身なサポートが期待できます。

ただし、工務店によってはエアコン工事の経験や設備に差があり、RCやALCなどの硬い壁材へのコア抜きには対応できない場合も。その際は外注となり、追加費用がかかる可能性もあります。

【街の工務店のメリット】

  • 地元密着型のため、気軽に相談しやすい
  • 小回りが利き、日程や仕様の調整が融通しやすい
  • リフォームや内装補修もセットで対応してくれる場合があり、工事全体を任せやすい

【街の工務店のデメリット】

  • エアコン工事の専門度合いにムラがある
  • 専用機材が不足していると、外注費用がかかり割高になる可能性
  • 保証・アフターサービスが大手ほど整備されていない場合がある

【街の工務店の目安情報】

  • 費用相場:3,000〜8,000円
  • 予約のしやすさ:比較的取りやすい
  • 施工時間:約30分〜1時間

関連記事:エアコン取り付けの工事業者を料金や口コミで比較 – ミツモア

引っ越しとあわせて依頼したいなら引っ越し業者

引っ越しとあわせてエアコンの穴あけ工事や取り付けまで一括で済ませたいなら、引っ越し業者の利用が便利です。特に複数台の移設がある場合や遠方への引っ越し時には、作業を一元化できることで大きな手間が省けます。

業者によっては「エアコン移設パック」「取り外し+取り付けセットプラン」などを用意しており、個別で依頼するよりも費用を抑えられる場合もあります。また、家財の搬出入と同時に工事が完了するため、生活への影響も最小限に抑えられます。

ただし、実際の工事は下請け・提携業者が行うケースが多く、工事品質や対応にばらつきが出る可能性もあります。追加作業が発生した場合の料金体系が不透明な業者もあるため、事前の確認が重要です。

【引っ越し業者のメリット】

  • 引っ越しと同時にエアコン移設・取り付けができ、手間が省ける
  • 特別プランを利用すれば、個別の工事依頼よりも安く済むことがある
  • スケジュール管理を一本化できるので忙しい人に便利

【引っ越し業者のデメリット】

  • 実際の工事は提携や下請け業者が行い、品質にばらつきがある
  • トラブル発生時、責任の所在が曖昧になりがち
  • コンクリート壁や高所作業など追加作業が多い場合、意外と費用が膨らむことも

【引っ越し業者の目安情報】

  • 費用相場:5,000〜15,000円(移設・設置込み)
  • 予約のしやすさ:引っ越し予約と同時に確保しやすい
  • 施工時間:約1〜2時間

関連記事:エアコン取り付け工事は1時間半~2時間が目安!作業内容別の内訳も解説

購入~設置までを依頼したいなら家電量販店

エアコンの購入と同時に穴あけ工事・取り付けまでをまとめて依頼したいなら、家電量販店の利用が最も手軽です。特に新品購入時には「取り付け費込みキャンペーン」などの特典が付くこともあり、初期費用を抑えやすい点が魅力です。

さらに、大手量販店では長期保証やポイント還元、サポート体制の充実など、アフターケアやコスト面でも安心材料があります。初めての設置や、全体を丸ごと任せたい人にはぴったりの選択肢です。

ただし、施工は下請け業者が行うことが多く、担当者によって工事の質に差が出るリスクもあります。繁忙期には予約が集中し、工事までの待機期間が長くなることもあるため、早めの依頼が望ましいでしょう。

 【家電量販店のメリット】

  • エアコン購入と同時に頼みやすく、時間や手間を省ける
  • 長期保証やポイント還元など、独自のサービスを受けられる場合がある
  • 全国展開している店舗だと問い合わせやサポート窓口が充実している

【家電量販店のデメリット】

  • 下請け業者の質にばらつきがあるため、施工トラブルが発生する可能性
  • 繁忙期に予約が取りにくく、工期が延びがち

【家電量販店の目安】

  • 費用相場:5,000〜20,000円(購入プランに含まれる場合あり)
  • 予約のしやすさ:時期によって混雑。閑散期はスムーズ
  • 施工時間:約1〜2時間

新築戸建てと同時に依頼するならハウスメーカー

建物の設計段階からエアコンの穴あけ工事を含めて検討したい場合は、ハウスメーカーへの依頼が適しています。住宅全体の断熱性・気密性・耐震性などに配慮しながら、住まいの性能を損なわない位置に丁寧な施工ができるのが大きなメリットです。

