オキシ漬けとは?使える場所、使用方法など
酸素系漂白剤の「オキシクリーン」で漬けおき洗浄することを「オキシ漬け」といいます。20分~6時間ほど放置するだけで汚れを落とすことができます。
風呂やキッチンなどの水回りをはじめ、洗濯機、換気扇、ニオイや汚れが気になるタオル・衣類などの汚れを徹底洗浄することが可能です。
オキシクリーンとは
オキシクリーンは酸素系漂白剤です。「活性酸素」という泡を発生させて汚れを分解します。
一般的な「塩素系」の漂白剤は薬剤の力で汚れを分解しますが、オキシクリーンは物理的に汚れを剥がすイメージです。
そのため衣類の色や柄を落とさずに、汚れだけを漂白できるのが特徴。液性も弱アルカリ性なので、塩素系に比べて刺激も弱めです。
また日本版のオキシクリーンは「界面活性剤」と「香料」を使用していない無添加の洗剤なので、より環境や肌に優しいつくりになっています。
オキシ漬けがオススメできる場所・モノ
オキシ漬けをオススメできる場所・モノを以下にまとめます。
身に着けるもの |
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暮らしの汚れ |
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水回り |
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オキシクリーンは弱アルカリ性なので、酸性の汚れを中和して分解してくれます。また漂白・除菌の効果により、カビやぬめり、水アカなどにも対処可能です。
人の皮脂や汗などの汚れ、キッチンや食器についた油汚れ、お風呂場などの水場で発生するカビやピンク色のぬめりも、ほとんどは酸性。そのためオキシ漬けが効果的なのです。
オキシ漬けの方法:お風呂掃除
お風呂でオキシクリーンを使うときには、浴槽と浴室の床との2カ所に効果的です。
浴槽にお湯をためて、そのなかにイスや洗面器などの小物類も漬けおきしておきましょう。
お風呂用品のオキシ漬け
お風呂のオキシ漬けの手順は次の通りです。基本的にお風呂の小物を入れてOKですが、金属製品は変色や劣化の恐れがあるので避けましょう。
用意するもの
- オキシクリーン
- スポンジ
お風呂用品のオキシ漬けの手順
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お風呂用品のオキシ漬けに使用するのは残り湯でも問題ありませんが、温度を50~60℃まで上げてから使いましょう。
付属スプーン10杯分のオキシクリーンと、汚れを落としたい小物類をまとめて浴槽に投入して、一緒にオキシ漬けします。
風呂用のイスや桶、分解したシャワーヘッド、子供用のおもちゃなどを漬けおきすれば、黒ずみや皮脂汚れをキレイに落とすことができます。
1~2時間放置したら、漬けおきしていたものをスポンジで洗い流しましょう。
バスタオルをオキシ漬け
バスタオルは菌が溜まりやすいので、オキシ漬けを行うことで除菌ができるだけでなくニオイ予防もできますよ。
用意するもの
- オキシクリーン
- 洗面台がなければバケツ
バスタオルのオキシ漬けの手順
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バスタオルが臭くなる原因の雑菌は60℃以上の高温で死滅するので、より手軽にニオイを除去したい方はアイロンがけをおすすめします。
タオルによってはアイロンがけができないものがあるので、タグなどで事前に確認してください。
風呂釜・追い焚き配管もオキシクリーンで掃除
オキシクリーンを使えば、風呂釜・追い焚き配管にたまった汚れや雑菌を掃除できます。
追い焚きをするときには浴槽の水を循環させているので、入浴時に出た皮脂や汗が配管にたまっているのです。配管には汚れが溜まっていき、雑菌も繁殖していきます。
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上記の手順で風呂釜の漬けおき洗浄ができます。最初から熱いお湯をためてしまうと、すぐに追い焚きが止まってしまうので、ぬるめのお湯をためておきましょう。
また最後に配管をすすぐ作業が不十分だと、次に追い炊きしたときに洗剤や汚れが逆流してくることがあります。気になる場合は2~3回にわたってすすぎましょう。
お風呂の床のオキシ漬け
浴槽だけではなく、床部分もオキシ漬けで掃除可能です。タイル部分の黒ずみなど、やっかいな汚れもきれいにできますよ。
