CMS(Contents Management System)とはWebサイトを効率的に管理できるシステムのことです。HTMLやCSSなどのプログラミングの知識がなくても、簡単にWebページの構築や運用、追加・更新作業ができます。
無料で利用できるものも多く、さまざまなサービスがリリースされているので、どれを選択すればよいのか迷う人もいるのではないでしょうか?そこで無料で使えるおすすめのCMSを紹介するとともに、選ぶ際のポイントも解説します。
無料のおすすめCMS14選【特徴や機能で徹底比較】
無料で使えるおすすめのCMSを一挙14製品紹介します。
「ホームページを作成してお問い合わせ窓口を作りたい」「ECサイトを作成して商品を販売したい」など、CMSを導入する目的はさまざま。製品スペックやおすすめの使い方を比較して、あなたにぴったりのCMSを見つけましょう。
CMS選びなら、ぜひミツモアをご利用ください。欲しい機能などの各項目を画面上で選択するだけで、ぴったりの製品を最短1分で自動診断。理想のCMSが見つかります。 |
世界的シェア率も圧倒的「WordPress」
WordPress(ワードプレス)は世界で最も有名なCMSといっても過言ではありません。現在8,700万以上のWebサイトがWordPressで制作されているといわれており、あらゆるビジネス規模のコーポレートサイトやブログサイト、オウンドメディアなどに対応できます。
豊富なテンプレートが特徴で、HTMLやCSS、プログラミングの知識があれば、無料でもスタイリッシュで機能性の高いWebサイトを作り込むことが可能です。コストをかけずに高品質なWebサイトを構築したい企業におすすめできます。
ただしデータ抽出やツール連携、セキュリティ対策を行いたい場合は拡張機能(プラグイン)の導入が必要です。
型 | オープンソース |
仕組み | 動的 |
国産 | ✖ |
データ抽出 | プラグインの導入が必要 |
連携ツール | プラグインの導入が必要 |
セキュリティ | プラグインの導入が必要 |
適したサイト | コーポレートサイト、プロダクトサイト、ECサイト、ブログ 等 |
カスタマイズ性の高い国産CMS!「baser CMS」
baser CMS(ベイサーシーエムエス)は無料で利用できるオープンソース型の国産CMSです。直感的な操作性と高いカスタマイズ性、安全性が魅力。さまざまなサーバーに対応しており、インストールも簡単です。
固定ページやブログ、フォームをまとめて管理できることに加え、拡張機能が既についているのでメールフォーム等も利用できます。
カスタマイズ性が高いため公式ガイドでの学習が必要ですが、コードをシェアするフォーラムや勉強会といったユーザー同士のコミュニティが充実しているので初心者でも使いやすいでしょう。
型 | オープンソース |
仕組み | 動的(プラグインで静的ページを出力可能) |
国産 | 〇 |
データ抽出 | CSV形式で可 |
連携ツール | GoogleMaps、EC-CUBE 等 |
セキュリティ | 常時SSL(通信の暗号)化、スパム対策、サイトへのアクセス制限 |
適したサイト | コーポレートサイト、ECサイト、ブログ 等 |
大規模サイトに「Joomla!」
Joomla!(ジュームラ)は海外でさまざまな受賞歴を持つオープンソースのCMSです。中大規模のWebサイトの構築・運営に適しており、世界中の企業はもちろん、多くの政府関連サイトがJoomla!を用いて制作されています。
デザイン性とカスタマイズ性の高さに定評があり、8000種類を超える拡張機能を利用可能。他のCMSに比べて、Webサイトのメニュー作成や追加が簡単に行えるのが特徴です。
「J2XML」という拡張機能をダウンロードすれば記事やカテゴリー、ユーザーなどのデータをXML形式で抽出できます。またセキュリティ面でも常時Joomla!を最新バージョンにアップデートしていれば心配なく使えるようです。
型 | オープンソース |
仕組み | 動的 |
国産 | ✖ |
