毎日身体の汚れを洗い流すお風呂は、定期的に掃除していても汚れがたまりやすい場所です。
「蓄積してきた汚れやカビの効果的な落とし方がわからない」という方に、掃除のために最低限そろえておきたいアイテムと、効率的にお風呂の汚れを落とす方法を解説します。
お風呂の汚れに合わせた洗剤の選び方
お風呂を掃除するときに大切なのは、汚れの性質にあわせた洗剤を使うことです。汚れの性質にあわせた洗剤の選び方をまとめました。
まず用意しておきたいのは、軽い汚れ全般に対応できる中性洗剤です。花王「バスマジックリン」など、普段の掃除ですでに使用している方も多いのではないでしょうか。
付着してから時間が経った汚れに対しては、中性洗剤だと洗浄力が不十分なことが多いです。汚れの種類に合わせて、アルカリ性または酸性の洗剤を用意しましょう。
皮脂汚れは酸性なので、反対の性質をもつアルカリ性の洗剤、水垢や石けんカスはアルカリ性の汚れなので、酸性の洗剤を使うと落としやすいです。
アルカリ性や酸性の洗剤でも落とし切れなかった頑固な汚れや、さまざまな汚れが混じった複合的な汚れは、研磨剤の入ったクレンザーで磨くと落ちることが多いです。ただし傷がつきやすい素材には使用できません。
奥深くまで根を張る黒カビには、カビ取り剤として売られている塩素系漂白剤が最も効果的です。
塩素系漂白剤(カビキラー・カビハイターなど)を酸性の洗剤(クエン酸、その他酸性洗剤)と混ぜると有毒なガスが発生して危険です。絶対に同時に使用しないでください。
塩素系漂白剤と酸性洗剤を使った掃除は別の日にするか、十分に水で洗い流してから使用するようにしましょう。
ちなみに中性洗剤やアルカリ性洗剤(重曹など)とは混ざっても問題ありません。
参考:
カビキラーのよくあるご質問|ジョンソン
塩素系の「ハイター」シリーズに表示されている「まぜるな危険」とは?|花王
「バスマジックリン」で洗った後に「強力カビハイター」を使ってもいいの?|花王
汚れの見分け方
汚れの種類 | 見た目 | 洗剤 |
---|---|---|
皮脂汚れ・湯垢 | アルカリ性洗剤 クレンザー |
|
水垢 | 酸性洗剤 | |
石けんカス | 酸性洗剤 | |
ピンク汚れ(赤カビ) | 中性洗剤 | |
黒ずみ | アルカリ性洗剤 クレンザー |
|
黒カビ | 塩素系漂白剤 |
皮脂汚れ
浴室で身体を洗うと、皮脂が流れ落ちて床や壁に付着していきます。これが皮脂汚れの原因となり、黒ずみとして現れます。
初期段階であれば、バスマジックリンなどの中性洗剤でも落とせますが、こびりついてしまった場合は、アルカリ性の洗剤で洗浄しましょう。それでも落とせない場合はクレンザーの使用をおすすめします。
水垢
「水垢」は浴室の鏡や蛇口などによく発生する、白いウロコ状の汚れです。
水垢の原因は、水道水に含まれているミネラル分です。水分が蒸発する際にミネラル分が少しずつ残って鏡や床などに付着し、蓄積すると水垢になります。
ただし浴室の鏡には、くもり止めのコーティングが施されていることもあり、酸性の強い洗剤が使えない可能性があります。
関連記事:お風呂の水垢の落とし方と予防法!水垢にはクエン酸が有効|ミツモア |
ピンク汚れ(赤カビ)
ヌメヌメとしたピンク色の汚れは、正式名称を「ロドトルラ(赤色酵母)」といいます。赤カビと呼ばれることもありますが、正確には酵母菌の1種。
赤カビスポンジでこするだけでも簡単に取れます。ただし繁殖スピードはかなり速く、放置しておくと黒カビのエサにもなってしまいます。
関連記事:お風呂の赤カビの落とし方を洗剤別に紹介!100均アイテムも|ミツモア |
黒カビ
浴室はエサになる皮脂や石けんカス、高温多湿な環境などカビの好む条件が整っており、繁殖しやすいです。
