AIDMAをはじめ消費者の行動をモデリングしたフレームワークが、多く登場してきましたが、その中でも特にAISCEASが有効とされています。AISCEASの意味と使い方を理解し、自社の顧客行動の把握や、マーケティング施策に活用しましょう。
AISCEASとは?
AISCEASは「アイシーズ」「アイセアス」などと呼ばれており、消費者が特定の商品を認知し、購買の意思決定に至るまでの過程を示した、フレームワークの1つです。まずは、それぞれの頭文字が何を意味するのか、基本的なところを理解しておきましょう。
顧客の購買プロセスをモデル化
インターネットが浸透している現代において、消費者の行動プロセスをモデリングしたのが、AISCEASです。
消費者の行動モデルといえば、1920年代から使われているAIDMAが有名ですが、AISCEASはインターネットが世間に定着し始めた、2005年に提唱されました。
いわばAIDMAの進化版であり、インターネットが主要な情報収集手段となった時代における、顧客の購買心理プロセスを説明したものです。
AISCEASの7段階
AISCEASは顧客の行動プロセスを、次の7段階で示しています。
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これら各過程において、積極的に顧客の行動を促す施策を打ち出すことで、成約率やリピート率の向上を実現できます。
顧客の購買行動の変化に対応
AISCEASが登場した背景には、インターネットの定着によって、消費者の購買行動に大きな変化があった点が挙げられます。従来消費者は商品やサービスを認知したら、それが自分にとって必要か、欲しいかどうかを判断するのが一般的でした。
しかしインターネットが定着した昨今、消費者は商品やサービスを認知したら、その時点で購入するか決めるのではなく、まず検索する可能性が高くなっているのです。その商品の評判を確認し、さらに似たような商品を比較検討してから、購入に至ります。
さらに商品の使い勝手を、SNSなどで共有する人が多くなっています。ここまでの流れをモデリングしたのが、AISCEASのフレームワークです。
顧客の購買行動にあわせたマーケティング施策の展開にはMAツールの活用が有効です。次の記事でおすすめ製品を一挙紹介しているので、ぜひ合わせて参考にしてください。
AIDMAやAISASとの比較
次にAIDMAやAISASと、AISCEASの違いを確認しておきましょう。AIDMAもAISASも、消費者の行動をモデリングしたものですが、いずれもインターネットが広く一般生活に定着する以前に、生み出されました。
AIDMAとの違い
AIDMAは1920年代に提唱されたフレームワークで、消費者の意思決定の流れを構造化したひな形の元祖として、広く知られています。
テレビをはじめとした、マスメディアが広まった時代のものですが、いまだに大きな影響力を持っており、消費者行動を考える際に、参考にしている人は少なくありません。
消費者行動を「Attention(認知)」「Interest(興味)」「Desire(欲求)」「Memory(記憶)」「Action(行動)」の、各プロセスで説明するもので、AISCEASでも一部そのまま利用されています。
AISASとの違い
AISASは1990年代に提唱されたフレームワークで、上記のAIDMAにインターネット検索を適用したモデルです。「Attention(認知)」「Interest(興味)」「Search(検索)」「Action(行動)」「Share(共有)」のプロセスで、消費者行動を説明しています。
インターネットを加味したひな形ということで、AISCEASにかなり近くなっており、「Desire(欲求)」と「Memory(記憶)」に代わって、「Search(検索)」「Share(共有)」が加えられています。
これは欲しい商品やサービスに関しては、消費者がパソコンやモバイル機器に、簡単に記録できるようになったためです。
不特定多数の人と、情報を簡単に共有できる社会になったことで、自社の商品を購入した顧客が、さらにほかの消費者に情報を広めてくれる可能性を、考慮した構造になっています。
このように時代の変遷とともに、消費者の意思決定の流れを表すモデルも、進化してきたことが分かります。
AISCEASの活用法
それではAISCEASの活用方法を、簡単に紹介します。自社の顧客の行動プロセスに照らし合わせながら、具体的にイメージしてみると良いでしょう。
顧客の購買フローを俯瞰する
AIDMAやAISASと同様に、消費者の購買フローを俯瞰することで、それぞれの段階にいる相手に対して、どのようなアプローチをするべきか、考えるきっかけにできます。
消費者がどういった背景で自社の商品・サービスを認知したか、さらに購入に至った理由などを調べることで、成約率やリピート率を向上するための、施策を打ち出せるでしょう。
AISCEASを参考に顧客行動を調査することで、無駄な施策を減らして、成約に結び付く行動に、フォーカスできるようになります。
顧客の商品・サービスの比較ポイントを探る
AISCEASはパソコンやモバイル機器を利用しながら、顧客が商品・サービスを比較・検討する際に、注目しているポイントを把握するのにも役立ちます。
例えばBtoCの場合は、どのWebサイトで商品を比較しているのか、何をきっかけに購入を決めたのかを調べると、効果的です。
一方BtoBの場合は、クライアント企業の購入決定権を持つ人物の、意思決定の基準を調べることで、有効な営業方法やクロージングの方法が分かってくるでしょう。
活用方法は企業によってさまざまですが、AISCEASを参考に顧客行動を調べることで、営業やマーケティングの最適化を進められます。業界・業種を問わず、広く活用できるフレームワークといえるでしょう。
AISCEASを活用してリードを効率的に育成する
インターネット時代の消費者行動を表したフレームワークである、「AISCEAS」について解説しました。消費者が企業の商品・サービスを購入するまでの段階を、明確に説明しているので、顧客リサーチのきっかけとして役立ちます。
ますますSNSが重要視される時代になっているので、SNSの中でどのように商品が比較検討され、共有されているのか調べてみると良いでしょう。少し時間をかけて調べるだけで、営業やマーケティングに役立つヒントが、得られるはずです。
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