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法定外福利厚生とは?法定福利厚生との違いや具体的な種類

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最終更新日: 2024年12月19日

近年、企業の人材確保競争が激化する中、福利厚生の充実度が企業選びの重要な判断材料となっています。法定外福利厚生は、企業の従業員に対する姿勢を表すものとして注目されています。

本記事では、法定外福利厚生の基本的な概念から具体的な種類、導入のメリットやポイントまでを詳しく解説します。

法定外福利厚生とは

リラックスする女性

法定外福利厚生とは、法律で定められた基本的な福利厚生とは別に、企業が独自に従業員と家族のために提供する制度やサービスを指します。健康保険や厚生年金保険などの法定福利厚生が、いわば最低限の保障として法律で義務付けられているのに対し、法定外福利厚生は企業が自由に設計できる任意の制度です。

制度の特徴は、企業の理念や従業員のニーズに合わせて柔軟に設計できる点にあります。たとえば、若手従業員が多い企業であれば住宅手当や育児支援を手厚くしたり、中高年層が多い企業であれば介護支援や健康管理に重点を置いたりするなど、自社の従業員構成や経営戦略に応じた制度設計が可能です。

近年では、働き方改革の推進や健康経営への関心の高まりを受けて、従来の金銭的な支援だけでなく、働き方の柔軟性を高める制度や、従業員の健康増進を支援する制度など、より包括的な福利厚生のあり方が求められています。

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代表的な法定外福利厚生の種類

会議の様子

法定外福利厚生は、従業員の生活全般をサポートするために、多岐にわたる制度が存在します。独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査によると、企業規模や業種によって導入状況は異なるものの、近年は従業員のワークライフバランスを重視した制度の導入が増加傾向にあります。

働き方支援

働き方支援に関する福利厚生は、従業員一人ひとりの生活スタイルに合わせた柔軟な働き方を可能にする制度です。フレックスタイム制度は、コアタイムを設定した上で始業・終業時刻を従業員が自由に選択できる制度で、育児や介護との両立に効果を発揮します。

時差出勤制度は、通勤ラッシュを避けることで従業員の心身の負担を軽減し、業務効率の向上にもつながります。新型コロナウイルスの影響もあり、在宅勤務制度やサテライトオフィスの利用支援など、場所にとらわれない働き方を支援する制度も急速に普及しています。

制度を効果的に運用するためには、適切な労務管理システムの導入や、成果評価の仕組みの整備が不可欠です。導入企業の実績によると、制度により従業員の時間当たりの生産性が15〜20%向上したというデータもあります。

健康管理

健康管理に関する福利厚生は、従業員の心身の健康維持・増進を支援する制度です。法定の健康診断に加えて、人間ドックやがん検診などのオプション検査の費用補助を行う企業が増加しています。費用補助の額は、全額補助から一部補助まで企業によって様々ですが、一般的に従業員一人当たり年間2〜5万円程度の補助が多いようです。

健康管理室の設置は、従業員が気軽に健康相談できる環境を整備する取り組みです。産業医や保健師を常駐させることで、メンタルヘルスケアも含めた総合的な健康管理が可能になります。

健康経営の観点から、スポーツジムの法人契約や運動促進プログラムの提供など、予防医学的なアプローチを重視する企業も増えています。取り組みにより、従業員の病気による休職率が減少し、医療費の抑制にもつながったという報告も多く見られます。

食事補助

食事に関する福利厚生は、従業員の健康維持と経済的支援を両立する重要な制度です。社員食堂の運営は、栄養バランスの取れた食事を提供することで、従業員の健康管理に寄与します。運営方式には、自社運営と外部委託があり、一般的に従業員一食あたり400〜800円程度の補助を行うケースが多いようです。

財産形成

財産形成支援は、従業員の将来的な経済基盤を強化するための重要な制度です。財形貯蓄制度は、給与から天引きで積立を行う制度で、一般財形、住宅財形、年金財形の3種類があります。住宅財形と年金財形は、利子非課税などの税制優遇があり、従業員の長期的な資産形成に効果的です。

社内預金制度は、一般の金融機関よりも有利な金利で預け入れができる制度です。運営には金融庁への届出が必要なため、導入時には専門家への相談が推奨されます。従業員持株会は、毎月の給与から一定額を積み立てて自社株式を購入する制度で、従業員の経営参画意識を高める効果も期待できます。

