この記事では、油汚れに効果的なおすすめ洗剤を紹介していきます。お手軽なスプレータイプのなかで定評がある製品から、業務用の超強力な洗剤まで紹介するので、頑固な油汚れにお困りの方は参考にしてみてください。
油汚れに効果的な洗剤は?
油汚れの性質を押さえたうえで、効果的な洗剤の選び方を覚えておきましょう。
水と油がはじき合うので、界面活性剤で落ちやすくする
水と油はおたがいにはじき合うもの。水で掃除するだけだと、こびりついた油汚れの表面にしか届きません。
そこで「界面活性剤(かいめんかっせいざい)」の出番です。界面活性剤は水と油のどちらにも結びつく成分なので、汚れに浸透しやすくなります。
キッチン用・食器用の洗剤であれば界面活性剤は含まれているので、軽い油汚れの掃除なら普段つかっている洗剤で問題ありません。
油汚れは酸性なので、アルカリ性の洗剤を選ぶ
掃除するときの基本は、「汚れを打ち消す性質」の洗剤を使うことです。酸性の汚れには「アルカリ性」、アルカリ性の汚れには「酸性」の洗剤を選びましょう。
油汚れは「酸性」なので、アルカリ性洗剤を選ぶことで落としやすくなります。
- 重曹やセスキ水などのナチュラルクリーニング
- 市販のキッチン用洗剤
- 油汚れ専用のアルカリ性洗剤
おもに上記のような選択肢があります。基本的には市販のアルカリ性洗剤で落ちる汚れが多いですが、長年積み重なった汚れには業務用の超強力な洗剤を選ぶのもよいでしょう。
市販の家庭用・油汚れ洗剤おすすめ7選
市販の家庭用洗剤のなかで、油汚れの洗浄に特化した製品を紹介していきます。
1.花王「油汚れ マジックリン」(アルカリ性)
花王の「マジックリン」シリーズのなかで、油汚れに特化した製品です。ハンディスプレーなのでコンロ周りや壁・床など、幅広い場所の掃除をお手軽にできます。
数ある油汚れ洗剤のなかでも、強い洗浄力に定評がある製品です。頑固な油汚れにつかうときは、スプレーしてから5分ほど放置するとより効果的。
また除菌機能も明示されているので、キッチン周りの油汚れを落とすのにはもってこいです。
2.株式会社東邦「ウタマロ キッチン」(中性)
手肌に優しい中性洗剤「ウタマロ」シリーズの、キッチン用洗剤です。
通常のウタマロクリーナーは界面活性剤が5%ですが、「ウタマロキッチン」は約3倍の14%も含まれています。界面活性剤の力で、しつこい油汚れをしっかり洗浄可能。除菌効果も備わっています。
「油汚れはしっかり落としたいけど、手荒れが気になる」という方にオススメの家庭用洗剤です。
3.株式会社允・セサミ「油職人」(アルカリ性)
株式会社允・セサミは、「技・職人魂」という掃除用品シリーズを販売しています。
「お掃除のプロが現場で開発する」というコンセプトが売りです。レビューのなかには、「5年以上放置した油汚れがスルッと落ちた」という声も。
幾層にも重なった油汚れに使う場合は、割りばしなどで削りながら吹きかけるといっそう効果的だそうです。「ずっと落ちない油汚れがある」という方はぜひお試しください。
4.茂木和也「なまはげ」(アルカリ性)
テレビや雑誌などのお掃除特集ではたびたび名前が挙がる、お掃除のプロ・茂木和也。自身の名を冠した洗剤を販売しています。
茂木和也商品のなかでも、油汚れ専用洗剤が「なまはげ」です。軽度の油汚れであれば200倍に希釈しても落ちるほど、洗浄力が高いのが特徴。
オススメは、キッチンの換気扇・レンジフードのねばねばした油汚れに使用すること。ホコリと油汚れを吸い込んで粘土状になった汚れも、みるみるうちに落としていきます。
