レンジフードは、油やホコリの通り道になります。これらが混ざり合ってネバネバと樹脂化して、「変性油」という汚れに変化。
こうなると軽くスポンジでこすったくらいでは、なかなか汚れが落ちません。しかもフィルターを空気が通過しにくくなるので、換気機能も落ちてしまうことに。
しかしそんな頑固なレンジフードの汚れも、「湿布法」と「つけおき」をすればとってもカンタンに落とすことができるのです。
レンジフードをつけおきと湿布法で掃除する方法
さっそく「つけおき」と「湿布法」の手順を紹介します。レンジフードにこびりついた頑固な「変性油」を、ラクに落としましょう。
丁寧にやるなら、養生して準備しよう!
養生とは、掃除する箇所以外に洗剤や汚れがつかないように保護することです。大きなゴミ袋を切って1枚のシート状にして、キッチンの壁やコンロ、シンク、ワークトップ(調理台)などを保護しておきましょう。
「わざわざ養生するのは面倒」という方は、またビニール袋を使わずに、コンロの上に新聞紙を敷くだけでも効果的です。
なにも養生せずにそのまま掃除してもOKですが、ほぼ確実に液だれや汚れが付着するので、レンジフード掃除のあとで周辺をしっかり拭き取りましょう。
レンジフードをつけおき掃除する方法
つけおき掃除に必要なグッズと手順は以下。洗剤によって手荒れが起きやすいので、必ずゴム手袋を着用するようにしてください。
<必要なもの>
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<つけおき掃除の手順>
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バケツが小さくてつけおき出来ない場合は、大きなダンボールに2重のゴミ袋をかぶせて、その中にお湯をためてつけおきしましょう。
フィルターやファンだけでなく、パーツ固定用のネジにも油汚れがついているので、一緒につけおきしておきするのがオススメ。
20分ほど経ったら部品をシンクへ移動させ、歯ブラシでこすって洗います。その後、しっかり半日ほど乾燥させてからレンジフード本体に取りつけましょう。
つけおきに使用する洗剤は、キッチン用の中性洗剤でOKです。その他のおすすめ洗剤は後述します。
レンジフードを湿布法で掃除する方法
湿布法は、わかりやすく言い換えれば「洗剤でパックする方法」です。分解できないフードカバーや整流板などに有効なので、ぜひ試してみてください。
<必要なもの>
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<湿布法の手順>
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洗剤を直接スプレーしたあとに、キッチンペーパーのうえからもう1回スプレーすることで汚れに浸透しやすくなります。この状態で10分ほど放置すれば油汚れが浮いてくるので、あとは水拭き&乾拭きでササっと拭き取るだけです。
レンジフード掃除におすすめの洗剤
レンジフードの掃除で「つけおき」や「湿布法」をするときに便利なおすすめ洗剤を紹介します。注意してほしいのは、油汚れにはアルカリ洗剤が有効ですが、アルミ素材との相性が悪いという点。まずはキッチン用の中性洗剤から試してみるのがおすすめです。
湿布法やフィルター掃除におすすめ!油汚れマジックリン
油汚れに特化した「マジックリン」です。アルカリ性洗剤なので油汚れを落とすのに向いていて、キッチン全体の掃除にもオススメです。
ハンディスプレータイプなので、フードカバーの湿布法に便利。またササっとフィルター掃除したいときにも、まんべんなく吹きかけることができます。
シロッコファン専用のつけおき洗剤!つけおきくん
レンジフードのフィルターやファンはアルミ素材なので、強すぎるアルカリ性洗剤を使うと、塗装が剥げたり表面が劣化したりするリスクがあります。
その点、「つけおきくん」はシロッコファン用に作られた製品で、劣化しにくいのがおすすめポイントです。
住宅全体にも使える!ウタマロクリーナー
「ウタマロクリーナー」は手肌に優しい中性洗剤です。住居全体に使うことができるので、レンジフード以外の掃除にも役立ちます。
キッチンでの使用がメインなら、より油汚れ落としに特化した「ウタマロキッチン」もオススメ。普段の食器洗いやスポンジ除菌にも使用できます。
つけおき掃除に便利!重曹
重曹はとても中性に近いアルカリ性で、ナチュラルクリーニングの洗剤として知られています。そのため手肌に優しいながらも、油汚れをはじめとする掃除に便利。レンジフードの掃除では、フィルターやファンをつけおきするときに役立ちます。