データ抽出 | 「J2XML」よりXML形式で可能 |
連携ツール | なし |
セキュリティ | アップデートで対応 |
適したサイト | コーポレートサイト、プロダクトサイト、ECサイト、ブログ 等 |
やや専門的だが操作性抜群「Drupal」
Drupal(ドルーパル)は世界中の大規模サイトや政府機関、NGOなどに利用されているオープンソースのCMSです。PHPで記述されているのが特徴。やや専門性は高いものの操作性が抜群で、拡張性の高さが評価されています。
企業のコーポレートサイトや会員制サイト、SNSなど、さまざまなWebメディアを構築でき、大量のコンテンツを効率的に一元管理できます。特に大規模組織でガバナンスを維持しながら、大量のコンテンツを運用したい場合におすすめです。
型 | オープンソース |
仕組み | 動的(静的に変換可能) |
国産 | ✖ |
データ抽出 | APIを通じて可能 |
連携ツール | Facebook、MAツール 等 |
セキュリティ | セキュリティ専門チームが常時監視 |
適したサイト | コーポレートサイト、プロダクトサイト、ECサイト、ポータルサイト 等 |
ECサイトを作りたいなら「EC-CUBE」
EC-CUBE(イーシーキューブ)はECサイト作りに強みのある国産CMSです。メンテナンスフリーのクラウド版とサーバーに無料インストールできるダウンロード版があり、ダウンロード版が無料で使えます。
特徴は800種以上もある拡張機能(プラグイン)。SNS連携やポイント機能、定期購入対応など、提供したいサービスに合わせて自社サイトを工夫できます。必要な機能だけをいつでも付け加えられるので、運営に慣れてきたら徐々に増やすといった対応も可能でしょう。
型 | オープンソース |
仕組み | 動的(静的に変換可能) |
国産 | 〇 |
データ抽出 | CSV形式で可 |
連携ツール | X(旧Twitter )等 |
セキュリティ | 常時SSL対応、スパム対策あり |
適したサイト | ECサイト 等 |
継続的な改善に強く売上アップも狙える「SOY CMS」
SOY CMS(ソイシーエムエス)は中~大規模なコンテンツを運用するWeb制作会社向けの国産CMSです。Webサイトの運用で継続的に利益を上げるため、サイトが容易に改善できるようになっています。
特に表示の設定が自由に行えるので、複数のブログ上のコンテンツを横断状に検索したい場合やコンテンツ種別を将来的にも増やしたい場合に適しています。
またFacebookやX(旧Twitter)との連携も可能です。ソーシャルメディアに紐づけてサイトを運営したい場合もSOY CMSがぴったりでしょう。
型 | オープンソース |
仕組み | 動的 |
国産 | 〇 |
データ抽出 | CSV形式で可 |
連携ツール | Google Analytics、Dreamweaver、Facebook、X(旧Twitter) |
セキュリティ | 常時SSL対応 |
適したサイト | ECサイト、ブログ 等 |
直感的に操作可能!「concrete5」
concrete5(コンクリートファイブ)は使いやすさとカスタマイズ性という両方のニーズを満たせるよう作られたアメリカ初のCMSです。2008年に制作されて以来、依頼をもとに大小様々な企業ニーズを捉えた開発が続けられています。
オープンソース型で世界中に利用者がいるため、バクや脆弱性の修正、機能改善が活発かつ迅速に行われているのが特徴です。プログラミングの知識がない人でも安心して使えるよう工夫されています。
キャンペーンなどで期間限定のページを作成するなど、変わった動作にも対応してくれます。更新頻度が高いコンテンツの運用に向いていると言えるでしょう。
型 | オープンソース |
仕組み | 動的 |
国産 | ✖ |
データ抽出 | CSV形式で可 |
連携ツール | Google Analytics、GoogleMaps |
セキュリティ | 常時SSL対応、パスワードの暗号化、IPアドレスブロック |
