オンラインでの見積もり比較・受発注サービス「ミツモア」を運営する株式会社ミツモア(本社:東京都中央区、代表取締役:石川彩子)は、2025年1月~6月(上期)に寄せられたビジネスサービス全般の依頼データを基に、企業の最新動向を発表しました。


深刻な人手不足を背景に、企業の投資が従来の業務効率化から、人材定着を目指す方向へとシフトしている傾向が見えてきました。特に「福利厚生サービス」(昨年比196.3%増)が大幅な伸びを見せ、また医療・福祉業で「ストレスチェックシステム」の需要が急増するなど、従業員のウェルビーイングを重視する「人中心」のDXが業界トレンドとして顕著になっています。
一方で、会計ソフトといった基盤業務のDXツールは高い需要を維持しつつも成長が落ち着きを見せており、DXが新たなフェーズに入ったことを示唆しています。
【2025年上期】ビジネスサービス依頼数ランキングTOP10

「ミツモア」の2025年上半期サービス依頼数ランキングは、日本企業が直面する課題と投資の動向を鮮明に映し出しています。「会計ソフト」や「勤怠管理システム」といった基盤業務のDXツールは依然として上位を占め、その重要性は揺るぎません。
しかし、これらの成長率が落ち着きを見せる一方、深刻な人手不足を背景とした「人」への投資が新たなトレンドとして急浮上しています。特に「福利厚生サービス」(前年比196.3%)の急伸は、企業が人材定着を重要課題と捉えていることがうかがえます。
また、「法人携帯」や「法人向けIP電話」(同223.2%)への高い需要は、企業のDX推進を支える重要な基盤として、ハイブリッドワークの普及への対応だけでなく、情報セキュリティの担保やAI連携などによる生産性向上への投資とも言えます。
これらの動向から、企業の関心が単なる業務効率化から、人材確保や働き方の多様化、セキュリティへの対応などといった、より戦略的な領域へとシフトしていることが明らかになりました。
【2025年上期】業界別サービス投資戦略ポジションマップ
4つの象限から読み解く各業界の戦略
【未来成長への先行投資】(右上)
代表的業界:IT・インターネット
SFA/CRMで短期的な顧客獲得を推進しつつ、採用管理システムやセキュリティ関連サービスで組織基盤を固めるなど、攻めと未来への投資を両立。技術革新の早い市場を勝ち抜くための、先進的な戦略がうかがえます。
【持続可能な組織づくり】(左上)
代表的業界:医療・福祉、公務員、製造
人材不足や規制対応が課題の業界は、目先の売上より持続可能性を重視する傾向が見られます。人事評価システムや健康管理システムで人材定着を図り、電子契約システムやセキュリティ関連ソフトでコンプライアンスを固めるなど、長期的な視点で堅実な組織づくりを目指す姿勢が表れています。
【短期的な売上最大化】(右下)
代表的業界:飲食、美容・サロン、小売・卸売、旅行・レジャー
顧客接点がビジネスの核となるBtoCサービス業は、この領域に集中。キャッシュレス決済やモバイルオーダー、各種予約システムといった、顧客体験と売上に直結するサービスへの関心が見受けられます。日々の集客と店舗運営の効率化を最優先し、短期的な売上を最大化する戦略が鮮明です。
【足元の業務効率化の徹底】(左下)
代表的業界:運輸・物流、建設、農林水産、不動産
現場オペレーションの効率化が最優先課題の業界です。運輸業の車両管理システムや建設業の工事管理システム、不動産業の賃貸管理ソフトのように、各業界特有のバックオフィス業務をデジタル化することに投資が集中。まずは足元の生産性向上を徹底する戦略が明確です。
※1:カテゴリー解説
- バックオフィス改革(守りの投資):経理、総務などの管理業務の効率化・コスト削減に関わるサービス群
- フロントオフィス改革(攻めの投資):営業、マーケティングなど、直接的な売上拡大に関わるサービス群
- 日々の業務効率化(現在志向投資):人事、労務、法務、セキュリティなど、企業の土台を固めるサービス群
- 成長基盤の構築(未来志向投資):経営層の意思決定や全社戦略に関わるサービス群
※2:算出式解説
- 横軸:(オフィスフロント改革郡 +成長基盤の構築群) の合計件数 ÷ 総計件数
- 縦軸:(バックオフィス改革郡 +成長基盤の構築群) の合計件数 ÷ 総計件数
- 補足:各業界の戦略的スタンスをより正確に表現するため、「フロントオフィス改革」と「未来志向」の両方の性質を併せ持つ「成長基盤の構築群」を両軸の算出式に含んでいます
【2025年上期】業界別トレンドサマリー
| 業界 | ポイント |
| 小売・卸売業 | チャネルの相互連携の深化とサプライチェーン全体の効率化を目指し、販売・在庫・受発注を統合管理する動きが加速。 |
| サービス業 | バックオフィス業務の標準化と効率化が最優先課題となり、会計・労務管理への投資が安定的に継続。 |
