CMSならWebページを逐一更新することなく、システム上でまとめて更新作業やレイアウトの変更が可能です。CMSの構築手順やチェックしておきたいポイントなどをわかりやすく解説します。
CMSの構築手順
CMSの構築は次の手順に沿って行います。
- 要件定義
- Webサイトの設計
- デザインの決定
- CMSの導入
- 運用テスト
要件定義
まずは構築するWebサイトの要件定義を行いましょう。要件定義とは、サイト全体の方向性や予算などを決めることです。
目的や予算を決めて、その範囲内で必要なコンテンツや機能を洗い出し、完成後に機能の不足が発覚したり、予算オーバーになってしまったりしないように計画します。それから自社に合ったCMSの選定を行います。
Webサイトの設計
定義した要件のもとでサイトの設計を行っていきます。サイト全体の構成を考え、必要なコンテンツをページのどの部分に配置するかなど、細かいレイアウトも決めましょう。
また、更新作業に利用する管理画面の設計も行わなければいけません。CMSの多くはユーザー側で管理画面の設定ができるようになっているので、ITリテラシーの低い人でも、問題なく使いこなせるような管理画面にすることが重要です。
それに加えて、Webサイトのコンテンツやアップロードするデータを分類するためのディレクトリの設計も行います。
デザインの決定
Webサイトの設計を行ったら、サイト全体のデザインを決めます。CMSのデザインはテンプレート化されているので、コンセプトやイメージにあったものを選択しましょう。全体のデザインを決めたら、テキストのフォントや使用するアイコンなどを決めていきます。
細かい部分まで気を配れるかどうかが、ページの見栄えを決めるといっても過言ではありません。デザインの善し悪しが、訪問者の滞在率やアクセス数にもつながるので、慎重に決める必要があります。
CMSの導入
デザインが決まったら、いよいよCMSを導入します。
ゼロからシステムを組み込むのは時間がかかりますが、ほとんどの場合、ベンダーが提供しているパッケージを利用するはずです。
CMSを組み込んだら、Webページの更新や追加などの作業を行う管理画面と、訪問者がWebページにアクセスした際に見ることになる公開画面の開発を行います。
運用テスト
管理画面や公開画面の開発が終わったら、実際にWebページをアップロードして運用テストを行います。
スムーズにページの追加や更新ができるか、公開されたWebサイトに問題はないかなどを確認し、システムのバグや操作上の問題などがないかもチェックしてください。
機能な不十分な場合は拡張を行い、公開したページの効果測定も行いましょう。初めから完璧な運用ができるわけではないので、必要に応じて調整を続けることが大事です。
CMS構築前のチェックポイント
CMSの構築手順を確認したところで、実際に運用する際に注意すべきポイントを説明します。細かい注意点はさまざまありますが、自社に合った運用体制を整えることと、サーバー選びがポイントです。
運用体制は問題ないか?
企業がCMSを導入する場合、複数人で運用するケースが多いはずです。それぞれの役割を明らかにしておき、一定のルールに従ってサイト管理をする必要があります。
特定の社員に負担が掛かったり、ほかの仕事の事情でコンテンツの作成やページの更新作業が滞ったりしないように、運用体制に問題がないか事前に確認しておきましょう。役割分担が曖昧だと、問題が起こった際の責任の所在がわからなくなる可能性があります。
どのサーバーを選ぶか?