適したサイト | コーポレートサイト、プロダクトサイト、ECサイト、ブログ 等 |
セキュリティ重視「Geeklog」
Geeklog(ギークログ)はセキュリティ面を重視して作られた海外CMSです。迅速なセキュリティリリースが特徴で、重要ソースも全て非公開領域に位置付けられています。ソースが全て公開されてしまっているオープンソース型の利用が不安な方にもおすすめです。
またGeeklogはPHP・MySQLで動作するCMSで、ブログ制作から高機能なポータルサイトにまで利用できる高い汎用性を誇ります。慣れてきたら少しずついろんな機能に挑戦していきたい場合にも適しているでしょう。
型 | オープンソース |
仕組み | 動的 |
国産 | ✖ |
データ抽出 | CSV形式、XML形式で可 |
連携ツール | GoogleMaps、Facebook |
セキュリティ | 常時常時SSL対応、 スパム対策、 パスワードの暗号化、 アクセス制限 等 |
適したサイト | コーポレートサイト、プロダクトサイト、ブログ 等 |
コミュニティ作りに最適「OpenPNE」
OpenPNE(オープンピーネ)はファンサイトやサークルなど、3万以上のコミュニティが利用する国産CMSです。地域やサークルのコミュニケーションツール、会社のグループウェアなど、ネット上でのコミュニティ活動をサポートするために開発されました。
コミュニケーションツールとして便利な日記やメッセージ、フレンドリンクといった機能が揃っています。組織内でコミュニケーションを取りたい場合のみならず、同じ趣味の人と集まりたい場合にも便利でしょう。
型 | オープンソース |
仕組み | 動的 |
国産 | 〇 |
データ抽出 | CSV形式で可 |
連携ツール | OpenID、MasterSlavePNE 等 |
セキュリティ | 常時SSL対応、データベースの暗号化 |
適したサイト | ブログ 等 |
ECサイト向け「Zen Cart」
Zen Cartはアメリカのベンチャー企業が開発・提供を行っているオープンソースCMSで、オンラインショップの構築に役立つプログラムです。誰でも無料でダウンロード可能で、コードの改編や再配布も自由に行えます。
ECサイトに必要なマーケティングに関する機能が多く実装されており、プログラムとデザインのバランスが取れているシステムと言えるでしょう。
型 | オープンソース |
仕組み | 動的 |
国産 | ✖ |
データ抽出 | 「J2XML」よりXML形式で可能 |
連携ツール | なし |
セキュリティ | PCI-DSS準拠のセキュリティレベル |
適したサイト | ECサイト 等 |
最小コストでECサイトを運用できる「osCommerce」
osCommerce(オーエスコマース)はドイツ発の無料で使えるオープンソースのCMSで、ECサイトのセットアップと運用、メンテナンスが最小限のコストと労力で実現できます。ソースコードが公開されているので、自社にプログラミングの知識を有する人材がいれば環境に合わせて自由にカスタマイズ可能です。
デフォルトの機能だけでECサイトをスタートでき、さらに9000を超えるアドオン(拡張機能)も無料で導入できます。また公式サイトのフォーラムでは30万人以上のユーザーが情報交換を行っています。基本機能やカスタマイズについて分からない点があれば、積極的に質問するとよいでしょう。
型 | オープンソース |
仕組み | 動的 |
国産 | ✖ |
データ抽出 | – |
連携ツール | – |
セキュリティ | – |
適したサイト | ECサイト 等 |
AIがHP作成をサポート「Jimdo」
Jimdo(ジンドゥー)は世界で200万以上のユーザーが利用しているクラウド型のCMSです。Webサイトの作成・運用のためのアドバイス機能が実装されているのが特徴のひとつ。登録時に案内されるいくつかの質問に回答するだけで、AI(人工知能)がユーザーの目的に合わせてWebページを作成してくれます。
