食器は食事のたびに手や口に触れるので、食器を洗う食洗機もできるだけキレイに使いたいですよね。食洗機にはさまざまなタイプの汚れが発生し、その汚れに適した洗浄成分が異なります。
汚れに合わせた食洗機の掃除方法を、わかりやすく解説していきます。正しい掃除方法で、食洗機のキレイを保ちましょう。
食洗機の汚れの原因は何?
食洗機の庫内の汚れは、大きく3種類に分けられます。
- 白いカスのような汚れ
- 触るとベタベタする汚れ
- 黒い汚れ
まずこの3種類の汚れの原因について簡単に解説します。食洗機をキレイに掃除するために、まずは汚れについて知りましょう。
白いカスのような汚れは「水垢」や「石けんカス」
食洗機の庫内の白い粉のような汚れは、水垢汚れや石けんカス汚れです。水垢汚れは、水道水に含まれるミネラル分が乾いて固まったものです。
石けんカス汚れは、食器を洗う洗剤が庫内に残ったもので、そのままにしておくとピンク色のヌメリが発生してしまいます。
この水垢や石けんカス・ヌメリの多くはアルカリ性なので、酸性の洗浄成分で汚れを落とします。
ベタベタするのは「油汚れ」
食洗機の庫内のベタベタした汚れは、油汚れです。食器に付いている油汚れは、食洗機で分解・洗浄されます。しかし一部の油汚れは、そのまま庫内に残ってしまうのです。
油汚れは酸性なので、アルカリ性の洗浄成分で汚れを落としましょう。
黒い汚れは「黒カビ」
食洗機の庫内に黒い汚れがあったら、それはカビです。基本的には、
- 湿度:70%以上
- 気温:20~30℃
- 栄養分:食べカス・汚れ・ホコリなど
という3つの条件が揃うと、カビが発生しやすくなります。
カビは高温に弱いため、普段から食洗機を使っている場合や乾燥機能を使っている場合は、カビが生えることはあまりありません。
しかし食洗機を長期間使わずにいたり、乾燥機能を使わず濡れたままの状態が長期間続いたりすると、カビが生えてしまうことがあります。
後述しますが、カビは漂白剤を使って掃除しましょう。
汚れの原因別に洗剤を使い分けよう!
汚れの原因 | おすすめの洗剤 |
白いカス(水垢・石けんカス) | 「クエン酸」などの酸性洗剤 |
ベタベタする汚れ(油汚れ) | 「オキシクリーン」「セスキ炭酸ソーダ」などのアルカリ性洗剤 |
黒い汚れ(黒カビ) | 「ハイター」などの漂白剤 |
食洗機をきれいにするポイントは、汚れの原因別に洗剤を使い分けることです。持っている食洗機の汚れはどのような汚れなのか判断し、適切な洗剤を使って掃除しましょう。
水垢は「クエン酸」で掃除しよう
白い粉のような汚れは、水垢や石けんカスのアルカリ性汚れです。アルカリ性の汚れを落とすには、酸性の洗浄成分を使いましょう。
ここでは酸性洗剤として、手軽に入手できるクエン酸を使った掃除手順や注意点をご紹介します。市販の庫内クリーナーについても触れていきますので、水垢掃除の参考にしてください。
クエン酸で「水垢」や「石けんカス」を掃除する
水垢や石けんカス・ヌメリの多くは、アルカリ性汚れです。そのため酸性のクエン酸を使うと、アルカリ性汚れを中和して落とすことができます。
クエン酸はレモンやオレンジなどの柑橘類に含まれる、体にやさしい自然由来成分です。水垢などのアルカリ性汚れを落とすだけではなく、ニオイや雑菌も抑えます。
市販の庫内クリーナーよりも安く、100均・ホームセンター・ドラッグストアなどで簡単に購入できます。
食洗機洗浄の頻度は月1回ほど、汚れが目立つ場合は月1回以上を目安にしましょう。
食洗機を「クエン酸」で掃除する方法
クエン酸を使った食洗機掃除の仕方は、次のとおりです。
【用意するもの】
部分的な汚れを落としたい場合は…
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【手順】
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【ポイント】
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クエン酸で食洗機を掃除する際の注意点
クエン酸で食洗機を掃除するときには、次の点に注意しましょう。
【注意点】
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臭いやぬめりも取りたいなら「庫内クリーナー」
食洗機の掃除には、市販の庫内クリーナーを使うという方法もあります。クエン酸よりも水垢やニオイを落とせるだけではなく、油汚れやヌメリも落とせることが、庫内クリーナーのメリットです。
