ガスコンロの中でも「五徳」は毎日の汚れが蓄積しやすく、ベタベタしたガンコな汚れになりやすい場所です。そんな五徳掃除には、使う洗剤や掃除方法などに、ちょっとした工夫が必要です。
掃除方法をわかりやすく解説していきますので、五徳をキレイにする際の参考にしてください。
五徳の種類・汚れの種類をまず確認しよう
五徳は、調理中の鍋やフライパンに直接触れるため、汚れが付きやすいです。この汚れを落とすためには、五徳の材質や五徳に付きやすい汚れによって、使う洗剤を変えなければなりません。
まずは五徳の材質と汚れについて、簡単に確認していきましょう。
五徳にはホーロー製とステンレス製がある
五徳にはステンレス製とホーロー製の2種類があります。
ステンレス製
【メリット】
【デメリット】
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ステンレス製の五徳を掃除するには、専用のステンレスクリーナーが必要です。耐久性が高い素材ですが、誤った掃除で傷つけてしまうと、そこから耐久性が落ちていくので気を付けましょう。
ホーロー製
【メリット】
【デメリット】
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ホーロー製の五徳には上記の特徴があり、キッチン用の中性洗剤やアルカリ性洗剤なら基本的に掃除することができます。
五徳につく汚れは焦げ付きと油汚れ
五徳に付くおもな汚れは次の2つです。
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この汚れを落とすには、汚れを中和させて落ちやすくするのがポイントです。
そのため食品かすなどのアルカリ性汚れは、クエン酸などの酸性洗剤で、焦げ付き・油汚れなどの酸性汚れは、重曹などのアルカリ性洗剤で掃除します。
汚れを放置しているとガスコンロの寿命にかかわる!?
一般的に、ガスコンロの耐用年数は10~15年ほどとされています。しかしガスコンロの定期的な掃除をせず、汚れを溜め込んだまま使い続けていると、耐用年数が短くなってしまう恐れがあります。
例えば、五徳の焦げ付き汚れや油汚れで、ガス噴出穴が詰まってしまうと、故障してしまう可能性があります。ガスコンロにはできるだけ汚れを溜め込まないのがおすすめです。
ステンレス製五徳の掃除方法
用意する洗剤・道具
- 布またはキッチンペーパー
- ラップ
- サラダ油
- ステンレス用クリーナー
ステンレス製のコンロを掃除するときは、画像のような専用クリーナーを用意しましょう。
手順1 小さく丸めたサランラップにクリーナーを垂らす
サランラップをくしゃくしゃにして小さく丸めます。小さく丸まったらステンレス専用のクリーナーを適量垂らしましょう。
手順2 五徳が変色した部分や汚れを何度もこする
クリーナーをつけたサランラップでステンレス製五徳を優しくこすりましょう。すぐに汚れが取れるわけではないので、汚れている箇所一つあたり約100回ほど目安にこすってください。
途中でクリーナーの泡立ちが悪くなったら、ラップを変えたりお水を少し加えたりして調節します。
手順3 汚れやクリーナーを水で洗い流す
汚れがとれたらクリーナーをしっかりと水で洗い流していきます。クリーナーが残らないように注意してください。
手順4 布にサラダ油を染み込ませ、五徳に油を馴染ませる
最後に布またはキッチンペーパーにサラダ油を染み込ませ、五徳に油を染み込ませるように塗布していきましょう。
サラダ油を塗ることで焦げ防止・サビ防止につながります。
【軽度の汚れ】ホーロー製五徳を重曹で拭き掃除
五徳に付いた軽い汚れは、重曹スプレーでの手軽な拭き掃除がおすすめです。短時間でササッと汚れを落とせます。重曹がないときは、水で薄めた食器用洗剤が代わりになります。
用意する洗剤・道具
- 布またはキッチンペーパー
- 空のスプレーボトル
- スポンジまたは柔らかい歯ブラシ
- 重曹
重曹以外には「セスキ炭酸ソーダ」「アルカリ電解水」など、アルカリ性の成分が有効です。またそこまで汚れがひどくない場合、食器用の中性洗剤でも構いません。
手順1 汚れに重曹スプレーを吹き付け、5~10分ほど放置する
【重曹スプレーの作り方】
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重曹スプレーを吹き付けたあと、しばらく放置することで汚れを浮かせ、こすり落としやすくします。少し頑固な汚れがある場合はさらに時間を置いてから汚れをこすってみましょう。