お風呂掃除でそろえておきたいアイテムとおすすめ製品
また、洗剤とあわせて用意しておきたい道具は以下の通りです。
道具 | 役割 |
---|---|
ブラシ | 洗剤で分解された汚れをこすり落とす(壁のタイル・床) |
バススポンジ | 洗剤で分解された汚れをこすり落とす(浴槽・壁) |
フロアワイパー・ドライシート | 手が届かない天井の掃除に使用する |
キッチンペーパー・ラップ | 洗剤を塗布した後にパックをし、汚れに浸透させる |
ゴム手袋 | 肌荒れを防止する(塩素系漂白剤の使用時は必ず用意) |
お風呂用スリッパ | 肌荒れを防止する(塩素系漂白剤の使用時は必ず用意) |
洗剤の種類別におすすめの製品を紹介します。
中性洗剤:日常の掃除・ピンク汚れ
お風呂掃除の洗剤としてまず用意しておきたいのは中性洗剤です。
中性洗剤は水垢や皮脂、ピンク汚れなど、さまざまなお風呂の汚れに対してオールラウンドに対応できます。アルカリ性や酸性の洗剤と比べて刺激も少ないので、毎日の掃除に使うのに適しています。
ただし安全なぶん洗浄力はあまり高くなく、長期間放置した頑固な汚れは完璧には落とせません。軽い汚れや毎日のお手入れには中性洗剤を使い、中性洗剤で落としきれなかった汚れにはアルカリ性や酸性の洗剤、クレンザーを使いましょう。
バスマジックリン SUPER泡洗浄|花王
すでに生えた黒カビは落とせませんが、毎日の掃除で使うことで浴室を清潔に保つ役割を果たしてくれるでしょう。
ウタマロクリーナー|東邦
実は花王「バスマジックリン」と含まれている成分はほとんど同じ。家の掃除のために何本も洗剤を買いたくないという方は、「ウタマロクリーナー」1本にまとめるのもよいかもしれません。
アルカリ性洗剤:皮脂汚れ
お風呂で身体を洗うと、流れた皮脂の汚れが浴槽や床に蓄積していきます。時間が経っていなければ中性洗剤で対応できますが、こびりついてしまうと中性洗剤では落としきれなくなります。皮脂汚れは酸性なので、アルカリ性の性質を持った洗剤を使って落としましょう。
ナチュラルクリーニングアイテムとしてよく使われる重曹やセスキ炭酸ソーダはアルカリ性です。酸素系漂白剤である「オキシクリーン」も、汎用性の高いアルカリ性のアイテムとして人気があります。
重曹|シャボン玉石けん
汎用性が高く、お風呂掃除以外にキッチン周りの油汚れ掃除や鍋の焦げ付き落としなどにも使えます。水に溶かして重曹スプレーにするほか、混ぜる水の量を減らせば研磨作用のある重曹ペーストにもなります。
バスマジックリン エアジェット|花王
「こすらず落とす」をコンセプトにしているので、まんべんなく洗剤を吹きかけやすいスプレー構造になっているのもポイント。軽くプッシュし続けると、薄く広範囲にミストが広がり、浴槽や壁など広範囲の掃除がラクにできます。
酸性洗剤:水垢・石鹸カス
水道水のミネラル分が乾燥した水垢や、石けんの油脂と水道水のミネラル分が結合した石けんカスなど、白くこびりついたお風呂汚れはアルカリ性であることが多いです。酸性のアイテムを使うと効果的に落とせます。
ただし石けんカスには皮脂汚れが混ざっていることも多く、酸性洗剤で落としきれないことがあります。その場合はあとからアルカリ性洗剤やクレンザーを使いましょう。
クエン酸|シャボン玉石けん
お風呂だけでなく、電気ケトルやキッチン回りの水垢汚れ、トイレの黄ばみの掃除にも使えます。
お風呂用ティンクル|KINCHO
蚊取り線香や殺虫スプレーで有名なキンチョーが販売する「お風呂用ティンクル」は、数少ないお風呂用の酸性洗剤の1つです。酢酸とクエン酸が含まれており、水垢や石けんカスを分解してくれます。