また、大手ハウスメーカーであれば独自の施工基準やアフターサービスが整っており、完成後のサポートまで安心して任せられる点も魅力といえます。

ただし、エアコンの穴あけ工事だけを単体で依頼する場合は割高になる傾向があります。施工は提携の空調工事業者が担当するため、技術力や対応にばらつきが出る可能性もあるほか、スケジュールもハウスメーカー側に合わせる必要があり、柔軟な調整が難しいことも想定しておきましょう。

【ハウスメーカーのメリット】

  • 住宅の断熱・気密・耐震設計とエアコン工事を一括で調整できる
  • 大手メーカーの場合、施工後のアフターサービスが充実していることも

【ハウスメーカーのデメリット】

  • エアコン工事単体では割高になりやすい
  • 施工スケジュールをハウスメーカー側に合わせる必要があり、融通が利きにくい
  • 実際の工事は協力業者が行うため、現場とのコミュニケーションにタイムラグが生じる

【ハウスメーカーの目安情報】

  • 費用相場:10,000〜30,000円
  • 予約のしやすさ:建築工程に組み込まれるため調整はしづらい
  • 施工時間:建築スケジュールに準ずる

関連記事:新築にエアコンを取り付ける費用相場をシミュレーターで計算!工事を依頼する最適なタイミングも解説

優良な穴あけ工事業者を選ぶコツ

自宅に穴を開ける工事を行う以上、依頼する業者は慎重に選定しましょう。優良な穴あけ工事業者を選ぶコツは下記の通りです。

  • 工事後のアフターフォローがある
  • 工事の前に設置環境の調査をしてくれる
  • 責任の所在がハッキリしている

それぞれの項目について解説します。

関連記事:エアコン取り付け業者選びで失敗しない方法は?評判のよい優良業者を依頼するコツ

工事後のアフターフォローがある

施工後に雨漏りや断熱材の損傷、ドレンホースの不具合などが起きる可能性はゼロではありません。そのため、「工事後のトラブルにどこまで対応してくれるか」は業者選びの大事な基準になります。

例えば、施工不良が原因で雨漏りが発生した場合、保証期間内なら無償修理を行ってくれるか、またアフターサポートの連絡先がハッキリ提示されているかなどをチェックしましょう。

特に量販店や大手ハウスメーカーなどであっても、工事自体は下請け業者が担当するケースが多いため、どの会社が最終的に責任を負うのか明確にしておくと安心です。

アフターフォローを確認する際のチェックリスト

  • 保証期間は何年か(1年、2年、5年など)
  • 施工不良とみなされる範囲はどこまでか(雨漏り・断熱材の破損・ドレン不具合など)
  • アフターサービスの窓口はどこか(量販店本部、施工業者、コールセンターなど)
  • 連絡後どのくらいで対応に来てもらえるのか

工事の前に設置環境の調査をしてくれる

穴あけ工事においては、事前調査が重要です。壁の内部構造を把握せずにドリルを入れてしまうと、柱や筋交いを傷つけて耐震性能を下げたり、電気配線を切断して大規模な修繕が必要になったりというリスクがつきまといます。

また、ドレンホースや冷媒配管の勾配を適切に取れるかどうかも、事前に設置環境を確認しなければ分かりません。

設置環境の調査で確認すべきポイント

  • 壁材の種類(木造、コンクリート、ALCなど)
  • 内部の骨組みや配線経路(柱、筋交い、電線の位置)
  • 高所作業の必要有無(2階や3階への配管通し)
  • ドレンホースの排水先と勾配(逆勾配や雨樋接続のリスク)
  • アスベストの可能性(築古物件などで調査が必要な場合)

優良な業者は、「まず現地を下見させてください」「壁の図面をお持ちであれば拝見できますか」といったやり取りをしながら、正確な見積もりと施工計画を提示してくれます。

建物に穴を開けるという大掛かりな工事だからこそ、下準備を怠らない業者を選ぶようにしましょう。

責任の所在がハッキリしている

エアコンの穴あけ工事には、構造部分の損傷・雨漏り・配線トラブルなど、さまざまなリスクが伴います。そのため、「トラブルが起きたとき、誰がどこまで責任を負うのか」という点が明確になっているかどうかは、業者選びで見逃せないポイントです。

