エアコンの交換や取り付けをするときは、本体代と設置工事費を合わせてそれなりの高額出費になりますよね。
なるべく安く取り付けたいと思ったときに、手段の1つとして考えられるのが「エアコンに使える補助金制度の利用」です。
国やいくつかの自治体がエアコンの設置に使える補助金制度を設けていますが、制度によってさまざまな条件や制約があります。この記事では、代表的なエアコン補助金制度の「補助金額」「対象者」「申請条件」などの要項を紹介します。
国によるエアコン購入・設置の補助金制度(全員対象)
エアコンの購入や設置に利用できる補助金のうち、国が実施しているものとして「子育てエコホーム支援事業」があります。
子育てエコホーム支援事業
子育てエコホーム支援事業は、子育て世帯や若者夫婦世帯を対象に省エネ性能を有した住宅の新築やリフォームを支援し、カーボンニュートラルの実現をめざす補助金事業です。
省エネ性能を有するエアコンの設置も、補助金の対象になります。
ただしエアコン単体の設置工事だけでは申請できません。新築住宅へのエアコン取り付けや、その他のリフォームと同時の実施の場合に利用できる補助金です。
補助金額 | エアコンの冷房能力に応じた補助金額×設置台数 ・3.6kW以上:26,000円/台 ・2.2kW超~3.6kW未満:23,000円/台 ・2.2kW以下:19,000円/台 |
---|---|
対象者 | ・子育て世帯(令和5年4月1日時点で18歳未満の子を有する世帯) ・若者夫婦世帯(申請時点において夫婦であり、令和5年4月1日時点でいずれかが39歳以下である世帯) |
対象のエアコン | 指定の試験機関等で効果が確認された空気清浄機能または換気機構を有するエアコン |
申請条件 | ・必須工事(窓の断熱改修、外壁・屋根の改修、節水型トイレ・エコキュート等エコ住宅設備の設置)のいずれかを含むこと ・補助額の合計が5万円以上であること |
申請期間 | 2024年4月2日~予算上限に達するまで(遅くとも2024年12月31日まで) |
自治体によるエアコン購入・設置の補助金制度(自治体の住民対象)
エアコンの購入や設置に利用できる補助金のうち、各自治体が実施する制度として、以下の事例があります。
東京ゼロエミポイント(東京都)
東京ゼロエミポイントは、東京都が実施する「家庭のゼロエミッション行動推進事業」に基づき、設置済みのエアコン等の対象家電を省エネ性能の高い製品に買い替えた都民に対して付与されるポイントです。
付与された東京ゼロエミポイントは、ポイント数に応じた商品券とLED割引券に交換できます。
エアコン以外にも冷蔵庫、給湯器、LED照明器具などに対してポイントの付与が行われています。
補助金額 | エアコンの冷房能力に応じたポイント付与 ・3.6kW以上:23,000P ・2.4kW~2.8kW:18,000P ・2.2kW以下:15,000P ※2023年4月1日以降購入分 |
---|---|
対象者 | 都内に住所を有する個人 |
対象のエアコン | 統一省エネラベルの目標年度に応じた基準に基づく ・2.8kW以下:目標年度2027年度の多段階評価「★2」以上 ・3.6kW以上:目標年度2027年度の多段階評価「★1」以上 |
申請条件 | ・住宅に設置済みのエアコンを省エネ性能の高い新品に買い替える場合 ・購入したエアコンを都内の住宅に設置する場合 ・2024年9月30日までにエアコンを購入していること |
申請期間 | 2019年10月1日~2024年10月31日(必着) |
省エネルギー家電設置助成事業(東京都品川区など)
東京都品川区を始めとする複数の自治体で、省エネ性能の高いエアコンへの買い替えを支援する補助金制度が設けられています。
以下の補助金制度要項は東京都品川区の例です。自治体によって異なる可能性があるので、お住まいの自治体の案内を確認しましょう。
補助金額 | 1万円 |
---|---|
対象者 | 品川区民 |
対象のエアコン | 日本産業規格C9901(目標年度2027年度)に基づく省エネルギー基準達成率が100%以上であるもの、またはそれに準じた性能であると区が認めるもの |
申請条件 | ・既設エアコンのリサイクルを伴う設置であること ・品川区内の実店舗で購入したエアコンであること ・過去にエアコンの設置助成を利用していないこと ・2024年4月1日以降にエアコンを購入していること ・住民税を滞納していないこと |
申請期間 | 2024年4月1日~2025年3月31日必着 ※先着順 |
高齢者エアコン設置助成(東京都豊島区など)
東京都豊島区を始めとする複数の自治体で、高齢者のみが居住する住宅でエアコン設置や修理にかかる費用を助成する制度が設けられています。
以下の補助金制度要項は東京都豊島区の例です。自治体によって異なる可能性があるので、お住まいの自治体の案内を確認しましょう。
補助金額 | 上限8万円 |
---|---|
対象者 | 豊島区に住所を有する75歳以上でひとり暮らしの高齢者、または高齢者のみの世帯 |
申請条件 | ・世帯全員の介護保険料所得段階が1から3の世帯 ・居宅にエアコンが設置されていない、または設置されているが使用不可となっている世帯 ・生活保護を受給していない世帯 |
申請期間 | 2024年5月1日から2024年12月28日 |
エアコン補助金を利用するときの注意点
エアコン購入に使える補助金には、適用されるために制約があることも多いです。
自分の住む自治体に補助金があることが分かったら、以下の点も確認しておきましょう。
予算に達したら募集が早く打ち切られることがある
エアコン購入の補助金制度には、自治体で年度ごとに一定の予算が割り当てられています。
補助金の利用申請が多く、早めにその年度に使える予算の上限に達してしまうと、当初に案内されていた申込受付期間よりも前に打ち切られてしまうこともあります。
