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5万円以下の領収書には収入印紙の貼付不要?印紙税と収入印紙を解説

最終更新日: 2020年01月07日

事業を始めると、顧客や取引先に毎日のように発行することとなる領収書ですが、いざ作成する側になって迷うのは、領収書に貼る「印紙」ではないでしょうか。

「領収書に印紙を貼らないといけないの?」「いくら貼ればいいの?」「どうやって貼るの?」「もし貼らなかったらどうなるの?」といった印紙に関する疑問を、今回は徹底解説します。

この記事の監修税理士

安田亮公認会計士・税理士事務所 - 兵庫県神戸市中央区

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領収書に貼る印紙とは?

領収書 印紙
領収書に貼る印紙とは?

なぜ領収書に収紙を貼るかというと、領収書を作成した人に「印紙税」という税金を納める義務があり、その印紙税を印紙の購入によって代わりに納めたことを証明するためです。

印紙税とは「文書」に対して発生する税金になります。

領収書に貼る収入印紙とは

領収書に貼る印紙とは「収入印紙」のことで、印紙税のほか、行政手数料などを納めるために使われる証票です。

郵便局や法務局、役所で購入できますが、コンビニやインターネットでも購入できます。ただコンビニには高額印紙が売っておらず、インターネットでは手数料をとられる可能性があります。

収入印紙は、印紙税の金額分をきっちり貼らなければなりません。領収書にいくらの収入印紙が必要になるかは、領収書に記載された金額で変わります。

また収入印紙の額面は31種類あります。

額面金額(円)
1 2 5 10
20 30 40 50
60 80 100 120
200 300 400 500
600 1,000 2,000 3,000
4,000 5,000 6,000 8,000
10,000 20,000 30,000 40,000
50,000 60,000 100,000

印紙が必要な領収書とは

印紙が必要になる領収書とは、その記載金額が5万円以上のものです。したがって5万円未満の領収書に印紙を貼る必要はありません。

領収書の印紙の割り印とは

領収書に収入印紙を貼ったら、その収入印紙の彩紋(模様のこと)と領収書の両方にかかるように、割り印をしなければなりません。

印紙税法と印紙税法施行令では、貼り付けた印紙を「消す」と定められているため、「消印」とも呼ばれていますが、一般的には割り印、消印のどちらの表現も使われます。

また、割り印は「自己又はその代理人(法人の代表者を含む。)、使用人その他の従業者の印章又は署名」で行なうよう決められているため、印鑑でも署名でもよく、従業員が行なってもOKです。

印紙を忘れると

印紙を貼り付けないと、

  • 過怠税の徴収
  • 罰則

という2つのペナルティがあります。

過怠税の徴収

印紙を貼らなかった場合、不納付の印紙税額に加えて、税額の2倍に相当する過怠税を徴収されます。つまり徴収される税額は、不納付の印紙税額の3倍です。

また、印紙に割り印(消印)をしていない場合は、不納付印紙税額と同額の過怠税が徴収されます。

罰則

印紙税法において、印紙の貼り付けをしなかった場合は懲役1年以下又は罰金50万円以下、消印をしなかった場合は罰金30万円以下の罰則も規定されています。悪質な脱税を罰する目的ですが、懲役刑まであるため、印紙税のペナルティは非常に厳しいと言えます。

特に領収書は、不特定多数に交付することが考えられますから、バレないなどと思わずに絶対に貼って下さい。

参考:国税庁 No.7131 印紙税を納めなかったとき

印紙税は文書の内容で決まる

印紙税法の課税文書には、第1号から第20号までの全20区分があり、領収書は、印紙税法の第17号文書「売上代金に係る金銭の受取書」に該当します。

この「売上代金に係る金銭の受取書」とは、領収書だけでなく、売上代金の受け取りを証明する全ての書類が対象です。

ここが、印紙において最も注意したいところになります。

国税庁のホームページでは、例えば「請求書」であっても、それに「済」や「了」などと表示し、それが当事者間で領収を意味することが了解されている状況であれば、第17号文書に該当するとしています。