黒カビやピンク汚れの原因になるカビ菌に対する除菌作用もあるので、汚れ落としと同時に防カビもできるのがうれしいポイントです。
塩素系漂白剤:黒カビ
一般的な洗剤で落とせない頑固な黒カビ汚れには、塩素系漂白剤を使用しましょう。
主成分である「水酸化ナトリウム」がカビの細胞壁を破壊したところで「次亜塩素酸塩」が細胞内部に浸透し、カビの組織を破壊して色素を分解します。
ただし塩素系の成分はかなり強力で、高頻度で使っていると浴室の素材を傷めてしまいます。1回黒カビを除去した後は、再び生えてこないように予防しましょう。
カビハイター|花王
同じ花王の製品に、スプレータイプの塩素系漂白剤である「キッチン泡ハイター」がありますが、「カビハイター」と含まれる成分はほとんど変わりません。お風呂・キッチンそれぞれで使いやすいように次亜塩素酸ナトリウムの濃度などに多少違いがありますが、どちらかしかない場合は代用することもできます。
ゴムパッキン用カビキラー|ジョンソン
容器の先がペン型になっているので、細いパッキンの上にピンポイントで塗ることができます。泡で出てくるスプレーと違ってジェル状なので、液がたれにくく、パッキンの黒カビにしっかり密着して使いやすいです。
浴室のパッキン以外にも、窓枠や冷蔵庫のゴムパッキン、洗面台まわりのコーキング部分のカビ取りにも役立ちますよ。
クレンザー:複合汚れ・頑固な汚れ全般
クレンザーとは、研磨剤と界面活性剤の2種類を主成分とする洗剤のことです。アルカリ性・酸性洗剤で分解しきれず残ってしまった汚れも、研磨作用のあるクレンザーでこすり落とせることが多いです。
ただしクレンザーに含まれる研磨剤よりもやわらかい素材を磨くと傷がつき、かえって汚れがたまりやすくなってしまいます。初めての場所に使うときは、目立たない箇所で試してから範囲を広げましょう。
参考:クレンザー|消費者庁
ジフ|ユニリーバ
「ジフ」シリーズには「バスクリーナー」を含め3種類あります。成分に大きな違いはないので、バスクリーナーが手に入らなければ他のシリーズをお風呂掃除に使っても問題ありません。
基本的なお風呂の掃除方法9ステップ
お風呂全体を掃除するときの基本の流れは以下の通りです。
- 浴室の換気扇を回す
- 浴室全体に水をかける
- 天井・壁の上部を掃除する
- 浴槽を掃除する
- 鏡を掃除する
- 蛇口・シャワーヘッドを掃除する
- 床・壁の下部を掃除する
- 浴室全体を洗い流す
- 汚れが落ちなかった箇所はクレンザーで磨く
洗剤とともに汚れが下に向かって流れるので、上から下に向かって進めていくのが基本です。
「黒カビ」「排水口」「浴槽エプロン」の掃除には塩素系の洗剤を使用するので、別の日に掃除をするのがおすすめです。それぞれの掃除方法は以下の見出しをご覧ください。
どうしても同日にまとめて行いたい場合は、上記の掃除を一通り終えたあと、十分に水で洗い流してから塩素系洗剤を使用しましょう。
①浴室の換気扇を回す
お風呂の掃除を始める前に、換気扇のスイッチを入れておきましょう。
中性洗剤のみを使用する場合はあまり気にする必要はありませんが、塩素系漂白剤(カビ取り剤)など刺激の強い洗剤を扱うときは、換気は必須です。空気が入れ替わらない状態で塩素系漂白剤を使用すると、中毒症状を引き起こす危険性があります。
②浴室全体をシャワーで濡らす
洗剤を吹きかける前に、浴室全体をシャワーで軽く流しましょう。髪の毛やゴミなどを取り除き、洗剤の泡を吸着しやすくするためです。
お湯で濡らしたほうが汚れがゆるみやすいですよ。
③天井・壁の上部をフロアワイパーで拭く
- フロアワイパーにドライシートをセットする
- ドライシートに中性洗剤を吹きかける
- 濡れた状態の天井をフロアワイパーで拭く
- 壁の上部も同様にフロアワイパーで拭く