スプレー容器に入れて使用する場合には、水100ml:重曹小さじ1杯の割合で使いましょう。
重曹よりもアルカリ性が強い!セスキ炭酸ソーダ
セスキ炭酸ソーダは重曹よりもアルカリ性が強い「ナチュラルクリーニング」洗剤で、より油汚れの効果も強くなります。粉末状のままお湯にとかしてつけおき洗いしたり、水100ml:セスキ炭酸ソーダ小さじ1杯でスプレーにしたりといった使い方があります。
レンジフードの部品の分解方法
「そもそもファンやフィルターの分解方法が分からない!」という方は、ここで紹介する内容を参考にしてみてください。
レンジフードの分解手順
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部品を取り外す際は感電防止のためにも電源を切っておきましょう。
またレンジフードに「整流板」と呼ばれる板が付いている場合は、引き下げて開けておきます。
シロッコファンは、リング状のカバーを外してから中央のネジを回して取り外します。
カバーについているベルマウスを緩めて取り外しましょう。ベルマウスが付いていない場合は、カバー自体を回せば取ることができますよ。
中央のネジ(スピンナー)を外すとファンが落ちてくるので、ネジを緩める際は必ず片手で押さえながら作業してくださいね。
取り付けの手順
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すべての部品を取り付けて元に戻したら、レンジフードの掃除は完了です。
【大掃除編】キッチンまるごと掃除するときの手順とコツ
年末などの大掃除では、レンジフードだけでなくキッチン全体を掃除することもあると思います。そんなときは効率的かつ丁寧にレンジフードを掃除しましょう。
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このように「つけおき時間」を利用して、レンジフードの湿布法掃除や壁・床などの拭き掃除を済ませてしまうのが効率的です。
シンクの養生と、つけおき場所の確保
まずはシンクを養生して、つけおき場所を作りましょう。
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排水口部分のゴミ袋は、水が流せるようにハサミで穴を開けておくのがポイントです。
シンクに直接お湯をためてもいいですが、ほかの洗いものが出来なくなってしまうので、つけおき場所は段ボールやバケツで作るのがオススメです。大きめの段ボールまたはバケツを用意して、2重に重ねたビニール袋を敷いておきましょう。あとでそこに部品を投入します。
漬けおきする部品を取り外す
レンジフードの部品とあわせて、以下のようなパーツを一緒につけおきするのがオススメです。
レンジフード |
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ガスコンロ |
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まとめて分解して、いっきにつけおきすることで時短できます。
お湯をためて洗剤でつけおき
先ほど用意した段ボールまたはバケツに、50~60℃のお湯をためましょう。シンクに直接お湯をためる場合は、水で満杯にしたビニール袋で栓をしてください。
<洗剤の分量目安>
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洗剤を溶かす分量は、上記を目安にしてください。とくにアルカリ洗剤や重曹/セスキ炭酸ソーダは、あまり多く入れすぎるとアルミ製品を傷めてしまう可能性があります。様子を見ながら、少しずつ洗剤を入れていきましょう。
放置時間の目安は、20分~1時間ほどです。このあいだに、フードカバーやコンロの天板、キッチンの壁・床などを掃除しましょう。
フードカバーや整流板を湿布法で掃除する
シロッコファンやコンロの部品をつけおきしている間に、フードカバーや整流板を「湿布法」で掃除していきましょう。
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キッチンペーパーを貼り付けたあとは、10分ほどパックして汚れを浮かしましょう。そのあとは水拭き・乾拭きで仕上げます。
レンジフードの内側も「湿布法」で掃除する
レンジフードの外側の掃除が完了したら、内側も「湿布法」で掃除するとより丁寧です。ただしファンを掃除できれば問題ないので、面倒な場合はこの手順をスキップしても構いません。
「湿布法」の手順は、上の見出しで紹介したとおりです。整流板が付属している場合は、内側にもキッチンペーパーを貼りつけてパックしましょう。
