家庭での調理にとても役に立つ魚焼きグリルはご使用されている方が多いですが、臭いや油汚れ、焦げ付きが落とせなくて困るという声も多く聞きます。
ですが、魚焼きグリルの掃除は重曹と自宅にあるアイテムで解決することができます。
この記事では魚焼きグリルをお手入れする方法、キレイに使うためのポイント、庫内のニオイ防止方法まで解説します。
魚焼きグリルに付く汚れや臭いの種類
魚焼きグリルは家庭での調理に欠かせない設備ですが、一方で使用後の汚れや臭いが気になってしまうものです。
これらの問題は主に3つの原因に分けられます。
魚から出る油汚れ
魚を焼いた時に出る油汚れが最も一般的な問題です。
魚焼きグリルは油が下に落ちる構造になっているため、焼き網、受け皿が油でベトベトになりやすい特徴があります。
また、下に落ちるだけでなく焼いている最中に油が飛び散るため、魚焼きグリルの窓や庫内にも油汚れが付着します。
この油汚れは放置すると固着して取れにくくなるため、使用後すぐの処理が必要になります。
網に付着した焦げ付き
魚を焼いた時に焼き網につく焦げ付きは、見た目の不快感だけではなく、衛生面でも問題になります。
焼き目をつけたくて長めに焼けば焼くほど、焦げ付きが残ってしまいがちです。
この焦げ付きは時間が経つほど頑固になり、次回の調理時にも影響を与える可能性があります。
魚を焼いた時の臭い
魚焼きグリルを使用した後にしっかり掃除がされていなかったり、庫内の換気不足により魚を焼いた時の臭いが残ってしまいます。
この臭いは時間とともに変質し、不快な異臭となる可能性が高いです。
特に油脂分の多い青魚を焼いた後は念入りな清掃と換気が必要です。
魚焼きグリルの本格掃除には重曹がおすすめ
魚焼きグリルを本格的に掃除する場合、アルカリ性の性質を持つ重曹がおすすめです。
重曹はドラッグストアやスーパー、Amazonなどで簡単に入手できます。
重曹には「魚から出る油汚れ」「網に付着した焦げ付き」「魚を焼いた時の臭い」全てに効果を発揮する力があります。
油汚れの分解
魚から出る油汚れは酸性です。
上記でも説明しましたが、この油汚れは時間が経つと頑固に固着してしまい、通常の洗剤では落としにくくなってしまいます。
重曹はアルカリ性の物質で、酸性の成分と混ざりあうと中和反応を起こします。これによって油が分解され、こびりついていた汚れも落ちやすくなるのです。
頑固な焦げ付きの除去
重曹は加熱したり、酸性と混ざり合うことで二酸化炭素を発生させます。
この気泡が焦げ付きの下に入り込み、汚れを浮かび上がらせる働きをします。
さらに、重曹の細かい粒子がクレンザーのような役割を果たし、浮き上がった焦げ付きを優しくこすり落としてくれます。
その結果、表面を傷つけることなく、頑固な焦げ付きを除去できるのです。
消臭効果
重曹には優れた消臭効果があります。油汚れの分解で説明したように、重曹がアルカリ性の性質を持つことに関係しています。
重曹のアルカリ性が、酸性の臭い物質と混ざることで中和反応を起こし、その結果、イヤな臭いの元となる物質が分解され、消臭効果が発揮されます。
重曹で魚焼きグリルの掃除をする方法
それでは本題の魚焼きグリルの掃除方法ですが、実は魚焼きグリルはまとめて掃除をするのが効率的です。
受け皿、焼き網、窓、庫内全て一緒に掃除をしてしまいましょう。
手順は以下の通りです。
用意するもの
・重曹 ・沸騰したお湯 ・キッチンペーパー ・手袋 ・キッチンスポンジ ・歯ブラシ ・メラミンスポンジ ・布巾 ・ゴミ袋(シンクをそのまま使いたくない方のみ) |
手順1) 魚焼きグリルから焼き網を外す
まず、魚焼きグリルの扉を開けます。この時、魚焼きグリルが十分に冷めていることを確認してから焼き網を取り外してください。
取り外した焼き網は後ほど掃除するので、作業の邪魔にならない場所に一時的に置いておきます 。
手順2) 受け皿に沸騰したお湯を入れ、魚焼きグリルを10分間蒸らす
焼き網を外した後の受け皿に沸騰したお湯を入れてください。
お湯を多く入れすぎると溢れて火傷をする恐れがあるので、溢れない程度に抑えましょう。
沸騰したお湯を入れたら魚焼きグリルを閉め、そのまま10分程度蒸らしておきます。
※魚焼きグリルを点火すると高温になりすぎてしまうので絶対に点火しないでください。
手順3) シンクにぬるま湯を張る
魚焼きグリルを蒸らしている間にシンクにぬるま湯を溜めます。
焼き網と受け皿を浸けるので、充分な量のぬるま湯を入れてください。
シンクに直接入れたくない方はゴミ袋をシンクに張り、1L程度のぬるま湯を入れましょう。