特に、家電量販店や引っ越し業者を介して依頼する場合、実際に穴を開けるのは下請けの施工業者であるケースが多いため、最終的にどの会社が補償責任を負うのかが曖昧になりやすいのです。

責任の所在でチェックしたいこと

  • 見積書や契約書に「施工不良が原因の修理費は業者が負担する」など具体的な文言があるか
  • エアコン本体の不具合と、壁穴施工の不具合を分けて考えているか
  • 「施工不良」の定義が明確になっているか(雨漏り、壁の亀裂、配管の破損など)
  • 契約書に工事担当者や下請け業者名が記載されているか

トラブル発生時、量販店と下請け業者のあいだで責任のなすりつけ合いが起きれば、当事者である依頼主が損をしてしまう可能性もあります。

事前に書面上できちんと責任の所在を確認し、保険や補償制度があるかどうかを確認しましょう。

エアコン取り付けの穴あけ工事の費用相場

エアコン取り付け業者に依頼をしたら、穴あけ工事も含めた「標準工事」が提供されることがほとんどで、10,000~15,000円ほどが相場価格です。

標準工事に含まれる内容は業者によって異なりますが、標準工事に含まれることが多い内容は以下のとおりです。

  • 室内機の取り付け
  • 室外機の取り付け
  • 穴あけ工事(1か所まで)
  • 配管・電線の接続(4mまで)
  • 真空引き(エアパージ)
  • 試運転

見積もりをもらったら必ず標準工事の内容も含めて必要な工事は受けられるのか、料金は適正であるかチェックしましょう。

追加料金が発生するケース

壁の素材が特殊な場合は穴あけ工事に追加費用が発生します。代表的な壁材と追加費用の目安は以下の通りです。

壁材 1か所穴あけ工事の相場
木材(木造住宅) 2,000~3,000円
モルタル 2,000~3,000円
ALC(軽量気泡コンクリート) 3,000~4,000円
コンクリート 12,000~15,000円
タイル、レンガ 7,000~9,000円
ガルバリウム(金属) 7,000~9,000円

木造住宅やモルタル外壁、ALC外壁は採用している住宅が多いので、業者もノウハウを積んでいます。そのため料金は比較的安くすみます。

コンクリートや金属の壁は施工の難易度が高いため、費用が高額になる点には注意が必要です。

エアコン取り付け費用について、関連記事にも詳細があります。

関連記事:エアコン取り付け工事の費用相場はいくら?追加料金と標準工事との違いをおさえよう | ミツモア

エアコン取り付けの費用をチェックする

エアコンの穴あけ工事費用を安く抑える方法

エアコンの穴あけ工事を安く抑えるには、複数業者の見積もりを比較することが重要です。費用相場は業者によって数千円〜数万円と幅があり、比較せずに依頼すると損をする可能性があります。一括見積もりサービスを使えば、手間をかけずに相場を把握できます。

見積もり比較で得られるメリットは以下の通りです。

  • 相場がわかる:過剰請求や不当な価格を避けられる
  • 最安値を選べる:同じ作業でも安く依頼できる可能性あり
  • 業者の対応を比較できる:実績・口コミなども確認可能

特に、最大5社から見積もりが取れる「ミツモア」などのサービスを活用すると、効率よく業者を選べます。

「どこに頼めばいいか分からない」と迷ったら、まずは比較から始めることが大切です。

エアコン取り付けに必須の穴あけ工事とは?

室内機と室外機の構造とエアコン取り付けに穴が必要な理由
室内機と室外機の構造とエアコン取り付けに穴が必要な理由

エアコンは室外機と室内機の両方がセットになって室温の調整を行っています。室外機と室内機は冷媒ガスを行き来させるための配管でつながっており、室内機内部で発生した水分を屋外に排出するためのドレンホースも必要です。

エアコン取り付けの際に穴あけ工事が必要な理由

  • 室外機と室内機は冷媒ガスを行き来させるための配管でつながっている
  • 室内機内部で発生した水分はドレンホースを通じて屋外に排出される
  • これらの配管やドレンホースを通すための穴が必要になる

木造の壁であれば内径70mmの穴を開けると配管類を通せます。一般的にエアコン本体の背後に隠れるように開けられるので、一度エアコンを設置するとなかなか目につかない部分です。