| 建設業 | 「2024年問題」で浮き彫りになった課題への対応が継続しており、生産性向上と労務管理の近代化に向けたDX投資が続いている。 |
| 製造業 | 従業員エンゲージメント向上と生産現場の自動化という2つの軸で、人材定着と効率化を同時に追求。 |
| 医療・福祉業 | 深刻な人材不足を背景に、従業員の心身の健康と働きがいを支える「人中心」のDX投資が活発化。 |
| 飲食業 | 人手不足の危機的状況を乗り越えるため、接客・注文業務の徹底的な自動化が最重要戦略に。 |
| IT・インターネット | ハイブリッドワークの定着とコミュニケーション円滑化のため、次世代の通信インフラ整備が進む。 |
| 不動産業 | 業界特化型ソフトへの需要が際立ち、賃貸管理業務のDXによる効率化が中核的なテーマに。 |
| 運輸・物流業 | 法規制遵守と「2024年問題」対応という二重の圧力の下、安全管理と運行効率化への投資が不可欠に。 |
| 美容・サロン業 | 顧客接点のデジタル化が加速し、予約から決済、マーケティングまでを一気通貫で管理する動きが本格化。 |
| コンサル・士業 | 専門業務の生産性向上と顧客対応の質を高めるため、基幹業務のデジタル化とコミュニケーションツールの導入が進む。 |
| 教育・学習支援 | バックオフィス業務の効率化を基盤としつつ、生徒獲得とエンゲージメント向上のためのデジタルマーケティング投資が活発化。 |
| 人材紹介・人材派遣業 | 業界特有の複雑な業務プロセスを管理するため、派遣管理システムの導入がDXの中核をなす。 |
| 広告・メディア | プロジェクトベースで動く業務の特性上、経理・請求業務の効率化が生産性向上の鍵に。 |
| 農林水産業 | 基盤業務のデジタル化と経営管理の近代化が急務となり、バックオフィス効率化への投資が最優先される。 |
| 金融業 | 厳格なコンプライアンスと従業員の生産性向上の両立を目指し、経費管理とコミュニケーションツールの刷新が進む。 |
| 旅行・レジャー業 | 顧客体験の向上と施設運営の効率化を目指し、決済インフラと業界特化型管理システムへの投資が回復。 |
| 公務員 | 業務プロセスの標準化とペーパーレス化を推進するため、ワークフローシステムの導入がDXの第一歩に。 |
注目5業界の深掘り分析
2025年上期において顕著な傾向が表れた5業種(製造/IT・インターネット/医療・福祉/美容・サロン/建設)をピックアップして解説します。
製造業

<POINT>
- 社食サービス(前年比316.0%)や福利厚生サービス(同195.3%)、ストレスチェックシステム(同321.3%)など働き方をサポートするサービスが伸びている
- RPAツール(同108.5%)や受発注管理システム(同124.1%)生産現場の効率化への投資も進んでいる
- 生産管理システムは全業種からの依頼の89.4%を製造業が占めている
製造業では、「人」と「現場」の両面からのアプローチが際立っています。社食サービス(前年比316.0%)や福利厚生サービス(同195.3%)、ストレスチェックシステム(同321.3%)といった、従業員の働きがいや心身の健康をサポートするサービスが軒並み高い伸びを示しています。これは、人材の確保と定着が経営の最重要課題の一つであるとの認識が浸透していることを示唆しています。
一方で、生産現場の効率化への投資も着実に進んでいます。RPAツール(同108.5%)や受発注管理システム(124.1%)は、定型業務の自動化やサプライチェーンの最適化に貢献します。特に注目すべきは生産管理システムで、全業種からの依頼の89.4%を製造業が占めており、業界特有の複雑な工程管理をデジタル化したいという強いニーズがうかがえます。
この「従業員エンゲージメント向上」と「生産プロセス効率化」という2つのトレンドは、人手不足に対応しながら国際競争力を維持しようとする製造業の戦略的な動きを反映していると言えるでしょう。
IT・インターネット

<POINT>
- 法人向けIP電話の導入検討数が前年比276.9%、クラウドPBXが155.4%と、ハイブリッドワーク環境の運用への投資が活発化
- Web会議ブースへの需要が前年比183.7%
- 電子契約システムやワークフローシステムの需要が減少しており、これらのツールの導入が一巡したことを示唆
IT・インターネット業界では、コロナ禍を経て定着したハイブリッドワーク環境を、より円滑かつ高度化させるための投資が活発化していると考えられます。法人向けIP電話の導入検討数が前年比276.9%、クラウドPBXが155.4%と伸長している背景には、単にオフィスとリモートの双方でシームレスな電話応対を実現したいというニーズだけでなく、より戦略的な動きがうかがえます。
