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窓用エアコンを取り付けられない窓の種類と特徴は?購入前に知っておきたい注意点

最終更新日: 2024年05月07日

窓用エアコン(ウインドエアコン)は一般的な壁掛けエアコンとは異なり、穴あけ工事や室外機の設置が不要なので様々な場所に設置ができます。

しかしどんな窓にでも設置できるかというとそうではなく、窓用エアコンを設置するにはいくつか条件があります。

本記事ではCORONA社製窓用エアコン「リララウインドエアコン(CW-FA1624R)」を例に、窓用エアコンを設置できない窓についてご紹介します。

窓用エアコンを取り付けられない窓のサイズ

窓用エアコンを取り付けられる窓にはいくつか条件があります。これから紹介する条件はあくまでコロナ社の窓用エアコンCW-FA1624Rのものですが、他社製品でも取り付け可否条件は大きく変わりません。

必ず購入予定の製品の取扱説明書や設置説明書などを確認して、自宅の窓に取り付けられるかをチェックしてから製品を購入しましょう。

窓枠のレールの高さ(立ち上がり)が10mm以下

窓枠のレールの高さのことを「立ち上がり」と言います。窓用エアコンは窓枠の立ち上がりにエアコンの取り付け枠を差し込んで設置します。

立ち上がりの高さが10mm以下だと補助金具を取り付けないと安全に設置できません。

コロナ社のホームページでは取り付けられる窓を以下のように分類しています。

窓枠の素材 立ち上がりの高さ 補助金具の要不要
アルミ製 10mm以上 不要
アルミ製 10mm以下 必要
木製・スチール製 必要

補助金具を取り付けるには窓枠に穴を開けなくてはならないので、賃貸物件であれば退去時に修復する必要があります。

窓の開き幅が470mm以下

窓用エアコンを取り付ける場所は本体の大きさだけでなく、取り付け枠の大きさも考慮して決める必要があります。

CW-FA1624Rに関していえば、窓の開き幅が470mm以下の窓への取り付けを想定していません。

取り付けそのものはできても使用中に脱落などの事故が起きる可能性があります。

窓用エアコン本体が壊れるだけでなく、窓枠や床が損傷して高額な修繕費用が必要になることもあるので取り付け環境はよく確認しましょう。

窓の高さが770mm以下

窓の高さが高い分にはテラス窓用の取付枠を使えば設置できます。しかし窓の高さが770mm以下など、低すぎると取り付け不可能です。

低すぎる窓に窓用エアコンを取り付けようとすると、窓枠とパッキンの隙間が大きくなって外気や虫などが室内に入り込んでしまいます。

ある程度の密閉性がないと室内を冷やせないので、窓の高さにも注意しましょう。

窓用エアコンを取り付けられない窓の形状・種類

窓用エアコンは窓が左右にスライドして開く「引き違い窓」に取り付けることを前提とした製品です。引き違い窓以外の窓に取り付けることは想定されていません。

一般住宅に多い窓のうち、窓用エアコンが取り付けられない窓をいくつかご紹介します。

フィックス窓(はめ殺し窓)

