PC上の定型業務を自動化するため、さまざまな企業で導入が進むRPAツール。「どのような導入効果を期待できるのだろうか」「デメリットなどの心配はないのだろうか・・・?」とお考えの方もいるかもしれません。
そこで本記事ではRPAツールのメリットを詳しく解説。あわせて導入時の注意点とその対策方法についても紹介します。ぜひ、RPAツール導入を検討する際の参考にしてください。
RPAツールの最大のメリットは自動化による業務効率化
RPAツールとは「Robotic Process Automation」の略で、ソフトウェアロボットを活用して業務プロセスを自動化するツールのことです。
RPAツールの最大のメリットはその自動化によって実現される業務効率化です。
反復的な作業や定型的な業務は従業員にとって時間の無駄と感じることが多く、生産性を低下させる要因になります。しかし、RPAツールはこれらの作業を自動でおこなうため、業務のスピードが飛躍的に向上します。たとえばデータ入力や処理、集計などの事務作業をRPAツールに任せることで時間を大幅に短縮し、人的リソースをより価値の高い業務に充てることができます。
ChatGPTとの違い
最近ではChatGPTのような生成AIも話題になっていますが、RPAツールとは役割や得意分野が異なります。
ChatGPTは大量のデータをもとに柔軟な会話や文章作成を行うのが得意で、問い合わせ対応や文章の要約といった業務をサポートします。一方、RPAツールはあらかじめ決められた手順に従って業務を自動化するため、反復的な作業の効率化に特化しています。
「決められた手順通りに繰り返す業務」にはRPAツールの方が適しているため、業務効率化の観点ではRPAの導入がより直接的な効果を生み出します。
RPAツールのメリット

RPAツールの最大のメリットは自動化による業務効率化でしたが、RPAツールのメリットはそれだけではありません。業務効率化の結果として、副次的にさまざまな良い影響が生まれます。具体的に、業務効率化から生まれるメリットとして以下の5つがあります。
- 人員や工数を減らし、コスト削減につながる
- 人的ミスを防止し、品質を一定に保てる
- 従業員がより重要な業務に専念できる
- 顧客満足度の向上につながる
- 現場の業務フローに合わせたDX推進ができる
これらのメリットについて詳しく解説していきます。
人員や工数を減らし、コスト削減につながる
RPAツールは定型的で繰り返し行われる業務を自動化するため、従来これらの業務に割り当てられていた人員や時間を削減できます。これにより、企業は人員削減や業務の効率化を実現できるだけでなく、業務にかかるコストも削減できます。
さらに、RPAツールは24時間365日稼働するため、休日や深夜の作業も自動で行うことができ、時間外勤務のコストや追加の人件費を削減することができます。
人的ミスを防止し、品質を一定に保てる
RPAツールを活用すれば、ヒューマンエラーを排除することができます。ソフトウェアロボットは事前に設定されたルールにもとづいて動作するため、作業内容にブレが生じません。また、作業スピードや丁寧さに差が生じることもなく、業務品質の均一化にも効果的です。
さらに、RPAツールは一度設定すれば同じ手順を何度も正確に繰り返すことができるため、作業プロセスそのものを標準化する効果もあります。この標準化によって、複数の作業者が関与する業務でも結果に一貫性が生まれ、品質管理がより簡単になります。
従業員がより重要な業務に専念できる
これまで多くの時間を費やしていた定型的で反復的な作業をソフトウェアロボットに任せることで、従業員はその作業から解放され、本来注力すべきコア業務に集中できるようになります。
RPAツールは単に業務の効率化を図るだけでなく、従業員の役割そのものを価値あるものに変えるツールとして機能します。人がおこなうべき業務と機械に任せられる作業を明確に分けることで、労働時間の質が向上し、企業全体が一歩先を行く組織へと進化します。
顧客満足度の向上につながる
顧客満足度の向上につながる理由は、業務のスピードと品質が向上するからです。注文処理や問い合わせ対応など、顧客との接点に関わる業務を自動化すれば、迅速な対応が可能になります。結果、顧客はストレスなくサービスを受けられるため、満足度が高まります。
よって、RPAツールは業務の効率化を進めるだけでなく顧客との接点をより良いものに変え、企業全体のサービス品質を高める重要な役割を果たします。
現場の業務フローに合わせたDX推進ができる
プログラミングなどの専門的なIT知識がなくとも扱えるRPAツール。業務を担当している従業員が自動化に関与しやすく、現場の実情に合ったDX化を推進できるのがRPAツールのメリットです。
RPAツールは操作手順をPC上で録画したり、フローチャート形式で処理手順を並べたりすることで業務を自動化できます。業務フローの変更に伴うメンテナンスなども、現場主導で行いやすいのが便利な点です。
RPAツール導入時の注意点と対策方法