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水を入れたビニール袋を使えば、排水口の栓ができます。床全体にお湯と洗浄液を張り、そのまま2~6時間放置しましょう。
洗浄液を作る際の濃度の目安は、洗面器1杯に対して付属スプーン3杯程度が目安です。
オキシ漬けの方法:キッチン用品やコンロ
キッチンには油汚れがたまります。ホコリと混じって酸化したり、コンロの火で焦げ付いたりするとなかなか取れませんよね。そんなときはオキシ漬けで汚れを浮かしましょう。
また調理器具だけでなく、コップの茶渋などにも効果的です。ただしアルミなどの金属製品は劣化してしまうので、つけおきする食器は金属以外のものにしてください。
関連記事:キッチンを大掃除する方法 | ミツモア |
コンロや食器のオキシ漬け手順
大きな洗い桶がある場合は、そちらにお湯を溜めましょう。桶がない場合は、以下の方法でシンクにお湯を溜めてください。
ただしシンクの素材が大理石だったり、ステンレス以外の金属だったりする場合はオキシ漬けをしないようにしてください。
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コンロの五徳や三角コーナー、食器など、汚れが気になるものをまとめて漬けおきします。焦げ付いた鍋や、コップの茶渋にも効果的です。
ただし金属製の製品や塗装が剥げているものは、オキシ漬けできないので注意してください。
オキシクリーンを溶かす量は、4Lのお湯にたいして付属スプーン1杯ほどが目安です。
プラスチック製の換気扇
プロペラタイプの換気扇はプラスチック製のものが多いので、オキシ漬けで油汚れを落とすのに向いています。
レンジフードのフィルターやシロッコファンだと、金属部品が使われているのでオキシ漬けは避けましょう。塗装が剥げたり、素材が劣化したりする原因になります。
漬けおき方法や漬けおき時間は、上述したキッチン用品の掃除方法と同じです。
プラスチック製のゴミ箱
キッチンで使っているゴミ箱からニオイがして困っているときは、オキシ漬けをしてみましょう。
生ゴミや食べ残し、使用済みのキッチンペーパーなどがニオイのもとになっています。オキシ漬けをすることで除菌できるので、臭いや汚れを落とすことができます。
キッチンのゴミ箱に直接お湯を溜めて、オキシクリーンを溶かしましょう。フタを取り外せる場合は、ゴミ箱の中に一緒に入れるのがオススメです。
ただしゴミ箱が金属製の場合には、塗装やメッキが剥がれるなど劣化する原因になるので注意してください。
黒カビがついたふきんをオキシで煮洗い
キッチンだけでなくダイニングテーブルを吹くときにも使うふきん。ふきん自体が菌まみれだと、掃除をしているつもりで菌をばらまいていることになるため、ふきんを清潔に保つことはとても重要です。
頑固なシミや黒カビのついたふきんを洗うときは、オキシで煮洗いするのがおすすめです。
ふきんを煮洗いすると、殺菌できるだけでなく、黄ばみやカビを取り除くことができるのです。
用意するもの
- 鍋
- 菜箸
- ふきん
ふきんを煮洗いする手順
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注意点として、木綿や麻などの素材でできたふきんは煮沸できますが、シルクやウール、化学繊維でできたふきんは煮沸ができません。
というのも、煮沸はふきんの生地自体にもダメージを与えてしまうものなので、熱やアルカリ性に弱い素材は煮洗いに向いていないのです。
オキシ漬けの方法:洗濯槽
洗濯槽をオキシ漬けして、洗濯槽裏のカビや皮脂汚れをきれいに落としましょう。
洗濯槽のオキシ漬け
洗濯槽のオキシ漬けは次の手順で行います。
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フタを開けて汚れをすくい取る必要があるため、ドラム式洗濯機の場合はこの方法が取れません。
洗濯槽は基本的にステンレスなのでオキシクリーンが使えますが、それでも6時間以上は漬けないようにしましょう。素材が黒ずんでしまうなど、劣化の原因になります。
オキシ漬けの方法:衣類・スニーカー
塩素系:〇 酸素系:〇 |
塩素系:× 酸素系:〇 |
塩素系:× 酸素系:× |
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オキシクリーンは漂白剤なので、もちろん衣類にも使うことができます。洗濯に漂白剤を使えるかどうかは、上記の洗濯絵表示を参考にしてください。
