油性ペンを落とすのに使えるものは?
油性ペンのインク汚れにはエタノール、除光液、クレンジングオイルなどを使えます。ただし衣類や革製品を色落ちさせてしまうリスクもあるので、別の方法が適しているケースも。この記事で紹介する別の方法をお試しください。
油性ペンがついた直後はどうするべき?
油性ペンは時間が経つと落としにくくなるので、早めに正しい対処法で落としましょう。焦って水洗いすると余計に落としづらくなるので注意してください。
油性ペンのインク汚れにはエタノール、除光液、クレンジングオイルなどを使えます。ただし衣類や革製品を色落ちさせてしまうリスクもあるので、別の方法が適しているケースも。この記事で紹介する別の方法をお試しください。
油性ペンは時間が経つと落としにくくなるので、早めに正しい対処法で落としましょう。焦って水洗いすると余計に落としづらくなるので注意してください。
たとえば衣服の場合は、何も手を加えない状態で早めにクリーニング屋へ持っていくか、自分で対処する場合はこの記事で紹介するような正しい方法で汚れを落としましょう。
油性ペンは「消えにくい」「落ちにくい」ことこそが売りで、メモ書きや屋外での使用にも向いています。一方で、誤って服や机などに油性ペンのインクが付くと、なかなか落ちません。
この記事でも油性ペンの汚れを落とすのに効果的な方法を紹介していきますが、必ずすべてのインクを落とせるというワケではないので注意してください。
どうしてもキレイにしたいものがあればクリーニングのプロに依頼するか、もしくは自分で汚れを落とすなら「薄まればOK」くらいの気持ちで挑むようにしましょう。
油性ペンが付いた箇所別に、汚れの落とし方を一覧形式で紹介します。
【衣類・布製品】
汚れの下に当て布を置き、無水エタノールを垂らして、上からトントンと叩くように汚れを移す。 無水エタノールのほかには、濃縮タイプの洗濯用洗剤、クレンジングオイル、除光液などが有効。 |
【革製品】
エタノールを含ませた布で拭くか、消しゴムなどでこする。 ただし色落ちや劣化のリスクが高いので、基本的にはクリーニング専門店に持ち込むのがオススメ。 |
【木製の机や家具】
消しゴム、メラミンスポンジなどでこする。 またはバターやマーガリンで油性ペンを落とし、中性洗剤で水拭き。 |
【壁、床、畳、ガラスなど】
無水エタノール、除光液などを使って汚れを軽く拭く。ただし素材ごとに相性があるので注意。 または消しゴム、メラミンスポンジ、歯磨き粉などで削って落とす。 |
【プラスチック製品】
無水エタノールや除光液を含ませた布で拭く。または消しゴムやメラミンスポンジでこすって汚れを落とす。 |
【紙】
消しゴムでこすって薄める。ただし紙がボロボロになる可能性もあるので注意。 コーティングされた表紙の厚紙であれば、エタノールなどを含ませた布で軽く拭く。 |
【手や顔など】
クレンジングオイル、日焼け止め、口紅などを油性ペンに直接当てる。 または歯磨き粉や重曹などでこすり、角質を削って落とす。 |
衣服や靴などの布製品についてしまった油性ペンは、時間が経って乾くとインクが繊維の奥に染み込んでしまうため、汚れたらできるだけすぐに対処しましょう。
もしどうしても落ちない汚れがあればクリーニング専門店に持ち込んでみましょう。
もしくはアップリケやワッペン、ブローチなどを使って、服をプチリメイクしてみるという選択肢もあります。
服などの布についた油性ペンを落とせるのは、以下のようなアイテムがあります。
<衣類の油性ペン落としに使えるもの>
|
どれを使っても問題ありませんが、白い服以外だと色・柄も落ちてしまう可能性が高いので注意しましょう。その場合はクリーニング専門店への持ち込みがオススメです。
ちなみに染み抜きでおなじみの「ベンジン」はインク落としには不向きです。油性ペンにはアルコール系の材料が使われていますが、ベンジンは石油系の材料が使われているので落相性が合いません。
自分で油性ペンを落とすときには以下の手順で進めましょう。時間が経って乾いてしまったインクも、たいていはこの方法で落とすことができます。
<服についた油性ペンを落とす手順>