5.リンレイ「ウルトラハードクリーナー」(アルカリ性)
名前からして強力そうな「ウルトラハードクリーナー」。プロ推奨の油汚れ用洗剤で、こびりついたり焦げたりした油汚れまでしっかり洗浄します。
強力な洗剤にありがちなのが「ニオイ」ですが、ウルトラハードクリーナーはうれしい低臭タイプ。
泡で出てくるスプレー型なので、みるみる汚れが浮いてくる爽快感を味わうことができます。コンロや換気扇、フライヤーなど油がこびりつきやすい場所の掃除にオススメです。
6.アズマ工業「アズマジック油汚れ洗剤」
お掃除用品やクリーニング事業の大手「アズマ工業」が販売する、油汚れに特化した「アズマジック」。
こちらもプロ推奨品です。かねてより強力な洗浄効果に定評がありましたが、そこへ除菌効果がプラスされてより強力な洗剤に生まれ変わりました。
コンロ周りやキッチンの壁など、ギトギト油が溜まっている場所の掃除にオススメです。
7.リンレイ「ウルトラオレンジクリーナー」(アルカリ性)
こちらもリンレイの製品で、プロの推奨を得ています。「ウルトラオレンジクリーナー」は天然由来成分98%です。
天然のオレンジオイルには「リモネン」という成分が含まれていて、この成分は油脂との親和性が高いのが特徴。油汚れに浸透しやすいため、掃除に向いているのです。
キッチンまわりだけでなく、衣類に付いた油汚れにも効果的。ただオレンジの香りがすることと、アルミなどの金属製品には使用できない点に注意しましょう。
ナチュラルクリーニングの油汚れ洗剤おすすめ4選
化学成分を使わず、自然由来の天然成分でお掃除することを「ナチュラルクリーニング」と言います。コストが低いうえ、しっかり洗浄効果があるので、普段のお掃除にもオススメです。
ちなみに中性の場合はpH6~8で、pH8以上になるとアルカリ性の性質を示し始めます。アルカリ性の強さもあわせて紹介するので参考にしてみてください。
1.重曹(ごく弱いアルカリ性 pH8.2)
重曹は弱アルカリ性の性質を持っているので、油汚れに効果的。
ただしセスキ炭酸ソーダやアルカリ電解水と比べると、かなり中性寄りなので軽度な汚れにオススメです。
粒が細かく、研磨効果もあるのが特徴です。キッチンや換気扇の油汚れだけでなく、壁・床の皮脂汚れを落とすのにも向いています。
中性に近いアルカリ性なので手肌も荒れにくく、普段使いにオススメ。水と混ぜる分量を変えればペースト状にすることもでき、こびりついた汚れに浸透させることもできます。
2.セスキ炭酸ソーダ(弱アルカリ性 pH9.8)
セスキ炭酸ソーダは、重曹よりもアルカリ性の性質が強いのが特徴。pHが8~11だと「弱アルカリ性」にあたりますが、セスキ炭酸ソーダはpH9.8です。
換気扇やコンロについた、固まった油汚れにも効果が見込めます。
すでに水に溶かした「セスキ水」として販売されている製品もあります。こちらであれば、購入してすぐにスプレーできるので、手間なく掃除したい人にオススメです。
3.過炭酸ナトリウム、オキシクリーン(弱~強アルカリ性 pH11~12)
「過炭酸ナトリウム」(酸素系漂白剤)は衣類の漂白だけでなく、洗濯槽クリーニングや風呂釜の掃除、食器類などの掃除に使える万能クリーナーです。
pHは11~12で、かなり強めのアルカリ性を示します。
酸素系漂白剤のなかでとくに有名なのは、「オキシクリーン」という製品。オキシクリーンでつけおき洗いすることを「オキシ漬け」と言うほど、広く知られています。
日本版のオキシクリーンは、界面活性剤や香料を使っていないのでナチュラルクリーニングに最適です。アメリカ版には界面活性剤などが含まれているので、購入する際は注意してください。
