エアコン設置には、壁に穴をあける工程が必要です。ただし壁の材質次第で、穴あけが難しかったり強度が足りなかったりして、エアコンを取り付けられない場合もあります。設置が難しい壁の種類と対処法を知り、新築や引越し・リフォームの計画に生かしましょう。
エアコン取り付けができない壁の種類
新築やリフォーム、引越しなどでエアコン設置を考えているなら、あらかじめ取り付けが難しい壁でないかを確認しておきましょう。エアコンの取り付けができない壁には、どのような種類があるのかを紹介します。
ひび割れやすいタイルの壁
エアコンを取り付けるための穴あけが難しい壁として、まず挙げられるのはタイルの壁です。タイルは非常に割れやすい材質のため、ドリルで穴をあけようとすると、ひび割れてしまう可能性が高くなります。
タイルの材質によって、ひび割れのリスクが変わることも考慮しましょう。タイルの主な種類と強度は、以下の通りです。
- 磁器質タイル:強度が高い
- 陶器質タイル:磁器質よりも強度が低い
- せっ器質タイル:磁器質よりもろいが陶器質より強度が高い
一度割れたタイルは補修が難しいので、通常の穴あけ工事は難しい可能性が高くなってしまいます。
電線が内部にある鉄筋コンクリート壁
穴あけが難しくエアコン設置ができない壁には、鉄筋コンクリートの壁もあります。鉄筋コンクリートの壁は、電線や配管が内部に通っていることがあるためです。エアコン設置のために穴をあけたとき、電線や配管を傷つけてしまう可能性が考えられます。
耐震強度に影響を与える可能性があるのも、鉄筋コンクリートの壁にエアコンを取り付けるのが難しい理由です。鉄筋コンクリートの建物は地震に強いのがメリットですが、エアコン取り付けのために穴をあけると、そのメリットが失われてしまうリスクがあります。
強度が足りない石膏ボードの壁
石膏ボードでできた壁も、エアコンの取り付けが難しい壁として挙げられます。石膏ボードは心材に石膏を用い、両面を専用の原紙で覆うように加工した建材です。
石膏ボードの壁は、穴あけこそ可能ですが、エアコンを設置するには強度が足りないという問題を抱えています。何らかの対策をしなければ、エアコンを設置したときその重みに耐えられず、壁が破損し、エアコンが落ちてしまうリスクがあるのです。
エアコン取り付けができない壁の対処法
タイルや鉄筋コンクリート・石膏ボードなど、通常の方法では穴あけやエアコンの設置が難しい壁でも、壁の特性に合わせた工夫を施すことで施工が可能になる場合があります。主な対処法を見ていきましょう。
『タイルの壁』コアドリルで穴をあける
タイルでできた壁にエアコンを設置する場合、通常のドリルで穴をあけると、ひび割れが発生してしまうリスクがあります。
しかし、コアドリルという特殊な工具を使えば、ひび割れるリスクを抑えてタイル壁に穴をあけることが可能です。コアドリルは円筒形の穴をあける工具で、さまざまな種類が販売されています。
タイル壁に用いる場合は、回転数が調整でき、水を流せるものがおすすめです。ただコアドリルを使っても、経験と技術がないと、ひび割れを起こさずタイル壁に穴をあけるのは簡単ではありません。熟練の技術を持つ専門業者に依頼するのがベストでしょう。
『鉄筋コンクリート』穴あけ前に内部を調べる
鉄筋コンクリートの壁は、内部に電線や配管が通っている可能性があるため、いきなり穴をあけるのは危険です。まずは壁の内部を調べましょう。
壁の中の状況を把握するには、壁裏センサーなどの専用の機器を使うのがおすすめです。もしくは、設計図面があれば、それを参考にする方法もあります。内部の状況が分かったら、電線や配管を避けながら、慎重に穴をあけていきましょう。
とはいえ、万が一電線を傷つけてしまうと、漏電や火災といった大きなトラブルの原因になりかねません。経験がない場合には、プロに依頼した方が安全です。
『石膏ボード』壁を補強してから穴をあける
石膏ボードの壁は強度が足りないため、そのままエアコンを取り付けると、壁が破損してしまう可能性があります。石膏ボードの壁にエアコンを取り付ける際は、まず壁を補強することが大切です。
具体的には、石膏ボードの裏側にボードアンカーや合板・角材を取り付けて、壁の強度を高めましょう。そうすることで、エアコンの重さに耐えられる壁になります。
壁の補強が完了したら、慎重に穴をあけてエアコンを取り付けていきます。石膏ボードの壁へのエアコン取り付けは手間こそかかりますが、しっかりと補強すれば安全に設置することが可能です。
穴あけが難しい壁のエアコン設置は専門業者に依頼
エアコンが設置できない壁には、主にタイル壁や鉄筋コンクリート壁、石膏ボードの壁があります。特にタイルや鉄筋コンクリートでできた壁は、ひび割れやすかったり内部に電線があったりするために、穴あけが難しいタイプです。
工夫によってエアコンを設置するための穴あけも可能ではありますが、経験や知識がないと失敗して後悔する事態になりかねません。穴あけが難しい壁にエアコンを設置したい場合は、まず実績のある専門業者に相談してみましょう。