|
作業するテーブルが汚れないよう、ビニールなどを敷いて保護しておきましょう。無水エタノールがつくと、机やテーブルが色落ちしてしまう可能性があります。
衣類が色落ちする可能性があるので、まずはスソなどの目立たない場所でテストしておきましょう。無水エタノールや除光液を1、2滴だけつけて、問題なければ次のステップに進んでください。
油性ペンで汚れた側を当て布に乗せましょう。裏側からたたくことで、インクを当て布に移していくためです。
当て布は白い生地のものを選びましょう。当て布に色柄があると、そちらの染料が溶けて衣類に移ってしまう可能性があります。
汚れた箇所に無水エタノールや除光液を少しずつかけて、布でトントンとやさしく叩きましょう。しみ出したインクが当て布に移っていきます。
布ではなく歯ブラシで叩いてもOKですが、ゴシゴシとこすって汚れを広げないように注意してください。
衣類から油性ペンの汚れが落ちるまで、少しずつ無水エタノールを加えながらトントンと叩きましょう。
汚れがある程度取れたら、固形石鹸を泡立てて、ぬるま湯でつまみ洗いします。
汚れを落とすために洗うというより、インク落としに使った無水エタノールや除光液を洗い流すというイメージです。
最後に通常通り洗濯機にかけます。別の衣類と一緒に洗濯しても問題ありません。
そもそも衣類用なので色落ちを気にせず使えるのがメリット。普段の洗濯にも使えるので便利です。
ただし時間が経ってしまった場合には、無水エタノールなどの有機溶剤を使った方法のほうが効果的なので、濃縮タイプの洗濯洗剤は「軽い汚れ」「ついてから時間が経っていない汚れ」に使用しましょう。
<濃縮タイプの洗濯用洗剤を使う手順>
|
作業するテーブルなどに洗剤がつかないよう、ビニールなどで保護しておきましょう。そのうえに白い当て布を準備します。
汚れに洗剤を密着させるために、インクがついた側を「上」にして当て布に乗せましょう。
インクに濃縮洗剤を適量垂らし、つけ置きします。つけ置きできる時間は製品によって指定されているので、洗剤の注意書きを参考にしてください。
最後は他の衣類とまとめて洗濯します。洗剤が汚れを吸着しているので、インク移りする心配はありません。気になる場合は軽くつまみ洗いしてから洗濯してもOKです。
かわいい形のワンピースやシャツなら、上画像のような動物モチーフでも、大人も違和感なく着用できるのではないでしょうか。
ワッペンならアイロンで貼りつけるだけ、ブローチなら針を通すだけでプチリメイクできるのでお手軽です。おしゃれなワッペンをいくつか紹介します。
カバンやソファなどの革製品に油性ペンがつくと、インクがすぐに染みこんでしまいます。
もし無水エタノールなどを使うと、油と一緒に素材の染料も落ちてしまうので、お気に入りの皮製品についた汚れは自分で対処せずに、「革専門のクリーニング店」に持ち込むのがオススメです。
一般的なクリーニング店では取り扱いできないようなバッグや革製品に対して、染み抜きと色修正(染め直し)で対処してくれます。
しかしあくまで「変色や変質などの素材へのダメージがあってもいい」場合に限り、また、本革ではなく合成皮革ならある程度までインク汚れを落とせるかもしれません。
以下の手順を参考にしてみてください。
無水エタノールや消毒用エタノールで、合成皮革に付いた油性ペン汚れを拭きます。ただし色落ちする可能性が高いので、そうなってもいい場合のみ実践しましょう。
【革製品についた油性ペンを落とす手順】
|
少しでもダメージを抑えるためには、エタノールを直接かけるのではなく、布などに染みこませてから拭いてみてください。
また革製品はデリケートなので、傷をつけないように綿やガーゼなどの柔らかい素材で拭くのがオススメです。
油性ペンがついた場所を消しゴムでこすって、油性ペンの跡を消すことができるかもしれません。
ただし物理的に表面を削り落とすことになるので、革製品本来の色が失われて、白っぽく変色するリスクがあります。
【消しゴムで油性ペンを落とす手順】
|
最初に端の方を軽くこすってみて、色落ちが目立たない場合のみ実践してみてください。