4.アルカリ電解水(強アルカリ性 pH12~13)
重曹やセスキ炭酸ソーダよりも、さらにアルカリ性の性質が強いのが「アルカリ電解水」です。化学成分は不使用ですが、酸性の汚れにたいして強力な洗浄効果を発揮します。
業務用の超強力な油汚れ洗剤おすすめ4選
業務用の油汚れ洗剤は、飲食店の厨房などで使うことを想定した、超強力なプロ用の製品です。
洗剤は原液で販売されているので、かなり刺激が強い点には注意が必要です。製品によっては、缶を溶かしてしまうほど。
そのため業務用の油汚れ洗剤を使うときは、必ずゴム手袋やゴーグルを着用しましょう。
1.ニイタカ「ニューケミクール」(アルカリ性)
ニイタカの油汚れ用強力洗剤「ニューケミクール」。ガスレンジ・オーブンなどの厨房器具を中心に、焼き付いた油汚れまで落とすことができる洗剤です。
厨房器具のほかには、換気扇や床や壁への使用も推奨しています。ただしアルミや銅などの金属製品には使用できないので注意してください。
また塗料剥離剤などと似ている成分でかなり強力なので、塗装を剥がしたくない製品への使用も注意しましょう。製品詳細をみると、5~500倍までの希釈が推奨されています。
2.花王「マジックリン 除菌プラス」(アルカリ性)
住宅用洗剤のなかでもメジャーな、花王の「マジックリン」業務用です。油汚れに強く、除菌効果があります。
こちらも厨房のガスレンジや換気扇だけでなく、厨房・ホールの床や、テーブル・イスまでピカピカに。
マジックリンを焦げ付いた油汚れに使う際は、原液のままでスプレーすることが推奨されています。調理器具やテーブルなどの除菌をする場合は、50倍に希釈しましょう。
3.リンレイ「ウルトラハードクリーナー MAX」(アルカリ性)
リンレイの「ウルトラハードクリーナー」を濃縮した、業務用の油汚れ洗剤です。飲食店のフライヤーについたギトギト油もしっかり分解できるパワーがあります。
もちろん家庭用としても使用可能。コンロや換気扇をはじめとするキッチンの油汚れを徹底的に落としてくれます。
4.ダスキン「油汚れ用洗剤」(アルカリ性)
クリーニング業者として知られる「ダスキン」が販売している油汚れ洗剤です。
かなり強力な洗剤なので、原液での使用は絶対に避けましょう。ひどい汚れの場合でも、10~20倍に希釈して使うことが推奨されています。
4リットルで販売されているので、希釈濃度を考えるとかなり経済的ですが、家庭用として使う場合は保管場所を確保しておきましょう。
油汚れ用の洗剤の選び方
基本はアルカリ性洗剤を選ぼう
アルカリ性は酸性である油を分解する働きがあります。そのためアルカリ性洗剤を使用すると油汚れや皮脂汚れ、人間のアカなどを落としやすくしてくれるのです。
アルカリ性の性質を利用した洗剤が、アルカリ性洗剤になります。pH値が高ければ高いほどアルカリ性は強くなりpH値9~11が「弱アルカリ性」、11以上が「アルカリ性」に分類されます。
アルカリ洗剤を使う際の注意点
アルカリ性洗剤を使用する際は、ゴム手袋を着用しましょう。アルカリ性が油分を分解するのと同様に、手肌の油脂までも過剰に落としてしまうためです。
また目や鼻の粘膜に付着すると、痛みを伴います。アルカリ性洗剤スプレーを用いて換気扇などの高所を掃除する際は、ゴーグルやマスクも着用しましょう。
除菌力で清潔に保つ
アルカリ性洗剤には、除菌性能を備えた商品があります。優れた洗浄力に加え、スポンジに付いた雑菌の繁殖を防いでくれる効果が期待できます。
