「錆びないはずのステンレスが錆びてる・・・!?」キッチンシンクをはじめ、さまざまな用途で使用されているステンレス。
錆びにくい性質の金属ではあるものの「もらい錆び」や「素材表面の劣化」によって、錆びが発生することもあるんです。
- ステンレスにできた錆びを落としたい
- ステンレスが錆びる原因を知りたい
- ステンレスの錆びを予防したい
そんなあなたのために、酢や重曹など身近なものを使った錆びの落とし方や発生の原因、予防方法を紹介します。
ステンレスの錆びの落とし方7選
ステンレスにできてしまった錆びの落とし方を7つ紹介します。
「お酢」や「重曹」などの身近なアイテムを使って、錆びを落とすことができますよ。
【掃除に使えるアイテム】
- お酢
- 重曹
- メラミンスポンジ
- クレンザー
- 歯磨き粉
- クエン酸
- 木工用ボンド
それぞれの道具を使った掃除方法も、今すぐ真似したくなる簡単なものばかり。
錆びをしっかりと落として、ステンレスをピカピカにしましょう。
「お酢」を使ったこすり洗い
日本のどの家庭にもある「お酢」は、ステンレスの錆落としに効果てきめんです。
手軽にトライできるので、ステンレスの錆びを発見した際にはまず試してみてくださいね。
【用意するもの】
- お酢:50ml
- 水:100ml
- スプレーボトル
- スポンジ
- 雑巾
【掃除の手順】
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水100mlに対してお酢を50ml入れて、スプレーボトルで混ぜ合わせます。
錆びがある箇所にまんべんなくスプレーを吹きかけて、スポンジでやさしくこすり落としましょう。
最後に、雑巾で水気をしっかりと拭き取れば完了です。
汚れが頑固なときはお酢の量を増やすなど、濃さを調節してスプレーを作ると効果的ですよ。
落ちにくい黒錆びには「重曹」が効果的
ステンレスにできた落ちにくい黒錆には「重曹」を使ったこすり洗いが効果的です。
【用意するもの】
- 重曹
- スポンジ
- 雑巾
【掃除の手順】
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ステンレスを水とスポンジで軽くこすって掃除してから、錆びがある箇所に粉末状の重曹を振りかけます。
そのまま5〜10分ほど放置してから、スポンジでこすりましょう。
こすり落としたら、雑巾で重曹と水分をしっかりと拭き取ります。
ステンレス素材には重曹がおすすめですが、アルミ素材に使用するとかえって錆びができやすくなります。
素材がステンレスかどうか、念の為確認してから使用するのが安心です。
「メラミンスポンジ」でやさしくこすり洗い
ステンレスはデリケートな素材のため「メラミンスポンジ」のようなやわらかい素材のお掃除グッズがおすすめです。
【用意するもの】
- メラミンスポンジ
【掃除の手順】
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メラミンスポンジを水に濡らして、錆びをやさしくこすり落としましょう。
ただし、ステンレスに撥水加工が施されている艶感のあるステンレスの場合は、加工がはがれてしまうおそれがあります。使用前に見えにくい箇所で試し使いして、問題がないかどうかを確認してくださいね。
頑固な錆びには「クレンザー」を使用
ステンレスの頑固な錆び汚れには「クレンザー」を使用するのがおすすめです。
研磨効果で錆び汚れをしっかりと削ぎ落とします。
【用意するもの】
- クレンザー
- 雑巾(※)
- スポンジ(※)
- ラップ(※)
※いずれかを使用
クレンザーには複数の種類があり、クリームタイプやペーストタイプ、パウダータイプなどがあります。
しっかりと錆びを落としたい場合や、素材を傷つけたくない場合など、錆びの落とし方に合わせてアイテムを選びましょう。
ステンレス素材を傷めないためにも、クリームタイプやペーストタイプのものを使用するのがおすすめです。
【掃除の手順】
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雑巾やスポンジ、ラップにクレンザーを適量つけて、くるくると円を描くようにやさしくこすり落とします。
落ちない場合は、歯ブラシやたわしを使ってみましょう。こすり落としたら、クレンザーを水で流して乾燥させます。
軽い錆びには「歯磨き粉」が活躍
自宅にクレンザーや重曹がないときは「歯磨き粉」を使った落とし方がおすすめです。
錆びがまだ進行していなければ、ポロポロと簡単に掃除できます。
【用意するもの】
- 歯磨き粉
- 使い古した歯ブラシ
- 雑巾
【掃除の手順】
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歯磨きをする要領で、歯ブラシに歯磨き粉をつけて錆びをこすります。