1つは、情報セキュリティへの意識向上です。ハイブリッドワークは情報セキュリティリスクを拡大させるため、場所を問わず安全な通信環境を構築する動きが考えられます。加えて、AI連携によるデータ活用の高度化も挙げられます。通話内容のテキスト化やCRMへの自動保存といった活用により、電話応対が貴重なデータソースへと変わりつつあると推察されます。
また、集中できる個室空間を提供するWeb会議ブースへの需要が前年比183.7%と増加している点も、新しい働き方やオフィス回帰による会議室の確保などへの適応が進んでいることを示唆しています。一方で、電子契約システムやワークフローシステムなどの需要が減少していることから、IT・インターネット業界ではDXの初期導入が一巡し、既存システムの高度化という新たなフェーズに移行している可能性があると言えそうです。
医療・福祉

<POINT>
- 全サービスの中で勤怠管理システムが最も高い割合を占め、正確な労務管理が恒常的な最優先課題であることを示している
- ストレスチェックシステムは前年比306.3%、福利厚生サービスは214.3%と従業員のウェルビーイングに関連するサービスの急成長している
医療・福祉業界は、プレッシャーと深刻な人手不足に直面しており、DX投資は従業員を支えることに強く焦点が当てられている傾向です。全業種の中で医療・福祉の勤怠管理システム依頼率が11.1%と最も高い割合を占め、前年水準をキープ(同100.0%)したことは、複雑なシフト勤務における正確な労務管理が恒常的な最優先課題であることを示しています。
医療・福祉業界の特性を最もよく表しているのが、従業員のウェルビーイングに関連するサービスの急成長です。ストレスチェックシステムは前年比306.3%、福利厚生サービスは214.3%と、他業界と比較しても際立って高い伸び率を記録しています。これは、職員のメンタルヘルスケアや労働環境の改善が離職を防ぎ、ひいては提供するケアの質を維持するための死活問題であるという経営層の強い危機感の表れと見て取れます。
また、人事評価システム(同105.6%)への関心は、公正な評価制度を通じてキャリアパスを明確にし、職員のモチベーションと定着率を高めようとする戦略的な取り組みを示唆しています。
美容・サロン

<POINT>
- 顧客との最初の接点である予約プロセスのDXが活発
- 来店後の顧客との関係を深めるためのLINEマーケティングツールへの高い関心が目立つ
- POSレジ・POSシステムとキャッシュレス決済端末が需要の上位を占めており、会計業務の効率化とデータに基づいた経営分析への関心も高い
美容・サロン業界では、顧客体験の向上と店舗運営の効率化を両立させるためのデジタル化が進んでいます。特に顧客との最初の接点である予約プロセスのDXが活発です。美容・サロン向け予約システムへの需要は高く、電話応対の負担軽減や24時間受付による機会損失の防止といったメリットが広く認識されつつあります。
さらに、予約だけでなく、来店後の顧客との関係を深めるための投資も目立ちます。LINEマーケティングツールへの高い関心は、多くの顧客が日常的に利用するLINE公式アカウントを活用してリピート促進のクーポンを配信したり、次回来店のきっかけとなるコミュニケーションを図ったりする動きが本格化している証拠です。
また、POSレジ・POSシステムとキャッシュレス決済端末が依然として需要の上位を占めていることから、会計業務の効率化とデータに基づいた経営分析への関心も高いことがうかがえます。特に会計ソフトは、前年比率の全業種平均(94.5%)を大きく上回る179.3%という高い伸びを示しており、顧客接点のデジタル化と並行して、経営基盤の強化も急務となっていることがわかります。これらのツールを連携させることで、予約から決済、顧客管理、再来店促進までを一気通貫で管理する「デジタル経営」への移行が進んでいると言えそうです。
建設業

<POINT>
- 「2024年問題」で浮き彫りとなった課題への対応と依頼検討が増えている
- 工事管理システムの導入検討数が前年から急増
- 請求書管理システムがトップの検討数と高い伸び(前年比202.6%)を示している
建設業界では、2024年4月の時間外労働上限規制の適用(通称「2024年問題」)によって浮き彫りになった、生産性向上という構造的課題への対応が、現在も継続的な経営テーマとなっています 。この規制は、長時間労働が常態化していた業界の構造を根本から変えるものであり、データは業界全体が生産性向上と労務管理の徹底に向けたDX投資を急いでいる様子がうかがえます。
その最も顕著な例が、工事管理システムです。このサービスへの依頼の90.8%が建設業からであり、まさに業界特化型(バーティカルSaaS)のキラーアプリケーションと言えます。また、インボイス制度への対応と工事原価の正確な把握という二つの目的から
請求書管理システムがトップの検討数と高い伸び(前年比202.6%)を示していることも特徴的です。勤怠管理システムや経費精算システム(同126.9%)への高い需要も、労働時間の厳格な管理と経費の透明化が眼前の課題を乗り切る上で不可欠であるとの認識が広がっていることを物語っています。
