キッチンにアルミ缶を置いていたら、いつの間にかシンクに茶色いサビがついていた…という経験はありませんか?
キッチンや浴室など、水気が多い場所はもらいサビが発生しやすい場所です。
この記事では、もらいサビの原因と落とし方、予防法を徹底解説します。もらいサビを除去・予防して、きれいなお家で快適に暮らしましょう。
もらいサビってなに?
キッチンや浴室にいつの間にかできている茶色いサビの正体は、「もらいサビ」と言われるものです。普通の洗剤で擦ってもなかなか落ちないので、手を焼いている方も多いでしょう。
ここでは、もらいサビの原因や発生しやすい場所について解説します。
もらいサビとは
もらいサビとは、金属製品のサビが他の製品に付着してできる汚れのことです。
シンクにアルミ缶を置きっぱなしにしていたり、浴室にカミソリやヘアピンを置いたままにしたりしていると、金属がサビて茶色い汚れが周りに移ってしまいます。
キッチンのシンクや洗面台、浴室などで目にする機会が多いもらいサビ。通常ほとんどサビないと言われるステンレスをはじめ、プラスチック、タイルなどあらゆるものにサビが移るケースがあります。
もらいサビがうっかりできてしまったら、なるべく早く対処するようにしましょう。サビが発生してあまり時間が経っていないなら、まだ表面に付着しているだけの状態です。
普通に擦っただけではなかなか落ちないサビですが、適切な洗剤を使うことで元どおりきれいにすることができますよ。
もらいサビの原因
水気のある環境で、2つの金属が接触した状態のまま放置すると、片方の金属がサビてしまうのがもらいサビです。
もらいサビの原因は「イオン化傾向」と呼ばれる現象です。金属の種類の中でも、イオン化傾向が高いものはサビの原因になります。
例えば、鉄とステンレスなら鉄の方がイオン化傾向が高いため、鉄が水に溶けてステンレスに付着したものがもらいサビになります。
もらいサビが発生する場所
もらいサビは、主にシンクや浴室に発生します。また、コンクリートや外壁など金属と接する部分がある場合には、あらゆる場所でもらいサビができてしまいます。
ご自宅のいたるところで発生している可能性があるので、くまなくチェックしてみましょう。
もらいサビの落とし方は?
もらいサビは、クエン酸や重曹など、ご家庭にある様々なグッズで落とすことができます。
また、サビ落とし専用の洗剤もあるので、なかなかサビが落ちない場合でも安心。ここでは、サビ落としに使える洗剤と、その使い方について徹底解説していきます。
クエン酸
ステンレスについた赤茶色のもらいサビにはクエン酸が有効です。
クエン酸には、サビた金属から酵素を切り離す「還元」という作用があります。酸の力でサビを分解して中和するので、サビをすっきりと落とすことができますよ。
まずは、水にクエン酸を溶かしてクエン酸水を作ります。いらない布にクエン酸水を浸したら、もらいサビの上に布を置いて30分程度放置。30分経ったら洗い流して完了です。
ちなみに、コーラにもクエン酸が含まれているため、クエン酸がない場合は代用可能です。サビが気になる部分にコーラをかけて、スポンジで擦って落としましょう。
「ジフ」などのクリームクレンザーも、もらいサビに効果的です。
使い方は簡単。雑巾にジフをとり、クルクルと円を描くようにもらいサビを擦るだけです。サビが取れたら、水拭きをして完了です。
ジフに含まれているカルサイト粒子は、ガラスやステンレスより柔らかい天然成分でできています。キッチンやお風呂の素材を傷つけることなく、もらいサビをきれいに落とすことができますよ。
重曹
クレンザー同様、研磨作用でサビを落とすことができる重曹。
もらいサビに粉のまま直接振りかけ、スポンジで擦りましょう。サビを落とし切ったら、水拭きをして重曹を取り除いて完了です。
重曹は水に溶けにくいため、重曹の細かい粒子がサビを絡めとります。発生して時間が経っていないもらいサビなら、表面にサビがついているだけなので、研磨効果で物理的に落とすことができます。
歯磨き粉
歯磨き粉もクレンザーや重曹同様、研磨作用でサビを落とすことができるアイテムです。
歯磨き粉には研磨剤が含まれていますが、口の中に入れる製品のため、洗剤よりも優しい成分で作られています。内部までサビが侵食していない、初期のもらいサビに特に効果的と言えます。
使用済みの歯ブラシに歯磨き粉をのせ、もらいサビをこすりましょう。最後に水で洗い流したら完了です。
ハイドロハイター
ハイドロハイターは粉末の還元型漂白剤です。衣料用のアイテムですが、酸化した鉄分を還元する効果があるのでサビ落としにも有効です。
まず、サビがついた部分をお湯をかけてあらかじめ温めておきます。温めておくと、ハイドロハイターがより効果を発揮します。ハイドロハイターを60°〜70°の熱めのお湯に溶かしてペースト状にしたら、もらいサビの上に塗って30分程度放置。水で流せば完了です。