落ちた錆びは、歯磨き粉ごと雑巾でしっかりと拭き取りましょう。
赤茶色の錆びには「クエン酸」を使用
ステンレスについた錆びの中でも、赤茶色の錆びには「クエン酸」が効果的。
クエン酸を水に溶かして作るクエン酸水を使った落とし方を紹介します。
【用意するもの】
- クエン酸:小さじ1/2杯
- 水:100ml
- スプレーボトル
- キッチンペーパー
【クエン酸水の作り方】
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【掃除の手順】
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キッチンペーパーにクエン酸水を染み込ませ、錆びの上に置きましょう。
そしてそのまま30分ほど放置します。
時間が経ったらキッチンペーパーを取り外し、しっかりと水洗いしましょう。
クエン酸は100均でも手に入るので、手軽にトライできるのも魅力的ですね。
「木工用ボンド」で剥がし落とす方法も
発生からまだ時間の経っていないステンレスの錆びなら「木工用ボンド」ではがし落とすことができます。
【用意するもの】
- 木工用ボンド
【掃除の手順】
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やり方は簡単で、まずは錆びがある箇所にボンドを塗って透明になるまで乾燥させます。
乾燥しきったら、ゆっくりとボンドをはがしましょう。錆びが一緒につるんと取れてすっきりしますよ。
またこのとき、ボンドが乾ききるまでは水がかからないようにしなくてはいけません。掃除中はステンレスシンクを使わないように注意しましょう。
ステンレスの特徴|錆びにくい理由も解説
包丁やフライパン、お鍋などさまざまなキッチンアイテムに使用されているステンレス。
シンクやキッチンラックなど、食器以外のアイテムにも選ばれる素材です。錆びにくくてデザイン性が高いため、愛好家の方も多い素材のひとつ。
自然と使っている「ステンレス」がどのような性質の金属で、なぜ錆びにくいのかを紹介します。
「錆びない」のではなく「錆びにくい」金属
ステンレスは「錆びない」のではなく「錆びにくい」金属です。
ステンレスは英語で「stainless steel」と書きます。「stainless」を直訳すると「錆びにくい」という意味になります。
鉄などほかの金属と比べて「酸化」のスピードが遅い性質を持っているため、錆びに悩むことはそこまで多くありません。
腐食して劣化してしまう鉄の代用品として発明され、キッチンアイテムをはじめとして一般家庭で広く親しまれてきました。
湿気の多い日本では、常に錆びやカビ、水分との戦いです。ステンレスのアイテムをよく見かけるのも頷けますね。
ステンレスが錆びにくい理由
ステンレスが錆びにくい理由は「酸化皮膜」と呼ばれる薄い膜が表面を覆っているからです。
鉄が錆びてしまう原因は、主に鉄が酸素と結びついたときに起こる「酸化」にあります。例えば、鉄が酸化してできた青い錆びに見覚えがある方も多いのではないでしょうか。
ステンレスはこの酸化を防ぐために「クロム」という物質を含んでいます。
クロムは鉄よりも酸素と結びつきやすいので、鉄よりも先に酸化して酸化皮膜となります。
その結果、鉄そのものの酸化を防ぐこととなり、ステンレスの金属部分を錆びから守ってくれるのです。
錆びの有毒性は低い
フライパンやお鍋についた少量の錆びを摂取しても毒性はなく、体に悪いレベルにはなりません。
ただし、量が多くなれば人体に影響が出るおそれもあります。
日頃からしっかりとお手入れをして、ステンレスのアイテムを清潔な状態に保つことが大切です。
ステンレスの方がアルミよりも錆びにくい
ステンレスの方がアルミよりも錆びにくいです。
アルミニウムはステンレスと同じく錆びに強いものの、腐食しやすい性質を持っています。
そのため錆びにくい金属素材を選ぶ際には、ステンレスに軍配が上がるでしょう。
ステンレスが錆びる3つの原因
ステンレスが錆びる3つの原因をそれぞれ解説します。
- もらい錆び
- 酸化被膜の劣化
- こすり傷
錆びにくい性質を持つステンレスですが、まったく錆びないわけではありません。
もらい錆び
ステンレスが錆びる原因の代表的なものが「もらい錆び」です。
ステンレスのアイテムの近くに鉄製の鍋や缶などを置いておくと、そこについた錆びが移ってしまう現象です。
もらい錆びについては次の記事でくわしく解説しています。あわせて参考にしてみてくださいね。
酸化被膜の劣化
「酸化被膜の劣化」もステンレスが錆びる原因です。
ステンレスは塩素に弱い特徴を持ちます。
例えば、海水や塩水、人間の汗には塩素イオンが含まれています。それらが付着すると、ステンレス表面にある酸化皮膜でできたバリアが破壊されてしまい、その部分から錆びが発生することがあるのです。
