天井埋込型のエアコンは壁掛けエアコンよりも買い替えや交換費用が高くなることが多いです。
天井埋込エアコンの買い替え・交換費用や作業料金がどうやって決まるかなどを解説します。
天井埋込エアコンの買い替え・交換にかかる費用
天井埋込エアコンの買い替え・交換では主に3つの支出があります。
- 天井埋込エアコンの取り付け工事の作業料金
- 天井埋込エアコンの取り外し工事の作業料金
- 天井埋込エアコンの本体価格
それぞれの相場をまとめると以下の通りです。
項目 | 費用相場 |
---|---|
取り付け工事の作業料金 | 80,000~110,000円 |
取り外し工事の作業料金 ※リサイクル費用込み |
8,000~10,000円 |
天井埋込エアコンの本体価格 | 557,000円~ |
費用相場の合計 | 645,000円~ |
※取り付け・取り外し工事の料金相場は「ミツモア」で工事を依頼した際の料金です。
エアコンの取り付け工事の作業料金は、以下の考え方で決定します。
標準工事とは、どんなエアコンを取り付けるときにも必要になる作業のことです。
主に以下の作業が含まれますが、業者によって含まれる作業が異なるため、依頼前に必ず標準工事の内容を確認しましょう。
標準工事に含まれることが多い作業
- 配管用の穴あけ工事(1か所)
- 室内機の設置
- 室外機の設置(平地置きまたはベランダ置き)
- 配管の接続(4mまで)
- 真空引き作業
- エアコン専用回路への接続
- アース端子への接続
ミツモアで天井埋込エアコンの取り付けを依頼した場合の料金相場は80,000円~です。
標準工事に含まれない作業を依頼した場合は、すべて追加料金が発生します。代表的なものをいくつかご紹介します。
作業内容 | 追加費用の相場 |
---|---|
配管の延長 | 2,000円~/m |
エアコン専用コンセントの新設 | 13,000円~ |
室外機を特殊な方法で設置する | 15,000円~ |
たとえば、ミツモアで天井埋込エアコンの取り付け工事を依頼した場合、料金モデルは以下のようになります。
上記の料金モデルはあくまで例です。実際の料金がいくらになるかは事業者に見積もりをとってご確認ください。
天井埋込エアコンの本体価格の例
天井埋込エアコンの本体価格は製品によって大きく異なります。ここではダイキンの天井埋込型カセットエアコン「CRシリーズ」を例に、本体価格を紹介します。
※2025年2月調査時のデータです。
型番 | 税込価格 | 対応畳数 | 能力(kW) |
---|---|---|---|
S28ZCRV | 556,600円 | 10畳程度 | 2.8kW |
S36ZCRV | 617,100円 | 12畳程度 | 3.6kW |
S40ZCRV | 672,100円 | 14畳程度 | 4.0kW |
S50ZCRV | 795,300円 | 16畳程度 | 5.6kW |
S56ZCRV | 896,500円 | 18畳程度 | 5.6kW |
S63ZCRV | 1,030,700円 | 20畳程度 | 6.3kW |
もっとも安い10畳向けの天井埋め込み型エアコンの本体価格であっても55万円を超えます。
これに加え、別売りパネルの価格や取り付け工事の作業費用などが発生するので、どれだけ安く費用を抑えられても、天井埋込エアコンの設置には650,000円以上かかる可能性が高いです。
天井埋込エアコンの交換工事の所要時間
天井埋込エアコンも一般的な壁掛けエアコンも、交換工事の流れそのものは大きく変わりません。ただし、天井埋込エアコンの方が作業時間が長くなる傾向があります。
天井埋込エアコンの交換工事の流れ
- エアコンの周辺を養生する
- ポンプダウンを行い冷媒ガスを室外機に閉じ込める
- 配管の洗浄
- 古い室外機の取り外し
- 新しい室外機の設置
- 古い室内機の取り外し
- 新しい室内機の取り付け
- 配管の取り付け
- 真空引き
- 試運転
天井埋込エアコンの交換は1台当たり3~4時間ほどかかるケースが多いです。
それぞれの作業の所要時間について解説します。
作業内容 | 所要時間の目安 |
---|---|
養生作業 | 5~10分 |
ポンプダウン作業 | 15分程度 |
配管の洗浄 | 5~25分 |
室外機の取り外し | 15~20分 |
室外機の取り付け | 15~20分 |
室内機の取り外し | 30~45分 |
室内機の取り付け | 30~45分 |
配管の接続 | 5~15分 |
真空引き作業 | 20~30分 |
試運転 | 10~15分 |
合計 | 2時間半~4時間 |
天井埋込エアコンの交換をする日は最低でも半日空けておくことをおすすめします。
【参考】壁掛けエアコン取り付けとの作業時間の比較
参考として、天井埋込エアコンと壁掛けエアコンの作業時間を比較したものを表にまとめました。
作業内容 | 天井埋込エアコン | 壁掛けエアコン |
---|---|---|
養生作業 | 5~10分 | 5~10分 |
ポンプダウン | 15分程度 | 15分程度 |
配管洗浄 | 5~25分 | なし |
室外機の取り外し | 15~20分 | 15~20分 |
室外機の取り付け | 15~20分 | 15~20分 |
室内機の取り外し | 30~45分 | 30分程度 |
室内機の取り付け | 30~45分 | 30分程度 |
配管の接続 | 5~15分 | 5~15分 |
真空引き作業 | 20~30分 | 20~30分 |
試運転 | 10~15分 | 10~15分 |
合計時間 | 2時間半~4時間 | 2時間15分~3時間弱 |
壁掛けエアコンの設置工事と比較した場合、最大で2時間弱ほど時間に差があることが分かります。
天井埋込エアコンは壁掛けエアコンと比べると室内機・室外機ともに重量がある製品が多く、安全な作業のためには時間がどうしてもかかってしまいます。
天井埋込エアコンの重量モデル:ダイキン「S40ZCRV(14畳程度)」室内機:14kg室外機:46kg壁掛けエアコンの重量モデル:ダイキン「S405ATCP-W(14畳程度)」室内機:10.5kg室外機:35kg
適用畳数が同じ14畳程度の製品であっても、室内機は3kg以上、室外機は10kg以上も重さが違うことが分かります。
天井埋込エアコンの交換費用はどうやって決まる?