福利厚生サービスの導入を検討しているなら、ぜひミツモアをご利用ください。従業員数などの各項目を画面上で選択するだけで、ぴったりのサービスを最短1分で自動診断。理想の福利厚生サービスが見つかります。 |
調査概要
調査対象期間:2025年1月1日~2025年6月30日
調査対象:「ミツモア」ビジネス向けサービスにおける業種判別可能な全依頼
調査件数:72,087件
関連する主なビジネスサービス
POSレジ・POSシステム:https://meetsmore.com/product-services/pos-register
ストレスチェックシステム:https://meetsmore.com/product-services/stresscheck
記事等でのご利用にあたって
本リリースの内容を転載・引用される際は、以下のご対応をお願いいたします。
・引用元が「株式会社ミツモア」である旨の記載
・ウェブサイトで使用する場合は、出典元として、下記リンクを設置してください。
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【補足資料】その他の業界別解説
小売・卸売業
オムニチャネル化の深化とサプライチェーン全体の効率化を目指し、販売・在庫・受発注を統合管理する動きが加速
| 順位 | サービス | 前年比 |
| 1位 | POSレジ・POSシステム | 78.4% |
| 2位 | 会計ソフト | 77.9% |
| 3位 | ECサイト構築サービス | 167.7% |
| 4位 | キャッシュレス決済端末 | – |
| 5位 | 販売管理システム | 308.9% |
| 6位 | 請求書管理システム | 171.9% |
| 7位 | 受発注管理システム | 142.2% |
| 8位 | 勤怠管理システム | 93.2% |
| 9位 | 法人向けIP電話 | 235.9% |
| 10位 | 法人携帯 | – |
小売・卸売業では、オンラインとオフラインの垣根を越えた「オムニチャネル戦略」の高度化が明確なトレンドとなっています。ECサイト構築サービスの導入検討数が前年比で167.7%と大幅に増加している一方で、実店舗での顧客体験を向上させるキャッシュレス決済端末も高い関心を集めており、デジタルとリアルの両面での販売チャネル強化が進んでいます。
このトレンドを象徴するのが、販売管理システムへの需要が前年比308.9%という高い伸びを示している点です。これは、単に複数の販売チャネルを持つだけでなく、それらの売上、在庫、仕入情報を一元的に管理し、サプライチェーン全体の最適化を図りたいという企業の強い意志の表れです。同様に受発注管理システム(同142.2%)や請求書管理システム(同171.9%)への高い需要も、取引のデジタル化と効率化を推進する動きを裏付けています。これらのバックオフィスシステムの強化は、データに基づいた正確な需要予測や在庫管理を実現し、人手不足という構造的課題に対応するための基盤構築と位置づけられます。
サービス業
バックオフィス業務の標準化と効率化が最優先課題となり、会計・労務管理への投資が安定的に継続
| 順位 | サービス | 前年比 |
| 1位 | 会計ソフト | 88.1% |
| 2位 | 勤怠管理システム | 88.1% |
| 3位 | 法人携帯 | – |
| 4位 | 法人向けIP電話 | 213.5% |
| 5位 | 請求書管理システム | 193.4% |
| 6位 | キャッシュレス決済端末 | – |
| 7位 | 電子契約システム | 39.6% |
| 8位 | 給与計算ソフト | 49.4% |
| 9位 | 福利厚生サービス | 197.6% |
| 10位 | 経費精算システム | 110.3% |
多岐にわたる業態を含むサービス業では、共通してバックオフィス業務の効率化が最優先課題となっています。会計ソフトが最も多くの導入検討数を集め、全業種からの依頼の16.37%を占めるなど、依然として基幹業務のデジタル化が中心です。これはインボイス制度への対応や、正確な経営状況の把握といった基本的なニーズが根強いことを示しています。
同時に、勤怠管理システムも高い需要を維持しており、労働集約的なビジネスモデルが多いサービス業において、適正な労務管理が重要視されていることがうかがえます。また、請求書管理システム(前年比193.4%)や福利厚生サービス(同197.6%)といったサービスの伸びは、取引の電子化と従業員満足度向上の両面から、事業基盤を強化しようとする動きを反映しています。一方で、電子契約システムや給与計算ソフトの需要が減少している点は、これらの領域における初期導入が一巡し、市場が新たなフェーズに入った可能性を示唆しています。
飲食業
