埋め込み式エアコンは一般的なエアコンと比べて本体価格も工事費用も高額になるケースがほとんどです。家庭用でも20万円以上かかることが一般的です。
そのため「本当に取り付け依頼すべきか?」「交換や買い替えは今すべきなのか?」と悩んでいる方もいるでしょう。
この記事では埋め込み式エアコン(ビルトインエアコン)の交換費用や、どのような工事内容になるのかを解説していきます。費用例を出しつつ、可能な限り安く依頼する方法も紹介するので参考にしてみてください。
埋め込み式エアコンの交換は大変?依頼後の流れや作業内容
埋め込み式エアコンといっても、業務用の天井カセット形のエアコンではなく家庭用のハウジングエアコンの交換であれば、そこまで大きな工事は必要ありません。かかっても1日で終わるレベルでしょう。逆に業務用のものを店舗等に導入する場合は、数日かけて行う大がかりな作業になります。
【埋め込み式エアコンの大まかな交換手順】
- 現地調査・見積もり提出
- 既存室内機の型枠を取り外す
- 本体を固定している取り付け金具を緩めて本体を外す
- 既設のドレンホースを新しい室内機に接続できるように加工する
- 既設の冷媒管を新しい室内機と室外機に接続できるように加工する
- 新しい製品を設置し、取り付け金具を締めて固定する
- 冷媒管とドレン管・電源ケーブルを新しい室内機に接続する
- 室内機の型枠を取り付ける
- 新しい室外機に冷媒管・電線ケーブルを接続する
- 真空ポンプを使用して冷媒管の中の余分な空気をなくす
- 室外機のコックを開き冷媒管内にガスを充填(じゅうてん)させる
最低限、上記のような作業が必要です。
ただし以下のような場合は、作業内容が少し複雑になる可能性があります。
- 既存の開口部の大きさが新しい製品の大きさと合わない
- 既存の冷媒管やドレンホースを使用できず新設しなければいけない
- ドレン管の勾配が取れない
【交換の場合】埋め込み式エアコンを交換する場合の費用相場
既存の埋め込み式エアコンを新しいものに交換すると、どのくらいの費用がかかるのでしょうか?今回は家庭用埋め込み式エアコンの具体的な事例を挙げて解説していきます。
【3.2kw未満の埋め込み式エアコンを交換する場合】
交換施工費 | 5万~7万円 |
真空引き作業 | 1万2,000~1万6,000円 |
既存撤去処分費 | 8,000~1万5,000円 |
総計 | 8万2,000~10万1,000円 |
一般的にエアコンの出力はkwで表現されることが多いでしょう。kw数が大きいほど冷暖房能力が上がりますが、施工の手間も増えるため料金が高くなる傾向があります。
【3.2kw以上の埋め込み式エアコンを交換する場合】
交換施工費 | 6万~8万円 |
真空引き作業 | 1万2,000~1万6,000円 |
既存撤去処分費 | 8,000~1万5,000円 |
総計 | 9万2,000~11万1,000円 |
なお施工日数は1日程度です。
新しい埋め込み式エアコンを取り付ける場合、接続する冷媒管の中に存在する空気を抜くための「真空引き」という作業が必要になります。この真空引き作業を交換施工費の中に含んでいる業者もあれば別項目としている業者もあるので、依頼前に確認してみましょう。
真空引きの費用相場 | 1万2,000円~ |
また次に紹介するようなケースは、追加で費用が発生する可能性があります。
- 室外機を置く場所が特殊な場合
- 高層階など、室外機の搬入が難しい場合
- 配管に化粧カバーを設置する場合
上記3点以外でも通常よりも作業が難しい現場であれば、追加費用が発生する可能性があります。
なおなるべく安く依頼する方法は記事中盤で解説しているので、参考にしてみてください。
【修理の場合】埋め込み式エアコンを修理する場合の費用相場
埋め込み式エアコンを修理する場合は、以下のような費用が発生します。
ドレンホースつまり抜き | 6,000円~ |