誰でも数分でWebページを作成できるので、企業はもちろん、初めてWebサイトを作る個人事業主などにおすすめです。またサイト解析機能も実装されており、作成したページの内容を分析して、不足している情報や設定項目をタスク化できますよ。
型 | クラウド |
仕組み | 動的 |
国産 | ✖ |
データ抽出 | なし(有料版はCSV形式で可) |
連携ツール | Google Analytics、Facebook、Instagram、 X(旧Twitter) 、PayPal 等 |
セキュリティ | 常時SSL対応 |
適したサイト | ブログ 等 |
作成レベルが選べる「Wix」
Wix(ウィックス)は全世界で190カ国以上、1億6000万人以上のユーザーを誇るクラウド型のCMSです。HTMLやCSSの知識がなくても、CMS上に用意されているコンテンツを選択するだけでWebページを作成できます。レイアウトもドラッグ&ドロップで動かすだけなので、直感的な操作のみでWebサイトに必要な要素を網羅できるのが特徴です。
有料プランもありますが、無料でも豊富なテンプレートからデザインを選択でき、動きのあるWebページが作成できるので、まずは使い勝手を確かめてみるとよいでしょう。
型 | クラウド |
仕組み | 静的 |
国産 | ✖ |
データ抽出 | CSV形式で可 |
連携ツール | Facebook、X(旧Twitter)、Instagram 等 |
セキュリティ | 常時SSL対応、年中無休でモニタリング |
適したサイト | ECサイト、ブログ 等 |
アメブロでおなじみ「Ameba Ownd」
Ameba Owndはアメブロの運営会社として知られる、サイバー・エージェントが提供しているクラウド型のCMSです。
スタイリッシュで使いやすいWebページやブログが簡単に作成でき、無料版でも独自ドメインが設定できます。スマートフォンからの記事投稿や編集も可能で、Webサイトの商用利用も認められているため、ECサイトとしての運用も無料です。
ただし無料プランは10ページまでのページ数制限があるため、大規模なサイトを構築したい場合は年額9,600円からの有料プランを利用しましょう。
型 | クラウド |
仕組み | 静的 |
国産 | 〇 |
データ抽出 | – |
連携ツール | Google Analytics、X(旧Twitter)、Instagram |
セキュリティ | 常時SSL対応 |
適したサイト | ブログ 等 |
おすすめの無料CMS14製品の比較表
おすすめの無料CMS14製品を各製品の特徴で比較しました。
製品名 | 特徴 |
WordPress (ワードプレス) | 世界シェアNo.1!8,700万以上のWebサイトで使われる代表的なCMS |
baser CMS (ベイサー シーエムエス) | カスタマイズ性の高い国産CMS |
Joomla! (ジュームラ!) | 大規模Webサイトの構築・運営におすすめ |
Drupal (ドルーパル) | 専門性は高いが、操作性抜群 |
EC-CUBE (イーシーキューブ) | オリジナリティあふれるECサイトの構築におすすめ |
SOY CMS (ソイ シーエムエス) | ブログなどWebサイトの継続的な運用にぴったり |
concrete5 (コンクリートファイブ) | 直感的に操作可能なアメリカ発CMS |
Geeklog (ギークログ) | 抜群のセキュリティ性 |
OpenPNE (オープンピーネ) | ファンサイトやサークルなどコミュニティ作りに最適 |
Zen Cart (ゼン カート) | マーケティング機能が実装されていてECサイトの構築におすすめ |
osCommerce (オーエスコマース) | ドイツ発のオープンソースCMS |
Jimdo (ジンドゥー) | AIがホームページ作成をサポート!初心者におすすめ |
Wix (ウィックス) | 豊富なテンプレートでサイト制作が直感的に実現 |
Ameba Ownd (アメーバオウンド) | スマートフォンからの記事投稿や編集も簡単 |
CMSを選ぶ際のポイント5つ