人手不足の危機的状況を乗り越えるため、接客・注文業務の徹底的な自動化が最重要戦略に
| 順位 | サービス | 前年比 |
| 1位 | POSレジ・POSシステム | 86.6% |
| 2位 | キャッシュレス決済端末 | – |
| 3位 | 会計ソフト | 106.1% |
| 4位 | 勤怠管理システム | 108.1% |
| 5位 | モバイルオーダーシステム | 1912.5% |
| 6位 | 経費精算システム | 170.6% |
| 7位 | 給与計算ソフト | 38.8% |
| 8位 | 請求書管理システム | 260.6% |
| 9位 | 労務管理システム | 146.3% |
| 10位 | 法人向けIP電話 | 343.5% |
飲食業界は、全産業の中でも特に深刻な人手不足に直面しており、その解決策として業務の自動化・省人化に大きく舵を切っています。2025年上期のデータは、このトレンドがもはや選択肢ではなく、事業継続のための必須戦略となっていることを物語っています。
その象徴が、モバイルオーダーシステムの導入検討数が前年から急増した点です。このシステムは、顧客自身のスマートフォンで注文から決済までを完結させるため、ホールスタッフの注文受付業務を大幅に削減し、人手不足を直接的に緩和します。また、依然としてPOSレジ・POSシステムが全依頼の31.5%を占め、キャッシュレス決済端末が16.3%を占める高い需要があることは、多くの店舗がまだデジタル化の基盤を構築している段階にあることを示しています。これらのインフラが整うことで、モバイルオーダーのような、より高度なDXへの道が開かれます。
不動産業
業界特化型ソフトへの需要が際立ち、賃貸管理業務のDXによる効率化が中核的なテーマに
| 順位 | サービス | 前年比 |
| 1位 | 会計ソフト | 100.6% |
| 2位 | 賃貸管理ソフト | 180.2% |
| 3位 | 法人携帯 | – |
| 4位 | 経費精算システム | 116.9% |
| 5位 | 法人向けIP電話 | 176.5% |
| 6位 | 電子帳簿保存システム | 63.4% |
| 7位 | 請求書管理システム | 138.6% |
| 8位 | 経理アウトソーシング(経理代行) | 285.7% |
| 9位 | 電話代行サービス | 111.3% |
| 10位 | 勤怠管理システム | 105.5% |
不動産業界では、業界特有の業務に特化したソフトウェア、いわゆるバーティカルSaaSへの強い需要が見られます。特に賃貸管理ソフトは、導入検討数が前年比で180.2%増加し、このサービスへの全業種からの依頼のうち70.7%を不動産業が占めるなど、業界のDXを牽引する中心的な存在となっています。これは、入居者管理、家賃回収、契約更新、修繕対応といった複雑で多岐にわたる賃貸管理業務をデジタル化し、効率化したいという明確なニーズがあることを示しています。
一方で、会計ソフトが依然として全依頼の19.5%を占め、トップの検討数を維持していることから、基本的なバックオフィス業務の整備も並行して進められていることがわかります。また、経理アウトソーシング(経理代行)が前年比285.7%という高い伸びを示している点は興味深く、専門的な経理業務を外部に委託することで、コア業務である物件管理や仲介にリソースを集中させたいという戦略的な判断がうかがえます。
運輸・物流業
法規制遵守と「2024年問題」対応という二重の圧力の下、安全管理と運行効率化への投資が不可欠に
| 順位 | サービス | 前年比 |
| 1位 | アルコールチェックアプリ | 159.9% |
| 2位 | 車両管理システム | 202.8% |
| 3位 | 会計ソフト | 116.2% |
| 4位 | 勤怠管理システム | 87.3% |
| 5位 | 請求書管理システム | 231.5% |
| 6位 | 法人携帯 | – |
| 7位 | キャッシュレス決済端末 | – |
| 8位 | 経費精算システム | 161.0% |
| 9位 | 給与計算ソフト | 55.0% |
| 10位 | 社食サービス | 333.3% |
運輸・物流業界は、2023年12月から完全義務化されたアルコールチェックと、建設業と同様に時間外労働の上限規制が適用される「2024年問題」という、2つの大きな圧力に同時に対応する必要に迫られています。
前者の法規制遵守への直接的な対応として、アルコールチェックアプリの導入検討数が前年比159.9%と大きく伸びています。これは、白ナンバー車両を一定台数以上保有する事業者にとって、検知器によるチェックと記録保存が義務化されたことによる必然的な需要です。後者の「2024年問題」への対応としては、車両管理システムが前年比202.8%と急伸しています。ドライバーの労働時間が制限される中で輸送能力を維持するためには、ルートの最適化、車両の稼働状況のリアルタイム監視、実車率の向上などが不可欠であり、これらのシステムがその解決策として期待されています。請求書管理システム(前年比231.5%)への高い需要も、複雑化する運賃体系や取引先との請求業務を効率化し、経営基盤を安定させたいというニーズを反映しています。