なお、配管を通すための穴のことは、配管穴やスリーブと呼ばれます。

エアコン取り付けに穴あけ工事が必要になる/ならないケース

穴あけ工事が必要になるケースとならないケースがあります。

必要になるケースと必要にならないケースに分けて、簡単に解説します。

穴あけ工事が必要になるケース

以下のような状況では、エアコン取り付けの際に穴あけ工事が必要となることがほとんどです。

穴あけ工事が必要になるケース

  • 新築やリフォーム時にエアコンの配管穴をあらかじめ設けていない場合
  • 既存の配管穴があっても位置やサイズが合わない場合

新居の場合は、建築時にスリーブを用意していれば穴あけ不要ですが、そうでない場合や、新しくエアコンを取り付ける部屋に配管穴がない場合は、後から工事が必要になります。また、古いエアコンや別メーカーの製品を取り付けるとき、穴の径が合わない・配管の位置がズレるなどの理由で、穴あけ工事が必要になることもあります。

穴あけ工事が必要にならないケース

一方、下記のような条件に該当する場合は、必ずしも新規の穴あけ工事が必要ではありません。

穴あけ工事が不要になるケース

  • 建築時にハウスメーカーや工務店が穴あけ処理を済ませている場合
  • すでにエアコン専用の配管穴がある場合
  • 壁や天井、床下など他の配管ルートが用意されている場合
  • 窓用エアコンや窓パネルを利用する場合

新築でエアコンの設置が決まっているなら、あらかじめ配管穴(スリーブ)を作ってもらえれば、後で追加工事は不要になります。

また、賃貸・分譲問わず、前の入居者や建築時にあらかじめ配管穴が用意されていたり、壁や天井、床下など他の配管ルートが用意されているがケースがまれにあります。穴の位置やサイズによっては微調整が必要ですが、物件の仕様によっては、穴あけ工事が不要になることもあるのです。

最後に、窓パネルの方式のエアコンは、ガラスを外してパネルをはめ込み、そのパネル部分に配管を通すため、壁に穴あけ工事は不要となります。穴あけ工事によって住宅を傷つけたくないという方は、一考してみてもよいかもしれません。

関連記事:おすすめの窓用エアコン6選!失敗しない選び方、メリット・デメリットをおさえておこう【騒音・電気料金に注意?】

賃貸にお住いの方向け穴あけ工事の注意点:大家への事前相談がポイント

賃貸物件にお住まいの場合、壁に穴を開ける行為は原状回復義務にかかわるため要注意です。勝手に工事を進めると、退去時に高額な修繕費を請求されるリスクも。ここでは、事前に大家や管理会社と話し合うべきポイントや、費用負担の交渉について解説します。

賃貸ではエアコンを勝手に設置するのはNG

賃貸契約においては、基本的に「原状回復義務」という考え方があります。つまり、退去時には入居前と同じ状態に戻す義務があるため、壁に新たに穴をあける行為は慎重に行わなければなりません。

エアコンを勝手に取り付けて穴を開けてしまうと、後々オーナー(大家さん)から修繕費を高額に請求されたり、最悪の場合、契約違反となってしまうリスクもあるのです。

賃貸で工事を進めるときの基本ステップ

  1. 物件契約書や管理規約を確認し、エアコン設置についての記載をチェック
  2. 大家や管理会社に「エアコンを新たに取り付けたい」と相談
  3. 穴あけが必要な場合、負担費用や原状回復義務の範囲を事前に取り決め
  4. 大家または管理会社の許可を得てから、正式に業者へ工事を依頼

大家さんが取り付け費用を負担してくれることも

エアコンは生活に欠かせない設備であり、入居者にとっても物件の魅力を高める要因になります。そのため、物件オーナーとしても、エアコンがないことで空室期間が長引くよりは、設置しておいたほうが入居者が付きやすいというメリットがあるのです。

結果として、大家さんがエアコンを設備として導入し、取り付け工事費を全額または一部負担してくれる場合があります。

もちろん、全ての大家さんが費用負担に応じてくれるわけではありません。ただし、交渉してみる価値は十分あります。

大家さんに負担をお願いする際のポイント

  • 「エアコンがないと夏・冬の入居率が下がるリスクがありますよ」とメリットを説明する
  • 入居を長期化する意思を伝え、大家側の投資価値があることをアピール
  • 工事費の見積もりを複数社から取得し、説得材料とする