また除菌効果のある洗剤で洗えば、食器やまな板も日々除菌できるでしょう。定期的に漂白剤などで殺菌処理をしなくても、菌の繁殖を防いでくれます。
肌への刺激が少ない洗剤を選ぶ
料理をする人にとって、洗剤は毎日使用するものです。油分を落とす力が強い洗剤を使用していると、肌荒れがひどくなる場合があります。
食器用洗剤には3種類の液性が記載されており、それによって肌を刺激する強さが異なります。液性は「弱アルカリ性」「中性」「弱酸性」です。
弱アルカリ性が一番洗浄力はありますが、肌へ負荷をかけたくない人は弱酸性を選択するとよいでしょう。
また界面活性剤の種類によっても、肌に影響を与える強さが異なります。種類は大きく分けて3つあり、「アニオン」「両性」「ノニオン」です。アニオンが一番刺激が強くなります。
泡立ちのよさをチェックする
泡立ちのよい洗剤は、洗剤を追加しなくても泡持ちがよいので多くの食器を洗えます。一度に利用する洗剤の量が少なければ、その分コストパフォーマンスも高くなるでしょう。
さらに泡立ちがよいと油汚れを落としやすくなるため、強くこすらなくても洗いやすくなります。
また泡切れがよいと少量の水で洗い流せるため、手早く洗える上節水にもつながります。食器洗いの時間が短ければ、その分洗剤や水に触れる時間を減らせて肌の負担も軽減できるでしょう。
洗剤を選ぶ際は、泡立ちのよさもチェックしながら選択するのがポイントです。
デザインや香りから選ぶ
洗剤のボトルデザインも、各メーカーがさまざまな工夫を施しています。例えば手に握りやすい形状のボトルや、プッシュタイプで洗剤が出るものなどさまざまです。
ボトル形状が手になじみやすければ、手から滑りにくくなります。透明なものは洗浄液の残量をすぐにチェックできるでしょう。プッシュタイプは1回で適量の洗剤が出るため、無駄使いを防ぎます。
また洗剤の香りにも注意しましょう。ハーブの香りやフルーツの香りがするものであれば、毎日使うキッチン全体がよい匂いに包まれます。匂いが苦手な人は、無香料タイプがおすすめです。
落としきれない油汚れは業者に依頼する
油が古くなりすぎて酸化し、市販の洗剤でも落とせない汚れもあります。そのような場合は、業者に依頼して清掃してもらうのも一つの手段です。業者に依頼した場合の料金相場や、業者選定ポイントを紹介します。
キッチンクリーニングの料金相場
業者にキッチンクリーニングを依頼すると、業者専用の洗剤や道具を使用してピカピカにしてくれるでしょう。
相場はおおよそ15,000~20,000円ほど。頑固な油汚れは特殊な洗剤と熱湯でつけおき洗いします。
目に見えている箇所だけでなく、天板をドライバーで外して中までキレイにしてくれるでしょう。換気扇も分解してしっかり清掃してくれる場合がほとんどです。
依頼の際には、あらかじめどこまで掃除してくれるのか確認しましょう。クリーニングにかかる時間は約2~3.5時間です。
業者を選ぶ際のポイント
業者を選択する際は、料金とサービス内容を複数の業者間で比較してから決めましょう。その際はミツモアで相見積もりを取得すると、手間をかけずに複数社の見積もりが取得できます。
金額を安くしたい場合は、複数カ所をまとめて清掃依頼するとよいでしょう。一度の派遣で清掃が完了するため、複数回に分けて依頼するよりも安くなる場合がほとんどです。
大手業者であれば、そのようなパック料金プランを設けている可能性が高くなります。一見金額が高く見えても、分解してみると実は安くなっていることがほとんどです。
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