ぬるま湯の目安は40度くらいが理想です。
手順4) ぬるま湯に重曹大さじ4杯を加えて混ぜ合わせる
シンクにぬるま湯が溜まったら重曹大さじ4杯を加えます。
重曹は1ヵ所に固まらないよう、しっかり全体に混ぜ合わせてください。
手順5) 焼き網、受け皿をつけ置きする
魚焼きグリルを10分ほど蒸らし終わったら受け皿を取り、焼き網と一緒にシンクに浸けてください。
つけ置きしている間は完全放置で大丈夫です。浸かってない部分がないようにつけ置きしましょう。
手順6) 重曹スプレーを作る
焼き網、受け皿をつけ置きしている間に窓、庫内の掃除に取り掛かります。
まずは窓、庫内に吹きかけるための重曹スプレーを作ります。
重曹大さじ2杯とぬるま湯500ccを混ぜ合わせて、スプレーボトルに入れたら完成です。
手順7) 窓、庫内の汚れ全体に重曹スプレーを吹きかける
作った重曹スプレーを窓、庫内の汚れ全体に吹きかけてください。
手順8) 上からキッチンペーパーを被せて30分ほど放置する
汚れ全体に重曹スプレーをかけたらキッチンペーパーを被せてください。
この時、汚れなどがついてしまう可能性もあるので手袋をはめてから被せてくださいね。
また、魚焼きグリルの種類によっては内部に電子部品があるものもあります。
その場合は電子部品を避けて貼り付けるように注意してください。
手順9) キッチンペーパーを剝がしながら、汚れを落とす
キッチンペーパーを外していくと汚れがかなり付着しています。
替えのキッチンペーパーで汚れを拭き取ったり、少しこする必要がある場合はメラミンスポンジや歯ブラシでこすりながら浮いた汚れを取り除いてください。
手順10) 庫内を水拭きする
丁寧に水拭きをしたら、窓、庫内の掃除は完了です。
手順11) つけ置きした受け皿の汚れをこすり落とす
30分以上つけ置きした受け皿の汚れをこすり落とします。
まずはメラミンスポンジで汚れを落とし、受け皿の隅や凸凹部分の汚れは歯ブラシで落としましょう。
こすり取った汚れを水でしっかり洗い流したら乾燥させてください。
手順12) つけ置きした焼き網の汚れをこすり落とす
焼き網は受け皿に比べ焦げ付きがひどく、30分程度では汚れが落としきれない可能性が高いです。
目安としては1時間半〜2時間つけ置きしてから汚れをこすり落としてください。
まずはキッチンスポンジで汚れを落とし、細かい部分の汚れは歯ブラシで落とします。
それでも汚れが落としきれなかった場合、メラミンスポンジでこすり落としましょう。
こすり取った汚れを水でしっかり洗い流したら乾燥させてください。
手順13) 乾燥したら元の場所に戻す
完全に乾燥したら、魚焼きグリルの元の位置に受け皿、焼き網を戻して掃除完了です!
庫内掃除をしても臭いが気になる場合は…
庫内掃除をしても臭いが気になる場合はもうワンステップ手間をかけてあげましょう。
掃除をした後の受け皿に重曹小さじ1杯を水200mlに溶かしたものを入れ、そのまま5分ほど空焼きしてください。
空焼きすることで臭いは充分取れます。
こすっても落ちない頑固な汚れには重曹パックを
上記の手順で掃除をしても長年こびりついた頑固な汚れ、焦げ付きは落とし切れない場合があります。そんな時はぜひ、重曹パックを試してみてください。
手順1) 重曹ペーストを作る
まずは重曹ペーストを作ります。
重曹ペーストは重曹と水を重曹2:水1の割合で混ぜ合わせたものです。
厳密に2:1の割合でなくても問題はないので、重曹に水を少しずつ足していき、ドロッとした状態の重曹ができたら、重曹ペーストの完成です。
手順2) 頑固な汚れの上に重曹ペーストを乗せ、ラップを巻きつける
重曹ペーストをこびりついた汚れが気になる部分に塗り込み、上からラップを巻いてください。
手順3) 1時間ほど放置し、浮いた汚れをこすり取る
ラップをすることで重曹の成分が奥まで染み込み、汚れを落としやすくしてくれます。
浮き出た汚れをスポンジで優しくこすり洗いします。
最後によく水ですすいだら完了です。
他アイテムで魚焼きグリルの頑固な汚れの掃除をする方法
自宅に重曹がなかった場合、ほかのアイテムでも代用可能です。
ただし、汚れの落ち方や取り扱い方に注意があるので、それぞれの使用方法や注意事項をしっかり確認してからご使用ください。
セスキ炭酸ソーダの場合
また、つけ置きの時の量は大さじ1杯、セスキ炭酸ソーダスプレーを作る際は小さじ1杯で作ってください。
ウタマロクリーナーの場合
ウタマロクリーナーを使用する際は、受け皿と焼き網を外した後、ウタマロクリーナーを直接かけてください。5分〜10分経ったら布巾で拭き取るだけで完了です。