ちなみにメラミンスポンジを使うのはオススメしません。メラミンスポンジには水を含ませて使用するので、革製品が給水してシミになる可能性があります。
机や家具についた油性ペンを落とすときは、まずインクが付いた場所の素材を確認しましょう。
樹脂でコーティングされている木製家具であれば、消しゴムなどで汚れを削り落とすことができるかもしれません。
とくに学習机の場合はウレタンなどでコーティングされていることが多く、丁寧に作業すれば油性ペンのインクが落ちます。
しかしコーティングされていない、生木に近い素材だと、木の繊維にインクが染みこんでいるので落とすのは難しいでしょう。
その場合はテーブルクロスで隠すのがオススメ。DIYに自信があれば、カンナやヤスリで削ったりして対処する方法もあります。
机や家具についた油性ペンは、消しゴムやメラミンスポンジで削り落としましょう。
【木製家具についた油性ペンを落とす手順】
|
消しゴムを使う場合は、そのままゴシゴシとこするだけです。メラミンスポンジの場合は水で浸してからこすりましょう。
エタノールや除光液を使うと、家具表面の樹脂やコーティングを劣化させる原因になるので、水以外は使わないようにしてください。
【タバコや線香の灰を使う手順】
|
タバコや線香を燃やしたときに出る灰は、「炭酸カリウム」という成分です。炭酸カリウムはアルカリ性の物質なので洗浄効果があり、しかも灰の粒が研磨作用を持っているので、油性ペンの汚れを削り落としてくれます。
【ミカンやレモンの皮を使う手順】
|
ミカンやレモンなど、柑橘(かんきつ)系の果実の皮には、「リモネン」という油汚れを溶かす成分が含まれています。そのため油性ペンで汚れた部分を、ミカンやレモンの皮でこするのも有効です。
ただしミカンやレモンの色が移るかもしれないので、白い家具への使用は避けましょう。また「リモネン」にはゴムやプラスチックを溶かす作用があるので、これらの素材には消しゴムやメラミンスポンジを試しましょう。
【バターやマーガリンを使う手順】
|
バターやマーガリンなら家庭にあるものだけでインクを落とすことができます。布にバターをつけて拭くだけです。
シミを防ぐために使う中性洗剤は、キッチン用の洗剤でOK。洗剤が残らないように、水拭きと乾拭きをして仕上げましょう。
テーブルクロスなら、万が一また汚れても洗ったり交換したりできます。また部屋のインテリアに合わせてオシャレな風合いにできるのもメリットです。
その場合、DIYに自信があるならカンナやヤスリを使って木材を削るというのもひとつの手段です。物理的に汚れを削り取ることができます。
ただしまっすぐにカンナをかけて、木材の厚みを調整するのは技術が必要です。もし初めてチャレンジするなら、「多少曲がっても仕方ない」くらいの気持ちで取り組みましょう。
初心者でも使いやすいのは上画像の「最適カンナ」。最初から刃の向きが調整されているので、すぐに使いはじめることができます。通常のカンナだとトンカチなどで刃の向きや角度を調整する必要があるので注意しましょう。
自分でカンナを選ぶ場合、平らな面を削るなら「平カンナ」という種類のなかで探してみてください。ほかにも色々な種類のカンナがあるので、自分の目的に合ったものを選びましょう。
壁紙、床、畳、窓ガラスなど住宅に油性ペンがついてしまったときの落とし方を紹介します。
これまでの手順と同じく、無水エタノールや消しゴム、メラミンスポンジを使うのが基本です。しかし使われている素材によっては相性が悪い方法もあるので注意してください。
壁紙の場合、油性ペンの汚れを落とすには以下のような4つの方法があります。
|
無水エタノールや除光液、クレンジングオイルなど、油性インクに効果があるものであれば基本的にどれを使っても問題ありません。ただし念のため、壁の端など目立たない場所で色落ちしないかテストしてから使いましょう。
ここでは無水エタノールを使う場合の手順を紹介します。
【無水エタノールを使う手順】
|
メラミンスポンジでひたすらこすったり、灰を使って掃除することも可能です。ミカンやレモンなどの皮を使ってこすってもよいですが、白い壁だと色移りする可能性があるので避けておきましょう。