たとえ高機能なCMSを導入しても、サーバーの選択を間違えてしまうと、性能を充分に活かせなくなってしまいます。特に、自社でサーバーを準備する場合には、システムの動作条件を満たしているか、将来的に機能を拡張する場合に、問題が起こらないかを確認するようにしましょう。
Webページの量が多くなり、数多くの訪問者を集められるようになると、それだけサーバーに負荷がかかるので、アクセスが集中した際にも、問題なく動作するサーバーを選択する必要があります。
CMSの構築にかかる費用
最後に、CMSの構築にかかる費用について簡単に解説します。CMSはWebサイトの運用コストを抑えられるのがメリットですが、それでも相応の費用はかかってきます。自社にとって、最も費用対効果の大きい方法を選択することが重要です。
CMS構築の費用相場
基本無料で利用できるオープンソース型のCMSは多いですが、自社に専門知識を有するスタッフがいない場合、ベンダーの提供する有償の製品を利用するか、制作会社にWebサイトの制作を依頼するケースが多いでしょう。
有償のCMSは、クラウド型ならば月額5,000円程度から利用できるものが多いですが、自社で本格的に運用するオンプレミス型の場合、100万円近くの導入費用になるケースも珍しくないようです。
さらに制作会社にCMSの構築を依頼する場合、簡単な集客用サイトでも20万円以上の費用がかかるのが一般的です。本格的なコーポレートサイトや採用サイトなどの場合、100万円を超える場合も少なくありません。
独自にCMSを開発する場合
あるいは、既存のCMSパッケージを利用するのではなく、独自のCMSを開発したい企業も多いはずです。自社開発の場合はライセンス費用をはじめ対外的な費用は発生しませんが、制作会社に開発を依頼する場合は、小規模なものでも100万~200万円程度はかかるでしょう。
パッケージと独自開発のいずれを選ぶにせよ、自社にとって最も費用対効果の大きい方法を選択することが重要です。
持っと詳しく費用感について知りたい方は、下記記事にて紹介していますのでご覧ください。
CMSを構築するメリット
CMSの基本を押さえたところで、Webサイトの制作にCMSを導入するメリットを確認しておきましょう。従来のWeb制作法に比べて多くのメリットがあるため、HTMLやCSSを使ってサイトを制作していた人であっても、現在はCMSを使っているケースは少なくありません。
誰でも簡単にWebサイトを管理できる
上述のように、専門知識を有していなくてもWebサイトの構築・管理ができるのがCMSの最大のメリットです。
CMSを利用していない場合、更新作業はHTMLやCSSなどの記述を直接編集する必要があります。例えば、ページ内の一文を変更するだけでも、HTMLの基本的な知識がなければ、どの部分を変更すればよいのかわかりません。
一方、CMSを導入している場合、管理画面上でテキストデータを編集すればよいので、専門知識がなくても直感的な操作で更新作業ができます。効率的かつスムーズにページの追加や編集ができるので、特にリアルタイムでの情報発信が必要なサイトに適しています。
低コストで運用・メンテナンスが可能
現場の担当者だけでWebページの更新が可能なので、Web管理に必要なコストを大幅に削減できます。専門知識を有する人材を雇ったり、外注したりする必要がなくなるので、特に人件費の削減効果は大きいといえるでしょう。Webサイトをリニューアルする場合や、定期的な保守・メンテナンスに付随するコストも抑えられます。
デザインに一貫性が出る
CMSでは、基本的にデザインテンプレートを利用するため、サイト全体のデザインに統一感を持たせることが可能です。
ページ内のヘッダーやナビゲーションなどのデザインが共通化されており、管理画面上でまとめてカスタマイズができるので、ページごとにデザインやナビゲーションの位置などが変わってしまうことはありません。
さらに、従来は手作業で行っていたリンク設定も、CMSでは自動で登録作業が行われるため、リンク切れを起こして検索エンジンからの評価が下がる事態も避けられます。
分業体制が確立できる
チームで分担して作業できるのもCMSの強みです。トップページを含めて、全体で10ページにも満たないような小規模サイトであれば、担当者が一人で管理するのは難しくないでしょう。しかし、数十ページ、場合によっては数百ページにもなる大規模なWebサイトの場合、限られた担当者のみでの作業は効率的ではありません。
CMSを導入すれば、チームで役割分担をして作業を進められるので、コンテンツの作成や編集、更新などを一貫して行うよりも、作業効率が大幅に向上します。Web担当者の負担を軽減でき、作業ミスの防止にもつながります。
SEO対策がスムーズに
CMSで制作したWebサイトは、SEOに強いのが特徴です。サイト全体が検索エンジンに評価されやすい構造になっているので、検索結果で上位表示がされやすくなります。
