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クロスセルとは?事例を交えてわかりやすく解説

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最終更新日: 2024年03月02日

売上アップを目指すうえで有効な手法となる「クロスセル」。しかし「どのような意味かよくわからない…」という方も多いのではないでしょうか。クロスセルの定義や方法について、事例をふまえながらわかりやすく解説します。

クロスセルとは

OJT ビジネス オフィス デスクワーク

クロスセルとは、商品を買おうとしている顧客に対して、別の商品を提案する販売手法のことです。また、顧客が購入を希望する商品と一緒に使える商品をおすすめすることもクロスセルに該当します。

新規顧客の開拓には時間や費用、手間など多くのコストがかかります。しかし、クロスセルで顧客単価を増やすことができれば、顧客数そのものを増やさなくても売上総額が向上します。

このことからも、クロスセルは効率的に売上を伸ばすことができる手法として、ECサイトや営業の現場などさまざまな場面で活用されています。

顧客ニーズに寄り添って「別商品の購入」を促すのがコツ

クロスセルは別商品の購入やセット買いを促しながら、売上を伸ばしていく販売手法です。そして売上を着実に伸ばすためには、顧客ニーズの本質的な理解が欠かせません。

顧客の興味・関心はもちろん、ライフスタイルや趣味・嗜好などから深掘りして「何を実現したいのか?」といった観点からニーズを施策に落とし込むことが大切です。そうすれば、顧客は「自分のことをよく理解してくれている」と考え、新たな提案を受け入れてくれる可能性も高まります。

ECサイトの場合であれば、ユーザーの購入履歴データから関連商品をおすすめ表示するのは、非常に効果的な例だといえるでしょう。また身近なところでいうと、ファーストフードチェーン店のレジで「ドリンクやポテトはご一緒にいかがですか?」と聞かれるのも効果的なクロスセルの例です。

つまり、クロスセルとは顧客との長期的な関係構築や、これまでの販売経験が成果に大きく影響する販売手法だといえるでしょう。

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クロスセルとアップセルの違い

成功したビジネスマン

クロスセルとペアで紹介されることが多い販売方法が「アップセル」です。どちらも顧客単価を上げる販売方法という点では同じですが、内容は少し異なります。ここではクロスセルとの違いや、それぞれの特徴を見ていきましょう。

アップセルの販売方法

アップセルは、顧客が購入しようとしている商品より高価なものをすすめる販売方法です。すすめるのは同じ商品の高級ラインや、グレードが上のものとされています。価格だけでなく、性能の面でもより優れている商品を選ぶのがポイントです。

多少価格は高くなっても「作業の時短につながる」「光熱費が節約できる」といったメリットやおすすめの理由をはっきり説明すれば、顧客は納得して購入しやすくなるでしょう。今使っているものを買い換えようとしているときにも活用できます。

関連記事:アップセルとは?売上アップにつながる方法をわかりやすく解説【企業事例も紹介】|ミツモア

クロスセルとアップセルはアプローチのタイミングが異なる

クロスセルとアップセルは、どちらも顧客の数を増やさずに売り上げアップが見込める販売方法です。

異なる点として、顧客にすすめる商品の種類と、アプローチのタイミングが挙げられます。アップセルは顧客が購入しようとしている商品より高価なものを、クロスセルは商品に関連するものをすすめるのが基本です。

スマートフォンを買おうとしている顧客に上位機種をすすめるのがアップセル、ケースや保護フィルムの合わせ買いを促すのがクロスセルと考えると分かりやすいでしょう。

またアップセルは顧客が購入を検討しているときに提案するのが一般的ですが、クロスセルは購入することを決めている顧客に対して行います。

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クロスセルで得られるメリット4つ

ビジネスネットワーク

クロスセルは一言でいうと「顧客に合わせ買いをすすめる」ことです。売り手側は、クロスセルの実践によって、売り上げアップなどさまざまなメリットが期待できます。どのような効果があるのか、主なものを4つ紹介します。

1人当たりの購入金額アップが期待できる

売り上げ額とは「顧客数×顧客単価」です。売り上げを増やすには、顧客数か顧客単価のどちらか、または両方を増やす必要があります。クロスセルはこのうち顧客単価の増加を目標とする販売方法です。