のちに穴あけ工事の修繕費用が求められないか確認

賃貸物件でエアコン穴あけ工事を行う際、最も多いトラブルが「退去時の修繕費用」に関する問題です。配管穴を塞いで壁紙を貼り直す程度なら、そこまで大きな金額にはならないケースもありますが、雨漏りや壁内部の腐食を引き起こしてしまうと、修繕費用が想定以上に高額になる恐れがあります。

特に、賃貸契約書には「原状回復に必要な費用は借主が負担する」といった条項が含まれていることが多いため、のちのち「こんなに高い費用を払うなんて聞いていなかった」となる可能性があるのです。

トラブルを防ぐためポイント

  • 工事前に必ずオーナー・管理会社と合意書を作成すること
  • 完了後に写真を撮っておき、穴の状態や処理具合を記録すること

こうした事前の取り決めを怠ると、退去時に想定外の負担を求められる可能性があります。事前確認を怠らないようにしてください。

戸建のお住いの方向け穴あけ工事の注意点:住宅の性能低下には気をつけて

一戸建ての場合、大家の許可は不要でも、壁を開けることで気密性や断熱性能、さらには耐震性まで損なう恐れがあります。特に断熱材やドレンホースの取り扱いを誤ると、長期的なトラブルに発展しかねません。ここでは、戸建ならではのリスクと予防策を具体的に紹介します。

気密性能・耐震性能が下がってしまうことも

戸建住宅は、賃貸のようにオーナーの許可を得る必要はありませんが、その分だけ家そのものの性能をいかに守るかが重要になります。

特に、木造住宅で高気密高断熱を実現している場合、壁に穴を開けることで外気や湿気が入り込むルートが生まれ、室内環境の快適性が低下するリスクがあります。

また、構造部分の柱や筋交いに近い場所をうっかり貫通してしまうと、耐震性能が下がってしまう可能性も否めません。こうした問題は工事直後に顕在化しない場合もあるため、長期的に見て家の寿命を縮める恐れがある点には注意が必要です。

戸建に穴を開けるときのリスク

  • 配管穴の防水処理が甘く、雨水が入り込んで木材が腐食
  • 筋交いや断熱材を切ってしまい、耐震性・断熱性が低下
  • 壁の内部に隠れている電気配線や配管を誤って破損
  • 施工不良による隙間風や結露が発生

穴あけ工事は 「気密施工」がマスト!

高気密住宅では、壁にわずかな隙間があるだけでも外気や湿気が侵入し、室内の冷暖房効率を低下させる原因となります。そのため、エアコンの配管を通す穴を開ける場合、「気密施工」をしっかり行うことが欠かせません。

気密施工とは、配管穴にスリーブを挿入し、その周囲を防水パテや気密テープ、コーキング材で丁寧に封止する作業を指します。施工業者によっては、配管貫通部を二重三重にカバーして気密性をより高めるところもあり、こうした細部への配慮が長期的な住まいの快適性を左右します。

気密施工で確認すべきポイント

  • スリーブ周りを防水・気密処理し、雨水や空気が漏れないようにする
  • 室内機側と室外機側の境目(壁厚)の処理を念入りに行う
  • 穴あけ後に断熱材が破損した場合、追加の断熱補修を実施する
  • 最後に隙間風や結露が起きていないかチェック

ドレン管経由での虫の侵入対策を

エアコン工事を行うときに意外と見落とされがちなのが、ドレンホース周辺の虫対策です。エアコンの室内機で発生した排水を屋外へ逃がすためのドレンホースは、条件によってはゴキブリなどの虫が逆流して室内に侵入するルートになり得ます。

特に戸建住宅で外壁に直接ドレンホースを配置する場合、ホースの先端が地面付近に垂れ下がっていることが多く、防虫キャップなどで封止していないと虫が中を伝ってやってくる可能性が高いのです。

ドレンホース対策のポイント

  • 屋外側のホース先端に防虫キャップを装着する
  • 勾配を確保して、ホースに水が溜まらないようにする
  • 定期的にホース内部を掃除または点検し、詰まりや虫の巣を早期発見
  • 必要に応じて、延長ホースを使って排水をより安全な場所まで導く