RPAツールの導入には多くのメリットがある一方、以下4つの注意点があります。
- 費用対効果が高いとは限らない
- 誤った業務を繰り返しおこなう可能性がある
- 業務停止のリスクがある
- セキュリティ問題につながる可能性がある
これらの注意点について、対策方法とともに詳しく解説していきます。
費用対効果が高いとは限らない
確かにRPAツールは業務の効率化を進め、長期的に見ればコスト削減を実現する可能性がありますが、初期投資や運用コストが高額になる場合もあります。とくに、中小企業や予算に限りのある企業ではRPAツールの導入に必要な費用が予算に見合わないことがあります。
対策方法
導入前に対象業務の洗い出しを行い、自動化による効率化の見込みを定量的に評価することが重要です。自動化する業務の頻度や時間削減効果を数値化し、自社のニーズに合った適切なツールを選ぶことが大切です。
誤った業務を繰り返しおこなう可能性がある
RPAツールは設定されたプロセスに従って業務を自動化するため、もし最初の設定や入力データに誤りがあった場合、その誤った作業が自動的に繰り返されてしまいます。
対策方法
RPAツールを運用する際には定期的な監視とメンテナンスが必要です。ツールが設定通りに動作しているか、業務の進行状況に問題がないかをチェックし続けることが求められます。監視体制が不十分な場合には誤った業務が放置され、問題が長期間続く恐れがあります。
業務停止のリスクがある
RPAツールは自動化された業務プロセスを効率的に処理するため、システムやツールに依存する形で業務が進行します。そのため、RPAツールに不具合やバグが発生した場合に予期せぬエラーが業務全体に波及し、作業が停止するリスクがあります。
対策方法
RPAツールの導入する際には、事前にリスク管理をしっかりとおこない、業務が停止した場合に備えたバックアッププランや緊急対応策を整えておくことが必要です。
セキュリティ問題につながる可能性がある
セキュリティ管理が不十分だと、情報漏洩などの問題が発生する可能性もあるのもRPAツールの注意点です。たとえばデータベースへのアクセス権限やログインパスワードをRPAツールに与えた場合、設定ミスによって社外に情報が漏れ出ることも危惧されます。
対策方法
対策としてIDやパスワードが含まれる処理を任せる際は、そのままの文字列をRPAツールに入力するのではなく、必ず暗号化するようにしましょう。またセキュリティアップデートをかかさずに行なったり、操作ログを保管したりすることも大切です。
まとめ

RPAツールの導入によって、業務を自動化することによって、人的ミスを減らしたり、従業員は本来注力すべき重要な業務に集中できるようになります。一方で費用対効果が必ずしも高くなかったり、誤った業務を繰り返しおこなってしまう可能性がある点について確認していきました。
RPAツールは企業規模や業種、予算にあわせて、さまざまな種類の製品が流通しています。自社にとって使いやすいRPAツールを導入して、業務効率化や働き方改革の実現を目指してみてはいかがでしょうか。
以下の記事では、おすすめのRPAツールを各製品の特徴や機能で比較しています。ぜひ、あわせて参考にしてください。
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