顧客は周辺機器やお手入れグッズなど、自分が買おうとしているものの関連商品があると分かれば、合わせて購入する可能性が高まるでしょう。関連商品を単品販売するより売れやすくなるというメリットもあります。つまり顧客1人当たりの購入金額アップが期待できるのです。

顧客を新しく獲得する必要がない

新たな顧客を獲得するには、既存の顧客を維持するよりコストがかかるとされています。ある程度成熟した市場の場合は、参入しても新規開拓がそもそも難しいこともあるでしょう。

クロスセルを上手に活用すれば、顧客1人当たりの購入金額を増やすことで、新たに顧客を増やさなくても売り上げアップが見込めます。そのためには顧客のニーズや購入傾向を把握して、既存顧客の満足度を高めることが不可欠です。購入金額に応じたポイント還元率のアップなどのサービスも有効でしょう。

リピート購入につながる可能性がある

以前訪れた店で、自分のことを覚えていてくれて、過去に購入した商品に合うものをすすめてもらえれば、誰でも悪い気はしないでしょう。探す手間が省けるだけでなく、自分が特別な存在になれたような気がして、店を好意的に評価したくなるはずです。

的確なクロスセルは、顧客の満足度や信頼度を高めるのに効果的です。顧客単価のアップや継続的な購入が期待できるでしょう。くわえて、それまで利用していた他の店やショッピングサイトから乗り換えて、新たな顧客になってくれる可能性もあります。

認知度や印象アップを高める

誰もが経験したことや感じたことを発信できる現代では、クロスセルが既存の顧客や潜在客(顧客になる可能性のある客)とのコミュニケーションや信頼関係を築くきっかけになり得ます。

すすめられて購入した商品が好みに合ったり、対応に満足したりすれば、顧客がレビューやSNSに書き込んでくれることも考えられるでしょう。好意的な内容の発信は、プラスの口コミとなってイメージアップにつながります。見た人が興味や好印象を持ち、将来の顧客候補になってくれるかもしれません。

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クロスセルの具体的な事例3つ

ビジネスと成長

クロスセルは単なる販売方法ではありません。適切に活用すれば、売り上げアップや顧客獲得につながる戦略の1つです。どのように展開するのが有効なのか、具体的な事例を紹介します。

合わせ買いを提案する

クロスセルの事例としてまず挙げられるのが、合わせ買いの提案です。売る側は顧客単価がアップし、顧客側は後からあれこれそろえる手間が省けるため、双方にメリットのある販売方法といえます。

クロスセルは、顧客が購入を検討している商品の関連商品をすすめるのが基本です。消耗品のようにすぐに使うものやなくなるもの、お手入れ用品など今後必要になりそうなものを提案するとスムーズでしょう。ショッピングサイトのレコメンド機能のように、顧客が以前に購入した商品にクロスセルを提案するのも有効です。

「ついで買い」を促す

クロスセルのもう1つのポイントは、すすめる関連商品をメインの商品より安いものにすることです。

人間の心理として、一度「買う」と決めた後は購入に対するハードルが低くなります。購入を決めたタイミングで関連商品をすすめられると、実際より安く感じられ「ついでに買っておこう」という気持ちになりやすいのです。

スーパーやコンビニのレジ近くにある商品がその典型です。ガムやアメ、乾電池などの「買い忘れがちなもの」や「いずれ使いそうなもの」があるのは、こうした心理を利用してついで買いを促すクロスセルの一種といえます。

定期的なメールやDMを活用する

顧客に定期メールやDMを送るのもクロスセルの手法の1つです。購入や閲覧履歴・傾向に合わせて商品をすすめたり、リピート購入を促したりするのが一般的です。ワンクリックで購入ページが開けるなど、導線を作っておくと顧客が買いやすくなります。

購入商品を送るときに、関連商品の案内やサンプルを同梱するのも効果的です。購入した商品と一緒に使うことで、より便利に使えるなどのメリットを紹介するとよいでしょう。

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クロスセルの手法を知ろう

DXによるビジネスイノベーション

クロスセルは不特定多数ではなく、購入履歴のある顧客に対して行う販売方法です。仕組みが分かったところで、どのようにすれば効果が期待できるのか、実践するための手法も知っておきましょう。