生活支援

生活支援の福利厚生は、従業員の日常生活における経済的負担を軽減する制度です。被服費の補助は、制服が必要な職種や作業着が必要な現場従業員に対して行われ、年間1〜5万円程度の補助が一般的です。ショッピング費用の補助は、提携店での割引制度や商品券の支給など、様々な形態があります。

近年は、カフェテリアプランを導入する企業が増加しています。これは、従業員が付与されたポイントの範囲内で必要な支援メニューを選択できる制度で、従業員のライフスタイルやニーズの多様化に対応できる柔軟な仕組みとして注目されています。

住宅補助

住宅補助は、従業員の居住費用負担を軽減する重要な制度です。家賃・住宅手当は、月額1〜5万円程度の補助を行うケースが多く、都市部の企業では重要な福利厚生として位置づけられています。支給額は、従業員の職位や勤続年数、世帯構成などによって段階的に設定されることが一般的です。

社宅・寮の提供は、初期費用なしで住居を確保できる点で、若手従業員に人気の制度です。運営方式には自社保有と借上げがありますが、近年は管理の容易さから借上げ方式を採用する企業が増加しています。入居者負担額は、通常の家賃相場の30〜50%程度に設定されることが多いようです。

休暇制度

休暇制度は、法定の年次有給休暇に加えて、従業員のワークライフバランスを支援する重要な制度です。リフレッシュ休暇は、長期勤続者を対象に連続休暇と奨励金を付与する制度で、一般的に勤続5年で3日間、10年で5日間といった形で設定されます。奨励金は、3〜10万円程度が一般的です。

ボランティア休暇は、社会貢献活動を支援する制度で、年間3〜5日程度の有給休暇を付与するケースが多いです。バースデー休暇やアニバーサリー休暇は、従業員の記念日に合わせて取得できる休暇で、若手従業員の満足度向上に効果的です。

半日単位や時間単位での休暇取得を可能にする制度も増えており、通院や育児などの短時間の用事に対応しやすい環境づくりが進んでいます。

余暇・レクリエーション

余暇・レクリエーション支援は、従業員の心身のリフレッシュと社内コミュニケーションの活性化を目的とした制度です。社員旅行は、一人当たり2〜5万円程度の費用補助を行うケースが多く、参加率向上のために家族の同伴を認める企業も増えています。

保養所の運営は、自社所有からリゾート施設との法人契約まで様々な形態がありますが、近年は管理コストの観点から、外部施設の利用補助に切り替える企業が増加しています。利用補助額は、一泊あたり3,000〜10,000円程度が一般的です。

育児・介護の両立支援

育児・介護の両立支援は、法定の制度を上回る独自の支援を提供することで、優秀な人材の確保と定着を図る重要な制度です。社内保育所の設置は、都市部の大企業を中心に増加傾向にあり、従業員の育児負担を大きく軽減します。運営コストは一人当たり月額10〜15万円程度かかりますが、国や自治体の助成金を活用できる場合もあります。

ベビーシッター費用の補助は、月額2〜5万円程度の支給が一般的で、繁忙期や急な残業時の育児支援として効果を発揮します。介護支援では、介護サービスの利用料補助や介護用品の購入支援など、従業員の実情に応じた柔軟な支援が求められています。

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法定外福利厚生を導入するメリット

メリット

法定外福利厚生の導入は、企業にとって短期的なコストが発生するものの、中長期的には大きな経営メリットをもたらします。以下では、主要なメリットについて、具体的なデータや事例を交えて解説します。

生産性が向上する

充実した福利厚生制度は、従業員の仕事に対するモチベーションを高め、生産性の向上につながります。ある調査によると、福利厚生が充実している企業では、従業員一人当たりの労働生産性が平均で15〜20%高いという結果が出ています。

健康管理に関する支援は、従業員の病気による欠勤を減少させ、業務の継続性を高めます。実際に、健康経営に積極的な企業では、従業員の年間欠勤日数が平均2.3日少なく、時間当たりの労働生産性も8%高いというデータがあります。

育児・介護支援の充実は、ワークライフバランスの改善を通じて、従業員の集中力とクリエイティビティを向上させる効果があります。両立支援制度を導入している企業では、従業員の残業時間が平均20%減少し、かつ業務効率が向上したという報告も見られます。

