シンクの下に設置することで、生ゴミを処理してくれる便利なディスポーザー。ゴミの量が減るというメリットがあるのですが、普段のお手入れの仕方によっては嫌な臭いが発生してしまうことも。
この記事ではディスポーザーの臭いの原因から掃除方法、洗剤の選び方、注意点まで詳しく解説していくので、是非参考にしてください。
ディスポーザーとは
ディスポーザーとはキッチンシンクの排水口に設置することで、料理や食事の際の生ゴミを処理してくれる機械です。ディスポーザーの内部には生ゴミを投入するためのスペースがあり、蓋をしてスイッチを入れることで運転開始。内部で刃が回転し生ゴミを細かく粉砕してから、そのまま排水口へと流す仕組みとなっています。
ディスポーザーのメリットは、ゴミ出しの負担やシンクの汚れ・臭いを軽減できる点です。排水口から流された生ゴミはマンション共有部の浄化槽で浄化処理されるため、環境への心配もありません。
ディスポーザーは、近年ではマンションの標準設備として導入されることも多くなっています。ただし生ゴミをそのまま流せるといっても、ディスポーザー自体に少しずつ汚れは付着していきます。ディスポーザーの清潔さを保つためには、定期的な掃除が大切です。
ディスポーザー底の茶色汚れ・臭いの原因は?
ディスポーザーの中を覗いたり掃除したりする際に、底に茶色い汚れが付着しているのを目にしたことはありませんか? 更には夏でもないのに、嫌な臭いを感じたこともあるでしょう。これらの汚れや臭いの原因は何なのでしょうか。一つずつ見ていきましょう。
原因は内部に付着した生ゴミのカス
ディスポーザーの汚れや悪臭の原因は、内部に付着した生ゴミのカスです。ディスポーザーは日々の料理の際に出る生ゴミを細かく粉砕し、水と一緒に下水に流してくれます。しかし全ての生ゴミのカスを、綺麗に流しきれるわけではありません。生ゴミの細かなカスは、どうしてもディスポーザーの内部に少しずつ蓄積されていくのです。
ディスポーザー内部に付着した生ゴミのカスを掃除しないまま放置してしまうと、茶色い汚れやヌメリの原因に。更には黒カビがこびりついてしまうこともあるので、ディスポーザーはきちんと手入れすることが大切です。
冬は臭いが強くなる
生ゴミの嫌な臭いが気になる季節といえば、一般的には夏場がイメージされるでしょう。しかしディスポーザーを使用している場合は、冬の臭いにも気をつけないといけません。
家庭のキッチンのディスポーザーで粉砕された生ゴミは、排水管を通ってマンションなどの共用浄化槽(処理槽)に運ばれます。浄化槽内ではバクテリアが生ゴミを液状化。臭いの少ない綺麗な水にまで近づけてから公共の下水道へと排水するのが、ディスポーザー全体の仕組みです。
このバクテリアは気温や湿度が低い冬場は活動が活性化しにくくなるため、冬は臭いが強くなってしまう傾向にあります。
ディスポーザー掃除には重曹&クエン酸!