しかしクエン酸よりも値段が高いことがデメリットで、コスパがいいとはいえません。庫内クリーナーはいろいろなメーカーのものがありますが、ここでは一例として、パナソニックのものを使い方とともにご紹介します。
パナソニックの食器洗い乾燥機庫内クリーナー:2袋(2回分) 1,100円
【使い方】
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食洗機のベタベタ汚れには「オキシクリーン」や「セスキ」
ベタベタした汚れは、酸性の油汚れです。酸性の汚れを落とすには、アルカリ性の洗浄成分を使用しましょう。
ここではアルカリ性洗剤として、オキシクリーンを使った掃除手順や注意点をご紹介します。市販の食洗機用洗剤についても触れていきますので、油汚れ掃除の参考にしてください。
オキシクリーンで「油汚れ」を掃除
食洗機のベタベタした汚れは、食器に付いた油汚れが残ったものです。油汚れは酸性のため、クエン酸のような酸性成分では汚れを落とせません。
油汚れを取り除くには、アルカリ性の洗剤を使いましょう。
酸素系漂白剤のオキシクリーンはアルカリ性洗剤で、酸素の泡の力で油汚れを分解・洗浄します。オキシクリーンは熱いお湯に混ざると分解・洗浄効果がアップすることもあり、食洗機掃除にはもってこいの洗剤なのです。
使用頻度などにもよりますが、月1回を目安にして掃除をすると、食洗機をキレイに保てます。
「オキシクリーン」はアメリカ版でも日本版でも使える
オキシクリーンには、アメリカ版と日本版の2種類があります。2つの大きな違いは、界面活性剤が入っているかどうかです。界面活性剤が入っているアメリカ版は、入っていない日本版よりも洗浄・漂白効果が強いのが特長です。
食洗機掃除にはアメリカ版でも日本版でも、どちらでも使えます。ただしアメリカ版は泡立ちがよいため、庫内が泡でいっぱいにならないよう、分量を少なめに調整しましょう。
食洗機を「オキシクリーン」で掃除する方法
オキシクリーンを使った食洗機掃除の仕方は、次のとおりです。
しっかり汚れを落としたいからといって、オキシクリーンの量を多くしすぎると、食洗機が不具合を起こしたり壊れたりする可能性があります。必ず適量を使用しましょう。
【用意するもの】
部分的な汚れを落としたい場合は…
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【手順】
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【ポイント】
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オキシクリーンとクエン酸は混ぜないで!
オキシクリーンで落ちない汚れは、水垢の可能性があります。
水垢はアルカリ汚れのため、酸性のクエン酸を使うと落とせます。
ただし、オキシクリーンとクエン酸を混ぜて一緒に使うと、油汚れも水垢も一度で全部落とせるかというと、そうではありません。
アルカリ性のオキシクリーンと酸性のクエン酸を混ぜてしまうと中性の成分となり、それぞれの性質を消してしまって洗浄効果がなくなってしまうのです。
そのため、オキシクリーンとクエン酸の両方を使いたい場合は、オキシクリーンだけで1回掃除してから、改めてクエン酸だけで掃除するようにしましょう。
「セスキ」も食洗機掃除に効果的
セスキ炭酸ソーダもアルカリ性なので、食洗機掃除に使用できます。
オキシクリーンの代わりにセスキ炭酸ソーダ小さじ2を使い、オキシクリーンと同じ手順で洗浄しましょう。
「食洗機用洗剤」だけでも油汚れを落とせる
市販の食洗機用洗剤も油汚れをキレイに落とすことができます。
食洗機用洗剤はアルカリ性洗剤なうえ、酵素の力で油汚れやタンパク汚れを強力に分解・洗浄します。漂白成分も含まれているため、食洗機をより清潔に洗いあげるのです。
洗剤投入口に1回分の食洗機用洗剤を入れ、使用説明書に記載されているコースで空運転させるだけなので、簡単に使えます。
食洗機の黒カビは「ハイター」で掃除しよう
食洗機の庫内に見られる黒い汚れは、カビです。カビはクエン酸やオキシクリーンでは落とせず、キッチンハイターなどの塩素系漂白剤を使います。
ここでは塩素系漂白剤を使った掃除手順や注意点をご紹介します。食洗機のカビ取り掃除の参考にしてください。
食洗機のカビはゴムパッキンに生えやすい
食洗機は正しい取り扱い方をしなければ、庫内にもカビが生えてしまいます。中でもゴムパッキンはカビが生えやすく、掃除の盲点になりやすい部分です。
ゴムパッキンはハネた油汚れやタンパク汚れが付いたままになったり、濡れても乾きにくかったりします。そのため雑菌やカビが発生しやすいのです。
