定型業務の自動化により業務効率化や人件費削減を実現するRPAツール。魅力的な効果が期待できる一方で、導入を検討する際には「どれくらいのコストがかかるのか」が大きな懸念となることも多いのではないでしょうか。
本記事では、RPAツール導入にかかる費用相場とその内訳を、クラウド型やデスクトップ型、サーバー型の3種類の導入形態ごとに詳しく解説します。また、具体的な製品ごとの料金を比較表で徹底比較。ぜひ、RPAツール選びの参考にしてください。
RPAツール導入の費用相場
RPAツールには導入形態が3種類あり、「クラウド型」「デスクトップ型」「サーバー型」にわけられます。クラウド型は10~50万円、デスクトップ型は50~100万円、サーバー型は100~1000万円程度と規模が大きくなるにつれて高額になります。
クラウド型:10~50万円程度
RPAツールのクラウド型導入にかかる費用相場は、通常10万円から50万円程度です。この費用は初期費用、ランニングコスト、サポート費用に分けて考えることができます。
クラウド型のRPAツールはほかの型に比べて初期費用が比較的低めです。初期設定や導入支援にかかるコストは、基本的なシステムのセットアップや環境整備が含まれ、10万円程度となることが多いです。ただし、既にインターネット環境が揃っていれば初期費用が不要な場合もあります。
クラウド型RPAのライセンス料は定期的に支払うサブスクリプション形式です。一般的には、一人当たり月額5,000円から2万円といった範囲で費用がかかります。料金は利用するボットの数やユーザー数、さらには処理の規模や複雑さに応じて変動するため、企業の利用状況に応じてコストが変わることが特徴です。
最後に運用の際に発生する追加のサポートやトレーニングの費用も考慮する必要があります。
デスクトップ型:50~100万円程度
デスクトップ型RPAツールの導入費用相場は、一般的に50万円から100万円程度です。この費用を初期費用、ランニングコスト、教育費用に分けて考えます。
デスクトップ型RPAはPCごとにライセンスを購入する形式が多いため、初期導入時にライセンス料が発生します。このライセンス料は、通常1台あたり10万円程度で、導入するPCの台数に応じて費用が増加します。
ランニングコストはクラウド型のように月額で継続的に利用料が発生することは少なく、初期費用を支払った後は基本的にそのまま利用することができます。ただし、年次更新の保守契約や、サポートを継続して受けたい場合は、年間数万円程度の費用がかかることが一般的です。
最後にRPAツールを実際に業務に組み込むためのトレーニングや、ユーザーがツールを効率的に活用できるようにするための教育費用が必要です。教育費用は、十数万円程度かかることがあり、場合によっては追加のコンサルティング費用も発生します。
サーバー型:100万~1000万円程度
サーバー型RPAツールの導入費用相場は、一般的に100万円から1000万円程度とされています。この費用は、初期費用、ランニングコスト、外部委託費用にわけて考えられます。
サーバー型RPAは大規模な導入が前提となるため、初期費用が非常に高額になります。サーバーそのものの購入や構築にかかる費用、ネットワークのインフラ整備費用が発生し、その額は100万円以上になります。また、システムの構築や導入支援のためのコンサルティング費用も含まれます。
導入後も継続的に大規模な運用コストや保守コストがかかるのが特徴です。まず、サーバーの維持管理費用が発生します。また、サーバー型RPAでは、企業全体で大規模に運用するために複数のライセンスを必要とする場合が多く、これらのライセンス費用も毎年継続的に発生します。
もし外部に開発を委託する場合には初期費用だけで数百万から数千万円になることが多いです。ベンダーによって提供されるコンサルティングやシステム設計、カスタマイズの度合いによって変動します。
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RPAツール導入費用の内訳
RPAツールの導入にかかる費用の内訳として初期導入費用、ライセンス費用、保守・運用費用があります。初期導入費用は導入時のサポートや機器の購入費用、ライセンス費用はツールを使用するための権利取得のための費用、保守・運用費は安定的な稼働のために必要な費用です。
初期導入費用
RPAツールの「初期導入費用」は、導入時に必要な基本的なサポートや設定費用、専用機器の購入費用などを含むコストです。初期導入費用の目安は10~50万円です。たとえば、ツールの操作方法や事務手続きの説明、必要な各種設定など、導入に関するサポート全般の費用がかかります。
また、RPAの稼働に適したパソコンの購入や、必要に応じて新しいサーバーの構築を行う場合、その購入費用や構築費用も発生します。なお、RPAツールによっては、初期費用がかからない場合もありますが、基本的にはツールの利用開始時にこのような初期費用が必要となることが一般的です。
ライセンス費用
「ライセンス費用」とは、RPAツールを正式に使用するための権利を取得するためのコストで、RPA導入費用の中でも大きな割合を占めることが多い項目です。ライセンス費用は月額制の場合が多く、一カ月あたり5~20万円ほどかかります。
ライセンス費用にもいくつか種類があり、「ユーザーライセンス」は特定の人数分のユーザーに対してライセンスを購入する形態で、小規模導入に適していますが、ユーザー数が増えるほど費用も上がります。また、「ロボットライセンス」は作業を実行するロボット単位で取得する方式で、業務の自動化規模や範囲に応じて必要なライセンス数が変動するため、広範な業務にわたって使用する場合には追加の費用が発生します。
保守・運用費用
「保守・運用費用」は、RPAツールを安定して稼働させ、長期的に利用できるようにするためにかかる継続的な費用です。
保守費用にはツールのシステムアップデートや、定期的なメンテナンス作業が含まれます。これにより、最新の機能やセキュリティ対策が施され、RPAツールが安全かつ効率的に稼働することが確保されます。