従来は、Web制作者のSEOに関する知識やスキルによって、検索エンジンからの評価が変わっていましたが、CMSを利用すれば、専門知識がなくても検索エンジンから評価されやすいサイト運用が可能になります。
CMSのデメリット
CMSの導入によって、さまざまなメリットを得られますが、以下のようなデメリットもあるので注意が必要です。メリットとデメリットを比較した上で、自社に導入すべきか検討しましょう。
デザインのバリエーションが少ない
テンプレートを利用してデザインやレイアウトを決定する性質上、CMSはゼロから自社でWeb開発を行うのに比べて、どうしてもデザインの幅は狭くなってしまいます。
ほかとは一線を画した斬新なWebサイトを構築したい場合でも、テンプレートのバリエーションが少なければ、同じようなデザインのサイトになってしまうでしょう。デザイン性の違うサイトの構築はCMSの苦手とするところです。特設サイトや限定公開サイトなどは、Web制作会社に外注した方がよい場合もあります。
操作を覚える必要がある
CMSは専門知識のない人でも、簡単にWebサイトの管理ができるシステムですが、それでも初めに基本的な操作を覚える必要があります。
直感的なインターフェースで使いやすいシステムが多いものの、操作に慣れるまでには、ある程度の時間を要するでしょう。チームでCMSを運用する場合は、メンバー全員が使い方を学習しなければいけません。
ただし、ほかの業務管理システムに比べると、習得に時間はかからないはずです。日頃、パソコンでデスクワークをこなしている人ならば、問題なく操作できるようになります。
セキュリティに気を遣う
CMSは、大きくわけて自社のサーバーにシステムをインストールして利用するオンプレミス型と、ベンダーの提供するサーバー上にシステムを構築し、インターネット回線を通じて利用するクラウド型の2種類があります。
従来はオンプレミス型が主流でしたが、近年は使い勝手とコストパフォーマンスのよさから、クラウド型の利用が広がっています。
クラウド型は多くのメリットがあるものの、インターネット回線を介するため、不正アクセスやサイバー攻撃などのセキュリティリスクと無縁ではいられません。特にオープンソースのCMSを主たるターゲットとしたサイバー攻撃も散見されるため、導入するシステムのセキュリティ対策は必ずチェックする必要があります。
CMSの導入に適したWebサイトは?
それでは、CMSの導入に適しているのは、どういうWebサイトでしょうか?基本的にどういったサイトでも構築可能ではありますが、場合によってはCMSを利用しないほうがよい場合もあるので注意しましょう。
CMSに適したWebサイト
CMSの導入が向いているWebサイトの特徴としては、次の点があげられます。
- 全体のページ数が多い
- 頻繁に更新が必要
- 鮮度の高い情報を発信しなければならない
- 複数人での更新作業が求められる
全体のページ数が多く、少人数では更新作業に時間がかかりすぎるWebサイトや、プレスリリースなど、リアルタイムに情報を発信しなければならないサイトなどは、チームで更新作業を進められるCMSの導入が向いているでしょう。
CMSには適さないWebサイト
逆に、CMSの利用にはむかないWebサイトの特徴としては、次の点があげられます。
- 全体のページ数が少ない
- 更新の頻度が低い
- 斬新なデザインやレイアウトが求められる
- 高度なセキュリティ対策を構築する必要がある
全体のページ数が少なかったり、更新頻度が著しく低かったりするWebサイトは、CMSで運用しても問題はありませんが、自社でゼロから作成するほうが低コストで運用できる可能性があります。
また、斬新なデザインが求められるものや、高いセキュリティレベルが必要なサイトの場合、CMSの機能では実現できないケースもあるので、専門業者に外注した方が良いケースは少なくないでしょう。目的や状況に応じて、適切な運用方法を選択する必要があります。
CMSのメリットと構築手順を理解する
CMSはWebサイトを効率的に管理するためのシステムで、簡単かつスムーズにサイトの管理や更新ができます。具体的な構築手順は、要件定義から始まり、設計、デザイン、運用テストの流れになるのが一般的です。
自社の環境や予算を考えたうえで、最適なCMSの構築方法を選択しましょう。運用体制の整備やサーバー選びも重要です。
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CMSと一言で言っても、自社に合わせて細かくカスタマイズできるタイプ、大企業向け、ぺージ公開の承認機能を備えたタイプなど製品によって特徴はさまざまです。
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