シンクなどで白い斑点状の錆びが見られる場合は、酸化被膜が破壊されている可能性が高いです。
塩素系の漂白剤を使ってステンレスのアイテムを洗うときは、洗剤が残らないようにしっかりすすぎましょう。
酸化被膜は空気中の酸素と結びついて時間と共に再生するため、錆びを掃除してきれいな状態を保つことも大切です。
こすり傷がついている
ステンレス表面の「こすり傷」も錆びの原因となります。
傷の部分から水分が表面の膜と鉄の間に入り込んでしまうと、わずかに含まれた鉄分によって鉄が酸化する可能性があります。
そのためステンレスのフライパンや鍋を洗う際には、たわしで強くこすり過ぎないように注意が必要です。
ステンレス素材の洗い物の際には、メラミンスポンジや柔らかいナイロンたわしを使うことをおすすめします。やさしくなでるように洗えば、傷がつきにくいですよ。
ステンレスの錆び落としの注意点
ステンレスの錆落としの際に気をつけたい注意点を紹介します。
素材を傷めないためにも、やさしく丁寧に扱うのが基本ですよ。
こすり洗いはやさしく丁寧に
ステンレスの錆びを落とす時のこすり洗いは、やさしく丁寧に行いましょう。
例えばスポンジを使う場合、強い力でゴシゴシとこするのはNGです。
表面が傷つくと、そこからさらに錆びが発生する原因にもなりかねません。
力を入れて錆びを落とすのではなく、洗剤の使用量や種類を変えて掃除するのがポイントです。
「サンポール」の使用は避けるのが無難
高い洗浄力で人気のサンポールは、ステンレスが苦手な塩素を含むためおすすめできません。
サンポールは水垢や尿石といったアルカリ性の汚れに効果的です。
塩素イオンが含まれるため、ステンレスの掃除に用いると表面皮膜を溶かしてしまい、赤錆の原因になります。
ステンレスの掃除をする際には使う洗浄剤のセレクトに注意したいですね。
ステンレスの錆びを予防する4つの方法
ステンレスの錆びを予防する4つの方法を紹介します。
- 油や塩分をしっかりと洗い流す
- ほかの金属製品をステンレス上に放置しない
- 塩素系洗剤を使用しない
- 防錆剤でコーティングする
ちょっとした心がけで、ステンレスを錆びから守りましょう。
油や塩分をしっかりと洗い流す
ステンレスの鍋やフライパンを使ったあとは、汚れがしっかりと落ちるように念入りに洗いましょう。
例えば、油が酸化すると表面皮膜が傷ついて錆びができやすくなります。また、塩分はステンレスの表面皮膜を破壊してしまう成分です。
酸化を防止するためには、日頃からのお手入れが大切です。
ほかの金属製品をステンレス上に放置しない
ステンレスの近くには鉄やアルミなどの、ほかの金属製品を近づけないようにしましょう。もらい錆びが発生する可能性があります。
例えば、ステンレスシンクに調理で使った缶詰の空き缶を置いておくのは要注意です。
料理後には、すぐにでもシンクから離して捨てるようにしましょう。
また料理バサミや金属製のトングなどの台所周りのアイテムは、収納場所をきちんと分けて決めておくとよいでしょう。
すっきり片付けて錆び対策もできるなら、一石二鳥ですね。
塩素系洗剤を使用しない
カビキラーやサンポールなどの塩素系洗剤は使わないようにしましょう。
ステンレスに塩素が触れると、表面皮膜が破壊されて錆びの原因につながります。
ステンレスシンク内で塩素漂白剤を使った掃除を行う際には、シンクに直接つかないように注意してくださいね。
防錆剤でコーティングする
ステンレスの錆防止のために「防錆剤」を使って塗装するのもひとつの方法です。
金属の表面にさらに膜を作り、酵素や水などの錆びを発生させる成分をブロックします。
防錆剤にはスプレータイプやクリームタイプなど、さまざまなタイプがあります。防錆剤を使う前には、加工をしたいステンレスに適しているかどうか説明書をよく読んでから判断しましょう。
また「クレ556」などの商品は防錆剤に似ていますが、錆防止の効果が無いため注意が必要です。
コーティングを業者に依頼する場合
自分でコーティングするのが不安な方は、プロの業者への依頼をおすすめします。
コーティングを含むキッチンクリーニングを業者に依頼する場合の相場は、13,000〜20,000円ほど。
コスト面やかかる手間などを総合的に考えて、自分にぴったりの方法を選択してくださいね。
ミツモアでキッチンクリーニングを依頼する!
自分で掃除しても錆びが取れない場合はプロにおまかせしましょう。
オプションでコーティングを選択すれば錆びの予防もできますよ。
「ミツモア」なら簡単な質問に答えるだけで、プロのキッチンクリーニング業者から最大5件の見積もりが届きます。
ステンレスの錆びにお手上げ状態で困っている方は、クリーニング業者を探してみてはいかがでしょうか。