運用費用は、日常の管理業務にかかる費用です。たとえば、業務プロセスが変更になった際の設定変更や、新しいタスクの追加に伴う調整が必要になる場合があります。これには専門的な知識が必要なため、外部のコンサルタントや技術者を雇う場合もあり、月150万円ほどの費用が必要となります。
主要なRPAツールの価格比較表
主要なRPAツール11製品の料金と特徴の比較表を掲載します。
製品名 | ライセンス料 | ランニングコスト(年額) | サポート料(月額) | 提供形態 | 特徴 |
UiPath | 要問い合わせ | 30万~ | 要問い合わせ | クラウド型 |
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SynchRoid | 要問い合わせ | 720万円~1,080万円 | 要問い合わせ | クラウド型
デスクトップ型 |
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WinActor | 0円 | 99万6,600円~ | 5万5,000円~33万円 | デスクトップ型 |
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RoboTANGO | 11万 | 66万円~ | 15万円~ | デスクトップ型 |
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Robo-Pat | 0円 | 48万円~144万円 | 0円 | デスクトップ型 |
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ipaSロボ | 要問い合わせ | 39万6,000円~ | 要問い合わせ | デスクトップ型 |
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アシロボ | 20万円 | 60万円~ | 0円 | デスクトップ型 |
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RaQubo | 0円 | 36万円~ | デスクトップ型 |
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BizRobo! | 30万円 | 90万円~720万円 | 要問い合わせ | サーバー型 |
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Blue Prism | 要問い合わせ | 120万円~ | 要問い合わせ | サーバー型 |
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NICE | 要問い合わせ | 39万500円~ | 要問い合わせ | サーバー型 |
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RPAツール全体の費用相場としては、年間100万円ほどとなっています。ライセンス料は年額で設定されていることが多く、1年ごとに更新費用が発生すると想定しておくのがよいでしょう。
主要なRPAツールの機能や料金は、以下の記事で徹底比較しています。ぜひあわせて参考にしてください。
RPAツール導入には補助金が利用できることも
RPAツールを導入する際の費用はどうしても高額になりがちですが、補助金の申請を行うことでコストカットを実現できることがあります。主な補助金はIT導入補助金、ものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金等の3種類です。
IT導入補助金
RPAツールの導入は「IT導入補助金」の対象です。IT導入補助金とは自社の課題やニーズに合ったITツールを導入する際に、費用の一部を補助してもらえる制度です。
通常枠の利用で、補助率は導入費用の1/2以内、最大450万円の補助を受けられる可能性があります。補助金の詳しい条件や申請方法は、公式サイトをチェックしてみましょう。
参考: IT導入補助金2024 |
ものづくり補助金
RPAツールを導入する際には「ものづくり補助金」の使用を検討してみてはいかがでしょうか。中小企業・小規模企業者を対象とした制度で、「経営革新のための設備投資等に使える」補助金です。
補助金の補助率はRPAツールの導入費の1/2もしくは2/3で、補助上限額は100万~3000万円です。この補助金額は従業員数や中小企業か小規模企業(事業)者であるかで変わります。
詳しい内容は、公式サイトで確認してみましょう。
参考: ものづくり補助金総合サイト |
小規模事業者持続化補助金
「小規模事業者持続化補助金」も、RPAツールの導入に使える補助金の一つです。
小規模事業者持続化補助金とは、「小規模企業者が自社の経営を見直して、生産性を高めるための取り組みを支援する制度」のことです。通常枠は補助率は2/3、補助上限額は500,000円です。
補助金を受けられる対象者は以下の通りです。
- 商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く)
常時使用する従業員の数 5人以下 - 宿泊業・娯楽業
常時使用する従業員の数 20人以下 - 製造業その他
常時使用する従業員の数 20人以下
上記のように従業員の数によって申請の資格があるかが変わります。詳しくは公式サイトを確認しましょう。
まとめ
RPAツールについて、導入費用や主要製品の価格、助成金の種類などの観点から解説しました。
導入形態には、クラウド型、デスクトップ型、サーバー型があり、それぞれで費用構造が異なります。初期投資やランニングコスト、そのほかの経費の発生パターンを慎重に比較検討することが重要です。さらに、導入時には各種補助金制度の活用も視野に入れると、コスト面でより有利になる可能性があります。
RPAツールは企業規模や業種、予算にあわせて、さまざまな種類の製品が流通しています。自社にとって使いやすいRPAツールを導入して、業務効率化や働き方改革の実現を目指してみてはいかがでしょうか。
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