重曹がない場合は台所用の中性洗剤を重曹の代わりに使用しても問題ありません。
手順2 柔らかいスポンジや歯ブラシで、やさしく汚れをこすり落とす
重曹で浮かせた汚れを取り除いていきます。ガスコンロを汚したくない方は五徳を外し、シンクでこする作業を行ってください。
手順3 数回水拭きした後、乾いた布で水分をしっかり拭き取る
五徳を取り外した方は水洗いし、取り外さずに掃除した方は濡れた雑巾でしっかり拭き掃除してください。重曹が残っていると白くなってしまいます。
【中程度の汚れ】ホーロー製五徳を重曹でつけ置き洗い
重曹スプレーでは落ちない中程度の汚れ掃除には、つけ置き洗いがおすすめです。重曹を溶かしたお湯にしばらく浸しておくことで汚れを緩め、落としやすくします。
【水1:重曹2】の割合で混ぜた重曹ペーストで、やさしくこすり洗いする方法もあります。
用意する洗剤・道具
- 底が深めのプラスチック容器
- スポンジまたは柔らかい歯ブラシ
- 布またはキッチンペーパー
- 重曹
漬けおきする容器は、五徳がしっかり入る大きさのものを用意しましょう。もしくは、シンクにお湯をためたり、ビニール袋の中で漬けおきしてもOKです。
手順1 シンクにプラスチック容器または大きいビニール袋を置く
シンクに五徳をつけおきするためのプラスチック容器か大きいビニール袋を用意します。
ビニール袋を使用する場合は、五徳の角に引っかかって袋が破けないよう注意してください。
手順2 お湯1Lあたり重曹大さじ4の割合で混ぜて容器に入れる
五徳にこびりついた汚れを落とすために、重曹を多めに入れた重曹水をつくりましょう。2Lの水で重曹水をつくるときは重曹を大さじ8杯入れてください。
お湯は40℃くらいの温度にしましょう。
手順3 容器に五徳を入れ、1時間ほど放置する
重曹水に1時間つけおきして、しっかりと汚れを浮き上がらせてください。汚れが浮いているように見えなかった場合は少し時間を延長しましょう。
手順4 浮き上がった汚れをスポンジなどでこすり取る
柔らかいスポンジや歯ブラシで細かい汚れをやさしくこすり取りましょう。スポンジなどでは柔らかすぎて取れない場合はヘラなど少しかたいもので優しく削り取ってください。
手順5 水でキレイに洗い流し、乾いた布で水分をしっかり拭き取る
汚れが取れたら、水でしっかり洗い流しましょう。このとき汚れだけでなく重曹も洗い流しきることを忘れないようにしてください。
最後に乾拭きすれば完了です。
【重度の汚れ】重曹を入れたお湯でホーロー製五徳を煮沸
こびり付いたガンコな焦げ付き・油汚れは、重曹と一緒に煮沸すると落ちやすくなります。長く煮すぎると五徳の塗装が剥がれる恐れがあるので、気を付けましょう。
カセットコンロを使うと、ガスコンロの五徳を一度に全部掃除できるのでおすすめです。
用意する洗剤・道具
- 五徳が入る大きさの鍋
- スポンジまたはやわらかい歯ブラシ
- 重曹
- キッチンペーパーまたは布
手順1 鍋に水と重曹を1L:大さじ5の割合で入れる
まず五徳がお湯に浸かる深さの鍋を用意しましょう。
鍋に重曹と水を混ぜ入れるのですが、重曹は必ず鍋に火をかける前に入れてください。沸騰してから重曹を加えると発泡してしまいます。
手順2 鍋を火にかけて沸騰したら五徳を入れ、10分ほど煮る
お湯が飛び散るのが嫌な人は沸騰させる前に五徳を鍋に入れてしまって構いません。沸騰したあとは10分ほど沸騰させたまま煮てください。
手順3 火を止めて、そのまま2~3時間ほど放置して冷ます
時間が経ったら火を止め、五徳を取り出せる温度になるまで放置してください。
手順4 スポンジややわらかい歯ブラシでやさしくこすり落とす
五徳を取り出したら、スポンジまたは柔らかい歯ブラシで汚れをこすり落としていきましょう。
この時点でもこびりついて取れない汚れがある場合は、メラミンスポンジを使用するのがおすすめです。
手順5 水でキレイに洗い流し、乾いた布で水分をしっかり拭き取る
汚れをこすり終えたら、汚れを水できちんと洗い流し、水分を切ってください。最後に五徳をガスコンロに取り付ければ完了です。
しつこい焦げ付きはカッターで剥がせる
五徳表面のデコボコした焦げ付き汚れは、カッターや金属製のヘラ・マイナスドライバーなどで剥がし落とせます。
カッターを使うときは汚れやケガを防ぐために軍手を着用して掃除しましょう。新聞紙の上で作業すると、後片付けがラクです。