塩素系と違ってタンパク質の分解が起こらないので、色物・柄物の服に使っても色移りしません。ただしそもそも洗濯ができないウール製品やシルク製品を漬けおきすると、脱色する恐れがあるので注意してください。
オキシ漬けで洗濯するのがオススメなのは「カレーなどの油性のシミ」「紅茶・コーヒーなどのシミ」「エリ・ソデの黄ばみ」「血液のシミ」「泥汚れ」などが付いた服です。
衣類のオキシ漬け
服のシミや黄ばみは短時間のオキシ漬けが効果的です。
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漬けおきが終わった後は流水でしっかりとすすぎ、通常通りの洗濯を行って仕上げましょう。
スポーツ用ユニフォームについた泥汚れなど、頑固なこびりつきがある場合は1時間を目安に漬けおきしましょう。
スニーカーなど靴のオキシ漬け
スニーカーや上履きには、外側の目に見える汚れだけでなく、内側に雑菌などが溜まってしまいます。オキシ漬けで漂白・除菌をしましょう。
布製の靴であればオキシ漬け可能です。ただし革や合皮、エナメルなどが素材に使われているものはオキシ漬けできないので注意してください。
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オキシ漬けする前に、土や泥をしっかり落としておくのがポイントです。
また靴が浮いてくるのを防ぐために、水を入れたペットボトルで重しをするのもよいでしょう。
黒ずみ、悪臭があるタオルの除菌
タオルやふきんを使っていると、キレイにしているつもりでも、黒ずみや悪臭がでてきてしまうものです。
とくに何度洗濯しても悪臭がとれないときには、菌が発生している可能性があります。衣類で悪臭を発する菌はしつこく残るので、オキシ漬けで漂白・除菌しましょう。
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ふきんなど丈夫な布製品であれば、漬けおきの前に煮洗いすることで、いっそう除菌効果を高めることができます。その場合は、5分ほど鍋で煮沸してから漬けおきしましょう。
普段の洗濯に「オキシ足し」するのもオススメ
これまで紹介してきたように、オキシクリーンのメリットは「成分を分解せずに汚れを落とす」という点です。
そのため普段の洗濯に使っても、色移りしにくいので安心。少しだけオキシクリーンを足すことで、いつもの洗濯よりもっと汚れを落とすことにつながります。
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洗濯槽に付属スプーン1杯分のオキシクリーンを入れて、あとは普段通りに洗濯をするだけです。洗濯洗剤も、分量通りいれましょう。
オキシ漬けの方法:カーテンやカーペット
ホコリや皮脂汚れが溜まってニオイも気になりやすいカーテンやカーペットにも、オキシ漬けが活躍します。
カーテンやカーペットのオキシ漬け
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カーペットを漬けると温度が下がりやすいので、お湯はできるだけ高めの温度で使いましょう。
またカーテンやカーペットが完全に浸かるくらいまでお湯をためてくださいね。完全に漬からない場合は、放置してから1時間を目安に上下をひっくり返すとよいでしょう。
水洗い不可のマークが付いているものや、ウールや麻、ペルシャ製のカーペットはオキシ漬けできないので注意が必要です。
トイレにはクエン酸のほうがオススメ
お掃除系のメディアで、トイレにもオキシクリーンがおすすめだと紹介されることがあります。
しかしどちらかと言えば「クエン酸」や、「サンポール」など市販の酸性洗剤を使うほうがよいでしょう。
トイレにつきやすい汚れは、ほとんどが「尿石」や「黄ばみ」汚れです。尿が原因となって出来るこれらの汚れは、「アルカリ性」の性質。つまり使用する洗剤は、酸性のほうがよいのです。
ただし水垢が気になる場合や、あまり使っていないトイレの黒ずみ汚れは、一部アルカリ性のものもあります。その場合にはオキシクリーンも有効かもしれません。
しかしオキシクリーンの公式ホームページにも、トイレへの使用例がないことを踏まえると、やはりトイレにはトイレに向いている酸性洗剤を使うのが無難と言えるでしょう。
オキシクリーンがない場合の代用品は?