天井埋込エアコンの交換費用を決定づける要素は3つあります。
① エアコン本体の大きさ
天井埋込エアコンの工事費用を決める要素のひとつはエアコン本体の大きさです。
出力が高く、送風方向が多いエアコンは重量が増えます。エアコンに限らず、重いものを1人で動かすことは非常に危険です。
エアコンの取り付け工事では安全のため2人以上の作業員を派遣するケースが多く、派遣される作業員の数が多くなればなるほど人件費が高くなります。
大きな天井埋込エアコンを設置すると作業料金が高くなる理由
- エアコンを設置する際の安全確保のために作業員が多く派遣される
- 派遣された作業員の人数分人件費がかさむ
- 重量のあるエアコンを取り扱う際は時間がかかるためその分人件費が多く発生する
② 取り付け・取り外し工事における難易度
天井の位置が高い、室外機を特殊な位置に設置するなど、難易度の高い作業が必要な場合も作業費用は高額になります。
特に注意が必要なのは高所作業料金です。安全を確保するための必要な費用なので値引きはできません。
なお足場を組めないなど特別な事情がある場合は工事そのものを断られる可能性がある点にもご注意ください。
難易度の高い作業に関する追加料金について、明確な相場はありません。しかし1作業につき5,000円前後がかかるケースが多いです。
③ エアコンの取り付け・交換を依頼する時期
天井埋込エアコンを含め、エアコンの取り付け工事の依頼には繁忙期と閑散期があります。
繁忙期:2~3月、6~8月
閑散期:11月~1月、4月
エアコンは春の引越しの時期と夏の時期に取り付け工事の依頼が殺到する繁忙期です。
繁忙期と閑散期では作業料金に数万円の違いが発生することもあります。
予約の取りやすさも大きく異なるので、エアコンが壊れてしまってすぐに取り替えたいなどの事情がなければ、11月~1月や4月の閑散期に依頼しましょう。
天井埋込エアコンの取り付け工事を閑散期(11~1月、4月)に依頼すべき理由
- 工事の予約が入れやすい
- 繁忙期(2~3月、6~8月)に比べると作業料金が安い傾向がある
天井埋込エアコンの交換工事はどこに頼む?
天井埋込エアコンの施工ができるエアコン工事業者を見つける方法は、大きく分けると3つあります。
それぞれの特徴や注意点を確認してみましょう。
① 販売店から施工業者を紹介してもらう
工事費用が高くなっても、高い技術力を持つ施工業者に取り付けてもらいたいという場合は、販売店から施工業者を紹介してもらいましょう。
メリット
- 施工業者を探す手間がない
- 作業品質が比較的高い
- 販売店独自の保証サービス等があるケースが多い
デメリット
- 中間マージンが発生し作業料金が高くなる傾向がある
- 相見積もりによる費用相場の確認に手間がかかる
注意点として、トラブル発生時にどこに連絡すれば良いのかわかりづらいという点が挙げられます。
販売会社に連絡をしたら、「直接施工業者とやり取りをしてください」といわれたらい回しのようになるケースもあるので、リスクのひとつとして把握しておきましょう。
② マッチングプラットフォームで見つけた業者に依頼する
複数の業者を比較して依頼先を見つけたいのであれば、マッチングプラットフォームから見積もり依頼を出すことをおすすめします。
メリット
- 複数業者の見積もりを比較しやすい
- 最安値で工事を引き受けてもらいやすい
- 事業者の評判・口コミをチェックしやすい
デメリット
- 複数の業者とやり取りをする手間がある
- 技術力や施工後保証は事業者によって大きく異なる
1度の情報入力で複数社に一括で見積もり依頼を出すサービスであれば、業者探しに関する時間を大幅に短縮できます。
また一括見積もりサービス経由で見積もりを依頼すると、事業者も他社を意識した価格で見積書を提示してくれます。
天井埋込エアコンは作業費用が高くなりやすいので、工事費用を節約したい人にもおすすめの方法です。
③ ネット検索などで業者を探す
「地域名 + エアコン工事業者」と検索したり、電話帳を利用することでもエアコン施工業者を探せます。
メリット
- 中間マージンがかからないので工事費用を安く抑えられる
- 実際に作業をする事業者を知ったうえで依頼できる
デメリット
- 相見積もりを取るのに手間がかかる
- 依頼できる事業者を見つけるまで時間がかかる
- 工事品質や保証が事業者によって大きく異なる
- 悪質な業者と知らずに依頼してしまう可能性がある
ただしこの方法は手間がかかるうえ、天井埋込エアコンの場合は施工できない業者も少なくありません。