沢山存在するCMSですが、作りたいサイトによって適しているものが異なります。選ぶ際には使いやすいか、PDCAサイクルを回しやすいか、といった点を考慮する必要があります。
使いやすいか
CMSを選ぶ際は使いやすいかどうかが重要です。なぜなら使いづらいとウェブページの作成や更新に手間取ったりミスが発生したりと、運用に難が生じてしまうからです。
使いやすさをチェックする際は直感的に操作できるか、管理画面が煩雑すぎないかに注目すると良いでしょう。
制作したいサイトに適しているか
選んだCMSで制作したいサイトを作りやすいこともポイントです。
CMSと一概に言っても、コーポレートサイトを作りやすいもの、ECサイトに特化したものと違いがあります。特化したCMSなら初めから必要な機能が揃っているためカスタマイズの必要がなく、初心者でもクオリティの高いサイトを作成できるでしょう。
PDCAサイクルを回しやすいか
Webサイトの利益率を高めるにはCMSでサイトを作って終わりではなく、PDCAを回して継続的に改善していく必要があります。
そのためにはユーザーデータの解析機能やキャンペーン作成機能など、Webサイトの状況を分析したり新しい機能を試したりしやすいCMSを選ぶと良いでしょう。
他ツールと連携できるか
Google AnalyticsやSNSなど、他のツールと連携できるかどうかも大事なポイントです。
CMSの中にはMAツール(マーケティング活動の自動化・効率化を実現するツール)やSFA(:営業活動支援や業務効率化など、営業担当者をサポートするツール)と連携できるものもあります。こうしたツールを上手く使うことでマーケティング施策をより最適化できたり、営業部門とスムーズにやり取りをできたりと効率的な業務管理が実現するでしょう。
サポート体制・セキュリティがしっかりしているか
サポート体制が整っていることやセキュリティが高いことも確認すべきポイントと言えます。
CMSを複数人で利用する際は不明点が多く発生しやすいものですし、不具合があった際も迅速に解消できる方が業務が滞らずに済みます。
またセキュリティがしっかりしていれば、ハッキングなど余計なトラブルを招くことなく安全に運用できるでしょう。
CMSのシェア率
無料のものだけでも沢山の種類があるCMSですが、やはり多くの人に使われている方が安心できますよね。そこで2022年5月時点でのCMS国内シェア率・海外シェア率をそれぞれ紹介します。
国内シェア率
【CMS国内シェア率 (2022年5月11日時点)】
|
日本国内ではWordPressが8割以上と圧倒的なシェア率を誇ります。無料で使えることを始め、Web管理のしやすさやユーザーの多さによる情報の豊富さが人気なようです。
2位のAdobe Dreamweaverは2,728 円/月(税込)でAdobe Creative Cloudの一部として利用できる有料のCMSです。いきなり有料CMSを使うのは不安な方でも、完全版を7日間無料で提供しているのでお試し利用ができます。
またAdobe Dreamweaverはデザインの自由度が高いことが特徴ですが、機能も高度なので初心者が使いこなすのは少し難しいようです。お試し期間で使い方が難しいと感じた場合は、ある程度CMSの利用に慣れてデザインの独自性も出していきたい、という段階になってから使ってみるのも良いでしょう。
3位のShopifyは4位のEC-Cube同様、ECサイトに特化しています。初心者から大企業まで幅広く対象としており、14日間無料で使える有料CMSです。
Adobe Dreamweaver同様にデザイン性の高さが特徴のひとつ。ネットショップビジネスの立ち上げから運用・成長までに必要な機能が揃っているので、起業を考えている初心者の方におすすめです。
海外シェア率
【CMS海外シェア率 (2022年5月11日時点)】
|
日本国内同様、海外でもWordPressが圧倒的なシェア率です。無料CMSのWixやJoomla!、Drupalも人気があります。その他のCMSのシェア率は1%以下と、WordPressとはかなりの差が生じているのが実情です。