重曹とクエン酸は、安全性の高い洗剤として知られています。ディスポーザーの掃除にも重曹&クエン酸のコンビは効果大です。最後は氷を入れてディスポーザーを運転することで、粉砕機内部の汚れまで落とせますよ。以下で重曹とクエン酸を用いた掃除方法を、手順ごとに確認しましょう。
重曹とクエン酸が効果的な理由
重曹はアルカリ性の性質を持っています。このため反対の酸性の性質を持つ汚れを中和して、落としやすくしてくれるのが重曹のメリットです。クエン酸は酸性の性質を持っているため、アルカリ性の汚れに有効です。
キッチンのディスポーザー内部には色々な種類の生ゴミや調理で発生した油分など、様々な汚れが付着します。アルカリ性の重曹と酸性のクエン酸を両方使うことで、あらゆる汚れに対処しやすくなることを覚えておきましょう。
手順① 重曹とクエン酸を入れ、30分放置
<手順①で用意するもの>
重曹:カップ1/2程度
クエン酸:カップ1/4程度 お湯:熱湯ではなく、60℃以下くらい (熱湯をディスポーザーに流すと内部のパーツが変形・腐食する恐れがあるため、注意しましょう) |
<掃除手順>
1.粉のままの重曹とクエン酸を、ディスポーザー内部にまんべんなく振りかける
2.60℃以下のお湯を注ぐ 3.泡だってくるので、そのまま30分ほど放置する |
重曹とクエン酸を同時に使用すると、発泡効果で隅々まで洗浄効果が行き渡ります。
この後は「手順②」に進みます。
手順② 氷を入れ、ディスポーザーを回す
<手順②で用意するもの>
氷(粉砕機内部の半分程度) |
<掃除手順>
1.氷をディスポーザーの中に入れる
2.蓋をして水を流し、ディスポーザーを運転する。 3.最後にもう一度水で洗い流して終了 |
氷を入れて運転することで粉砕機内部まで綺麗にできる点が、手順②のポイントです。
その他のディスポーザー掃除方法
ディスポーザーをしっかり洗浄するには、「重曹+クエン酸+氷」が基本です。しかし重曹やクエン酸がなかったり、掃除する時間がない場合もありますね。そのような時でも手軽に実践できるお掃除方法を覚えておくと、いざという時に役立ちますよ。
クエン酸の代用としてお酢でもOK
クエン酸がない場合は、代わりにお酢を使用することもできます。お酢はクエン酸と同じく酸性の性質を持っているため、アルカリ性の汚れを中和可能です。粉のままの重曹(カップ1/2程度)をディスポーザーに振りかけた後、お酢50ml程度を注ぎましょう。クエン酸の場合と同様に泡が発生して、ディスポーザー内部の隙間の汚れまで落とせますよ。
ただしお酢の中でも砂糖や調味料が含まれた黒酢・ポン酢などを掃除に使うと、乾燥後にベタつきが出る可能性があります。お酢を使用する場合は穀物やアルコールを原料とした、穀物酢・ホワイトビネガーを使用しましょう。これらは乾燥した後も、ベタつきは起こりません。
氷だけを使った手軽なお掃除も可能
重曹などの洗剤を使用してしっかり掃除する時間がない時には、氷だけを使ったお手入れでも十分効果的です。ディスポーザーの半分程度まで氷を投入して運転開始。氷が粉砕されてなくなったら、仕上げとして水で綺麗に洗い流せばOKです。
氷を投入するだけでお手軽なので、日常的に実施しておくとディスポーザーの汚れ予防にもなります。
食器用中性洗剤でも効果あり
上記の氷だけの掃除方法に食器用中性洗剤をプラスすることで、洗浄効果が更にアップします。ディスポーザーの半分程度まで氷を投入した後に、中性洗剤を数滴たらしておきましょう。氷が粉砕されるとともに、中性洗剤が軽い汚れを落としてくれます。氷が全てなくなったら、水で洗い流しましょう。
中性洗剤は普段使用している食器洗い用の洗剤でOKです。時間がある時は「重曹+クエン酸+氷」で、忙しい時は「氷+中性洗剤」での掃除方法を組み合わせると、ディスポーザーを清潔な状態に保ちやすくなります。
柑橘類の皮で消臭
ミカンやレモンといった柑橘類の皮には、消臭効果があることが知られています。ディスポーザーの臭いやヌメリが気になる場合は、柑橘類の皮を加えた洗浄で対策しましょう。
皮は小さなミカン1個分程度で十分です。
グレープフルーツのような厚みがある皮の場合は、数センチ程度にカットしておきましょう。柑橘類の皮には酸性成分が含まれているため、嫌な臭いの消臭効果の他に、雑菌の繁殖予防効果も期待できます。
