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タレントマネジメントとは?目的から導入方法までわかりやすく解説

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最終更新日: 2024年07月02日

近年の労働に対する価値観の多様化や労働市場の変化を受けて、人材の才能に焦点をあてたタレントマネジメントが注目を集めるようになりました。

この記事では概念や目的、導入方法など、タレントマネジメントの基礎知識をわかりやすく解説します。

タレントマネジメントとは

オフィスで働く人々のイラスト

タレントマネジメントとは、従業員が持つタレント(能力・資質・才能)やスキルの情報を一元管理して、戦略的な人材配置や人材開発を行う人材マネジメントのことです。

適切な人材を見つけて育て、維持することで企業は競争力を高められます。タレントマネジメントは組織の中長期的な成功を支える大きな鍵となるでしょう。

例えば、GoogleやAppleのような企業は独自のタレントマネジメント戦略を通じて、業界をリードするイノベーションを生み出してきました。優秀な人材を引き寄せ、彼らが最大限に能力を発揮できる環境を提供することで、経営目標を効果的に達成できるようになります。

タレントマネジメントの目的

オフィスのひとびと

タレントマネジメントの目的は、組織の目標達成を支える人材を確保することです。

その目的は、さらに以下4つの要素に分解できます。

  • 人材発掘:才能の識別と採用
  • 人材育成:教育とキャリア開発
  • 人材配置:スキルの活用と成果創出
  • 人材定着:エンゲージメント向上と成長

人材は企業の最も貴重な資産といっても過言ではありません。適切な人材戦略を展開できれば、組織はその目標に向けて着実に進められます。

例えば、新しい市場への進出や新商品の開発などを達成するためには、特定のスキルセットを持った人材が必要です。そのために適切な人材を配置して支援することが、成功への道につながります。

タレントマネジメントが注目される理由

ツールを活用するビジネスマンのイラスト

昨今、タレントマネジメントが特に注目されている理由として、以下の2つが挙げられます。

人手不足や人材獲得競争が激化しているから

近年の少子高齢化に伴い、労働人口は減少の一途をたどっています。特にITやエンジニアリングなどの専門職においては、需要に対して供給が追いついておらず、企業間の人材獲得競争は非常に激しいです。

タレントマネジメントは、既存社員のスキルアップやキャリア支援を通じて人材の定着率を高めます。効果的な採用戦略も展開できるようになるため、優秀な人材の確保も可能です。企業の競争力を維持・強化するには、タレントマネジメントが不可欠だといえます。

多様な働き方やダイバーシティの推進が求められているから

リモートワークやフレックスタイム制など多様な働き方が浸透し、企業は柔軟な労働環境の整備を求められています。また、D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)の重要性が増し、今日期待されているのは性別・年齢・国籍の垣根を超えた多様な人材の活躍です。

タレントマネジメントは、個々の社員の特性やスキル、キャリア目標に応じた人材配置・評価を実施します。様々なワークスタイルやコミュニティを推進し、社員一人ひとりの能力を最大限に引き出してくれるのです。

タレントマネジメントの導入方法【7つのステップ】

オフィスで生き生きと働く人々のイラスト

タレントマネジメントの導入方法を7つのステップに分けて解説します。

〈タレントマネジメントの導入方法〉

  1. 明確な目標設定:企業の将来像を形作る
  2. 情報の可視化:タレントデータベースの構築
  3. 採用・育成計画の策定:戦略的人材マネジメント
  4. 従業員の採用と育成の実施
  5. 従業員の最適配置と活用
  6. 計画の進捗モニタリング
  7. 人事評価とフィードバック

1.明確な目標設定:企業の将来像を形作る

タレントマネジメントは明確な目標設定から始まります。企業が成長するためには、人事戦略がビジネス戦略と同期することが重要です。

〈目標設定の例〉

  • 技術革新を加速するため、3年以内に次世代リーダーを10名育成する
  • 新規事業部門を立ち上げて市場における競争力を確立するために、創造性とリーダーシップを備えた5名の専門家を採用・育成する

このように、企業の長期ビジョンに基づいた具体的かつ測定可能な目標を設定しましょう。必要な人材の質、数量、能力レベル、育成期間を特定し、経営戦略に沿った人事戦略を策定します。

2.情報の可視化:タレントデータベースの構築

人事戦略が策定できたら、従業員のタレント情報を可視化します。従業員の経歴やスキル、成果や自己評価などの詳細をデータベース化し、定期的に更新する仕組みを整えましょう。採用や育成の対象となる従業員を迅速に特定できるようになります。

タレントデータベースを構築する際は、タレントマネジメントシステムを活用するのがおすすめです。従業員のタレント情報をひとつのシステムで一元管理できるうえに、人事評価や人材配置のシミュレーションなどタレントマネジメントの運用を進められます。