食洗機の黒カビを「ハイター」で掃除する方法
食洗機のカビを掃除するには、キッチンハイターなどの塩素系漂白剤を使います。庫内とゴムパッキンとではカビ取りの仕方が異なりますので、注意してください。
【用意するもの】
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【庫内のカビ取り手順】
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【ゴムパッキンのカビ取り手順】
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【ポイント】
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ハイターでカビを掃除するときの注意点
食洗機のカビ掃除をするときには、次の2点を特に注意してください。
(1)他の洗剤と混ぜない
キッチンハイターなどの塩素系漂白剤は、特に酸性の洗剤と混ぜると、有毒ガスを発生する恐れがあります。
もし食洗機掃除とカビ取りを一緒にしたいなら、先にカビ取りをして塩素系漂白剤をキレイに洗い流し、その後で食洗機掃除を行うようにしましょう。
食器用洗剤も一緒に使うなど、同時に複数の洗剤で掃除してはいけません。
(2)換気をする
塩素系漂白剤は、ツーンとする刺激臭がします。この刺激臭は、体にもよくありません。塩素系漂白剤のニオイを直接かがないように、注意しましょう。
また塩素系漂白剤を使っている間は、必ず十分な換気を行うようにしましょう。
重曹は食洗機掃除に使える?
クエン酸やオキシクリーンが食洗機掃除に活躍することはわかりましたが、ほかに同じように使えるものはないのでしょうか。
その中でも、重曹が使えるのかどうか気になっている方が多いのではないでしょうか。重曹は食洗機の掃除に使えるかどうか、簡単に解説します。
重曹は食洗機掃除に不向き
重曹も油汚れを落とせますが、食洗機掃除には不向きです。重曹は粉が残りやすく、庫内がキレイになりません。
また重曹には研磨作用があるため、食洗機にキズを付けたり故障や不具合の原因になったりする可能性があります。
食洗機の掃除には、重曹を使わないことをおすすめします。
食洗機掃除のポイント
これまで洗剤を使った食洗機の掃除方法について説明してきましたが、食洗機掃除にはいくつかポイントがあるので紹介します。
掃除の頻度は1か月に1回
食洗機を長く使っていると、水垢汚れやぬめりが気になってきます。そのため、1か月に1回の定期的な掃除が重要になってきます。
汚れがひどくなけれは、クエン酸やセスキなどのお家にあるもので簡単に掃除できるため、めんどくさがらずに定期的な掃除を行いましょう。
メーカーによって推奨する掃除方法が異なる
食洗機にはパナソニック、リンナイ、三菱と様々なメーカーのものがあります。
もちろん上記で説明した方法で掃除することはできますが、不安な方はメーカーが推奨している掃除方法を実践するようにしましょう。
毎日できる!食洗機汚れの予防法
食洗機は食事のたびに使うので、できるだけキレイにしておきたいものです。庫内の汚れが目立ってきてから掃除するのもいいですが、汚れ自体をつけないようにしておくと後の掃除が楽になります。
ここでは、毎日できる食洗機汚れの予防法を解説します。
残菜フィルターを掃除する
食洗機使用後は、毎回庫内に残っているゴミを捨てましょう。底に溜まったゴミを取り除いたり、残菜フィルターのゴミを捨てて軽く水洗いしたりします。
そうすることで、食洗機の庫内にニオイやカビが発生するのを防ぎ、清潔を保てます。
残菜フィルターが目詰まりをしている場合は、水で流しながら、使い古しの歯ブラシでやさしく取り除きましょう。
食器は下洗いする
使用済み食器はそのまま食洗機に入れず、毎回軽く下洗いしてから入れましょう。特に油や食べかすがたくさんついている食器は、下洗いを忘れてはいけません。
汚れがひどい状態のまま食洗機で洗うと、しっかり洗い落とせなかったり、庫内に流れ落ちた油や食べかすが溜まってしまったりして、ニオイや汚れの原因になる恐れがあります。
食洗機を使ったら乾燥させる
食洗機を使用したら、毎回乾燥させて、ニオイやカビが発生しないようにしましょう。毎回乾燥機能を使うのがおすすめです。
乾燥機能を使わない場合は、洗い終わったらすぐに食器を取り出し、庫内の水分を拭き取って、しっかり乾燥させます。ゴムパッキン部分もキッチンペーパーなどで拭いて、水分や汚れが残らないようにしましょう。
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