従業員の定着率向上や採用力の強化といった効果から、中小企業においても福利厚生の充実度は重要度が増しています。
中には「中小企業向けの福利厚生はあるのだろうか?」「実際、他の企業はどうしているんだろう・・・」とお悩みの担当者の方もいるかもしれません。
そこで本記事では、中小企業にぴったりの福利厚生をご紹介。コストを抑えて導入する方法や導入事例なども併せて解説します。ぜひ、福利厚生を充実させる際の参考にしてください。
中小企業向けの福利厚生とは
中小企業にぴったりの福利厚生とは「従業員のニーズに合わせて厳選した、低コストで利用できる福利厚生」であると言えます。
福利厚生に割ける費用が少ない傾向にある中小企業。大企業に負けず従業員満足度の向上や採用活動の強化を叶えるには、福利厚生の種類や多さではなく、質の面で充実させることが大切です。
中小企業では比較的簡単な福利厚生に絞って導入している企業が多く見られます。例えば「リフレッシュ休暇」や「育児休暇」といった特別休暇や、「フレックスタイム制」による柔軟な働き方で求職者に魅力を伝えているケースがよい成功例です。
従業員へのアンケートを実施するなどして、自社にもぴったりの福利厚生を見極めましょう。
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中小企業におすすめの福利厚生一覧
従業員から特に人気の高い福利厚生を一挙ご紹介します。
【人気の高い福利厚生一覧】
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家賃補助や住宅手当の支給
住宅関連の出費は生活費の中でも大きな割合を占めるので、家賃補助・住宅手当は、多くの従業員に喜ばれます。社宅の導入は費用が高くなるため中小企業向きとはいえませんが、持ち家手当、家賃や住宅ローンの補助、在宅勤務手当などが考えられます。
ただし実家から通勤していて、家賃負担のない従業員が不満を抱く可能性があるので、不公平感を減らす工夫が必要です。また現金支給の場合は、原則的に給与所得に含まれ、課税対象になるので注意しましょう。
慶弔休暇・慶弔見舞金・災害見舞金
慶弔休暇・慶弔見舞金・災害見舞金など、急な事情に対応できる福利厚生も、強い人気があります。慶弔休暇は自分や近親者の結婚、出産、身内のお葬式といった、冠婚葬祭向けの休暇です。法律で義務化はされていないため、休む日数や条件は企業に任されています。
慶弔見舞金はお祝い金や香典の支給制度です。火災や地震・風水害などの被災者が対象となる災害見舞金は、特別休暇とセットにするとよいでしょう。従業員を大切にする企業イメージの構築につながり、モチベーションアップの効果をもたらします。
人間ドックなど法定外健康診断の受診補助
企業が実施している定期健康診断に含まれない検査項目については、人間ドックでカバーできます。従業員の病気を早期に発見するのに役立つ上、健康維持は多くの人が関心を持つ分野です。
また乳がん検診や子宮頸がん検診などの各種がん検診、食生活指導、メタボチェックなども需要が高いといえます。
人間ドックは保険適用外で医療費控除も受けられないため、高額になってしまうのが難点です。会社からの補助があれば、費用面で受診を見合わせていた人も受けられるようになるでしょう。
柔軟な勤務体系の導入
個人の事情に合わせられる柔軟な勤務形態として、時差出勤制度やフレックスタイム制度、自宅やサテライトオフィスなどで働くテレワーク制度が挙げられます。フレックスタイム制度は規定の労働時間数を働けば、始業や終業の時間を自分で決められる制度です。
ライフステージに合わせた働き方が可能になると、育児・介護に従事している人だけでなく、従業員全体にとって働きやすい環境につながります。
特に在宅ワークは従業員のワークライフバランスを実現しやすい方法です。インターネットなどの環境や、体制の整備が必要ですが、確保できる人材の幅が広がるため、人材不足への対策としても効果的でしょう。
食事補助
食事補助は従業員の健康維持だけでなく、コミュニケーションの場として活用しやすい福利厚生です。心身の健康が保たれれば、従業員の集中力向上や職場の生産性アップにつながります。
食事補助サービスは社員食堂・弁当サービス・設置型社食・ランチ補助・オフィスコンビニなど種類が豊富なので、自社の勤務形態に合わせて導入が可能です。休憩室にドリンクサービスがあるだけでも、手軽なリフレッシュの場になります。