穴あけ工事のDIYはおすすめしない

エアコンの穴あけ工事は、必ず専門業者に依頼すべきです。なぜなら、DIYで行うには高額な専用工具が必要なうえ、建物に深刻なダメージを与えるリスクがあるからです。

例えば、コンクリートに穴をあける「コア抜き」作業では、数万円するハンドドリルや防塵設備などが必要です。

さらに、誤った場所に穴をあけると建物の強度が落ち、修復にも多額の費用がかかりますDIYでのリスク例は以下の通りです。

リスク内容 解説
工具の扱いミス 高性能なドリルは初心者には難しい
建物への損傷 基礎構造に穴をあけると耐震性に影響
粉塵・後処理 専門知識がないと清掃が困難

リスクを避けるためにも、次項から紹介する理由を確認し、プロに任せる判断をしてください。

知識や道具が不足している状態で手を出すと、かえって高くつく可能性がある点を忘れてはいけません。

専用の工具が必要

穴あけ工事には、一般の家庭にはない高額な専用工具が必要です。特にコンクリートに穴をあける「コア抜き」には、ハンドドリルやダイヤモンドカッターといった機材が使われます。費用は数万円以上するうえ、扱いにも高度な知識と技術が求められます。

必要な道具と課題は以下の通りです。

工具名 課題点
ハンドドリル 高額かつ初心者には扱いが難しい
集塵装置 粉塵対策が不十分だと健康被害も

安易にDIYを試すのではなく、専門業者に任せるのが安心です。費用と手間、そして安全性を考えると、プロに依頼するほうが結果的にコスパが良いと言えるでしょう。

建物にダメージを与えてしまう可能性が高い

穴あけ工事は建物の構造に直接関わるため、知識のない人が行うと深刻なダメージにつながります。特にコンクリート壁や柱に誤って穴を開けると、建物の耐久性や防水性能に悪影響を及ぼします。粉塵や騒音への配慮、穴の位置選定、後処理など、プロの判断が必要不可欠です。

ダメージを与えてしまうケースは以下の通り。

ダメージ事例 内容
耐震性の低下 柱や構造部への穴あけで建物の強度が下がる
雨漏り・劣化 防水層を破ると雨水が浸入する原因に
下地の破損 配管・配線を傷つけるリスクも高い

取り返しのつかないトラブルを防ぐためにも、穴あけ工事は必ず専門業者に依頼しましょう。一度傷つけた建物は元に戻せないため、「最初からプロに任せる」が最も安全な選択です。

穴あけ工事をせずにエアコンを取り付ける方法

賃貸物件で大家の許可が下りない、設置場所が確保できないなどの理由で穴あけ工事ができないこともあるでしょう。

そのような場合に役立つのが窓用エアコンと窓パネルです。

窓用エアコンと窓パネルは違う悩みを解消できるものなので、自分の置かれている状況に合わせて適したものを選びましょう。

窓用エアコンを設置する

窓用エアコンは窓にはめ込んで設置するので、配管穴をあける必要がありません

本体背面から空気を取り込み、温度調整した空気を室内に送ります。機構そのものは壁掛けエアコンと大きく変わりません。

価格も30,000~40,000円ほどとリーズナブルな製品が多いので、エアコンが欲しいけれど予算的に厳しいという方にもおすすめです。

以下に窓用エアコンの長所と欠点をまとめます。

窓用エアコンの長所

  • 簡単に設置できる
  • 本体価格がリーズナブル

窓用エアコンの欠点

  • 窓を閉められないので防犯面に不安が残る
  • 電気代が高価になりがち
  • 動作音が大きい

関連記事ではおすすめの窓用エアコンの紹介や使用時の注意点などを解説しています。あわせてご覧ください。

窓パネルを利用する

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窓パネルは配管用の穴を設けたパネルのことで、窓の一部分にはめて使用します

配管穴を開けなくとも配管類を通せるので、壁を傷つけられないときに用いられる手段です。

パネル1枚あたりの価格も安く、1,000円ほどでネット通販やホームセンターで購入できます。

ただし窓パネルを設置することで、窓を完全に施錠出来なくなるというデメリットがあります。安心して使うには補助錠などを購入し、防犯対策が必須です。

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穴あけを含むエアコン取り付け工事を依頼する業者を効率よく見つけるには、一括見積もりサイトがおすすめです。

一括見積もりサイト経由の見積もり依頼であれば、エアコン取り付け業者ははじめから他社を意識した見積書を提出してくれます。

ミツモアでは地域密着型を含め、最大5社からの見積もりを受け取れます。見積もりの比較も簡単にできるので、業者選びに迷うことはありません。

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