コンサル・士業
専門業務の生産性向上と顧客対応の質を高めるため、基幹業務のデジタル化とコミュニケーションツールの導入が進む
| 順位 | サービス | 前年比 |
| 1位 | 会計ソフト | 122.7% |
| 2位 | 法人向けIP電話 | 159.7% |
| 3位 | 法人携帯 | – |
| 4位 | 電子契約システム | 42.9% |
| 5位 | 電話代行サービス | 156.6% |
| 6位 | 名刺管理ソフト | 238.2% |
| 7位 | 請求書管理システム | 166.7% |
| 8位 | クラウドPBX | 91.9% |
| 9位 | RPAツール | 136.8% |
| 10位 | 経費精算システム | 87.9% |
コンサルタントや士業といった専門サービス業では、知的労働の生産性向上が経営の根幹をなします。データからは、そのための基盤となる業務のデジタル化が着実に進んでいることが読み取れます。会計ソフトが15.2%と最も高い割合を占め、前年比122.7%の伸びを示しているのは、クライアントごとの案件管理や正確な請求業務の基盤として、会計システムの重要性が再認識されているためです。
また、クライアントとの円滑なコミュニケーションを支えるツールへの投資も活発です。法人向けIP電話(前年比159.7%)や電話代行サービス(同156.6%)は、外出や会議が多い専門家が場所を選ばずに電話対応できる体制を整えるのに役立ちます。特に注目すべきは名刺管理ソフトの前年比238.2%という高い伸びです。これは単なる連絡先のデジタル化に留まらず、人脈を組織の資産として一元管理し、営業活動や情報共有に活用しようとする戦略的な動きを示唆しています。
教育・学習支援
バックオフィス業務の効率化を基盤としつつ、生徒獲得とエンゲージメント向上のためのデジタルマーケティング投資が活発化
| 順位 | サービス | 前年比 |
| 1位 | 会計ソフト | 114.4% |
| 2位 | 勤怠管理システム | 82.8% |
| 3位 | 法人携帯 | – |
| 4位 | メール配信システム | 131.4% |
| 5位 | eラーニングシステム | 146.4% |
| 6位 | 法人向けIP電話 | 160.0% |
| 7位 | Web広告運用代行 | 92.9% |
| 8位 | キャッシュレス決済端末 | – |
| 9位 | イベント管理システム | 183.3% |
| 10位 | 電子契約システム | 52.5% |
教育・学習支援業界では、まず経営の足腰を固めるためのバックオフィス業務の効率化が進んでいます。会計ソフトが9.9%と最も高い割合を占め、安定した需要があるのは、多様なコース料金や月謝の管理を効率化したいという基本的なニーズがあるためです。
その上で、生徒や受講者を獲得し、継続的に関係を築くためのデジタルマーケティングへの投資が目立ちます。メール配信システム(前年比131.4%)やイベント管理システム(同183.3%)は、見込み客への情報発信や説明会の運営を効率化する上で重要なツールです。また、eラーニングシステム(同146.4%)への需要は、対面授業だけでなくオンラインでの学習コンテンツ提供を強化し、多様な学習ニーズに応えようとする動きを反映しています。これらのサービスへの投資は、少子化が進む中で、より広い範囲から効率的に生徒を募集し、エンゲージメントを高めていくための戦略的な一手と言えます。
人材紹介・人材派遣業
業界特有の複雑な業務プロセスを管理するため、派遣管理システムの導入がDXの中核をなす
| 順位 | サービス | 前年比 |
| 1位 | 人材派遣管理システム | 143.6% |
| 2位 | 勤怠管理システム | 90.6% |
| 3位 | SFA(営業支援システム) | 129.7% |
| 4位 | 請求書管理システム | 184.2% |
| 5位 | 給与計算ソフト | 60.4% |
| 6位 | テレアポ代行 | 355.6% |
| 7位 | 採用管理システム(ATS) | 96.9% |
| 8位 | 法人携帯 | – |
| 9位 | 会計ソフト | 66.7% |
| 10位 | 労務管理システム | 104.4% |
人材紹介・人材派遣業のDXは、その業界特有の業務フローに特化したシステムの導入が中心となっています。人材派遣管理システムが前年比143.6%の伸びを示し、このサービスへの全業種からの依頼の49.4%を占めていることが、その象徴です。派遣スタッフの登録・管理、契約、勤怠、給与計算、請求といった一連の複雑なプロセスを統合管理できるこのシステムは、業務効率化とコンプライアンス遵守の要となります。