エアコン室内勾配調整 | 1万5,000円~ |
上記は本体自体に原因があるわけではなく、汚れや施工の問題で不具合が起きている例です。これらは設備業者などに依頼すれば対応してもらうことができます。
しかし本体自体(正確にいうと本体の部品等)に原因がある時は、基本的にメーカーによる部品交換での対応となります。
その場合は故障した部位や製品メーカーによって費用が異なるので、まずは一度相談してみましょう。なお以下のような場合は本体に問題があるかもしれません。
- 電源が入らない
- 室外機から異音がする
- リモコンに触っていないのに作動する
【新設の場合】埋め込み式エアコンを取り付ける場合の費用相場
埋め込み式エアコンを自宅に新設することは可能です。ただし取り付けたい場所やご自宅の構造によっては難しい場合もあります。
埋め込み式エアコンを購入しようと考えている方は、事前に専門業者に相談して導入可能かどうか確認するようにしましょう。
埋め込み式エアコンを新設する場合の施工日数
施工日数 | 約1~2日 |
埋め込み式エアコンを新設する場合の施工費用相場
本体設置施工費 | 5万~8万円 |
配管施工費 | 4万~6万円 |
天井開口費用 | 1万~2万円 |
取付金物等(雑材) | 8,000~1万2,000円 |
真空引き作業 | 1万2,000~1万6,000円 |
総計 | 12万~18万8,000円 |
上記はあくまで一例です。施工業者や現場の状況によって項目や費用は大きく変動する場合もあります。
業務用エアコンを店舗などに導入する場合は、さらに費用と日数がかかると思っていいでしょう。
埋め込み式エアコンの交換(取り付け)費用をなるべく安くするためには?
埋め込み式エアコンの交換費用をなるべく安くするためには、以下の2点を抑えておきましょう。
- 中間マージンのかからないエアコン取り付け業者や施工店に依頼する
- 複数社から見積もりを取って比較する
ハウスメーカーのようなところに取り付けを依頼すると、工事自体は別の業者が担当するので中間マージンがかかりがちです。そのためなるべく安く済ませたいなら、最初から工事を担当してくれるところに頼むのがおすすめ。
しかしそういった取り付け業者は、ハウスメーカーほどブランドや実績がないケースも多いでしょう。そこで信頼できる業者に依頼するため、複数社の料金や口コミ・対応などを比較してみましょう。
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埋め込み式エアコン本体の価格相場
家庭用の埋め込み式エアコンの交換や新設を行うなら、施工費用の他に本体代も考えなければいけません。
埋め込み式エアコン本体の費用相場
本体代費用相場 | 11万~22万円 |
埋め込み式エアコンの本体価格は下記2点の要素に左右されます。
- 出力数(kw数)が高いほど本体代が高くなりやすい
- 送風の方向が1方向だけより2方向の製品の方が、金額が高くなりやすい
埋め込み式エアコンは出力の高い製品が多いため、一般的なルームエアコンより本体代が高いといえるでしょう。逆にいうとそこまで広くない部屋に出力の大きな製品を付けてしまうと、もったいないということになります。
可能な限り値段を抑えて商品選定をする場合は、適切な出力の製品かをしっかり確認するようにしましょう。
通常のルームエアコンに比べて、埋め込み式エアコンは販売されている製品の種類がそこまで多くありません。主要なメーカーと製品例を紹介します。
三菱 霧ヶ峰「MLZ-RX2817AS 」
本体代相場 | 11万~13万円 |
出力数(kw) | 冷房2.8kw:8~12畳対応
暖房4.0kw:9~11畳対応 |
風方向 | 1方向(シングルフロータイプ) |
国内大手メーカー、三菱電機の製品です。
埋め込み式エアコンとしては出力数がそこまで高くないため、比較的安価な部類に入ります。
以下のような機能が搭載されています。