3.採用・育成計画の策定:戦略的人材マネジメント

タレント情報を可視化できたら、採用・育成計画を策定していきましょう。

採用計画では、経営戦略に必要な人材を適切なタイミングで獲得する準備を進めます。育成計画では具体的な目標達成期間や育成プログラムを設定して、必要なリソースを明確にしましょう。

〈採用計画の例〉

  • 業界内で実績のある専門家を対象に、採用媒体を通じたスカウトや業界イベントでのリクルーティング活動を強化する
  • 従業員のネットワークを活用して信頼できる優秀な候補者を獲得できるよう、リファラル採用を強化する
〈育成計画の例〉

  • 若手社員に対してメンターを割り当てて、月1回の面談とフィードバックを通じて学習と成長をサポートする
  • 将来のリーダー候補に外部セミナーやケーススタディへ参加してもらい、1年間を通じてマネジメントスキルを獲得する

採用では、候補者のデータを集約したタレントプールを活用すると中長期的な目線で効率的に進められます。

4.従業員の採用と育成の実施

採用計画や育成計画を策定できたら、従業員の採用と育成を進めていきます。

採用では求人広告やリファラル採用など多角的なアプローチを活用します。育成ではOJTやOFF-JT、ストレッチアサインメントやジョブローテーションなどを組み合わせ、個々の能力に合わせてカスタマイズされたプログラムを実施しましょう。

人事戦略上で必要な人材とのギャップに対して、今いる人材を成長させたり新たな人材を採用したりして、人材開発の構想が実現するように進めていきます。即戦力の確保と長期的なキャリアサポートを実現しましょう。

5.従業員の最適配置と活用

従業員が自身のスキルを最も発揮されるポジションに配置しましょう。配置後は定期的なパフォーマンス評価とフィードバックを通じて、従業員の能力発揮とモチベーション維持を目指します。現場管理者との綿密な連携が大切です。

また、今後の人事戦略を発展させていくうえで、タレントの現状をリアルタイムで記録していくのが理想的です。想定していた能力を発揮できているか、成長できているか、モチベーションは高まっているかなどの観点から情報を更新していきましょう。

6.計画の進捗モニタリング

計画の実施後は進捗を定期的にモニタリングして、タレントマネジメントの効果を評価します。計画に沿った成果が得られない場合は、教育体制の見直しや計画の調整を行い、柔軟に対応しましょう。

不足しているスキルが明らかになった場合は、追加のトレーニングプログラムを提供したり、他部門からの異動を検討したりしてスピーディーに対応します。これにより高い企業競争力を発揮できるようになるでしょう。

7.人事評価とフィードバック

タレントマネジメントを通じた適切な評価体制を確立して、タレントの評価と貢献度を公正に評価します。個々の成果はもちろん、チームへの貢献度やリーダーシップ能力も評価することが組織全体の成長を実現する上では重要です。

また、キャリアプランや将来の目標についても考慮し、個々の成長を支援するためのアドバイスや機会を提供しましょう。適切なフィードバックとキャリアサポートを提供して、長期的な成長を支援してみてください。

タレントマネジメントの導入事例

勤怠管理の効率化を喜ぶ従業員のイラスト

タレントマネジメントがどのように導入されて活用されているのか、事例を紹介します。

楽天グループ

楽天グループ株式会社では「勝てる人材、勝てるチームを作る」という人事目標のもと、タレントマネジメントを推進しています。プロジェクトの推進にあたっては「採用」「育成」「定着」といった3つの課題感を元に、従来の採用・育成プログラムをすべて見直したとのことです。

採用プロセスの改善や1on1の全社導入にはじまり、フィードバック研修や評価・報酬制度の刷新、そして人材育成マップの作成や管理システムの一斉導入など、多岐に渡る施策を実行。世界にいる楽天グループ従業員の情報を一元管理しながら、必要な人材を必要なポジションに配置するシームレスなタレントマネジメントの実行を通じて、組織をより強くする基盤づくりに努めています。

効果的なタレントマネジメントによる組織力向上を目指そう

オフィスで働くメンバーのイラスト

タレントマネジメントを成功させるためには、組織全体が一丸となって取り組む必要があります。明確な戦略の策定から、適切なツールの活用、強固な組織文化の構築まで組織の目標達成に向けて重要な役割を果たす各ステップを段階的に実行していきましょう。

経営戦略と人事戦略の双方を合致させ、計画から実行、検証、改善までを着実に行うのが成功への近道です。タレントマネジメントを取り入れて、企業の将来を担う人材の開発と組織構築を進めてみてはいかがでしょうか。

次の記事ではタレントマネジメントを成功に導くタレントマネジメントシステムを、製品のタイプ別で紹介しています。ぜひ、あわせて参考にしてください。

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