つまり「文書の名称ではなく、文書の内容が金銭の受取書かどうかで判断するよ」ということです。そのため、レシートも当然に第17号文書として印紙税の対象になります。普段のレシートに印紙が貼られていないのは、記載金額が5万円未満だからです。

これ以外にも、自分で作成した書類が「これって実質的に領収書の代わりじゃないかなあ…」と気になったら、迷わずに専門家に相談しましょう。

事業で使用する文書は継続的に発行されることが多いため、最初の判断を誤ると、延々と印紙の不納付税額が溜まっていくという最悪のシナリオに発展します。

参考:国税庁 No.7100 課税文書に該当するかどうかの判断

領収書に印紙を貼るのは5万円から

領収書 印紙
領収書に印紙を貼るのは5万円から

領収書に印紙を貼るのは、その記載金額が5万円以上のものです。

それでは、一体いくらの印紙を貼ればいいのでしょうか。

領収書の記載金額と印紙代

領収書の記載金額とそれに対する印紙代は下記のとおりです。

領収書の記載金額 税額
5万円未満のもの 非課税
5万円以上100万円以下のもの 200円
100万円を超え200万円以下のもの 400円
200万円を超え300万円以下のもの 600円
300万円を超え500万円以下のもの 1,000円
500万円を超え1,000万円以下のもの 2,000円
1,000万円を超え2,000万円以下のもの 4,000円
2,000万円を超え3,000万円以下のもの 6,000円
3,000万円を超え5,000万円以下のもの 10,000円

最高額は、10億円超えの領収書で、印紙代だけで20万円かかります。

領収書の金額に消費税は含める?

印紙税は領収書に記載された金額に応じて課税されますが、取引金額と消費税額を分けて記載すれば、印紙税は取引金額にしか課税されません。

国税庁では、消費税抜きで判定できる書き方として「消費税額等が区分記載されているとき又は、税込価格及び税抜価格が記載されていることにより、その取引に当たって課されるべき消費税額等が明らかとなる場合」とされています。

つまり消費税抜きの金額で判定するには、消費税額がいくらなのか具体的な金額を書くことがポイントになります。国税庁のホームページを参考にすると、例えば

  • 「代金1,080万円うち消費税額等80万円」
  • 「代金1,080万円 税抜価格1,000万円」

のような書き方です。一方、消費税抜きで判定できない例としては、

  • 「代金1,080万円うち消費税額等8%を含む」
  • 「代金1,080万円(税込)」

のように、消費税額が80万円であることを明確にしていない書き方が挙げられます。

前者の印紙税は、税抜価格の1,000万円に対して課税されるため、印紙代は2,000円ですが、後者の印紙税は税込価格の1,080万円に対して課税されるため、その倍の4,000円として計算されます。

参考:国税庁 No.7124 消費税等の額が区分記載された契約書等の記載金額

軽減税率について

2019年10月1日からの消費税増税から一部商品は8%のままである軽減税率制度が導入されました。印紙に記入する際、8%なのか10%なのか分かるように明記する必要があります。

例:総額50,000円 税抜価格45,455円、消費税額等4,545円

不動産売却時にも印紙税の課税対象

不動産売却の際には、売買代金を受領したときの領収書も印紙税の課税対象になります。しかし、売買代金の領収書に印紙税が課税されるのは、不動産会社などが不動産を売却した場合のみなので、売主が個人的に不動産を売却した場合は、営業に関係した受領書とみなされず、印紙税の課税対象外になります。