外壁にスプレーなどで落書きされてしまったときは、落書き落とし専用のスプレーを購入するのもひとつの手段です。
床についた油性ペンを落とすときは、どの素材が使われているかを確認しましょう。
フローリング |
|
クッションフロア |
|
無垢フローリング |
|
畳 |
|
床材に合わせて効果的な汚れの落とし方を紹介します。
【手順】
|
フローリングの場合は、表面がコーティングされています。無水エタノールや除光液など、油を溶かすものを使ってしまうと、油性ペンと一緒にコーティングも剥げてしまいます。そのためなるべくフローリングに負担をかけないように、消しゴムで優しくこするのがオススメです。
ただし消しゴムでこすった場合も、コーティングが剥げる可能性は十分にあるので、気になるようならプロのクリーニング業者に問い合わせてみましょう。
【手順】
|
クッションフロアの場合は、ビニール素材が使われているため、無水エタノールや除光液を使っても問題ありません。ただしまれにコーティングされているクッションフロアもあるので、劣化させないように注意しましょう。
【手順】
|
無垢フローリングの場合は、水や洗剤を使うと染みこんで劣化を招くので、普段の掃除でも乾拭きが基本です。
水を使わない方法だと消しゴムやメラミンスポンジを使えば油性ペンが落とせる可能性があります。ただしこすった部分が白く変色する可能性もあるので、まずは優しくこすって色落ちしないか試してみましょう。
【畳】
【手順】
|
畳は水分を吸収しやすいので、揮発性の高いエタノールやアルコールを使って汚れを取ります。
無水エタノールをそのまま布やキッチンペーパーに染みこませてもOKですが、スプレータイプのほうが使い勝手がよいのでオススメです。
カーペットについた油性ペンのインクは、無水エタノールや消毒用アルコールを使うか、カーペット専用のシミ取りクリーナーを使いましょう。
【カーペットについた油性ペンを落とす手順】
|
カーペットの素材によっては色落ちしてしまう可能性があるので、かならず2~3滴のエタノールを垂らして色落ちテストをしておきましょう。
また直接エタノールをかけるとカーペットの毛足が傷みやすいので、布に含ませて拭くようにしてください。
窓やガラス製品に油性ペンがついたとき、ガラスの内部までインクが染みこむことはほぼありません。そのため無水エタノールや除光液を使って拭けば、表面についたインクを落とすことができます。
【ガラスについた油性ペンの落とし方】
|
ただしガラスは繊細で細かい傷がつきやすいので、注意が必要です。たわしや固いスポンジ、研磨剤などを使わずに、布などで拭き取るようにしてください。
プラスチックについた油性ペンは、無水エタノールや除光液を使えば簡単に落ちます。ただしプラスチックまで溶けてしまい、白く変色してしまう可能性があるので、長い時間エタノールを触れさせないように注意しましょう。
【プラスチック製品についた油性ペンの落とし方】
|
消しゴムを使う場合は、汚れた部分をそのままゴシゴシこすればOKです。エタノールを使うときと違って変色するリスクも防ぐことができます。
タワシなどを使って汚れを削り落とすこともできますが、プラスチックの表面に細かい傷がついてしまうので注意してください。
紙に油性ペンが付着すると、すぐに染みこんで定着します。もし無水エタノールや消しゴムで消そうとしても、紙自体がペラペラと薄いので、紙自体がボロボロになってしまうのです。
ただし教科書の表面などのように、厚紙の上からコーティングされたものであれば油性ペンを落とせるかもしれません。
以下の4つ方法があるので、どれか試してみましょう。
|
ただしいずれの落とし方でも、油性ペンをキレイに落としきれる可能性は低いでしょう。「汚れが薄まったらOK」くらいの気持ちで試してみてください。
またインクだけでなく、紙の印刷内容などが白く消えてしまう可能性もあるので、それでもいいという場合のみ作業してみましょう。
人間の肌は、毎日のように少しずつ表面が生まれ変わっていくので、時間の経過とともに自然と薄まっていきます。