ただし皮を投入する際には、種を一緒に入れないことだけ注意しましょう。大きさも硬さもある種をディスポーザーに投入してしまうと、不具合が出る恐れがあります。
専用ブラシで掃除
ディスポーザーを掃除するための専用ブラシが販売されているので、1本用意しておくと便利です。ディスポーザーの内部は掃除しにくい形状になっていますが、ディスポーザー専用ブラシは長さや太さがちょうどよく調整されています。
使い方は簡単で、まず専用ブラシを水で濡らし、中性洗剤を数滴たらしましょう。あとは生ゴミの投入部からブラシを差し込んで、手で回転させるだけ。奥の隅々までブラシが届いて、汚れを落とせます。
排水管の詰まりはお湯で解消
排水管の油詰まりを感じたら、お湯を流すことで解消できる可能性大です。
排水管に油が流れると温度が低下するにつれて油が硬くなっていき、流しきれなかった油の膜が管に蓄積していきます。この固まってしまった油は温度が上がると再び柔らかくなるので、軽い詰まりならお湯を流し込むことで対処可能なのです。
ただしお湯を流す際には、熱湯を注いではいけません。ディスポーザーは様々なパーツで構成されているため、中には熱に弱いパーツもあります。熱湯を流すとパーツが変形・破損する恐れがあるので、お湯は60℃以下のぬるま湯を使用しましょう。
ディスポーザー掃除の注意点
ディスポーザーは生ゴミを粉砕する機械なので、内部は様々なパーツで構成されています。強力な洗剤や熱湯を流してしまうと、破損や不具合の原因に。ディスポーザーは何に弱いのかをしっかり把握して適切なお掃除方法を選択することが、ディスポーザーの寿命延長につながります。
パイプユニッシュ・オキシクリーンは使わない
塩素系漂白剤のパイプユニッシュや酸素系漂白剤のオキシクリーンは、強力な洗浄力で人気の洗剤です。しかしディスポーザーは粉砕した生ゴミを、浄化槽(処理槽)のバクテリアで更に分解しています。パイプユニッシュやオキシクリーンをディスポーザーに流すとバクテリアを死滅させてしまう恐れがあるため、これらは使用しないように気をつけましょう。ディスポーザーの洗浄には重曹やクエン酸、お酢といった安全性の高い洗剤や、中性洗剤を使用することが大切です。
60℃以上の熱湯は流さない
ディスポーザーに60℃以上の熱湯を流してはいけません。ディスポーザーには塩化ビニールのような樹脂製の排水管や接着剤などが使用されていることが多く、これらの耐熱性能は一般的には60℃程度となっています。
熱湯をディスポーザーに流すと熱に弱いパーツが変形したり、破損する恐れがあることをしっかり覚えておきましょう。インスタント麺やゆで玉子などを作る際に熱いゆで汁を流してしまうのも、ディスポーザーの寿命を短くしてしまう原因です。
週1回は掃除する
ディスポーザーに限らず、掃除をこまめにしておくことで汚れが酷くなるのを防げます。ディスポーザーの場合は内部を掃除しにくいので、日常的に掃除をしておくと大がかりな掃除の頻度を減らせますよ。
目立った汚れやヌメリ、臭いがない場合でも、週に一度はディスポーザーの簡易的な掃除をしておきましょう。上で紹介した氷のみを使用するお掃除方法で、十分効果が上がります。
流してはいけないものを理解する
ディスポーザーは機械なので、流すと不具合を引き起こすものがいくつかあります。基本的には「硬いもの」、「熱いもの」、「油」です。具体的なものを紹介しますので、覚えておいてくださいね。
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その他うっかり食品と一緒に流してしまいやすいものとしては、以下があります。
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無理に掃除しようとせず業者に頼ろう
ディスポーザーのお掃除方法を色々ご紹介しましたが、汚れや臭いがどうしても解消できない場合もあります。そのような時は無理に自分で対処せずに、プロの業者に掃除を依頼しましょう。
ディスポーザーは色々なパーツで構成されている機械です。原因が分からないまま強引に対処しようとすると、破損や故障につながります。プロの業者ならディスポーザーの掃除にも慣れているので、汚れの酷さや状態にあった方法で綺麗にしてもらえますよ。
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