天井の掃除をするときに注意しなければならないのは、洗剤の液だれです。洗剤がたれてきて目や口に入るのを防ぐため、フロアワイパーが自分の真上ではなく斜め上になるように動かしましょう。
浴室の天井は湯気が立ちのぼって濡れますが、水切りもしづらいので、カビが生えやすいです。初期の黒カビであれば中性洗剤でも落とせる可能性がありますが、こびりついている場合は塩素系漂白剤を使うとスムーズに落とせます。
④浴槽に洗剤を吹きかける
浴槽の内側を触ると、ザラザラとした茶色っぽい汚れがこびりついていることがあります。主な原因は皮脂汚れであることが多いです。皮脂汚れは酸性なので、アルカリ性の洗剤を使用するとよく落ちるでしょう。
一方、浴槽のフチや外側には、シャワーで跳ね返った石鹸カスや水垢が溜まりやすいです。石鹸カス・水垢はアルカリ性なので、酸性の洗剤を使うとスムーズに汚れを落とせます。
- 中性洗剤または弱アルカリ性洗剤を浴槽全体に吹きかける
- 中性洗剤または酸性洗剤を浴槽の外側に吹きかける
- 5~10分置いたら、バススポンジでやさしくこする
⑤床・壁の下部に洗剤を吹きかける
お風呂の床や壁の下のほうは、身体を洗ったときの皮脂汚れが流れて付着しやすい箇所です。軽い汚れであれば中性洗剤、こびりついた汚れはアルカリ性洗剤を使うとよいでしょう。
- 床と壁の下部に中性洗剤またはアルカリ性洗剤をたっぷり吹きかける
- 5~10分ほど放置する
- ブラシやスポンジでこする
汚れがひどい箇所はキッチンペーパーを貼ってパックをすると、洗剤が密着して汚れが分解されやすくなります。
床の黒ずみがひどい場合、洗剤をかけて軽いこすり洗いをするだけでは十分に汚れが落ちない可能性があります。そんなときはクレンザーを使って磨きましょう。
ブラシを動かす向きは上下ではなく、くるくると円を描くようにするのがポイント。様々な向きからブラシが当たるので、壁・床の凹凸に詰まった汚れをかき出すことができます。
⑥鏡をクエン酸でパックする
お風呂の鏡につく白いうろこ状の汚れの正体は水垢です。鏡に残った水分が蒸発して、水道水に含まれているミネラル成分だけが残って蓄積します。
水垢はアルカリ性なので、クエン酸スプレーや酸性洗剤を使って掃除しましょう。
- クエン酸スプレーまたは酸性洗剤を鏡全体にたっぷり吹きかける
- 乾く前にキッチンペーパーやラップを貼ってパックする
- 5~10分ほど放置する
水で流したあとにまだ汚れが残っている場合、やわらかいスポンジやタオルで優しくこすって落としましょう。目の粗いスポンジやブラシを使うと、鏡面を傷つけてしまう可能性があります。
クエン酸スプレーで落ちない場合、皮脂などの酸性の汚れも混ざっている可能性があります。重曹スプレーやアルカリ性洗剤を吹きかけて、同じ手順で再度掃除してみましょう。
それでも落ちない場合は、鏡にも使えるクレンザーで磨く手段もあります。ただし、コーティング加工がしてある鏡には使ってはいけません。
⑦蛇口・シャワーヘッドをクエン酸でパックする
蛇口やシャワーヘッドにたまりやすい汚れは、水垢や石鹸カス。どちらもアルカリ性の汚れなので、クエン酸や酸性洗剤を使うと効果的です。
- クエン酸スプレーまたは酸性洗剤を蛇口とシャワーヘッドにたっぷり吹きかける
- 乾く前にキッチンペーパーやラップを貼ってパックする
- 5~10分ほど放置する
蛇口もシャワーヘッドも、金属部分には傷がつかないように、こするときはやわらかいスポンジを使うのがおすすめです。
金属部品の細かい傷からクエン酸や酸性洗剤の成分が入り込んでしまうと、サビの原因になってしまいます。洗剤が残らないようにしっかり洗い流しましょう。
⑧浴室全体を洗い流す