顧客情報を集める

クロスセルを実践するためにまず必要なのが、顧客情報を集めて整理することです。

  • 顧客の購入履歴
  • 商品の閲覧履歴
  • 属性(年代や性別、職業、家族構成など)

これらの基本情報に加えて、興味のある分野、購入先として自社・自社のサイトを選んだ理由、満足度などをアンケートで集めましょう。自社への問い合わせ履歴があれば、内容をチェックしておくことも重要です。

また自社サイトへのアクセス履歴も情報の1つ。よくアクセスや購入をしている曜日や時間帯に合わせてレコメンドメールを送ると、顧客の反応が変わることがあるためです。

顧客のニーズを探る

次に収集・整理した顧客情報を基に、顧客のニーズや購買傾向を探ります。顧客がどんな商品をよく購入しているか、興味を持っているかを分析して、クロスセルできる可能性のある関連商品をピックアップするのです。

ただしクロスセルを行うのは自社に対する満足度が高く、複数回の購入歴のある顧客に限られます。満足度が低い場合や、一回しか購入したことのない顧客に対してすすめると、強要されていると受け止められかねないからです。

分析結果を基に商品をすすめる

分析結果から顧客にどんな商品をすすめるかを決めたら、適切なタイミングで実践していきます。顧客に適したアクションでないと成果につながりにくいため、タイミングを見極めることが重要です。

本来の目的の商品より高価なものは、顧客に受け入れられないことが多いので、価格にも注意しましょう。クロスセルですすめる商品は、メインの商品や顧客がすでに購入した商品よりも安価なものにするのが基本です。

クロスセルの実践後は、成果の振り返りが欠かせません。うまくいかなかった場合は問題点を改善して、再度クロスセルを行いましょう。

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クロスセルの注意点

ノートパソコンを使うビジネスマン

売り上げが増え、顧客も満足してくれるとなれば、クロスセルはいいことずくめの販売方法に見えるかもしれません。しかしそれはうまくいった場合の話です。成果につながるよう、実践するときに注意すべき点も知っておきましょう。

メリットをしっかり説明する

クロスセルは顧客に満足してもらうことを第一に考えて実践しましょう。売り上げアップは重要ですが、顧客の気持ちを無視して、やみくもに商品をすすめるのは、不満や不信感につながる恐れがあるためです。

おすすめ商品を納得して購入してもらうには、どのようなメリットが得られるのかをしっかり説明する必要があります。割引やサイズアップのように、合わせて購入することでお得になったり、使いやすくなったりするなど、顧客が気付きにくい価値を提供すれば、自社に対する満足度や信頼感が高まるはずです。

関係のない商品をすすめない

クロスセルは有益な販売方法の1つですが、やり方を間違えると顧客が離れる原因になりかねません。売り上げアップだけを考えて、メインの商品と関係のないものや、関連商品だからと過剰な量をクロスセルすると、顧客から反発される可能性もあります。

クロスセルを実践するときは、商品だけでなく、顧客へのより高い価値提供を忘れないようにしましょう。顧客が「またここで購入しよう」と思ってくれるような販売体制や対応をすることが大切です。

タイミングを見極める

クロスセルはタイミングが重要で、早過ぎても遅すぎても効果が期待できません。顧客が購入するかどうかを迷っている段階で関連商品をすすめると、迷いや不信感を招いてしまい、購入そのものをやめてしまう可能性があります。

基本的には「顧客がメイン商品の購入を決めたとき」に行うのがよいとされています。緊張が緩んで、関連商品の提案も受け入れやすい心理状態になっているためです。

定期購入の顧客なら、ある程度継続しているところで同梱物やDMでクロスセルを行うことをおすすめします。「続けて購入している=すでに信頼関係ができている」と考えられるからです。

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クロスセルを活用して売上アップの実現を

ビジネスウーマン、オフィス

クロスセルは売り上げアップを目指す販売方法の1つです。関連商品をすすめることで、顧客1人当たりの購入金額を上げることを目的としています。顧客を増やさずに売り上げ増が見込めるため、売る側としては積極的に取り組むべきでしょう。

クロスセルを実践して効果を得るには、顧客の満足度と自社に対する信頼度を高めなくてはなりません。売り上げだけでなく、顧客により高い価値を提供することを念頭に置いて、クロスセルを活用しましょう。

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