特にエアコンは初夏あたりから購入する人が増えるので、8月ごろになると受付が終わっているケースも多いです。
補助金の利用を狙う場合はあらかじめ自治体の案内をチェックしておき、申込期間が始まったらすぐに申請できるように準備しておいたほうが安心でしょう。
補助金の趣旨によって対象のエアコン製品が限られる
省エネ家電の普及を目的とした補助金の場合は、一定の省エネ性能基準を満たしたエアコンしか対象にならないことが多いです。
せっかく補助金を使って安く取り付けたいと思っても、申請基準を満たすエアコンはそもそも本体価格が高額で、結果としてあまり安くならないケースも考えられます。
この場合は出費を抑えられるというより、高性能なエアコンをお得に取り付けられると捉えたほうが良いでしょう。
指定の店舗でエアコンを購入する必要がある
補助金を利用するには、補助金事業に登録されている指定の店舗でエアコンを購入しなければならないという制約があるケースも見られます。
エアコン本体の安さを追求するのであれば、ネットショップでの購入なども手段として考えられますが、補助金を適用したい場合は購入先の選択肢が少ないこともあるので注意しましょう。
住んでいる自治体で利用できる補助金があるか調べる方法
お住まいの地域で、補助金制度があるかどうかを調べる方法はいくつかあります。
- 補助金制度の検索サイト等を利用する
- 自治体のホームページをチェックする
- 自治体に電話連絡してみる
それぞれ解説します。
1. 補助金制度の検索サイト等を利用する
各自治体の補助金制度を検索・または通知してくれるサービスなどを使用すれば、補助金制度を確認することができます。
ただし検索のタイミングによっては、すでに公募終了している補助金制度が表示されてしまうことも。実際に補助金を利用したい場合は、下記で紹介する方法で自治体に確認しましょう。
2.自治体のホームページをチェックする
自治体のホームページからでも補助金制度の確認は可能です。
サイト内で探してもどこに記載されているのか分からないという場合は「自治体名 助成金」「自治体名 補助金」といったワードで検索してみてください。そうすれば該当するページを見つけられる可能性が高まります。
他の検索手段と違ってリアルタイムに近い情報が掲載されているため、現在行っている補助金制制度を見つけやすいでしょう。
3.自治体に電話連絡してみる
補助金制度があることは分かったけれど、自分でも利用できるのか判断できない場合もありますよね。そんな時は自治体に直接連絡してみるのがおすすめです。
補助金制度の条件などは複雑な表現で書かれていることも多いため、自身の要望を伝え、制度を利用できるのかを判断してもらいましょう。
エアコンの補助金を申請する方法
補助金の申請方法は各自治体によって異なりますが、おおむね下記3つの方法があります。
- Webサイトから申請
- 郵送での申請
- 自治体窓口での申請
それぞれ解説します。
申請方法① Webサイトから申請
自治体によっては自治体のWebサイトからの電子申請を受け付けている場合があります。Webでの申し込みに抵抗がない方にとっては、便利な申請方法といえるでしょう。
申請方法② 郵送での申請
ホームページ上に公開されている申請書を印刷し、記入したものを郵送して申請する方法です。「簡易書留」や「特定記録郵便」など郵送方法が指定されていることがあるため、少し手間のかかる申請方法です。
申請方法③ 自治体窓口での申請
窓口で申請書を提出する方法もあります。提出時に不備などを指摘してもらえるので、堅実に申請できる方法といえます。
しかし役所の窓口に出向く必要があるため、平日の夕方までに訪問しなければいけません。平日に時間を取れないという方は、上記2つの方法で申請するようにしましょう。
補助金以外でエアコン取り付け費用を安くする方法
エアコンの購入や設置に使える補助金制度はあまり多くはありません。
ただしエアコン取り付けにかかる費用を安くおさえるには、補助金以外の方法もあります。
エアコンをネットで購入し、自分で工事業者を探す
エアコン本体をなるべく安いネットショップで購入し、自分でエアコン工事業者を手配する方法です。
家電量販店はセールの時期が決まっていたり、割引には複数家電の購入が必要だったりして、安く購入するのにコツが必要ですが、ネットショップでは基本的にエアコン単体が安く買えることが多いです。
そのまま取り付け工事を依頼できるショップもありますが、実際にどんな工事業者が来るのか選べないので、工事業者は自分で探すのがおすすめです。
複数の工事業者の料金を比較する
エアコン工事業者を自分で探すときは、複数の事業者から見積もりを取って比較してから依頼先を決めるのがおすすめです。
同じ条件での料金設定の違いや、見積もりのやり取りにおける接客態度などを比べて、より安くて信頼できる事業者を見つけることができます。
自分で1社ずつ探して依頼するのは面倒なので、複数のエアコン工事業者に一度で見積もり依頼ができる「ミツモア」も利用してみてください。
エアコン設置工事業者を探すならミツモアがおすすめ
ミツモアでは豊富な経験と知識を持ったエアコンのプロに見積もりの依頼ができます。まずはプロに相談をしてみてはいかがでしょうか?
ミツモアで簡単な質問に答えて見積もり依頼
ミツモアなら簡単な質問に答えていただくだけで見積もり依頼が完了です。パソコンやスマートフォンからお手軽に行うことが出来ます。
最大5件の見積もりが届く
見積もり依頼をすると、プロから最大5件の見積もりが届きます。その見積もりから条件にあったプロを探してみましょう。プロによって料金や条件など異なるので、比較できるのもメリットです。
チャットで見積もり内容の相談ができる
依頼内容に合うプロがみつかったら、依頼の詳細や見積もり内容などチャットで相談ができます。チャットなのでやり取りも簡単で、自分の要望もより伝えやすいでしょう。