病気休暇制度の導入
病気休暇制度の導入は、従業員の不安を軽減して長期的に働きたいと思える職場づくりにつながります。いざ病気になった際にも離職しないで済み、元気になったらまた職場に復帰できるよう援助する仕組みづくりが重要です。
例えば病気休暇制度・病気休職制度があれば、業務と無関係な、労災ではカバーできない病気・ケガでも治療に専念できるでしょう。また仕事ができず収入がない期間の生活保障として、傷病手当金も必要です。
勤務時間や日数を通常より減らし、無理せず業務に慣れるためのリハビリ勤務制度も、従業員の職場復帰を促します。
育児支援や介護支援
育児・介護と仕事の両立を援助する福利厚生としては、短時間勤務制度や育休期間の延長が代表的です。短時間勤務制度は一般的に、3歳未満の子どもがいる従業員に対して、所定の労働時間を1日当たり6時間にする短縮勤務を指します。
介護に関する相談窓口、介護サービス費用の補助なども有効です。「出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)」や「介護離職防止支援コース」など、厚生労働省の助成金制度もあります。導入の際には育児・介護休業法に注意しましょう。
財産形成に関するサポート
財形貯蓄制度・確定給付企業年金・持ち株制度など、財産の形成に関するサポートも人気です。財形貯蓄制度のうち、老後向けの勤労者財産形成年金貯蓄(財形年金貯蓄)や住宅用の勤労者財産形成住宅貯蓄(財形住宅貯蓄)には、非課税措置があります。
年金や退職金だけでは老後の生活を支えられないと、不安を抱く人は多く、経済的な安心感は企業に対する従業員のエンゲージメントを高めます。仕事への熱意や積極的な取り組みによって、職場の生産性も上がるでしょう。
リフレッシュ休暇制度や宿泊施設などの優待
人気の高い福利厚生として、リフレッシュ休暇や有給以外の夏季・冬季休暇などの特別休暇、宿泊・レジャー施設・スポーツジムの割引手当も挙げられます。
リフレッシュ特別休暇は、一定の年数を勤続した従業員に対して、長めの休暇を与える制度です。特別休暇は家族と過ごす時間を大切にする人にも喜ばれるでしょう。
適度な休息は心身をリフレッシュし、仕事へのモチベーションアップにつながります。スポーツジム機材の社内設置や、スポーツジムの割引手当は、従業員の運動不足の解消に役立ちます。
通信教育・資格取得の費用援助
業務に必要なスキルアップやキャリアアップにつながる学習を支援する福利厚生として、通信教育・資格取得の費用援助があります。通信教育・セミナーの受講や、資格取得などの費用補助、研修制度などがこのカテゴリーです。
スキルアップによって質の高い人材が増えれば、企業全体の業績向上が見込めます。また社内におけるキャリアアップの可視化は、モチベーションアップによる離職防止、意欲の高い人材の確保につながります。
中小企業が福利厚生を導入する際のポイント
中小企業が福利厚生を導入する際のポイントは「従業員のニーズが高い福利厚生を導入する」「助成金を活用して費用を抑える」「福利厚生代行サービスを利用する」の3点です。
従業員のニーズが高い福利厚生を導入する
中小企業の場合、福利厚生に割ける費用は少ないことが一般的です。コストを抑えながら福利厚生を用意するには、社内のニーズが高い福利厚生に絞って導入することがポイントと言えます。
社内のニーズをアンケートなどであらかじめ調査することにより、魅力度や利用率の高い福利厚生制度を構築できます。
例えば人気の高い福利厚生の中でも、特別休暇の設定や家賃補助の支給、柔軟な勤務体系の導入など、簡単なものをひとつ選んで始めることがおすすめです。
助成金を活用して費用を抑える
雇用の促進を目的とした厚生労働省の「雇用関係助成金」という制度があります。助成金は返済が不要で、福利厚生費用として利用可能です。
申請基準を満たすための社内整備や書類作成などが必要なものの、うまく活用できれば福利厚生サービスの導入費用や、運用費用を抑えられます。
具体的な内容としてはテレワークの導入や男性従業員の育休、介護離職を防ぐための福利厚生などが助成金の対象になっています。
自社に必要な福利厚生のうち、助成金の対象になっているサービスを優先的に検討するとよいでしょう。
福利厚生代行サービスを利用する