そのため普段と同じように石鹸やハンドソープで肌を洗っていれば皮膚の過失が落ちて、油性ペンの汚れは消えていきます。
急いで油性インクを落としたい場合は以下の方法を試してみましょう。
【皮膚の油性ペン落としにオススメのもの】
|
【肌についた油性ペンを落とす手順】
|
クレンジングオイルや日焼け止め、ハンドクリーム、口紅などには油分や乳化剤が含まれているのでインクの油分を浮かせてくれるのです。
しかもこれらはすべて、人の体に使うことを想定して作られているので、肌にそこまで刺激を与えないのもメリット。
消毒用アルコールや調理用オリーブオイルなどを使って落とすこともできますが、化粧品のほうが刺激が少ないのでオススメです。
もっと即効性が欲しければ、研磨剤の入っている歯磨き粉を使うか、重曹を汚れのうえにまぶして水洗いしてみましょう。
歯磨き粉に含まれている研磨剤や重曹の粒が、皮膚表面の角質を削り落とすので、インク汚れを落とすことができます。
ただしやりすぎると肌荒れなどの原因となるので、無理な力をいれずにこすりましょう。また研磨剤が入っていても、住居用洗剤などは肌にとって刺激が強いので、使わないようにしましょう。
油性ペンのインクを落とすには、無水エタノールや除光液のように「油を溶かす液体」を使うか、消しゴムやメラミンスポンジなどの「汚れの表面を削り落とすもの」を使うかに分かれます。インク落としに有効な道具を一覧形式で見ていきましょう。
無水エタノールは基本的にどんな場所についた油性インクでも落とすことができますが、手肌への使用や、色落ちの恐れがある服や木製家具などに使うのは避けた方が無難です。
無水エタノールを用意できない場合はアルコール濃度が80%程度の「消毒用エタノール」でも代用可能です。
ちなみに無水エタノールが余った場合は、パソコンなどの電化製品を掃除したり、まな板を除菌したり、アロマスプレーを作ったりといった活用法があります。
一例として以下の記事では、ゴキブリ対策にも有効な「ハッカ油スプレー」の作り方を紹介にしているので、参考にしてみてください。
アセトンだけでも効果はありますが、大手ペンメーカーのZEBRA(ゼブラ)のホームページを参考にすると「プロピレングリコール類(PG)」を含有した製品のほうが効果が高いようです。
除光液もまた多くの場所で油性インクを落とすのに役立ちますが、肌への使用や色落ちさせたくない机や家具への使用は避けましょう。
肌に使うことを前提に生産されているため、手や顔についた油性ペンにも使用しやすいのがメリットです。
口紅の成分も油分が豊富で、「乳化剤」の成分によって油性ペンのインクと馴染みやすいのが特徴です。ただし口紅の色が付いてしまうので、皮膚以外で実用する場面はあまりないかもしれませんね。
おもに衣類についた油性ペンの汚れを、つけ置きして落とすのに便利です。普段の洗濯にも使用できるので、わざわざインク落とし用の洗剤を買わなくても済みます。
ただし衣類の繊維などに染みこんだインクはいくらこすっても落ちないので、表面がツルツルした金属面やプラスチック素材の油性ペン落としに有効です。
メラミンスポンジはザラザラとした表面が特徴です。消しゴムと同じように、研磨効果によって汚れを削り落とすことができます。ただしコーティングや塗装面を剥がしてしまう恐れがあるので、耐久力がない素材には使わないようにしましょう。
歯磨き粉は、「炭酸ナトリウム」や「ケイ素」などが含まれている製品であれば、研磨剤のような効果が得られます。歯磨き粉の成分表示を確認してみましょう。
凹凸が多い壁面などに歯磨き粉を塗り、歯ブラシでこすると油性ペンを落とすことができるかもしれません。ただし染みこんだインクを溶かす力はないので注意してください。
線香やタバコなど、燃えたあとに出る灰の主成分は「炭酸カリウム」というものです。アルカリ性の性質があるので、油汚れを落とすのに向いています。
また灰の粉が研磨剤のような効果を発揮するので、軽くついた油性ペン汚れの表面であれば削って落とすことにもなります。
ミカンやレモン、オレンジ、ハッサクなど、柑橘系の果物の皮は油汚れを落とすのに向いています。皮には「リモネン」という成分が含まれていて、これが油を溶かすのです。