洗剤を吹きかけて置いておいた場所をシャワーで洗い流します。
洗剤が残ってしまうと、カビのエサになったりこびりついてしまったりして、かえって汚れがひどくなってしまいます。念入りに水を流しましょう。
⑨汚れが落ちなかった箇所をクレンザーで磨く
こびりついた湯垢や床の黒ずみは、洗剤を吹きかけて軽くこするだけでは落ちないこともあります。研磨成分を含む洗剤であるクレンザーで磨いてみましょう。
- スポンジにラップを巻く
- ラップを巻いたスポンジにクレンザーをたっぷりつける
- スポンジで汚れをこする
少し残っている箇所がありますが、頑固な黒ずみがかなり取れました。
クレンザーと一口に言っても、研磨剤の成分や含有率は製品ごとに異なるので、使用できる素材にも違いがあります。自分が購入した製品の注意書きを必ず確認しましょう。
お風呂の黒カビの掃除方法
黒カビは生きたカビ菌です。中性洗剤や効果がゆるやかな重曹・クエン酸などではなかなか落とせません。花王「カビハイター」、ジョンソン「カビキラー」などの塩素系漂白剤を使いましょう。
黒カビ掃除は通常の掃除と別の日に行うことをおすすめします。塩素系漂白剤は浴室が乾いた状態のほうが効果を発揮するので、濡れた状態で使う洗剤とは相性が良くないのです。
また、酸性の洗剤と混ざると有毒ガスが発生するリスクもあります。黒カビの掃除と水垢などの掃除は分けて行ったほうがよいでしょう。
黒カビが発生しやすい場所を例に、掃除方法を解説します。
壁の黒カビの掃除方法
- 浴室が乾いた状態で、黒カビが生えている箇所に塩素系漂白剤を吹きかける
- 塩素系漂白剤が乾く前に、キッチンペーパーを貼ってパックをする
- 確実にパックしたい場合、キッチンペーパーの上からさらにラップを被せる
- 30分前後おいてからシャワーで流し、残った黒カビをブラシでこする
スプレー後そのままにしていると泡が流れてしまうので、キッチンペーパーなどでパックするとよいでしょう。塩素系漂白剤の成分が黒カビに密着して、十分にカビ取り効果を発揮できます。
キッチンペーパーの上からさらにラップを貼ると、水分が保持されてパックの効果が高まります。黒カビがひどい場合はラップまで貼って長めに放置するのがおすすめです。
天井の黒カビの掃除方法
- フロアワイパーにドライシートをセットする
- ドライシートに塩素系漂白剤を吹きかける
- 乾いた状態の天井をフロアワイパーで拭く
- フロアワイパーにウェットシートをセットして天井を拭く
中性洗剤で掃除をするときとほとんど手順は同じです。ただしシャワーで洗い流すと塩素系漂白剤の成分がしたたり落ちてきて危険なので、ウェットシートで拭きとりましょう。
塩素系漂白剤は目や口に入ったり、肌に触れたりすると危険なので、フロアワイパーを動かすときも液だれしてこないように細心の注意を払わなければなりません。
フロアワイパーは必ず自分の斜め上の位置をキープしましょう。ゴーグルやメガネ、マスクをつけて、長袖にゴム手袋をはめて作業をすると安心です。
浴槽のフタについた黒カビの掃除方法
- ポリ袋にお湯3リットルを入れ、200cc程度の塩素系漂白剤を溶かす
- ポリ袋に浴槽のフタを入れ、密封して1時間ほど放置する
- 汚れが浮いたらブラシでこすり落とし、塩素系漂白剤を洗い流す
- しっかり乾燥させる
浴槽のフタも浴室内に置きっぱなしにすると黒カビが生えやすいです。溝に生えた黒カビは、つけ置きで分解しましょう。
お風呂の排水口の掃除方法
排水口は洗い流した皮脂や髪の毛、石鹸カス、洗剤がたまり、特に汚れやすい場所です。放置するとにおいやつまりの原因になってしまいます。
毎日の掃除は目皿やヘアキャッチャーにたまる髪の毛などを取り除き、中性洗剤を吹きかけて流すだけでOKですが、週に1回は内部までキレイにしましょう。