特別な事情がなければ、「マッチングプラットフォームを利用して施工業者を探す」ことをお勧めします。
天井埋込エアコンの交換工事業者を選ぶコツ
天井埋込エアコンは高価な家電なので、失敗やミスなく取り付けてほしいですよね。
天井埋込エアコンの工事業者で失敗しない選ぶコツを4つご紹介します。
① 十分な実績数があるか
天井埋込エアコンの設置数は壁掛けエアコンと比べると少ないため、エアコン専門工事業者であっても天井埋込エアコンに関する実績は多くないことがあります。
そのため、エアコン工事業者を探すときは全体の実績数ではなく天井埋込エアコンの実績数をチェックしましょう。
とはいえ天井埋込エアコンの実績数を強くアピールしている業者はあまり多くありません。気になる業者がいれば直接「天井埋込エアコンの施工実績はどの程度ありますか」などの質問をしましょう。
② メーカーに認定された施工業者か
十分な技術力を持つ証明のひとつが、エアコンメーカーから認定された施工業者であるかです。
ダイキンであれば「ダイキンプロ」が認定された施工業者である印です。
販売店やショールームなどで天井埋込エアコンを購入した場合は、そのまま認定施工業者を紹介してもらえるケースも多いです。
多少料金は高くなっても安心して取り付けや交換工事を依頼したいのであれば、メーカー認定の施工業者であるかをチェックしましょう。
③ 施工後の保証が十分か
エアコン工事後に発生するトラブルに備えた保証が充実しているかも確認しましょう。
技術力に自信がある業者であれば、施工後1年間の間に発生した不具合に関しては無料または安価で再工事を請け負うなどの保証サービスを提供しています。
また損害保険に加入しているかどうかも、依頼するうえで判断基準になります。
安価で作業を請け負っている業者は保証が不十分であったり、損害保険に加入していなかったりします。
作業料金が多少高くなっても、予算の範囲内であればなるべく保証が充実している業者に依頼することをおすすめします。
④ 口コミの評判が不自然でないか
エアコン工事業者の判断をするときに、口コミの評価を参考にするという人も多いでしょう。
口コミは利用者からの率直な意見が記載されていることが多いですが、参考にする際は注意が必要です。
注意が必要な口コミの例
- 評価が大きく偏っている
- 同じような欠点を指摘している口コミが時期を問わずある
口コミを見るときは最高評価の多さで決めてしまいがちですが、最高評価が多いからといって理想的な業者とは限らない点に注意が必要です。
一般的に、良い製品・サービスのレビューは星5(最高評価)が最も多く、星1(最低評価)が最も少なくなります。ちょうど、星5、4、3、2、1と段階を踏んで少なくなっていきます。
一方で、なんらかの問題がある製品やサービスのレビューは、星5評価と星1評価の数が拮抗していたり、星2評価~星4評価が多かったりします。
口コミを見るときは星の数だけでなく、レビューの内容までチェックするようにしましょう。
天井埋込エアコンの交換工事を依頼するときの注意点
天井埋込エアコンの工事を依頼するときの注意点は2つあります。
① 天井埋込エアコンに対応していない施工業者もいる
家庭用天井埋め込みエアコンの取り付けは、壁掛けエアコンと異なる知識や技術が必要です。そのため工事ができる事業者は限られています。
自分で施工業者を探す場合は、条件があっている業者からのみ見積もりが届くマッチングプラットフォームを活用することをおすすめします。
マッチングプラットフォームを利用すれば、1回の情報入力で複数の業者から見積もりがもらえるうえ、見積もり書の比較も簡単にできます。
② 取替工事の際は互換性の有無に注意する
現在使っている天井埋込エアコンと異なるメーカーの製品に取り換える場合は、サイズや仕様に互換性がない可能性があります。
買い替えにあたってメーカーを変更するのであれば、天井穴のサイズが一致しているかなどを購入前に必ず確認しておきましょう。
取り付け工事を依頼する業者に訪問してもらい、使いたい機種との互換性があるかチェックしてもらうことをおすすめします。
天井埋込エアコンの交換工事はエアコン施工業者に依頼しよう
天井埋込エアコンの工事は施工できる業者が少ないです。なるべく工事費用を安く済ませるのであれば、マッチングプラットフォームを活用して複数業者から相見積もりをとって比較することが大切です。
ミツモアなら条件にあった業者からのみ見積もりが届くので、「依頼しようと思ったら条件に合わない業者だった」ということもありません。