ただしフルーツの香りが移ったり、黄色く色移りしてしまうことがあるので注意しましょう。またリモネンはゴムやプラスチックなどを溶かしてしまうことがあるので、基本的には木材などの別の素材に使うようにしてください。
以下の素材には油性ペンが染みこみやすく、なかなか落ちない可能性が高いです。
|
もし無水エタノールなどを使ってインクが落ちたとしても、素材が傷んでしまう可能性が高いので注意しましょう。
紙や革製品についた油性ペンは、自分で落とすことも不可能ではないかもしれませんが、ほぼ確実に素材の劣化を招いてしまうので注意が必要です。
紙についた油性ペン汚れは、消しゴムなどで削ればインクは薄くなりますが、染みこんでしまったインクは取れないうえ紙がボロボロになってしまいます。
革製品の場合も、消しゴムや無水エタノール、除光液を使えば油性インクを薄めることは不可能ではありませんが、ほぼ確実に色落ちしたり表面がボロボロになったりするので注意が必要です。
石やレンガ、コンクリート、コーティングされていない木材などは油性ペンの汚れはほとんど落ちないと思っておきましょう。これらの素材にはインクが染みこみやすく、汚れを浮かしたり削り取ったりするのが困難です。
油性ペンが付着してから時間が経ってしまうと、何をやっても落ちなくなってしまうケースが多いです。インクが素材に染みこんで定着してしまい、無水エタノールなどを使ってもインクが浮かなくります。
そのため誤って油性ペンがついた場合、すぐに対処する必要があります。自分で対処するのが難しければ、すぐにクリーニング店などに持ち込んでみましょう。
そもそも油性ペンがつくと落ちにくいのはなぜなのでしょうか。油性ペンの成分に理由があります。
水性ペンも油性ペンも「着色料を溶剤で溶かす」という方法で作られています。油性ペンが落ちにくいのは、溶剤が「油性」だからです。
油性ペンに使われているのは「揮発性有機溶剤」で、揮発性が高いため乾きやすく、耐水性があります。しかし耐水性があるがゆえに水を弾くため、油性ペンは水に溶けず落ちにくいのです。
一方で水性ペンは水性の溶剤を使うので、水分を加えると着色料が落ちます。しかしメモ帳やノートが雨などで濡れてしまったときに、インクが溶けだして書いた内容が見えなくなる点はデメリットと言えます。
着色剤には「顔料」と「染料」の2つがあります。「顔料」は素材の表面にのみ付着しますが、油性ペンに使われている「染料」は時間の経過とともに服の繊維などの素材自体にどんどん浸透します。
また油性溶剤は揮発性が高くて乾きやすいため、色が定着するまでの時間が短いです。そのため、油性ペンが付いてしまうと、短時間で落としにくい状態になってしまうのです。
油性ペンのインクには樹脂や定着剤が含まれているので、一度付着すると成分が安定するのです。
樹脂には乾いたあとのインクを保護する役割があります。また定着剤にはプラスチックのようにツルツルしている場所にもインクが定着しやすくなる成分です。
これらの成分が油性ペンを落としにくくしています。
ここまでは成分や機能面を紹介してきましたが、そもそも油性ペンはインクが落ちにくいように開発されています。
雨に濡れたり時間が経ったりしてもなかなかインクが落ちないことこそが、油性ペンの価値です。
油性ペンの販売メーカーは、油性ペンが落ちにくくなるように開発を重ねています。いわば企業努力の結果として、一度インクがついたらなかなか落ちないのです。
自分でいろいろと油性ペンの落とす方法を試してみたけれど解決しない場合は、クリーニング業者に問い合わせてみるのもよいでしょう。
業者によって対応できる範囲は違いますが、とくに壁や床についた汚れはハウスクリーニング業者なら対応できる可能性が高いです。素材との相性を踏まえたうえで、最適な掃除方法を選んでくれます。
ミツモアなら無料で最大5件の見積もりを比較することができます。レビューや実績も確認して、自分に合った業者を選ぶことができますよ。
気になった業者とはチャットで相談することができます。チャットなら時間や場所を気にせずに相談ができるので忙しい人にもぴったりです。