強い成分が含まれているため、使用する際はゴム手袋を装着しましょう。
オキシクリーン
浴室のサビ落としにはオキシクリーンがおすすめです。衣類にも使える洗剤なので、色落ちが気になる浴室のタイルにも使うことができます。
オキシクリーンの物質に酸素を結合させる性質を利用して、サビの色素を取り除きましょう。
オキシクリーンを70°くらいの熱めのお湯に溶かしてペースト状にしたら、もらいサビの上にのせて10分ほど放置。歯ブラシでサビを擦ったら、水で洗い流しましょう。
サビが取りきれなかった場合は、再度オキシクリーンを塗って20分程度放置してみてください。
チオグリコール酸アンモニウム
サビを落としたい場所が大理石の場合、研磨作用のあるものやクエン酸、漂白剤を使うと、人工大理石のツヤが損なわれたり、素材を傷めたりしてしまう場合があります。
大理石にはチオグリコール酸アンモニウムがおすすめ。中性なので、大理石を傷めずに使用することができます。聞き慣れない名前ですが、「サビ落とし」として販売されているので、成分をチェックしてみてください。
チオグリコール酸アンモニウムを含むサビ落としをサビに塗り、紫に変色したら1分程度放置します。1分経ったらいらない布で拭き取りましょう。何度か繰り返してサビが完全に落ちたら、水で洗い流します。
茂木和哉「サビ落とし」
お掃除のプロ・茂木和哉さんが開発したサビ落とし用の洗剤。
還元作用でサビを浮かせて落とすことができるものです。使用方法は簡単で、サビたところにスプレーし、サビが赤紫色に変化したら、約10分放置して洗い流すだけです。
タレにくい粘性のある液体なのでしっかりと素材に密着し、サビを強力に溶解します。擦らなくていいので、傷がつきやすいデリケートな素材にもおすすめです。
汚れがひどい場合は、10分放置して洗い流す過程を何度か繰り返すと効果的です。
もらいサビを落とす際の注意点は?
もらいサビを落とす際には、いくつか注意点があります。気をつけてサビ落としを行わないと、素材を傷めてしまうことも。
実際にサビ落としをする前に注意事項を確認しておきましょう。
ゴシゴシこすらない
サビを落とす時にゴシゴシ擦ってしまうと、素材まで傷つけてしまう恐れがあります。擦る際は、優しく円を描くようにしてサビを落とすよう心がけましょう。
素材が傷つくと腐食の原因になったり、傷に汚れが溜まりやすくなったりしてしまいます。
まず目立たない場所で試す
木材やタイルの場合、サビを落とす際に変色してしまう可能性があります。洗剤を使うときは、まずは目立たない場所でテストしてから全体に使うようにしましょう。
洗剤をよく洗い流す
サビ落としが終わったら、洗剤をよく洗い流すようにしましょう。洗剤が残ってしまうと変色の原因になります。
洗い流した後は水気をしっかり拭き取ることもポイントです。
もらいサビの予防法は?
もらいサビは、一度発生してしまうと落とすのが厄介です。また、デリケートな素材はサビ落としの過程で傷つけてしまうことも。
もらいサビをなるべく発生させないように、日頃から予防を怠らないようにしましょう。
水気を取り除く
もらいサビが発生するメカニズムは、金属に水が触れることです。キッチンは調理が終わったらシンクの水気を拭き取ったり、洗面台は水が跳ねたらこまめに拭き取ったりしましょう。浴室も、きちんと換気しながら水気を取り除くのが効果的です。面倒でもこまめに水を拭き取るように心がけるだけで、サビの発生を抑制することができますよ。
アルミや鉄を置きっぱなしにしない
お風呂に置いていたヘアピンやカミソリが原因で、浴槽に茶色いもらいサビが発生してしまった経験がある方は多いのではないでしょうか。
水分をこまめに拭き取るようにしていても、サビの原因になる金属類を放置していると、どうしてもサビは発生してしまいます。
アルミや鉄でできた製品は、水気のある場所に置きっぱなしにしないようにしましょう。
塩素系漂白剤はよく洗い流す
塩素系漂白剤はステンレスには基本的にNGです。
塩素系漂白剤の成分はステンレスの膜を破壊する作用があるので、ステンレスを傷めてサビを発生させる原因になることがあります。
キッチンで塩素系漂白剤を使う場合は、桶などに入れてシンクに直接つかないように工夫しましょう。シンクなどのステンレスについてしまった場合は、すぐに水で洗い流すようにしてください。
油汚れを放置しない
キッチンでは、油汚れに気をつけてみてください。
油汚れを放置すると酸化が進むため、ステンレスの酸化皮膜を傷つけてしまいます。ステンレスが傷ついたことでサビの原因になる場合があるため、シンクやお鍋に飛び散った油はこまめに取り除くようにしましょう。
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