- 排水口の受け皿(ヘアキャッチャー)を取り外す
- 水面や排水口まわりの髪の毛やゴミなどを取り除く
- 部品に中性洗剤をスプレーして5~10分置く
- 歯ブラシで各部品をやさしくこすり、洗い流す
- 排水口に液体パイプクリーナーを注ぎ、15~30分置く
- 水で十分に配管を洗い流す
- 排水口の受け皿を元に戻す
排水口の部品は中性洗剤をかけてこすり洗いしましょう。古い歯ブラシを使うと、目皿の細かい網目まで行き届きやすいです。
カビが生えている場合は塩素系漂白剤を使うとよいですが、プラスチック素材の目皿は塩素系漂白剤によって劣化する可能性があるので注意しましょう。
浴槽エプロンの掃除方法
浴槽は「エプロン」というカバーで側面が覆われています。日常使用でエプロンを取り外すことはないので、気づかないうちに黒カビがたくさん生えている可能性があります。
年に1回でよいのでエプロンを取り外し、内部を掃除しておきましょう。
エプロン内部には黒カビが発生している可能性が高いので、塩素系漂白剤を使って掃除しましょう。
- 浴室の換気扇を回す
- エプロンを取り外す
- エプロンと浴槽側のカビが生えている箇所全体に塩素系漂白剤を吹きかける
- 15~30分放置してから水で洗い流す
- 落としきれなかった黒カビをブラシなどでこすり、再度洗い流す
- 水分を拭き取り、乾燥させてからエプロンを取り付ける
エプロンの取り外し方は、浴室の取扱説明書に記載されています。無理に取り外そうとすると破損する可能性もあるので注意しましょう。
広範囲かつ汚れがひどいことも多いので、エプロン内部の掃除は無理せずプロのクリーニング業者に依頼するのもおすすめです。
エプロン内部清掃は「浴室クリーニング」とセットになっているプランが多く、その場合は約18,000~25,000円程度で浴室全体とエプロン内部をクリーニングできます。
エプロン内部清掃だけの単価は、約3,500円前後が相場。防カビ処理をオプションで付けても、8,000円前後で依頼できます。
風呂釜(追い炊き配管)の掃除方法
追い焚きをするときは浴槽のお湯を追い焚き配管に送り、熱してから浴槽に送り返しています。このときお湯に含まれている皮脂などが配管にも流れてしまうので、定期的な洗浄が必要です。
市販の風呂釜用洗浄剤または粉末の酸素系漂白剤を使います。
- 水またはお湯を、浴槽の穴より5cm高い位置までためる
- 市販の風呂釜洗浄剤またはオキシクリーンを投入する
- お湯の場合は約5分、水の場合20~30分追い焚きする
- 追い焚きを止め、2~3時間放置する
- 5分ほど追い焚きをして、排水する
- もう一度、最初と同じ水位まで水をためる
- 5分ほど追い焚きをして、排水する
お湯を使うときは、追い焚きの設定温度を高めにしましょう。すぐ設定温度に到達してしまうと、配管に洗浄剤がいきわたる前に追い焚きが止まってしまいます。
また排水管に洗浄剤が入り込むので、洗い残しがあると、次に追い焚きしたときに濁った水が出てきてしまいます。仕上げの排水は丁寧におこないましょう。
浴室換気扇の掃除方法
浴室の換気扇は、常に湿気を吸い取っているのでカビや雑菌が発生しやすいです。
- ブレーカーを落とす
- 換気扇の化粧パネル、フィルターを取り外す
- ファンを取り外す
- それぞれのパーツを水または中性洗剤で洗う
- 水気を拭き取り、半日ほど陰干しして完全に乾かす
- 元通りに取り付ける
洗剤や水分が残ったまま元に戻すと、不具合やカビの原因になります。必ず完全に乾いたのを確認してから部品を取り付けましょう。
換気扇はタイプによって外し方などが異なるので、詳しい手順は以下の記事を参考にしてみてください。