印紙を貼る必要のない領収書

領収書には、例外として非課税となる文書が2つあります。1つは既に説明した記載された金額が5万円未満の領収書です。もう1つは、「営業に関しない領収書」になります。

印紙税が非課税となる領収書①:記載された金額が5万円未満

文字通り領収書の金額が5万円未満であれば、印紙税を貼る必要はありません。

印紙税が非課税となる領収書②:営業に関しない領収書

営業に関しない領収書とは、営利目的によらない売上の領収書です。

株式会社や商人(商行為をする個人)が事業で作成する領収書は全て課税文書ですが、これに対して、利益の配当や剰余金の分配がないことを定款で定めている法人(公益法人や医療法人など)が作成した領収書や非営業目的で個人が発行した領収書の印紙税は、すべて非課税となります。

また個人の弁護士、公認会計士や税理士、医師や看護師等が作成した領収書も非課税です。

これ以外にも多くの○○士や○○師が該当するため、もしこうした事業を個人で行う場合は、ぜひ一度、専門家に確認しましょう。

ただし、あくまで領収書を含めた「売上代金に係る金銭の受取書」(第17号文書)だけのルールですので、他の課税文書を作成した時は印紙を貼らなければなりません。

参考:国税庁 No.7125 営業に関しない受取書

印紙税の不課税文書となるもの:クレジットカード決済の領収書

印紙税の課税文書に該当しないもの(第1号から第20号の課税文書に該当しないもの)も、印紙を貼る必要はありません。

例えばクレジットカードで決済をすると、利用伝票の控えと一緒に領収書を発行してくれるお店があります。

しかし実際には金銭を受け取っていないため、クレジット決済で発行される領収書は、「売上代金に係る金銭の受取書」(第17号文書)に該当しません。

したがって、クレジットカード決済で発行した領収書に印紙を貼らなくてもOKです。

ただし国税庁は、領収書に「クレジットカード利用」である旨が記載されていなければ課税文書として扱う、というルールを決めています。

おそらくそうでもしなければ、印紙税を納付していない領収書と見分けがつかないため、実務上の判断基準を定めたものだと思われます。

印紙税の対象外:電子データによる領収書

領収書の画像データや電子データ(Wordで作成したものをPDFファイルに変換したもの等)を電子メールで送信した場合や、FAXでの送信は、そもそも課税原因となる課税文書の作成が行なわれていないため、印紙税の対象外となります。

印紙税の節税になるので、これは覚えておきましょう。

誤って収入印紙を貼ってしまったら?

もし収入印紙を貼る必要のない書類に間違って貼ってしまった場合や、多く貼りすぎてしまった場合は、税務署に「印紙税過誤納確認申請書・充当請求書」という書類を提出することで還付を請求することができます。請求期限は文書の作成日から5年です。

ただし、印紙税の納付のために貼った収入印紙のみが対象で、登録免許税の納付等に使われた収入印紙はたとえ過大に納付してしまったとしても還付されません。

また汚損のある収入印紙や使用しない大きな金額のものは郵便局に持参することで交換してもらえます。

参考:国税庁 No.7130 誤って納付した印紙税の還付

まとめ 領収書の金額と印紙は細かくチェック

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まとめ

領収書の金額と印紙は常にチェックし、過怠税を徴収されることのないよう気をつけましょう。印紙税に迷ったら、とにかく早めに税理士に相談することが大切です。間違った取扱いを続けると過怠税もそれなりに高額になってきます。

ミツモアでは、印紙税の実務や節税策に詳しい税理士にご相談いただけます。

税理士選びは、ミツモアにぜひご依頼下さい。

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この記事の監修税理士

安田亮公認会計士・税理士事務所 - 兵庫県神戸市中央区

安田亮(公認会計士・税理士・CFP🄬)1987年香川県生まれ、2008年公認会計士試験合格、2010年京都大学経済学部経営学科卒業。大学在学中に公認会計士試験に合格。大手監査法人に勤務し、その後、東証一部上場企業に転職。連結決算・連結納税・税務調査対応等を経験し、2018年に神戸市中央区で独立開業。所得税・法人税だけでなく相続税申告もこなす。
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