自分の考えをまとめるのに役立つツールや、フレームワークは多くありますが、その中でも有名なものに、「曼荼羅チャート」があります。紙と筆記用具があれば、誰でも簡単に思考の整理ができるので、この機会に作成方法を覚えておきましょう。
曼荼羅チャートとは?
マンダラチャートやマンダラシート、マンダラートなどと呼ばれるフレームワークは、いずれも仏教の「曼荼羅(まんだら)」に模したシートを使って、具体的な行動や達成のアイデアなどを、明確化していきます。まずは基本的な使い方から、確認していきましょう。
目標達成のフレームワーク
曼荼羅をベースにしたチャートは、もともと1979年に、クローバ経営研究所の松村寧雄氏が「マンダラチャート」を考案、1987年にデザイナーの今泉浩晃氏が、「マンダラート」を考案しました。
現在はマンダラチャートもマンダラートも、曼荼羅を使ったフレームワークとして明確な区別なく用いられるケースが、多くなっています。
紙に「3×3」あるいは「9×9」のマスを作成し、中央に書き込んだ目標を中心として、自分がすべき行動を明らかにしていくのです。
必要な事柄の整理や、「見える化」をするのに便利なフレームワークであり、汎用性が高いので個人の目標達成だけでなく、チームやプロジェクトの目標達成にも活用されています。
大谷翔平選手によって一躍有名に
曼荼羅チャートは考案されてから、30年以上経過しているフレームワークですが、メジャーリーグのロサンゼルスで活躍する大谷翔平選手が、高校時代に自らの目標達成のために作成していたことで、一躍有名になりました。
彼の花巻東高校時代の監督である、佐々木洋氏が教えたのがきっかけで、大谷選手はプロ野球の8球団から、ドラフト1位を受けることを目標とし、曼荼羅チャートを作成していたようです。
現在の彼の活躍を見れば、見事に目標は達成されているといえるでしょう。
曼荼羅チャートの作成法
それでは曼荼羅チャートの、具体的な作り方を解説していきます。誰でも紙と筆記用具があれば作成できるので、実際に自分の目標を書いてみると良いでしょう。
1.「9×9」のマス目を作成し、目標を記載する
まずは紙に「9×9」のマス目を作成し、その中心のマスに自分が最終的に果たしたい目標を記載しましょう。
「3×3」のマス目でも作成できますが、より目標を達成するための行動を明らかにしたい場合は、「9×9」で作成するのがおすすめです。設定する目標は何でも構いませんが、自分の人生にとって、重要な事柄を入れると良いでしょう。
2.周囲のマスに目標達成に必要な要素を書く
マスの中心に最終的に達成したい目標を書き込んだら、その周囲の8マスに、目標を達成するために必要な要素を入れていきます。
例えば大谷選手の場合は、複数の球団からドラフト1位の指名を受けるために、ボールのコントロールやスピードの向上、メンタルの強化、基本となる体づくりなどを書き込んでいたようです。
自分の目標を達成するのに必要な要素なので、時間をかけて何を入れるか考えましょう。重要な要素から順番に書いていくのがポイントです。もし必要な要素が8個以上思い浮かんだ場合は、その中で優先順位を付けて入れていきます。
3.各要素を得るための行動目標を記入する
中心にある「3×3」のマスに、全ての要素を書き込んだら、さらに外側にある「3×3」のマスに、それぞれの要素を達成するための、具体的なアクションを書き込んでいきます。
計8ブロック分残っている「3×3」のマスの中央に、1と2で書き出した各要素を達成するための行動を記入しましょう。
これも大谷選手の例を挙げると、球のコントロールやキレ、スピード(160km/h)、メンタルなどの要素を、外側のマスの中央に書き込みます。
4.各目標の達成に必要な要素を記入する
目標達成のための8つの要素を記入し終えたら、それぞれの要素を身に付けるためのアクションを、3で記入したマスを取り囲んでいる8つのマスに、書き入れていきます。ここでは具体的な行動目標を記入しましょう。