多くのユーザーがいるCMSを利用したい方はWordPressを選択すると良いでしょう。ただしWordPressはその著名度の高さからハッカーの標的になりやすいというデメリットもあるので、セキュリティ面には注意が必要なようです。
CMSの3つの型
CMSは「オープンソース型」と「クラウド型」そして「商用(パッケージ)型」の3タイプに分類できます。それぞれカスタマイズ性などに特徴があるので、CMSを選ぶ際に念頭に置いておくと良いでしょう。
無償で使える「オープンソース型」
オープンソース型はCMSの利用やカスタマイズが自由に許可されているタイプ。基本的に無償で利用でき、誰でもコードの改編を行えるのが特徴です。
フリーのCMSと混同している人も少なくありませんが、たとえ無料で使えるCMSであっても、ベンダーが提供しているものは必ずしもソースコードが公開されているわけではありません。
オープンソースのCMSは、プログラムの知識があれば環境に合わせて自由にカスタマイズが可能で、プラグインも豊富なため必要に応じて柔軟に機能の追加や拡張ができます。さらに数多くのユーザーがいるため、インターネットで検索したりコミュニティで質問したりすれば、すぐに不明点を解消できることが大半です。
ただしベンダーからのサポートを受けられない場合がほとんどなので、自社に専門知識を持った人材がいない場合は、外部にWebサイトの構築を依頼する必要があります。
無料・有料どちらも「クラウド型」
クラウド型はサービスベンダーが管理するサーバーにデータを保管するのが特徴です。インターネット回線を通じてCMSを利用するタイプで、自社でWeb管理用のサーバーを構築する必要はなく、サービス契約を結ぶことですぐにシステムを利用できます。
CMSのアップデートが必要な場合もベンダーが行ってくれるので、ユーザー側は常に最新のシステムを利用できるのがメリットです。基本的に初期費用がかからず、月額(あるいは年額)の利用料金のみを負担すればよいので、低コストでWebサイトを構築・運用したい企業におすすめできます。
ただしシステムを自社運用するタイプに比べると、機能が固定化されていることが多く、デザインの自由度も限られています。
基本的に有料「商用(パッケージ)型」
商用(パッケージ)型は自社のサーバーにインストールして利用するタイプのCMSです。ベンダーの開発したシステムをライセンス購入して利用するので、買い切り型とも呼ばれています。初めから必要な機能が網羅されているのが特徴で、不具合やトラブルが起こった際にはベンダーからサポートを受けることが可能です。
プラグインなどを追加しなくてもデフォルトの機能で問題なくWebサイトを構築・運用できますが、他の形態に比べて初期費用がかかります。導入規模によってはかなりのコスト負担になる場合もあるでしょう。
【静的CMSの方が良い?】静的CMS・動的CMSとは
オープンソース型等の他、CMSには静的CMS・動的CMSという種類も存在します。それぞれの特徴や違いを知ることで、作りたいサイトにより適したCMSを選べるようになるでしょう。
静的CMS・動的CMSの違いは「Webページ生成のタイミング」
両者の最大の違いはWebページ生成のタイミングです。
静的CMSはユーザーがアクセスするWebページを事前に準備する仕組みの一方、動的CMSはユーザーのリクエストに応じてWebページが作成されて表示される仕組みになっています。
静的CMS・動的CMSの特徴比較
両者を比較しメリット・デメリットや適したサイト、違いを解説していきます。
静的CMS | 動的CMS | |
表示速度 | 比較的速い | 時間がかかる |
セキュリティ | 強固 | 脆弱性が発生しやすい |
サーバーダウンの影響 | 限定的 | ページが表示不可 |
ページの更新・拡張 | 手間がかかる | しやすい |
おすすめサイト | 情報サイト | 検索機能・マイページ機能があるサイト |
静的CMSは仕組みが単純なため、サイトを素早く表示することができセキュリティも強固な傾向にあります。サイトを素早く表示できる点はSEO対策にも有効です。