壁・床の油汚れもついでに掃除
キッチンは壁や床にもかなり油汚れが跳ねています。とくにレンジフード横の壁はベタベタしやすいので、つけおきの放置時間をでついでに掃除しましょう。
基本的にはキッチン用の中性洗剤を含ませて、雑巾で水拭き・乾拭きをするだけでOKです。
レンジフード横やコンロ周りなど、油汚れが激しい場所には以下の掃除方法を試してみてください。
<必要なもの>
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<手順>
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ラップを貼り付けた後にドライヤーで温風を当てることで、油汚れがゆるんで落ちやすくなります。まんべんなく1分程度当てるとよいでしょう。
つけおき終了!各部品を優しく洗い流す
つけおきしてから20分~1時間を目安に、各部品を洗っていきましょう。それぞれのパーツが傷まないように、やさしくこするのがポイントです。ま
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シロッコファンやフィルター、コンロの部品などを1つずつシンクに移動させ、やさしくこすって洗いましょう。力を入れすぎると傷んだり変形したりする可能性があるので注意してください。
フィルターを洗うときは、目の向きに沿ってこするのがコツです。汚れが落ちない場合は、再び洗剤をつけながら洗いましょう。
最後は新聞紙を敷いたうえに各パーツを置き、半日ほどを目安にしっかり乾燥させたらお掃除完了です。
レンジフード掃除4つのポイント
レンジフードの掃除をする際には次の4つのポイントが大切です。
こすり洗いはやさしく行う
レンジフードの本体やフィルターなどの部品をこすり洗いするときは、やさしく行うことを心がけてください。
汚れを取りたい一心で力任せに掃除を行うと、表面の塗装がはがれてしまうおそれもあります。金属タワシや、メラミンスポンジなどの硬いもので洗わないようにしましょう。
落ちにくい汚れは力加減で調整するのではなく、湿布やつけ置きの時間を長くするなどして対処しましょう。
作業中はゴム手袋を着用する
レンジフードの掃除をする際は、必ずゴム手袋を着用しながら行いましょう。
シロッコファンやレンジフード内部には鋭い箇所があり、素手のままだと手を切るなどして思わぬケガにつながる可能性があります。
ケガや汚れから身を守るためにも、厚手のゴム手袋を用意しておくとより安心です。
掃除後は部品をしっかりと乾燥させる
掃除後はフィルターやシロッコファンなどの部品をしっかりと乾燥させてください。
水気が残ったまま内部に取り付けると、カビやサビが発生するおそれがあります。
新聞紙の上でしばらく放置し、水分がなくなったことを確認してからレンジフードに戻してくださいね。
無理に分解しない
レンジフードの無理な分解は禁物です。
場合によっては部品が破損してしまう可能性もあるので、取り外しが難しいと思った場合は「取り扱い説明書」を確認しましょう。
どうしても取り外しができない場合は、できる範囲での掃除にとどめておき、クリーニング業者に内部の掃除を依頼するのもひとつの方法です。
レンジフードの掃除頻度
レンジフードの理想的な掃除頻度は使用状況によって異なります。
揚げ物料理を頻繁にする場合 | 1年に1回 |
揚げ物料理をほとんどしない場合 | 2~3年に1回 |
汚れを放置していると見た目がよくないだけでなく、換気効率が低下したり、嫌なニオイが発生したりする原因になります。
また最悪の場合、故障や火災に発展するケースも。そのような事態を防ぐためにも、定期的な掃除が大切です。
揚げ物料理を頻繁にする場合は1年に1回
揚げ物料理を週に1回以上行うなどして頻繁にする場合は「1年に1回」がレンジフード掃除の理想的な頻度です。
料理中に吸い込まれた油やホコリがレンジフードに蓄積するため、長い期間放置しているとかえって汚れが落としにくくなります。
年末の大掃除や、お盆の長期休暇中など、掃除のタイミングを決めて掃除するとよいでしょう。
揚げ物料理をあまりしない場合は2~3年に1回
月に1~2回程度など揚げ物料理をあまりしない場合は「2~3年に1回」程度の掃除でOKです。
油を吸い込む頻度が少ないため、そこまで神経質になる必要はありません。
フィルターが目に見えて黄ばんできたり、レンジフードの吸い込みが悪くなってきたりしたら、掃除を検討するのがおすすめです。
レンジフードの日々のお手入れ
レンジフードは空気を吸い上げるため、表面や周辺部分にどうしてもホコリがたまりがち。また周辺の壁部分も、料理中に飛び跳ねた油汚れが付着して汚れやすい場所です。