大谷選手の場合は、ボールのコントロールを良くするために、体幹の強化や体の軸をぶらさないこと、ボールを離すポイントの安定などを挙げていたようです。
彼のように、具体的なアクションをイメージできていれば問題ありませんが、できるだけ達成すべき数値や、期日なども決めておくことをおすすめします。
後は完成した曼荼羅チャートに基づいてを、目標達成に向けた行動を開始しましょう。日々の行動(ルーティンワーク)を設定していると、行動を起こしやすくなります。
曼荼羅チャートの利点
曼荼羅チャートを作成するメリットは多くありますが、特に散漫になりやすい思考を整理できる点と、これまで気付かなかったアイデアや発見が、得られる点が挙げられます。
自分の思考を整理できる
曼荼羅チャートを作成すれば、成し遂げたい目標のために必要な事柄を、視覚化して整理できるようになります。
目標達成のために何が必要か明確になり、どのような筋道をたどれば良いか、自分の中で整理できるので、日々の行動を起こしやすくなります。毎日すべき行動が明らかになれば、スケジュールも立てやすくなるでしょう。
ただし曼荼羅チャートを作成しただけで、満足してしまう人も少なくありません。作成したチャートは、日常的に目に入る所に張り付けるなどして、常に意識することが大事です。
新たなアイデアや発見を得られる
目標達成のためにすべき事柄を整理すれば、思考のブラッシュアップに加えて、新たなアイデアを得られる可能性もあります。自分の中で漠然としていた考えが整理され、これまで気づかなかった発想が、得られる場合もあるでしょう。
目標を達成するために、さらに良い方法が思い浮かんだり、効果的なアイデアが出てきたりする場合も珍しくありません。
もしチャートの作成中に良い考えが出てきたら、すぐに反映させてみると良いでしょう。適宜チャートをアップデートすることも大事です。
曼荼羅チャートを作成する際の注意点
曼荼羅チャートを作成する際、注意すべきポイントも解説します。チャートの使い方は人によってさまざまですが、以下の点を意識することで、目標を達成できる可能性が高まります。
目標達成に必要な要素を網羅する
設定した目標を達成するために必要な要素は、時間をかけてじっくりと検討しましょう。必要な要素を、可能な限り網羅することが大事です。抜けや漏れがあると、目標達成が難しくなる可能性があります。
曼荼羅チャートのマス目は、必ず埋めるように指南しているところもありますが、マス目を埋めるのに固執するよりも、目標の達成に確実に必要となる要素を、しっかりと挙げることが大事です。
ただし目標が大きければ、必要な要素も増えるので、ほとんどの場合、全てのマス目が自然に埋まるはずです。
目標達成の期日を決めておく
単に目標を決めて、必要な要素を書き出すだけでは不十分です。
それぞれの要素について、可能な限り期日や数値目標を設定し、どのように達成するか具体的に決めるようにしましょう。スケジュール帳と連動させて、具体的な行動予定を決めてしまうのも有効です。
またマス目に記入した要素の、優先順位も考えましょう。同時にやるべき事柄が多すぎると、集中力を欠いてしまう人も多いはずです。特に優先すべき要素を決めておき、気持ちに余裕を持って取り組む姿勢も重要です。
曼荼羅チャートを使って目標を達成する
個人の目標はもちろん、チームで目標の達成を目指す際にも使われている、曼荼羅チャート(マンダラート)の作成方法を解説しました。曼荼羅チャートは達成したい目標を中心に据え、それに必要な要素を書き出していく、フレームワークです。
目標達成に必要な要素の整理や、行動の優先順位を付けられるだけでなく、新しいアイデアや発想を得るのにも役立ちます。
作成する際には、必要な要素をしっかりと洗い出し、達成の期日を決めておくことが大事です。作成したシートは目に入る場所に貼っておき、常に目標を意識できるようにしておきましょう。
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