五徳の表面と並行になるようにカッターの刃を当てて、少しずつゆっくり焦げ付きを剥がすのがコツ。五徳を傷つけないように、優しく慎重に作業しましょう。
重曹以外で効果的な洗剤とその使い方
五徳掃除に使えるのは、重曹だけではありません。次のようなものも、五徳の焦げ付き汚れや油汚れを落とします。
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クエン酸
重曹だけではとれない汚れに対しては、クエン酸もプラスして掃除してあげましょう。
重曹がアルカリ性の洗剤であるのに対して、クエン酸は酸性の洗剤です。重曹×煮沸でもとれなかった汚れはアルカリ性ですので、酸性のクエン酸で掃除してあげるときれいに取れます。
【使い方】
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セスキ炭酸ソーダ
重曹よりアルカリ性が強いため、よりスムーズに油汚れを落とします。
- 水に溶けやすい
- 重曹は拭き掃除後に残りやすいのに対して、セスキ炭酸ソーダは拭き掃除後に残りにくい
という特性もあり、つけ置き掃除や拭き掃除におすすめです。
【使い方】
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オキシクリーン、ワイドハイター (粉末)などの酸素系漂白剤
五徳の焦げ付き落としには、次のような酸素系漂白剤も効果的です。
【オキシクリーン】
アメリカ発の酸素系漂白剤で、「オキシ漬け」といわれるつけ置き洗いが知られています。オキシクリーンには日本版と、より洗浄力の強いアメリカ版の2タイプがあり、両方とも五徳掃除に使えます。
【ワイドハイター(粉末)】
衣服用漂白剤のワイドハイターには、液体と粉末の2タイプがあります。五徳の汚れ落としには、洗浄力の強い粉末タイプを使いましょう。
【使い方】
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キッチンマジックリン
アルカリ性の性質を持つ「キッチンマジックリン」も五徳の汚れ落としに効果的です。
取り外した五徳にスプレーしてしばらく放置するだけで、汚れがみるみるうちに分解されていきますよ。
【使い方】
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ジフ
ジフはアルカリ性のクレンザーです。クレンザーとは界面活性剤と研磨剤の2つの成分を含んだ洗剤のことを指しており、頑固な汚れ落としにうってつけですよ。
ジフには天然成分のカルサイト粒子が含まれているため、他のクレンザーと比較して傷が付きにくいことが特徴。
コンビニなどで手軽に購入できるのもおすすめできるポイントです。
ビール
五徳の軽い汚れを掃除するなら、飲み残しのビールを使うのもおすすめです。アルコールなどの成分が、油汚れを分解します。ビール以外でもワインや日本酒など、アルコールが含まれているものなら同じように使えます。
【使い方】
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ガンコな汚れを回避しよう!普段からできる手入れ方法
五徳はどうしても汚れやすく、汚れを放置しておくとガンコな汚れになります。そのため普段から汚れを付きにくくすることが大切です。
五徳の掃除後や調理の後片付けのときに、簡単にできる汚れ防止方法をご紹介します。
サラダ油でコーティング
五徳の掃除後に表面を油でコーティングすると、焦げ付き汚れや油汚れが付きにくくなり、サビも防ぎます。また汚れが落ちやすくなるため、五徳の掃除もラクになります。
キッチンペーパーにサラダ油やオリーブオイルなどを少量含ませ、五徳に薄く伸ばしましょう。ベタ付きが気になる場合は、最後に乾拭きするとよいです。
こまめに拭き掃除
調理後に軽い拭き掃除をするだけで、汚れの蓄積を防ぎ、五徳をキレイに保てます。
ガスコンロ使用後、まだ温かいうちに汚れを拭き取りましょう。ラクに汚れを落とせます。ただやけどしないように注意しましょう
引火に最大限注意して五徳をきれいにしよう
五徳の汚れ落としにビールを使ったり、掃除後のコーティングで油を使ったりするときは、引火に注意が必要です。掃除をはじめる前にガスの元栓を閉めること、しっかり乾燥させてから使うことを徹底しましょう。
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