日頃の簡単な手入れを実施して、汚れがたまるのを防ぎましょう。
普段の掃除は簡単な水拭きでOK
レンジフードの日々のお手入れは基本的に水拭きでOKです。「週に1~2回」を目安に、水で固く絞ったタオルで表面部分を全体的に拭き上げていきましょう。
日頃から汚れを落としておけば、頑固なベタつき汚れの予防に大きな効果を発揮します。
汚れが目立つ場合は中性洗剤を使って拭き掃除
レンジフードの表面が少しベタついているなど汚れが目立つ場合は、中性洗剤を使ったお手入れがおすすめです。
水で濡らしたタオルに、軽く1プッシュ程度の食器用中性洗剤をつけて拭き掃除を行いましょう。
水でタオルをすすいだあと、固く絞ってから再度拭き掃除をして仕上げてくださいね。
レンジフードの汚れを予防する便利グッズ4選
レンジフードの汚れを予防する便利グッズを4種類紹介します。上から貼れるフィルターカバーや溝部分に貼るテープなどを活用すれば、レンジフードがきれいな状態を長く保つことができますよ。
東洋アルミ「整流板付専用 パッと貼るだけスーパーフィルター」
東洋アルミ「整流板付専用 パッと貼るだけスーパーフィルター」は、整流板付きのレンジフードに使える外付けフィルターです。
シートには粘着性があるため、シールのようにパッと貼るだけで油の吸い込みを抑えることができますよ。
また難燃性の素材を使用しているので、万が一火が燃え上がってきても安心なのがうれしいポイント。
揚げ物料理を頻繁にする方におすすめです。
東洋アルミ「パッと貼るだけ深型用フィルター」
東洋アルミ「パッと貼るだけ深型用フィルター」は、深型用のレンジフードに使える外付けフィルターです。
幅60センチのレンジフードにピッタリと収まるサイズ感で、フィルターに直接貼って使用することができます。
油汚れがたまってくると「とりかえてネ」という取替サインが浮き出てくるため、交換タイミングがわかりやすいのも大きな特徴。
レンジフード掃除の頻度や手間を減らしたい方におすすめですよ。
東洋アルミ「シロッコファンフィルター」
東洋アルミ「シロッコファンフィルター」は、レンジフード内部のファン部分に貼り付けて使うアイテムです。
内部に吸い込まれた油を事前にキャッチすることで、シロッコファンがベタベタになるのを防ぐことが可能です。
また磁石付きのフレームがあらかじめ付いているので、ワンタッチで簡単に取り付けることができますよ。
外からの見た目を変えることなく、ファンの汚れを防止したい方におすすめです。
アーランド「レンジフードの溝用 吸油テープ」
アーランド「レンジフードの溝用 吸油テープ」は、溝部分に貼り付けることで油を吸い取ってくれるグッズです。
レンジフードの溝にたまりがちな油汚れを未然に防げるので、普段のお手入れがグッと楽になりますよ。
掃除の手間を少しでも減らしたい方におすすめです。
汚れがひどい場合は業者にクリーニングを依頼するのがおすすめ
レンジフードの汚れがひどく「自分で掃除するのが難しい」と感じた場合はプロの業者に依頼するのがおすすめです。
自分で掃除するよりも費用がかかってしまうものの、プロの技術による分解洗浄で内部の汚れをすみずみまで落とすことができます。
レンジフードクリーニングの料金相場
レンジフードのクリーニングを業者に依頼した場合の料金相場は「13,000円~18,000円」です。
業者によっても料金やサービスが異なるため、相見積もりを取って比較検討するのがおすすめですよ。
業者によってはセット割引をオプションとして実施している場合もあります。
例えばコンロ部分やシンクの排水管部分など、その組み合わせは様々。キッチンで他に汚れが気になる場所がある場合は、一緒にクリーニングを依頼できる業者に依頼するのがおすすめです。
確かな技術と専用道具で汚れを徹底除去
レンジフード掃除を業者に依頼すると、自分では落としきれないような汚れも徹底的にきれいに落とせます。
専門的な分解技術や業務用洗剤などを用いて、ピカピカのまるで新品のような状態に仕上げてもらえますよ。
所要時間の目安はおよそ2時間程度なので、忙しい方でも安心して依頼することができます。
ミツモアでレンジフード掃除の無料見積もりができます
レンジフードのクリーニングをプロの業者に依頼するなら、ミツモアの利用がおすすめです。
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チャットで依頼詳細や見積もり内容を相談できるので、初めての方でも安心してプロの業者に掃除を依頼することができますよ。
レンジフードをピカピカにして、日々の料理を気持ちよく楽しんでみてはいかがでしょうか。