手にやさしい洗剤なので素手のままで取り扱えますが、こびりついた汚れには不向きです。
食器用中性洗剤の場合
受け皿と焼き網を外し、食器用中性洗剤を吹きかけて30分程度放置したら歯ブラシやスポンジでこすり取って、水で洗い流したら完了です。
ただ、窓や庫内の掃除に使用するのはあまりおすすめできません。
庫内に吹きかけてしまうとしっかり落としきれない可能性があり、調理中に残った洗剤がついてしまう危険性があります。
ですので食器用中性洗剤を使用する際は、洗い落とせる受け皿や焼き網だけにご使用ください。
焦げ付かせない!魚焼きグリルをきれいに保つ5つの方法
普段からの心がけで魚焼きグリルをきれいに保つことができます。こまめに掃除をすることだけでなく、魚焼きグリルに一工夫を加えるだけで汚れにくくなるんですよ。
アルミホイルや片栗粉など、自宅にあるもので誰でも気軽にトライできる裏ワザもあるので、参考にしてみてください。
3回使用したら1回は簡単に拭き掃除する
魚焼きグリルの掃除頻度の目安は、受け皿と焼き網は毎回、庫内は3回使ったら1回です。
入念に掃除しなくても、重曹を染み込ませたキッチンペーパーで庫内を軽く拭きとるだけでOK。受け皿や焼き網は取り外して、サッと食器用中性洗剤で洗ってから元に戻しましょう。
魚焼きグリルは、使用した後そのまま放置する時間が長いほど汚れがこびりつき、落ちにくくなります。適切な頻度で掃除することが、キレイに保つための1番のポイントです。
受け皿に水溶き片栗粉を入れる
調理の前に、受け皿に水溶き片栗粉を入れておくだけで掃除がグッと楽になります。片栗粉が油汚れを吸収し、冷めて固まったものを取り除けばいいので掃除の手間を省けます。
<片栗粉で汚れを防止する方法>
受け皿に水200mlを入れ、そこに片栗粉大さじ3~4杯入れてよく混ぜ合わせる 普段通りに調理を行い、使用後は冷めるまで待つ 片栗粉がジェリー状になったら、受け皿から剥がして捨てる 仕上げに軽く洗剤で洗う |
魚を焼く前に、水溶き片栗粉を入れるという少しの手間で、その後の掃除が格段にしやすくなります。
焼き網に油や酢を塗る
焼き網に油や酢を塗ることは、焼き網の汚れを防ぐのに効果的です。
キッチンペーパーにサラダ油もしくはお酢を染み込ませ、焼き網に塗りつけていきます。あとは普段通りに調理するだけ。食材のこびりつきを防いでくれます。
油や酢は食材なので、体にも優しく安全に使えるのが嬉しいポイントですね。
焼き網にアルミホイルを敷く
魚焼きグリルを使用するとき、焼き網にアルミホイルを敷いてから食材をのせると、汚れを防ぐことができます。
網に食材がくっつくのを防ぎ、使用後はアルミホイルを捨てるだけ。焼き網も受け皿もほとんど掃除する必要がありません。
汚れを予防するアイテムを使う
①グリルストーン
グリルストーンを使えばグリルをキレイに保ちながら、遠赤外線効果で食材をこんがりと焼き上げることができます。
水の代わりに受け皿に敷いておくことで、焼き汁を吸収して汚れを防いでくれます。さらに、グリル使用後には庫内に残ったニオイを吸収してくれる優れモノです。
効果は長く続くわけではなく、2~3回使ったら交換が必要になるので気を付けましょう。お近くの100均でも売っているので、手軽に入手できるのもいいですね。
②魚焼きグリル用受け皿シート
魚焼きグリル用受皿シートを受け皿に水の代わりに入れれば、汚れが付着しにくくなります。
油汚れやニオイも吸い取るので、焼き網に多少の汚れはつくものの、シートを捨てるだけでいいので片付けが簡単です。
③グリルプレート
グリルプレートはグリルに直接入れて使うもので、焼き網の代わりになるクッキングプレートです。これを使えば受け皿に油が落ちることなく、焼き網に比べて洗いやすいため掃除がラクになりますよ。
さらに、魚だけでなく野菜や肉などの食材も焼くことができるので料理のバリュエーションも広がります。
グリルプレートは掃除が簡単になるだけでなく、料理の幅も広がる万能アイテムです。
魚焼きグリルの頑固な焦げ付きはプロに掃除を依頼しよう!
掃除してみたけれど、どうしても魚焼きグリルの汚れが取れない方や、自分で掃除するのは不安な方はプロの業者に頼んでみるといいでしょう。
業者に依頼すれば、魚焼きグリル以外にもシンクやコンロ、換気扇回りを含めたキッチン全体を掃除してくれます。
キッチンクリーニングの費用相場は10000円〜20000円で、排水管、食洗器のクリーニングは追加料金となることが一般的です。
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