分解できないタイプもあるので、その場合はクリーニング業者に依頼するのがおすすめです。
お風呂の汚れ・カビを予防する5つのポイント
汚れや黒カビはこびりついてしまってからでは落とすのが大変です。蓄積する前にきれいな状態を保つためのポイントを5つ紹介します。
水分をできるだけ残さない
長時間水分が残ったまま放置すると、水垢や黒カビの発生につながります。お風呂に入った後は、水切りワイパーやぞうきんで浴室の壁や床、鏡の水分を拭き取るのが望ましいです。
毎回全体の水切りをするのは大変ですが、鏡と手が届く範囲の壁だけでも拭いてみましょう。水切りワイパーをお風呂にフックで吊るしておけば、浴室から出るときに手に取って30秒ほどでサッと水気を拭き取ることができますよ。
入浴後は換気扇を回す
入浴後の浴室は高温多湿な状態になっています。黒カビの発生を防ぐには、とにかく室温と湿度を下げることが大切です。
お風呂を出たあとは窓を開けたり、換気扇を回したりして、空気の入れ替えを行いましょう。できれば24時間換気をし続けるのが望ましいです。
熱湯で除菌、冷水で室温を下げる
浴室を使い終わったあとは、壁・床・浴槽にかるくシャワーを当てるだけでも汚れ予防になります。
まず50℃以上の熱いシャワーをかけて、雑菌の繁殖を防ぎましょう。その後、冷水をかけて壁や床表面の温度を下げることで、カビ予防になります。
小物をなるべく床や壁に接着させない
濡れた風呂桶やシャンプー、リンスなどの小物を直接床や台に置くと、接着面がなかなか乾きません。水分がついたままだと、ぬめりやピンク汚れ、黒カビの原因になります。
フックを使った吊るし収納を取り入れる、水はけのよいトレーの上に置くなどして、床や壁、台に直接触れる面積を減らしましょう。
お風呂用の防カビ剤を使用する
毎日水切りをしたり、収納を工夫したりするのが面倒……という方は、定期的に防カビ剤を使うのがおすすめです。
除菌効果のある成分を浴室内に浸透させ、黒カビが生えてくるのを防いでくれる製品が多数販売されています。
ルック「おふろの防カビくん煙剤」は、銀イオンを含む煙を浴室内に行きわたらせ、黒カビの原因菌を除菌します。
お風呂の掃除をプロに依頼する場合の料金相場
なにかと手間がかかるお風呂掃除。「時間がない」「手に負えないほど汚れてしまっている」という方は、お風呂掃除/浴室クリーニング業者などのプロに任せましょう。
浴室クリーニングの費用は、12,000~16,000円が目安です。一般的には、以下のような場所が標準プランに含まれています。
- 浴槽
- 排水口
- 壁、床、天井
- 照明
- 扉の内側
エプロン内部の高圧洗浄はオプションになっていることが多く、約3,500円前後がプラスでかかります。
また「防カビコーティング」「鏡の水垢除去・コーティング」「追い焚き配管の除菌洗浄」「浴室換気扇(乾燥機)の分解洗浄」などもオプションで依頼できるケースが多いです。
それぞれの単価は業者によって異なりますが、それぞれ約5,000~12,000円ほどで追加することができます。
プロに依頼するメリット
プロに浴室クリーニングを依頼するメリットは、以下のような点が挙げられます。
- 自分で掃除するよりも手間なく、きれいな仕上がりになる
- 業務用の洗剤や機材を使って頑固な汚れにも対応してくれる
- オプションでコーティングや防カビをすれば、汚れにくくなる
浴室クリーニング業者を探すなら「ミツモア」がおすすめ
浴室クリーニング業者を探すときは、お住まいの地域の事業者がカンタンに探せるお仕事プラットフォーム「ミツモア」がおすすめです。
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