フィックス窓の例

フィックス窓ははめ殺し窓ともいわれます。ハンドルなどがなく、壁に埋め込まれるように据え付けられているため開けることができません。

窓を開けられないということは取り付けるスペースがないので窓用エアコンは設置不可です。

ルーバー窓(ジャロジー窓)・オーニング窓

ルーバー窓の例

横長の長方形のガラス板を複数重ねたルーバー窓やオーニング窓には窓用エアコンを取り付けられません

ルーバー窓の前に窓用エアコンを設置しても活用することはできません。効率よく排熱できないので室温を下げるはずがかえって上昇してしまうことも考えられます。

出窓

出窓の例

出窓は室内側にスペースがあるので窓用エアコンの取り付けに向いているように見えます。

しかし出窓の多くは開かないようになっており、開けるタイプの出窓であっても引き違い窓ではないので窓用エアコンの設置は基本的に不可能です。

自己責任で設置することもできますが、安全に使い続けることが難しいのでおすすめしません。

窓用エアコンを取り付ける前に確認すること

窓用エアコンの取り付け位置を決めるときは以下4つの項目を確認しましょう。

設置位置の吟味をせずに取り付けてしまうと騒音の発生や運転効率の低下などをはじめとしたトラブルが発生します。

自宅内・家庭内で解決できるトラブルだけではなく、ご近所トラブルに発展する可能性もあるので必ずチェックしてください。

窓枠が丈夫で振動が伝わりにくいか

日本の住宅の窓枠にはアルミが用いられることが多いです。アルミサッシは安価に大量生産できるのが強みですが、気密性が低く結露しやすいため、窓枠周辺の木製部分を腐食させてしまうことがあります。

窓用エアコン本体は20kg以上もの重さがあるため、窓枠が丈夫でないと破損などのトラブルが発生します。

背面の風通しが良く1m以上の空間があるか

窓用エアコンも一般的な壁掛けエアコンと同じく、熱交換によって室内の温度を低くしています。効率よく熱交換をするには室外機から吹き出す温風がその場に留まらないようにすることが大切です。

窓用エアコンでは背面から温風が吹き出すので、設置場所は背面から1m以上の空間があり、風通しの良い場所であることが求められます。

背面からの温風が他の家の窓などに吹き付けないか

隣家との距離が短い場合は窓用エアコンが排熱するために出す温風が他の家の窓などに直接吹き付けていないかを必ずチェックしましょう。

窓を通して隣家の室温が上昇してしまうとトラブルに発展しかねません。

排熱風が植物にかからないかも配慮が必要です。温風がかかると植物にとっては大きなダメージになり、枯れてしまう原因にもなります。

雨が吹き込まない窓か

窓用エアコンを取り付ける場所は雨どいのすぐ下などを避けて、雨が吹き込んでこない場所を選びましょう

壁掛けエアコンと同じく、窓用エアコンも内部に水が浸入すると故障の原因になります。

壁掛けエアコンよりは安価とはいえ、窓用エアコンも決して安いものではありません。不適切な位置に設置してすぐに故障してしまうということがないようにしましょう。

窓用エアコン使用時の注意点と対策

便利で簡単に設置できる窓用エアコンには2つの注意点があります。快適に窓用エアコンを使うための対策とあわせてご紹介します。

防犯面で不安が残る

窓用エアコンは窓を開けて使うものであるため、使用時は防犯面で不安が残ります。安心して使うためには補助錠が必須です。

空き巣に入られやすくなるので外出時には使わない方が良いでしょう。

夜間、寝ている間に使うのであれば防犯対策が必要です。

踏むと大きな音がする防犯砂利を敷き、センサーライトを設置すると良いでしょう。目立つ場所に防犯ステッカーを貼ることでも一定の防犯効果があります。

防犯砂利を敷く

  • 踏むと大きな音が鳴るので不審者に気づきやすくなる
  • 比較的安価にできる対策
  • 定期的なメンテナンスが必要

隙間から害虫が侵入することがある

窓用エアコンは取り付け時にパッキンなどで隙間を埋めているとはいえ、使用中に虫が侵入してくることがあります。

虫が入ってこないようにするには隙間を埋めることが重要です。パテや隙間用テープを用いて隙間を作らないようにしましょう。

そのほか虫よけスプレーを使ったり、害虫が嫌がる香りを窓の周辺に噴霧したりすることもおすすめです。

ドレンホースがあるタイプの製品はホースの洗浄も定期的に行うことも害虫対策になります。

パテや隙間テープで隙間を埋める

  • 網戸用虫よけスプレーを使う
  • ミントやローズマリー、レモングラスなど虫が嫌がるアロマを噴霧する
  • ドレンホースの清掃をする

窓用エアコンの取り付けはプロに依頼できる

窓用エアコンは比較的簡単に取り付けができるとはいえ、本体は20kg以上あるので設置経験のない人が1人で完璧に取り付けるハードルは高いです。

もし窓用エアコンの取り付けに不安があるのなら、プロに設置してもらいましょう。

ミツモアでは最大5社から相見積もりが取れるので、サービス内容や料金を比較しながら自分にあった業者を見つけられます。

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