「オキシ漬け」はオキシクリーンを使った洗浄方法ですが、同じ成分を使うことで漂白・除菌効果を得ることができます。
- オキシクリーン以外の酸素系漂白剤
- 過炭酸ナトリウム(過炭酸ソーダ)
上記のものがオキシクリーンの代用品です。基本的に「酸素系漂白剤」として販売されているものであれば、どれも主成分が同じになっています。
また酸素系漂白剤の主成分は「過炭酸ナトリウム(過炭酸ソーダ)」といい、そのままの成分名で販売されていることも。
これらを代用するメリットは、オキシクリーンよりも安く購入できる点です。100円ショップで売られていることもあります。
ただし100円ショップなどで売られている製品だと「効果を実感しづらい」と感じるケースもあるようなので、「とりあえず試してみたい」という方に代用品がオススメです。
オキシ漬けで失敗しないための注意点
金属など、使えない素材がある
オキシクリーンを使用できない素材を以下にまとめます。
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金属素材でオキシ漬けができるのは、基本的にはステンレスだけです。洗濯槽やキッチンシンクは、基本的にステンレス素材が使われています。
しかしステンレスも変色する可能性がゼロではないので、6時間以上は漬けないように注意しましょう。
またテフロン加工されているフライパンなども、塗装が剥げたり変色したりするおそれがあるため、オキシ漬けはできません。
衣類や布製品をオキシ漬けするときには、必ず洗濯絵表示をチェックしましょう。そもそも水洗い不可であれば、当然オキシ漬けもできません。
オキシ漬けする時間の目安
ステンレスなどの部品は、長時間漬けおきすると変色する可能性があるので注意しましょう。
衣類の泥汚れ | 1~6時間 |
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洗濯槽 | 最大6時間 |
皮脂汚れ、油汚れ | 20分ほど |
水場の汚れ | 20分ほど |
このように通常の皮脂汚れや油汚れ、水場の汚れなどは20分ほどが目安です。
スポーツでついた泥汚れなどは、1~6時間のあいだを目安にすれば、しっかり漂白することができます。
洗濯槽をオキシ漬けするときは、6時間を超えないように注意しましょう。ステンレス素材を傷める原因になってしまいます。
オキシクリーンの分量を守る
オキシクリーンを使うときは、用法・用量を守りましょう。分量は以下のとおり。
【お湯4リットルに対して】
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それぞれスプーンやキャップは、オキシクリーンに付属しています。これらの計測器で測りながら、分量を守って使いましょう。
お湯を使う
オキシクリーンは水ではなくお湯で溶かしましょう。発泡効果がもっとも高まるのは40~60℃のお湯を使ったときです。
お湯が沸騰してから60℃くらいになるまで、約20分ほどかかるのでこの時間を目安に冷ましましょう。
お湯を冷ますのが面倒くさいという方は、沸騰したお湯(100℃)に対し、その3分の2以上の水道水(10~18℃)を混ぜ合わせると、60℃前後になります。
またお湯の温度が分からない場合は、「ギリギリ手で触れるくらいの熱いお湯」を使うと考えておきましょう。
ゴム手袋を着用する
日本で販売されるオキシクリーンは、添加物などにこだわり、肌への影響が少なくなるように設計されています。
しかしオキシクリーンを扱うときには、直接肌に触れないようにしましょう。弱アルカリ性の性質があるので、肌荒れの原因になります。
オキシ漬けするときは、必ずゴム手袋を着用してください。
漬けおきしすぎない
オキシ漬けをする際は、漬けおきの時間に注意しましょう。「長ければ長いほど汚れが落ちる」と思ってしまいがちですが、これは誤りです。
洗剤が反応して活性酸素の泡が出るのは、最長6時間程度。これ以上は、いくらまっても洗浄効果のある化学反応は起こりません。
前述したように、基本20分程度、頑固な汚れには1時間~6時間がベストです。
「漬けおきしていることを忘れて一晩経ってしまった」などのケースで、素材を傷めたり、ステンレスが変色したりする可能性があるので注意しましょう。
保管するときには密閉しない
オキシクリーンは水に溶けていないときでも、空気中の湿気や水分と反応して、酸素を発生させつづけています。
そのためオキシクリーンを密閉してしまうと、容器の中で膨張して爆発する危険性も。販売時のケースも、密閉するタイプのものではありません。
もしオキシクリーンを別の容器に移し替えたいなら、気密性の高い完全密封タイプのものは避けましょう。
基本的には、もとの容器のまま保存するのがおすすめです。
オキシクリーンのシリーズ製品を紹介
オキシクリーンの製品を紹介します。
ちなみに日本版は無香料で界面活性剤も入っていませんが、アメリカ版の場合には香料・界面活性剤がどちらも入っています。
オキシクリーン 500g
500gのオキシクリーンです。一般家庭用にピッタリのサイズなので、普段はあまり使わない人にオススメのタイプ。
オキシクリーン 1500g
1500gのオキシクリーン。かなりの容量があるので、普段から洗濯に使用する方や、大きな家の掃除にオススメです。
オキシクリーン アメリカ版
こちらはアメリカ版。香料と界面活性剤が付いている分、人肌への刺激は強めです。洗濯物に香りをつけたい方にオススメ。
オキシクリーン マックスフォース
スプレータイプのオキシクリーン。洗濯する前の衣類に噴射するなど、便利な使い方ができます。こちらの製品は、香料・界面活性剤ともに含まれています。
オキシクリーン マックスフォース ジェルスティック
ジェルスティックになったオキシクリーンです。袖(そで)や襟(えり)に付着した黄ばみやシミにオススメ。こちらも香料・界面活性剤が含まれています。
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