少人数の企業でも大企業に劣らない福利厚生をラインナップしたい場合は、福利厚生代行サービスを利用するのも有効な手段です。
特別休暇の制定や家賃補助、柔軟な勤務体系の設定などは自社独自でも手軽に導入できる福利厚生です。一方で宿泊補助や食事補助、複数の補助を組み合わせた福利厚生の導入などは運用が難しいと感じるかもしれません。
その点福利厚生代行サービスなら、福利厚生の運用や整備に関する業務をまとめてアウトソーシングできます。
入会金と月額数百円〜と手頃な価格で始められるサービスが多いのもポイント。低コストで数種類の福利厚生を導入している中小企業も増えています。
福利厚生代行サービスについて詳しく知りたい方は、以下の関連記事も併せてご参照ください。
中小企業における福利厚生の導入事例
中小企業における福利厚生の導入事例を紹介します。
【鹿児島製茶株式会社】特別休暇の導入で定着率UP
従業員数約120名の鹿児島製茶株式会社は、特別休暇の導入によりワークライフバランスを整え、社員の定着率を向上させました。
鹿児島製茶株式会社では繁忙期には休暇が不規則になりやすく、女性従業員が結婚や妊娠出産のタイミングで離職してしまう傾向があったそうです。
そこで「リフレッシュ休暇」と「シーズン休暇」の導入によって5日間の連続休暇を取りやすくしたことで、家族の時間やプライベートを大切にしつつ、長く働ける環境づくりを実現したのだとか。また併せて育児休暇制度を導入することで、従業員の離職率低下を目指しているとのことでした。
今後もテレワークを試験的に導入するなど、新たな福利厚生制度の導入に向けて進み続けています。
【株式会社スープストックトーキョー】柔軟な働き方で魅力倍増、採用強化を実現
社員約250名を抱える株式会社スープストックトーキョーでは、社員の声を聞きながら福利厚生制度の導入を進めました。
具体的には「生活価値拡充休暇」を設けることで年間休日休暇を120日まで拡充したり、「セレクト勤務制度」で1日あたりの勤務時間を6〜8時間の間で選べる仕組みを作ったりなどの形で福利厚生を充実させています。
福利厚生を導入した効果として育児や介護、スキルアップ、治療などと両立しながら、社員が生き生きと働きやすい環境が整いました。また復職しやすい環境から離職者は減り、新卒および中途求職者からの応募が増加したとのことです。
【株式会社北のハウス】少人数に合わせた低コストで宿泊やレジャーの優待を導入
社員数約20名の株式会社北のハウスでは採用戦略の強化、および事業の永続化を目指して福利厚生制度を充実させました。
社員が少なく福利厚生の導入が後回しになっていた同社は、少人数でもコストパフォーマンスの良い福利厚生代行サービスを活用したそうです。
社員全員が気軽に利用しやすいサービスをと考えて、全国の飲食点やレジャー施設、宿泊施設などで優待が受けられる福利厚生代行サービスを選びました。
結果的に少人数にぴったりな福利厚生制度が実現し、社員をはじめ社員の家族にも対しても充実した補助を提供できるようになったとのことでした。
【株式会社ワンクルー】10名以下の企業で充実した食事補助制度を実現
従業員数9名の株式会社ワンクルーでは、福利厚生の充実や健康経営の促進を目的に食事補助を導入しました。
オフィス社食の提供を主とした福利厚生代行サービスの導入により、一品100円のメニューを社食として提供できるようになったとのことです。
福利厚生代行サービスの中でも無料キャンペーンがある会社を選ぶことで、少人数でも安心して気軽に利用を始められたのだとか。
また幅広い世代のニーズに答えられる点でも、社食形式の福利厚生代行サービスに満足しているとのことでした。
中小企業に合った福利厚生で優秀な人材の確保・定着につなげよう
福利厚生は従業員の心身の健康を維持し、大きな病気や育児などのライフイベントが起こっても、働き続けられる安心感を提供できるサービスです。従業員を大切にする企業イメージは、職場に対するエンゲージメントの向上だけでなく、より質の高い人材確保にも役立ちます。
大企業のように数多くの福利厚生は無理でも、社員のニーズから種類を絞り込み、助成金を活用するなど、中小企業にも可能な運用方法はあります。できるだけ無理なく導入コストを下げ、福利厚生で自社の生産性を高めましょう。
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