また、新規クライアントや求職者を獲得するための営業・マーケティング活動の強化も重要なテーマです。テレアポ代行が前年比355.6%という非常に高い伸びを示しているのは、効率的に商談機会を創出したいという強いニーズの表れです。SFA(営業支援システム/前年比129.7%)も、営業プロセスの可視化と効率化に貢献します。これらのデータから、業界特化型システムで基幹業務を固めつつ、営業力を強化して事業拡大を目指すという、攻守両面でのDX投資の姿が浮かび上がります。
広告・メディア
プロジェクトベースで動く業務の特性上、経理・請求業務の効率化が生産性向上の鍵に
| 順位 | サービス | 前年比 |
| 1位 | 会計ソフト | 119.1% |
| 2位 | 請求書管理システム | 170.4% |
| 3位 | SFA(営業支援システム) | 106.3% |
| 4位 | 経費精算システム | 188.9% |
| 5位 | 法人携帯 | – |
| 6位 | 名刺管理ソフト | 216.7% |
| 7位 | 電子契約システム | 34.3% |
| 8位 | 経理アウトソーシング(経理代行) | 300.0% |
| 9位 | 福利厚生サービス | 222.2% |
| 10位 | メール配信システム | 95.2% |
広告・メディア業界は、クライアントごとのプロジェクト単位で業務が進行する特性があり、それに伴う経理・請求業務の煩雑さが課題となりがちです。データからは、このバックオフィス業務の効率化に重点が置かれていることが明確に見て取れます。会計ソフトが10.8%と最も高い割合を占め、請求書管理システム(前年比170.4%)や経費精算システム(同188.9%)が共に高い伸びを示しているのは、プロジェクトごとの収支管理を正確かつ迅速に行い、生産性を向上させたいというニーズの表れといえます。
さらに、経理アウトソーシング(経理代行)が前年比300.0%という高い成長率を見せている点も特徴的です。これは、ノンコア業務である経理を専門家に委託し、クリエイティブや企画といった本来のコア業務に社内リソースを集中させるという、戦略的な経営判断が広まっていることを示唆しています。また、名刺管理ソフト(216.7%増)への投資は、業界内の広範な人脈を体系的に管理し、ビジネスチャンスにつなげようとする動きを反映しています。
農林水産業
基盤業務のデジタル化と経営管理の近代化が急務となり、バックオフィス効率化への投資が最優先される
| 順位 | サービス | 前年比 |
| 1位 | 会計ソフト | 148.8% |
| 2位 | 勤怠管理システム | 121.7% |
| 3位 | 法人携帯 | – |
| 4位 | 給与計算ソフト | 40.5% |
| 5位 | ECサイト構築サービス | 183.3% |
| 6位 | 請求書管理システム | 168.4% |
| 7位 | 電子帳簿保存システム | 124.0% |
| 8位 | 労務管理システム | 207.1% |
| 9位 | 経費精算システム | 117.4% |
| 10位 | 受発注管理システム | 184.6% |
農林水産業では、経営の近代化に向けた基盤固めの動きが顕著です。会計ソフトが全依頼の27.8%という圧倒的な割合を占め、かつ前年比148.8%という高い伸びを示していることは、インボイス制度への対応をきっかけに、これまでどんぶり勘定になりがちだった経営をデジタル化し、正確な収支管理を行いたいという意識が急速に高まっていることを示しています。
労働力の確保と適正な管理も大きな課題であり、勤怠管理システム(前年比121.7%)や労務管理システム(同207.1%)への需要増がそれを裏付けています。季節や天候に左右される不規則な労働環境だからこそ、デジタルツールによる正確な労務管理が求められています。また、ECサイト構築サービス(同183.3%)や受発注管理システム(同184.6%)の伸びは、従来の卸売市場経由だけでなく、消費者や実需者への直接販売(D2C)といった新たな販路を開拓し、収益構造を多角化しようとする先進的な取り組みが広がっていることを示唆しています。
金融業
厳格なコンプライアンスと従業員の生産性向上の両立を目指し、経費管理とコミュニケーションツールの刷新が進む
| 順位 | サービス | 前年比 |
| 1位 | 会計ソフト | 95.7% |
| 2位 | 経費精算システム | 181.3% |
| 3位 | 勤怠管理システム | 69.7% |
| 4位 | 法人携帯 | – |
| 5位 | 名刺管理ソフト | 230.0% |
| 6位 | 法人向けIP電話 | 314.3% |
| 7位 | 福利厚生サービス | 175.0% |