人材採用力を強化できる

優れた福利厚生制度は、採用市場における企業の競争力を高めます。新卒採用において、福利厚生の充実度は企業選びの重要な判断基準となっており、約35%の就職活動生が「福利厚生の内容」を重視しているというデータがあります。

住宅補助や育児支援など、若手従業員の生活基盤を支える制度は、採用時の大きなアピールポイントとなります。実際に、制度を充実させた企業では、新卒応募者数が平均1.5倍に増加したという事例も報告されています。

中途採用市場でも、福利厚生の充実度は転職希望者の関心事項の上位に入っています。30代以上の経験者採用では、育児・介護支援や健康管理支援の充実度が、転職先選択の重要な判断材料となっています。

節税効果がある

法定外福利厚生費は、一定の条件を満たすことで経費として計上でき、法人税の節税効果が得られます。経費として認められるためには、以下の3つの条件を満たす必要があります。

  • 福利厚生の目的に沿った内容であること
  • 全従業員を対象とした平等な制度であること
  • 社会通念上、妥当な金額の範囲内であること

例えば、社員食堂の運営費用や健康診断の費用補助は、上記の条件を満たせば全額を経費として計上できます。一方、特定の役職者のみを対象とした制度や、著しく高額な手当等は、経費として認められない可能性が高いため、制度設計時には税務上の取り扱いについて専門家に確認することが推奨されます。

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法定外福利厚生を導入する場合の費用目安

費用

法定外福利厚生の費用は、企業の規模や業態によって大きく異なります。日本経済団体連合会の調査によると、2019年度における従業員一人当たりの法定外福利厚生費は、月平均で約2万4,000円となっています。

企業規模別の内訳を見ると、従業員1,000人以上の大企業では月額3万円以上、300人以下の中小企業では月額1.5〜2万円程度が一般的です。費用の内訳としては、住宅関連費が全体の約25%、医療・健康管理費が約20%、食事関連費が約15%を占めています。

近年は健康経営への関心の高まりから、健康管理関連の投資を増やす企業が増えています。具体的には、健康診断のオプション検査補助や、スポーツジム利用補助などへの投資が増加傾向にあり、従業員一人当たり年間5〜10万円程度を投じる企業も珍しくありません。

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法定外福利厚生を導入するポイント

ポイント

法定外福利厚生を導入するポイントについて、次から解説します。

福利厚生導入の目的を明確にする

福利厚生制度の導入に際しては、経営戦略との整合性を重視する必要があります。人材の採用強化、定着率の向上、生産性の向上など、具体的な経営課題の解決につながる制度設計を心がけましょう。

制度の効果測定方法についても事前に検討が必要です。例えば、従業員満足度調査の実施や、離職率の変化、生産性指標の推移など、具体的な評価指標を設定することで、投資対効果の検証が可能になります。

従業員のニーズを正確に把握する

福利厚生制度の効果を最大化するには、従業員の実際のニーズを的確に把握することが不可欠です。定期的なアンケート調査やヒアリングを通じて、年齢層や家族構成、勤務形態などによって異なるニーズを把握し、それに応える制度を設計することが重要です。

近年は従業員のライフスタイルや価値観が多様化しており、画一的な制度では十分な効果が得られない可能性があります。カフェテリアプランの導入など、従業員が自身のニーズに合わせて選択できる柔軟な制度設計を検討することも有効です。

公平性や平等性を意識する

福利厚生制度は、原則としてすべての従業員が公平に利用できるものでなければなりません。特定の部署や職位の従業員のみが利用できる制度は、モチベーションの低下や職場の雰囲気の悪化を招く可能性があります。

公平性は必ずしも「全員に同じものを提供する」ことを意味するわけではありません。従業員のライフステージやニーズに応じて、適切な選択肢を用意することも、広い意味での公平性確保といえます。

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ベンチャー企業

法定外福利厚生は、企業の持続的な成長に欠かせない重要な要素です。適切に設計・運用された福利厚生制度は、従業員の満足度向上や生産性向上、優秀な人材の確保など、様々な面で企業に価値をもたらします。

福利厚生制度の導入・運用には一定のコストがかかりますが、それ以上の効果が期待できる重要な経営投資といえます。自社の状況や従業員のニーズを十分に分析し、計画的な導入を進めることで、企業の競争力強化につなげることができるでしょう。

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