しかし更新する際には1つのページを再構築する必要があるため、手間がかかってしまうようです。そのため静的CMSは比較的更新頻度の低い企業ホームページや情報を載せるだけのサイトに向いていると言えるでしょう。
一方で動的CMSはページの更新や拡張がやりやすい、複雑な機能が付けやすいなど柔軟性の高さが魅力です。そのため動的CMSは更新頻度が高いサイト、検索機能やマイページ機能をつけるようなコーポレートサイトに向いていると言えるでしょう。
ただしシステム上CMSが直接インターネットに接続される構成になっていることが多いため、常にインターネットに接続されていなければ使えません。柔軟性が高い分、セキュリティにも脆弱性が生じやすいようです。
CMSのメリット3つ
CMSの最大のメリットは誰でもWebサイトの管理ができる点です。他にもSEO対策に使える、リンク切れを防止できるといったメリットがあります。
コンテンツの一元管理ができる
Webページに掲載するテキストや画像、あるいは動画コンテンツなどを一元的に管理できるのがCMSのメリットです。ページの素材となるデータだけでなく、全体のページレイアウトもまとめて管理できます。
さらに複数のWebサイトも管理できるため全体として統一感のある運用が可能で、チームで役割分担をしながら効率的に更新作業が進められるのも特徴です。
SEO対策にも対応できる
Webページのタイトルやメタディスクリプションなど、SEO対策として重要な項目を最適化しやすいのもCMSのメリットといえるでしょう。もともとSEOに適した設定になっており、サイトの内部構造も分かりやすいので、検索エンジンに評価されやすいWebページを生成できます。
従来SEO対策はWeb制作者に必要な知識でありスキルでしたが、CMSを活用することによって誰でも基本的なSEO対策が可能になるわけです。
リンク切れ防止にも有効
Webページのリンク切れ防止にもCMSは有効です。Webサイトが検索エンジンから評価されるには、投稿したページへのリンク切れを起こさないようにする必要があります。しかし従来のWeb管理ではページ数が多くなると、どうしてもリンク切れを起こしてしまうページが出てくるのが実態でした。
CMSを導入することでWebページ全体を一元的に更新できるようになるので、リンク切れが起こりにくく、結果として訪問者のユーザビリティの向上につながります。検索エンジンからも評価されやすくなるでしょう。
【注意】CMSのデメリット2つ
CMSには多くのメリットがありますが、バックアップが必要といったデメリットもあるので運用には注意が必要です。運用上のデメリットをいかに解消するかが、CMSを効果的に活用するポイントになるでしょう。
バックアップが必要
従来Webサイトを構築する場合には、作成したデータをサーバーにアップロードするため、ローカル環境にも作成データが残ります。一方CMSの場合はインターネット上でWebサイトのコンテンツが更新されるため、ローカル環境にデータが残らないケースが珍しくありません。
万が一サーバー上のデータが消失してしまった際に備えて、データのバックアップを取っておくことが推奨されます。めったに起こることではありませんが、サーバーにトラブルが発生する可能性もあるので、データのバックアップは取っておきましょう。
例外的なページを作るには不向き
CMSは期間限定のキャンペーンサイトや限定公開するような特殊なWebサイトなど、例外的なWebページを作成するのには不向きといわれています。
Webサイトに統一感を持たせて、一元的に管理するのがCMSの主な目的です。他のサイトとは毛色の違う変則的なレイアウトが求められる場合や、斬新なデザインのWebサイトを構築する場合には、自社で別個に制作するか外注した方がよいでしょう。
【自社制作が難しい時は】おすすめ有料(商用)CMS 3選
無料のCMSでは求める機能がカバーされていなかったり、使いにくかったり、セキュリティ面が心配だったりする場合もありますよね。そんな時は有料の商用CMSも検討してみましょう。
