個人事業主になるためには、開業届の提出が必要です。
この記事では、個人事業主に登録する手順や必要な書類について詳しく解説していきます。個人事業主へ登録しようか検討している方はぜひ参考にしてみてください。
個人事業主として登録するのに必要な書類
個人事業主として登録するのに必要な書類は以下の通りです。
- 開業届
- 青色申告承認申請書
- 従業員の雇用に必要な各種書類
①開業届
個人事業主の登録自体は、開業届を出すだけで完了です。
開業届の提出に際してかかる費用はありません。「今から事業を始めるからお金がない」というときでも、開業届は提出できるのです。
開業届の提出期間は、事業を始めてから1か月以内とされています。しかし事業を始めた日は本人の認識によるため、実際はいつ提出しても問題ありません。
開業届の用紙は管轄の税務署で受け取れます。国税庁のホームページからのダウンロードも可能です。
開業届の記入方法
個人事業主として登録する必須書類、開業届の書き方を説明していきます。開業届に記入する主な事項は、以下の通りです。
- 納税地(自宅住所や事業所住所)
- 氏名および生年月日
- 個人番号(マイナンバー)
- 開業日
- 屋号
記入事項の中で最も大事なのは、住民税などの税金に関わる「納税地」です。納税地は自宅の住所を書く人が多いですが、店舗やオフィスがあるならそちらでも構いません。
店舗やオフィスの住所を納税地にした場合には、上記以外の住所地・事業所等の欄に自宅の住所を書いておきましょう。また、屋号を登録しておきたい場合には、開業届に記入してください。
②青色申告承認申請書
確定申告を青色申告で行いたい場合は、国税庁のホームページから入手できる「青色申告承認申請書」を提出する必要があります。
提出期限は青色申告で確定申告を行いたい年の3月15日です。開業届と一緒に税務署へ提出するとスムーズでしょう。
③【従業員を雇用する場合】その他の書類
個人事業主として従業員を雇いたい場合、以下のような書類の提出が必要になります。
- 給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書
- 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
- 青色事業専従者給与に関する届出・変更届出書 など
状況に応じてほかの書類が必要になるケースも多々あります。詳しくは以下の記事で解説しているので、参考にしてみてください。
個人事業主の登録手続きの流れ
個人事業主の登録手続きは、以下の5ステップで進めていきます。
- 屋号を決める
- 各種書類を作成・提出する
- 各種保険や年金に加入する
- 屋号付き口座を開設する
- 経理・確定申告の準備をする
各ステップについて順番に詳しく解説していきます。
①屋号を決める
開業届を提出する前に屋号を決めましょう。屋号とは個人事業主としての名前のことです。
屋号は必須ではないものの、名乗りたい名前があるのであれば、開業届を出すときに登録できます。
屋号があったほうが業務に対するモチベーションも上がりますし、名刺などにも記載することができます。どのような事業を行っているのかがわかりやすい名前をつけると良いでしょう。
②各種書類を作成・提出する
先ほど紹介した各種書類を期限内に提出しましょう。開業届を提出すれば、晴れて個人事業主としての登録は完了です。
③各種保険や年金に加入する
もし会社を辞めて個人事業主として独立する場合は、国民健康保険と国民年金に加入する必要があります。両方とも会社を辞めた次の日から14日以内に手続きを行いましょう。
④屋号付き口座を開設する
個人事業主として「屋号」が付いた口座の開設を済ませましょう。
屋号付きの口座があれば、取引先とのお金のやり取りがわかりやすくなります。プライベート用の口座と事業用の口座も分けられるので、資金の管理をしやすくなるメリットもあります。
⑤経理・確定申告の準備をする
個人事業主として独立すると、お金の流れを帳簿にまとめる義務が発生します。確定申告の際に正しく税金を算出するためです。
帳簿の付け方については、以下の記事で詳しく解説しています。
個人事業主とは「個人で事業を営む人」のこと
個人事業主とは、開業届を提出した上で、個人で継続的に事業を営んでいる人を指します。
従業員を雇っている場合でも、法人を作っていないなら個人事業主として捉えられます。
個人事業主とフリーランスの違い
個人事業主は税法上の言葉ですが、フリーランスは働き方自体を指す言葉です。
開業届を出して事業を営んでいる人は「個人事業主」で、「法人」と区別して考えられます。
一方でフリーランスは、開業届を提出したかどうかを問われません。一人で独立して仕事を請け負う働き方をフリーランスと呼ぶのです。
個人事業主と法人の違い
個人事業主と法人の違いを大雑把に言うと、「個人で働くか組織で働くか」となります。
個人事業主は開業届を提出し、個人で事業を営んでいる人を指します。一方で法人とは、人と同じ権利や義務を法律によって認められている組織のことです。
事業の拡大や従業員の増加にあわせて個人事業を法人化することにより、税金や資金繰りの面でさまざまなメリットがあります。
個人事業主に登録する3つのメリット
開業届を提出して個人事業主になることには、以下のようなメリットがあります。
- 青色申告により節税効果が期待できる
- 最長3年間にわたって赤字を繰り越せる
- 法人運営にも必要な作業の予行練習ができる
順番に詳しく解説していきます。
青色申告により節税効果が期待できる
開業届を出しておけば、青色申告という方法で確定申告を行うことができます。
確定申告の際には、白色申告や青色申告という異なる方法を選ぶことが可能です。青色申告での確定申告を申請すれば、所得から最大65万円の金額を控除することができます。
記帳の付け方がやや複雑になるのがデメリットですが、65万円の控除は無視できない大きさの節税効果だといえます。どうしても記帳が難しい場合は、税理士に任せてしまうのも良い手でしょう。
青色申告について詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
最長3年間にわたって赤字を繰り越せる
開業届を出して青色申告の手続きも済ませておけば、事業で出た赤字を最長3年間繰り越せます。
赤字を繰り越すことで黒字と相殺し、課税対象の所得を減らすことが可能です。
法人運営にも必要な作業の予行練習ができる
もし将来法人を設立したいとお考えなら、まずは個人事業主になって事業運営の足がかりとするのがおすすめです。
個人事業主になると、記帳や資金繰り、事業拡大のための施策考案など、法人化した際にも役立つ幅広い経験を積めます。また売上をある程度作った上で法人化すれば、安定した資金状態で経営をスタートできる点も大きなメリットです。
記帳や確定申告が分からない場合は税理士に相談しよう
帳簿の付け方や確定申告について全くわからず困っている場合は、ひとまず税理士に無料相談をしてみるのがおすすめです。
顧問契約をすれば日々の記帳作業を丸投げできる
顧問契約とは、長期間にわたって継続的にやり取りができる契約のことです。契約期間中は日々の記帳を任せられたり、事業についていつでもアドバイスをもらえたりします。
開業や資金繰りのアドバイスをもらえる
税理士に相談しに行くことによって、経営や節税に関するアドバイスももらえます。税理士はさまざまな経営者の相談に乗ってきているので、経営に対する知識も豊富です。したがって、何か悩みがあれば税理士に聞いてもらうことによって、良いアドバイスがもらえるでしょう。
また、節税は個人事業主が上手くやっていくためには絶対に考えておくべきポイントです。節税については早めに取り組まなければ間に合わないことも多いので、個人事業主として登録をするならその段階でアドバイスをもらっておいたほうが良いと言えます。
さまざまなことについて税理士にアドバイスをもらえるので、まずは一度相談に行ってみてください。
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