| 8位 | ワークフローシステム | 67.7% |
| 9位 | SFA(営業支援システム) | 44.4% |
| 10位 | オフィスコンビニ | 181.8% |
金融業界では、厳格なコンプライアンス要件を満たしつつ、従業員の生産性をいかに向上させるかという点がDXの主要テーマとなっています。経費精算システムが181.3%増と高い伸びを示しているのは、経費利用の透明性を確保し、ガバナンスを強化すると同時に、申請・承認プロセスの効率化を図りたいというニーズの表れです。
また、従業員間の円滑なコミュニケーションを支えるツールへの投資も活発です。法人向けIP電話(前年比314.3%)や名刺管理ソフト(同230.0%)が高い伸びを見せており、部門間や拠点間の連携を強化し、顧客情報を組織全体で共有・活用しようとする動きがうかがえます。福利厚生サービス(同175.0%)やオフィスコンビニ(同181.8%)といった、従業員満足度向上に資するサービスへの関心も高く、優秀な人材の確保・定着に向けた投資意欲の高さを示しています。
旅行・レジャー業
顧客体験の向上と施設運営の効率化を目指し、決済インフラと業界特化型管理システムへの投資が回復
| 順位 | サービス | 前年比 |
| 1位 | POSレジ・POSシステム | 112.8% |
| 2位 | キャッシュレス決済端末 | – |
| 3位 | 予約システム | 78.1% |
| 4位 | 会計ソフト | 107.1% |
| 5位 | ホテル管理システム(PMS) | 216.7% |
| 6位 | 法人向けIP電話 | 233.3% |
| 7位 | 請求書管理システム | 212.5% |
| 8位 | 電話代行サービス | 228.6% |
| 9位 | 経費精算システム | 320.0% |
| 10位 | 法人携帯 | – |
インバウンド需要の回復などを背景に、旅行・レジャー業界では顧客体験の向上と運営効率化に向けたDX投資が再び活発化しています。店舗での支払いをスムーズにするPOSレジ・POSシステム(前年比112.8%)とキャッシュレス決済端末が需要の上位を占めているのは、会計時の待ち時間を短縮し、多様な決済手段に対応することで顧客満足度を高めたいという基本的なニーズがあるためです。
この業界の特性をよく示しているのが、ホテル管理システム(PMS)が前年比216.7%という高い伸びを記録している点です。PMSは予約、客室、会計、顧客情報などを一元管理するホテル運営の心臓部であり、このシステムへの投資は、業務全体の効率化と、収集したデータを活用したリピーター戦略の強化に直結します。また、電話代行サービス(同228.6%)や経費精算システム(同320.0%)といったバックオフィス支援サービスへの高い需要は、人手不足の中でノンコア業務の負担を軽減し、スタッフが本来の接客サービスに集中できる環境を整えようとする動きを反映しています。
公務員
業務プロセスの標準化とペーパーレス化を推進するため、ワークフローシステムの導入がDXの第一歩に
| 順位 | サービス | 前年比 |
| 1位 | ワークフローシステム | 120.8% |
| 2位 | 名刺管理ソフト | 175.0% |
| 3位 | 法人携帯 | – |
| 4位 | 勤怠管理システム | 52.9% |
| 5位 | クラウドPBX | 200.0% |
| 6位 | Web広告運用代行 | 183.3% |
| 7位 | 法人向けIP電話 | 250.0% |
| 8位 | メール配信システム | 250.0% |
| 9位 | 給与計算ソフト | 90.9% |
| 10位 | 会計ソフト | 100.0% |
公務・行政分野では、長年の課題であった業務プロセスの見直しとペーパーレス化に向けた動きが、具体的なツール導入として現れ始めています。ワークフローシステムが7.1%と最も高い割合を占めているのは、稟議や申請といった内部手続きを電子化し、意思決定の迅速化と業務の標準化を図ろうとする動きが本格化していることを示しています。これは、官公庁におけるDXの第一歩として位置づけられる重要な取り組みです。
また、名刺管理ソフト(前年比175.0%)やクラウドPBX(同200.0%)への需要増は、組織内の情報共有やコミュニケーションのあり方を見直す動きを反映しています。縦割りになりがちな組織構造の中で、人脈情報や電話応対の仕組みをデジタル化・一元化することで、連携を強化し、住民サービスの向上につなげたいという意図がうかがえます。Web広告運用代行(同183.3%)やメール配信システム(同250.0%)への関心は、行政情報をより効果的に住民に届けるための広報・広聴活動のデジタル化が進んでいることを示唆しています。
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