官公庁など公的機関の利用実績あり!「Movable Type」
Movable Type(ムーバブルタイプ)は2015年から5年連続で国内商用CMS導入シェア率No.1を達成しています。導入実績は5万件以上を誇り、大企業や官公庁、大学にも利用されているCMSです。
直感的に操作できる点、セキュリティが強固な点が人気の秘密。Movable Typeは難しい操作方法を覚えなくても簡単にコンテンツの作成や更新ができます。またCMSと公開Webサイトのパスを分離して外部からのセキュリティ攻撃を受けにくくするなど、セキュリティ面にも工夫が凝らされています。
個人なら無料で利用できるのも嬉しいポイント。使いやすさを実感してから本格導入に踏み切ってみても良いでしょう。
【料金プラン】
|
型 | 商用 |
仕組み | 静的 |
国産 | 〇 |
データ抽出 | 可能(形式不明) |
連携ツール | Google Analytics、SNS |
セキュリティ | 不正ログイン防止、CMSと公開サイトのパスを分離可能 等 |
適したサイト | ブログ、コーポレートサイト 等 |
サポートが充実!中小企業向けに開発された「Blue Monkey」
Blue Monkey(ブルーモンキー)は中小企業向けに作られた国産CMSです。法人向けに特化しており、シンプルな管理画面や複数人での管理運用、SEO設定やお問い合わせ管理などコーポレートサイトに必要な機能が一通り揃っています。コーポレートサイトを運用したい場合にぴったりでしょう。
サポートの充実ぶりがBlue Monkeyの特徴のひとつです。導入時の「操作講習」や気軽に聞ける「チャット・メールサポート」Webサイトの運用やPDCAサイクルを支援する「カスタマーサクセス」などがあり、使い始めから運用時まで寄り添ってくれます。CMSを始めて導入する企業にも安心ですね。
【月額ライセンス費用】(+Webサイト制作費用、オプション費用がかかります)
|
型 | 商用 |
仕組み | 静的 |
国産 | 〇 |
データ抽出 | – |
連携ツール | – |
セキュリティ | サイバー攻撃対策、不正アクセス防止、常時SSL対策 等 |
適したサイト | コーポレートサイト 等 |
毎年の保守継続率は96%以上!「NOREN」
NOREN(ノレン)は2002年に販売開始したスタンダードな国産CMSです。毎年の保守継続率はなんと96%以上。プログラミングの知識がなくても直感的に使える高い操作性を備えています。
またコンテンツ機能に特化しているのもNORENのポイントです。Webページのテンプレート機能やコピー可能なサイト管理機能など、コンテンツ管理をより高いレベルで行えます。加えて特化している分、Google Analyticsを始め他のマーケティングツール等と連携しやすいように作られています。
【料金プラン】
|
型 | 商用 |
仕組み | 静的 |
国産 | 〇 |
データ抽出 | – |
連携ツール | Google Analytics 等 |
セキュリティ | 常時SSL対応 |
適したサイト | ブログ 等 |
ぴったりのCMS選びはミツモアで
CMSは製品によって特徴や機能もさまざま。「どのソフトを選べばいいかわからない・・・」といった方も多いのではないでしょうか。
そんなときはミツモアにおまかせ。最短1分の自動診断で、ぴったりのCMSが見つかります。
ぴったりのCMSを最短1分で無料診断
従業員数や欲しい機能などの項目を画面上で選択するだけで、最適なCMSを最短1分で自動診断。もちろん費用はかかりません。
ぴったりの料金プランも一緒にお届け
希望条件に沿った料金プランも製品と一緒に診断します。概算金額を見積もりからチェックして、理想のプランを探してみましょう。
診断結果は最大5製品!比較・検討で最適なソフトが見つかる
最大で5製品の診断結果をお届けします。検討していた製品だけでなく、思わぬソフトとの出会いもあるかもしれません。
ミツモアなら、ぴったりのCMSがすぐに見つかります。