- 風向をリモコンで自由に設定できる「上下左右オートフラップ機能」
- 抗菌と脱臭効果のある「銀脱臭フィルター」を使用
- 室内機のグリルを取り外して洗うことができる「はずせるボディ」
DAIKIN 「S40RGV」
本体費用相場 | 14万~16万円 |
出力数(kw) | 冷房4.0kw:11~17畳
暖房5.3kw:12~15畳 |
風方向 | 2方向(ダブルフロータイプ) |
空調設備のグローバル売上NO.1を誇るDAIKINの製品になります。
特徴は以下の通りです。
- 人の流れに合わせて風量を調整する「ゾーン運転」
- ボタン1つで現在の部屋の状況に応じた室温に調整してくれる「自動運転」機能
- 室内ユニットにこもった臭いを抑えてから送風する「ニオイないス運転」機能
Panasonic「XCS-B409CW2/S」
本体費用相場 | 20万~22万円 |
出力数(kw) | 冷房4.0kw:11~17畳
暖房5.3kw:12~15畳 |
風方向 | 2方向(ダブルフロータイプ) |
こちらも国内大手メーカーPanasonicの製品になります。
以下のような機能が搭載されています。
- ウイルス、カビ、花粉をキャッチする10年間交換不要の「除菌フィルター」
- 送風ファンには「防汚・防カビコーティング」を実施
- 運転終了時に40度以上に加熱乾燥して、カビの発生を抑制する「内部クリーン機能」
埋め込み式エアコンのメンテナンス頻度と維持費用
埋め込み式エアコンのメンテナンス頻度の目安は1年に1回。年に1回程度はエアコンの清掃を行うようにしましょう。
清掃を全くしなかった場合、以下のような症状を引き起こす可能性があります。
- エアコンのパフォーマンスが落ちる
- カビ等が繁殖すると有害な空気が送風される
- ほこりなどが塊となりドレン管につまると、ドレン水が逆流し水漏れを起こす
埋め込み式エアコンのメンテナンス費用
エアコン高圧洗浄 | 2万5,000~3万円 |
ドレンパン清掃 | 5,000~1万5,000円 |
埋め込み式エアコンの寿命や買い替え時期の目安
埋め込み式エアコン(家庭用)の耐用年数は、国税局の指標によれば6年とされています。
しかしこれらはあくまで税法上の数字なので、実際には10~15年程度はもつことが考えられます。これくらいの時期を買い替え目安と考えると良いでしょう。
ちなみに税法上の数字をもう少し詳しくお伝えすると、以下のように耐用年数が決められています。
耐用年数 | 対象製品 |
15年 | 建物附属設備に属する冷房、暖房、通風またはボイラー設備 |
13年 | 上記でも冷凍機の出力が22キロワット以下のもの |
6年 | 器具及び備品に属する家具、電気機器、ガス機器及び家庭用品 |
商業店舗などに付いているダクトを接続するようなビルトインエアコンを交換して設置した場合は、建物附属設備に属する冷暖房設備と見なされます。耐用年数は15年と考えましょう。
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配管工事やエアコンの取り付けは、自力でなんとかしようとすると失敗のリスクが高まります。一人で悩まず、まずはエアコンの取り付け業者に相談することをおすすめします。
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埋め込み式エアコンの取り付けでよくある質問
埋め込み式エアコンを新しく取り付ける場合の費用は総額でいくら?
埋め込み式エアコンを新たに取り付ける場合、総額で12万~18万円ほどが相場です。本体価格や取り付ける場所の状態によって、取り付けにかかる費用は大きく変わります。
埋め込み式エアコンの取り付けにかかる時間は?
業者に埋め込み式エアコンの取り付けを依頼した場合1~2日かかります。取り付けを依頼する時期やエアコンの大きさによっても、日数は変わるので見積もりの際に業者に聞いておきましょう。